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科目名 | 観光社会学 | ||||
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教員名 | 須藤 廣 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 2~4 | 開講区分 |
文理学部
(他学部生相互履修可) |
科目群 | 社会学科 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択 |
授業テーマ | 2013年、日本を訪れる外国人の数が1000万人を超え、観光は日本の重要な産業の一つとなろうとしている。しかしながら現在、観光が注目されているのは産業としてだけではない。観光は私たちのプライドの問題とも大きく関わっている。世界的なグローバリゼーションの進展は、ローカルの価値を活性化させる役割も果たしてきた。現在、観光はグローバルなまなざしによってローカルの価値を再発見する「メディア」になろうとしている。人間は、他者に見られることによって自分とは何かを確認する。観光者に見られることによって、私たちは社会的アイデンティティを獲得している。 このように産業の問題、プライドの問題が関わる日本の観光化は全てが順調なわけではない。観光化による自然破壊、文化破壊、社会的分裂等、観光は社会に矛盾ももたらす。この授業では観光を社会科学の一分野として客観的に捉え、観光をよりサステイナブルなものにするにはどのようにしたらよいのか考える。 |
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授業のねらい・到達目標 | ・観光から現代の文化消費社会について理解する。 ・観光がもらたす様々な社会的矛盾について考える。 ・観光文化が現代人の共同性創造にいかに関係しているのか考える。 ・観光の社会的矛盾と共同性の創造という両義性を深く考える。 ・現象が理論の枠を超えている観光現象を研究するにフィールドワークが欠かせない。フィールドワークの方法を学ぶ。 ・観光とメディアとの関係、観光地自体が持つメディア性を考える。 |
授業の方法 | 観光社会学は理論が重要であるが、できる限り、スライドや映像を使って、具体的に講義する。 受講生の観光(的)経験からものを考えるようにするため、時々受講生に質問をする。コミュニカティヴな授業を目指す。 理解度をはかるための、ショート・エッセイを授業内で書いてもらうことがある。 |
事前学修・事後学修,授業計画コメント | 社会学の基本的な知識が必要。また、観光(旅)やまちづくりについて関心を持つこと。 |
授業計画 | |
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1 | 観光とは何か(オリエンテーション) |
2 | 消費社会と観光ー観光と非日常消費、観光と自己承認 |
3 | 日本における観光の歴史ー前近代(巡礼、湯治) |
4 | 観光の歴史ー前期近代(観光産業の興隆、大衆観光、ナショナリズム) |
5 | 観光の歴史ー後期近代(特化する観光、オルタナティヴツーリズム、オタク観光) |
6 | 観光化と観光の理論ーブーアスティン、マキァーネル、リッツアー |
7 | 観光と社会的分裂1ー観光文化とステレオタイプの押しつけ:ハワイの観光から |
8 | 観光と社会的分裂2ー観光文化とステレオタイプの押しつけ:由布院温泉(プロジェクトXの由布院表象を批判する) |
9 | 観光と社会的分裂3ー観光文化と生活文化の対立:アジアの少数民族観光から |
10 | 観光と社会的分裂4ー映画『ザ・ビーチ』を観る |
11 | ディズニーランド化する観光地:アラン・ブライマンの「ディズニー化論」を検討する |
12 | 社会のディズニーランド化について考える:ディズニーランドのキャストとゲスト。ディズニーランド型監視社会について考える。 |
13 | ポスト・ツーリズム論:虚構を虚構と知りながら観光する観光形態について考える(マンガ・アニメ『らき✩すた』の聖地鷲宮、秋葉原観光を中心に) |
14 | ポスト・ツーリズムとメディア論:メディア化する観光地と観光地住民、観光産業従業員、観光者の参与(動員)について考える。 |
15 | まとめ:観光はどこに向かっているのか。観光に対して、社会学はどのように向き合うべきか。 |
その他 | |
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教科書 | 須藤 廣 『観光化する社会ー観光社会学の理論と応用』 ナカニシヤ出版 2008年 第1版 |
参考書 | 須藤廣、遠藤英樹 『観光社会学』 明石書店 2005年 第1版 須藤 廣 『ツーリズムとポストモダン社会―後期近代における観光の両義性』 明石書店 2012年 第1版 鈴木謙介 『ウェブ社会のゆくえ―<多孔化>した現実のなかで (NHKブックス No.1207)』 NHK出版 2013年 第1版 |
成績評価の方法及び基準 | レポート(70%)、授業参画度(30%) |
オフィスアワー | 授業終了後、本館2Fの講師控え室にて20分程度 |