人文地理学特別講義２

科目名	人文地理学特別講義２
教員名	田林　明
単位数	2	学年	3	開講区分	文理学部
科目群	地理学科
学期	後期	履修区分	必修

授業テーマ	地球環境を舞台に展開される人間活動を多面的に探求し、その性格や構造を明らかにするのが人文地理学である。人文地理学の考え方と方法、内容を、位置や分布、地域、環境、景観、空間的相互作用といった人文地理学の主要概念ごとに、具体的な事例を示しながら説明する。
授業のねらい・到達目標	人文地理学の知識と方法を学び、地球上の資源や産業、生活、文化などにかかわる様々な現象の仕組みと性格を理解し、変動しグローバル化が進む現代社会に対処し、工夫しようとする姿勢を身につけることを目標とする。
授業の方法	人文地理学の主要概念ごとに経済や社会、文化などに関する事例を具体的に提示しがら、講義形式で授業を進める。理解を助けるために映像教材や配布資料を用いる。要点については板書で確認しながら授業を進める。
事前学修・事後学修，授業計画コメント	授業中に紹介された文献を読んだり、授業で取り上げた現象と関連するものに興味をもち、自ら調べてみること。授業の際には、地図帳（中学や高等学校で使用したもので十分）を持参することが望ましい。

授業計画
1	授業のねらい：講義の構成と目標、人文地理学者とは何をする人か？
2	人文地理学の課題と視点：人文地理学の発展過程と課題、視点と概念（位置、分布、地域、環境、景観、空間的相互作用）
3	位置という概念：数理的位置・立地場所・関係位置、中央アジアの廃墟の形成とアメリカ東部の都市発展を位置の概念から解釈する
4	分布という概念(1)：空間的分布という考え方、日本における稲作の分布
5	分布という概念(2)：人間生活と気候、方言の分布
6	地域という概念(1)：等質地域・結節地域・意識地域、等質地域としての農業地域区分、B.ベリーのアメリカ合衆国アイオア州の中心地体系にみる結節地域
7	地域という概念(2)：意識地域からみたアメリカ合衆国、地域構造をいかに組み立てるか
8	環境という概念(1)：環境決定論・環境可能論・地球の改変者としての人間論・環境認知論、ハンチントンの気候と文明にみる環境決定論
9	環境という概念(2)：北アメリカの大干ばつにみる可能論、地球の改変者としての人間論（現代の環境問題）、環境認知論（メンタルマップ）
10	景観という概念：農村景観と都市景観
11	空間的相互作用という概念：空間的相互作用の法則、文化伝播の諸類型、サウアーの農業の起原論
12	人文地理学の研究事例(1)：景観と就業構造からみた農村の変貌過程
13	人文地理学の研究事例(2)：商品化する日本の農村空間
14	授業内試験と解説
15	現代社会における人文地理学の役割、講義内容の整理

その他
教科書	なし
参考書	高橋伸夫・田林　明・小野寺　淳・中川　正『文化地理学入門』東洋書林 1995年第1版山本正三ほか『改訂版　自然環境と文化－世界の地理的展望－』原書房 2004年第1版田林　明編『商品化する日本の農村空間』農林統計出版 2013年第1版
成績評価の方法及び基準	レポート(20%)、授業内テスト(60%)、授業参画度(20%)
オフィスアワー	本授業終了後、本館2Fの講師室で20分間。また、授業内でE-mailアドレスを伝えますので、そちらに連絡していただいても結構です。