社会学応用講義３

科目名	社会学応用講義３
旧カリキュラム名	社会運動論
教員名	久保田　裕之
単位数	2	学年	2～4	開講区分	文理学部（他学部生相互履修可）
科目群	社会学科
学期	後期	履修区分	選択

授業テーマ	再分配／承認をめぐる政治と新しい社会運動
授業のねらい・到達目標	東日本大震災以降の反原発デモや、ネットやSNSを通じた問題企業に対する不買運動、排外主義勢力による在日外国人排斥運動などが報じられるようになり、近年では再び社会運動の機能や構造への注目が集まっている。この授業では、社会学における社会運動論の位置づけを学ぶとともに、「今ある社会」（事実）と「あるべき社会」（規範）との間の複雑な関係を理解できるようになることが目的である。そのためには、これまでの社会運動の歴史と理論について順を追って検討していく必要がある。また後半は、ネオナチズムや在特会といった排外的・反動的な社会運動にも着目することで、これまでの社会運動論を批判的に検討したい。
授業の方法	原則として、レジュメを配布したうえで講義形式で授業を実施するが、必要に応じてDVD等の映像資料を用いることもある。最終的に、現代の社会問題・社会現象の中から自分の関心のあるトピックをひとつ選択して、授業で扱った社会運動論の観点から論じる期末レポート（A4で4頁程度）を提出する。
履修条件	必須ではないが、「生活構造論」、「社会変動の社会学」、および「文化社会学」など関連科目と併せて受講することが望ましい。
事前学修・事後学修，授業計画コメント	毎回、事前に指定された教科書の該当箇所を読んでくること。加えて、授業の中で配布される学術論文を読んでくること。

授業計画
1	ガイダンス：基本概念の解説（規範理論と経験科学）
2	学説史（１）：マルクス主義と社会運動論
3	学説史（２）：新しい社会運動
4	学説史（３）：再分配／承認の政治
5	奴隷解放運動と公民権運動（１）：
6	奴隷解放運動と公民権運動（２）：
7	労働運動と生活協同組合（１）：
8	労働運動と生活協同組合（２）：
9	女性参政権運動とフェミニズム（１）：
10	女性参政権運動とフェミニズム（２）：
11	ゲイ・プライドとクイア・ムーブメント（１）：
12	ゲイ・プライドとクイア・ムーブメント（２）：
13	反動的社会運動の理論と位置づけ（１）：
14	反動的社会運動の理論と位置づけ（２）：
15	まとめ：社会運動論の射程と限界

その他
教科書	大畑裕嗣・成元哲・道場親信・樋口直人『社会運動の社会学』有斐閣 2004年教科書は授業で直接用いるわけではないが、遅くとも2回目の授業までには入手し、毎回割り当てられた箇所を読んで予習してくること（該当箇所は事前に指示する）。ネットなどで古本を購入してもかまわないが、その場合は版の新しさに注意すること。
参考書	ニック・クロスリー『社会運動とは何か――理論の源流から反グローバリズム運動まで』新泉社 2009年矢澤修次郎編『講座社会学15　社会運動』東京大学出版会　 2003年ナンシー・フレイザー，アクセル・ホネット『再分配か承認か？――政治・哲学論争』法政大学出版局 2012年社会運動論の歴史と現代的展開を知るために、さしあたり三冊を挙げておく。購入する必要はないが、期末レポート作成のために役立てて欲しい。
成績評価の方法及び基準	レポート(70%)、授業参画度(30%) 学期末に提出するレポート（A4で4頁程度）70％、および、授業参加（出席＋リアクションペーパー）30％をもとに総合的に評価する。詳細は初回の授業ガイダンスで確認すること。
オフィスアワー	初回の授業ガイダンスで指示する。