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音楽文化論

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科目名 音楽文化論
教員名 瀬尾 文子
単位数    2 学年 2~4 開講区分 文理学部
科目群 総合教育科目
学期 前期 履修区分 選択
授業テーマ 音楽表現の可能性を追究する
授業のねらい・到達目標 音楽という手段を通して表現されてきたものの実例を知り、それを深く読み解く訓練をする。その術を各自の芸術体験で応用していくことで、自分なりの審美「耳」を養う。
授業の方法 音楽作品の鑑賞と解説。講義形式だが、授業内で不定期に小作文を課することがある。
事前学修・事後学修,授業計画コメント この世には、概念的に説明できないもの、言葉にし尽くせないものが存在する。だが、それらはなぜか、私たちにとって到底無関心ではいられないものばかりだ。それゆえ、何とかそれを感覚的に把握できる対象にしようとする人々が出、私たちは興味津々でその努力の結晶を吟味する。芸術の創作と鑑賞は(今日においては特に)しばしば、そのような動機に基づいて行われるのではないだろうか。本講義では、古今東西の作曲家のそうした創作の取り組みを跡付け、作品を鑑賞する。その際、なぜそのように表現されたのかを、背景的な思想を踏まえながら、重点的に考察する。楽典的な専門知識は必要ないが、なじみのないジャンルの音楽に対しても、心を開いて聴くようにしてほしい。
授業計画
1 導入:音楽の「内容」を論じること ~ハンスリックの自律的音楽美学を超えて
2 宇宙の神秘(1) 松下真一《星たちの息吹き》~音楽と数学
3 宇宙の神秘(2) ダリウス・ミヨー《世界の創造》~西欧における「創造」概念
4 永遠性(1) 無限カノンを使った音楽 ~特定の技法による象徴
5 永遠性(2) チャールズ・アイヴズ《答えのない質問》~構成による象徴
6 永遠性(3) オリヴィエ・メシアン《永遠の教会の出現》~音響による象徴
7 愛のかたち(1) 尺八古典本曲《鹿の遠音》~音楽による自然模倣の意味
8 愛のかたち(2) J.S. バッハ《マタイ受難曲》第49曲 ~キリスト教的愛の表象
9 喜怒哀楽(1) バロック音楽の情念表現 ~修辞学的音楽論
10 喜怒哀楽(2) チャイコフスキー《悲愴》 ~「この旋律は悲しい」の構造
11 うつろいゆくもの(1) 武満徹《秋庭歌一具》~日本的美意識の所在
12 うつろいゆくもの(2) ジョン・ケージ《4分33秒》~音楽的時間とは
13 死者への想い(1) ハインリヒ・シュッツ《音楽による葬送》~音楽による説教
14 死者への想い(2) ラヴェル《クープランの墓》(通称)~西洋音楽における「トンボー」の歴史
15 死者への想い(3) 三善晃《レクイエム》~音楽と反戦思想
その他
教科書 なし
参考書 レナード・バーンスタイン、和田亘訳 『答えのない質問』 みすず書房 1991年 第1版
成績評価の方法及び基準 レポート(70%)、授業内テスト(30%)
オフィスアワー 授業後、教室にて質問・意見を歓迎します。

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