科目名  数と宇宙2
          数と宇宙2
  
2 単位  
 
 
1~4 年  
後期 
選択 
教員名  中嶋浩一 
授業テーマ
現代科学と相対性理論から見えてくる宇宙の姿 
授業のねらい・到達目標
現代科学でわかってきた「宇宙」像について、その理論構成を理解し、自分のことばで説明できるようになる。また、宇宙を理解するのに必須となる「相対性理論」についても、その正しい筋道が理解できるようになる。さらに「ブラックホール」、「ビッグバン」、「ダークマター」などの最先端の知識の意味が理解できる。 
授業の方法
授業の目的が知識の学習中心であるので、一方的な講義形式が主体となる。ただし、後述の「解答票」にいろいろな質問事項や感想を記入してもらうことによって、受講者との意思の疎通を図ることを考える。また、インターネットの活用、および宿題レポートを課すことによって、自学自習を推進する。 
履修条件
なし 
事前学習・授業計画コメント
教科書(予定)と、それに関連した web ページがあるので、指定された部分を事前に予習すること。また疑問点については毎回「解答票」に記入し、web ページなどでの回答に目を通しておくこと。 
授業計画
1
講義の概略、目的、進め方、成績評価法について解説。最近の天文学の話題について解説。 
2
19世紀の自然科学、相対論前夜。「理論」とは何か、理論の構造。理論の構造から見た、マックスウエルの電磁気理論。マックスウエル理論の新たなナゾと、ローレンツ理論。 
3
アインシュタインの特殊相対論。相対性原理、相対論力学、エネルギーと物質、反物質、双子のパラドクス、など。 
4
一般相対論(1)。時空の歪み、ウラシマ効果、等価原理、重力と時空の歪み、重力方程式。 
5
一般相対論(2)。一般相対論から出てきたこと、重力レンズ、重力波、宇宙の全体構造。 
6
ブラックホール。重力方程式のシュバルツシルドの解とその性質、ホワイトホールとワームホール、ワープとタイムマシンの可能性。 
7
人類の宇宙観の変遷。天動説と地動説、太陽系宇宙から銀河系宇宙へ、泡構造宇宙。 
8
一般相対論から出てくる宇宙の時空構造。4次元的に丸く閉じた宇宙、宇宙の果て、宇宙の大きさ、アインシュタインの宇宙定数、フリードマンの不安定宇宙、膨張宇宙。 
9
膨張宇宙の理論。ハッブルの法則、定常宇宙論、火の玉宇宙論、宇宙の始まり。 
10
宇宙の始まりのための基礎物理学知識。物質の構造、物質の状態、プラズマ、クォーク、4つの力とその統一理論、相転移と潜熱、フェーン現象。 
11
宇宙の始まりの標準理論。4つの力の分化、真空の相転移、宇宙のインフレーション、エネルギーと物質の創生、宇宙の晴れ上がり。 
12
宇宙はなぜ始まったか(1)。基礎物理学知識「量子論」、19世紀の自然科学で解決できなかったナゾ、いろいろな量子仮説、物質波、シュレディンガーの波動方程式、量子力学、不確定性原理、トンネル効果。 
13
宇宙はなぜ始まったか(2)。始まり以前はどうっだったか、トンネル効果と真空の相転移による宇宙の始まり。人類と宇宙。 
14
到達度の確認のため授業内試験と解説を行う。 
15
講義内容の整理、授業内試験の解答解説。 
その他
教科書
教科書を使用する予定であるが、詳細は講義開始時に説明。 
参考書
参考書は講義の中で紹介する。 
成績評価の方法
及び基準
試験(80%) 、 レポート(10%) 、 授業内テスト(10%)
コメント[授業内テストは、小規模のものを毎回実施し、解答を所定の「解答票」に記入して提出する。また宿題レポートを課し、レポート点として採点する。授業内テストおよびレポートは、それぞれ30%満点として採点し、10%を超える超過分は試験の不足分の補填に利用する。詳しくは講義の中で説明。]
オフィスアワー
講義の後、1時間程度、講師控え室にて。