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現代家族論

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平成28年度以降入学者 現代家族論
平成27年度以前入学者 生活構造論
教員名 久保田 裕之
単位数    2 学年 2・3 開講区分 文理学部
科目群 社会学科
学期 前期 履修区分 選択
授業テーマ キーワードで学ぶ現代家族とその外部(入門編)
授業のねらい・到達目標 現代の家族をめぐる男女関係や親子関係の変化は、私たちにとって最も身近なテーマのひとつでありながら、考えたり議論したりすることが最も難しいテーマでもある。
この授業では、広く「婚活」「ひきこもり」「赤ちゃんポスト」といった現代社会と家族をめぐるキーワードについて学びながら、とりわけ家族研究とは切っても切り離せない「ジェンダー」と「ケア」という二つの観点から、現代の家族をめぐる状況の変化を批判的に検討していく。こうした作業を通じて、現代の家族をめぐる諸問題についての基本的な理解を身につけ、議論の全体像と争点を把握できるようになることを目的とする。
同時にまた、「家族」という論争的な題材を扱うことを通じて、常識を疑う批判的思考や、論証・議論のための論理的思考、具体的なレポート作成技術なども併せて身につけたい。
授業の方法 原則として、毎回ひとつのトピックについて、レジュメを配布したうえで講義形式で授業を実施するが、必要に応じてDVD等の映像資料を用いることもある。最終的に、現代の家族にかかわる社会問題・社会現象の中から自分の関心のあるトピックをひとつ選択して論じる期末レポート(A4で2-4頁程度)を執筆する。
履修条件 特になし。ただし、本講義は同教員が担当する「社会学応用講義Ⅰ(社会史・家族史)」および「家族社会学1・2」の履修条件になっているので注意すること。また、必須ではないが、「ジェンダー論」「家族関係論」「家族福祉論」「社会政策論」「公的扶助論」といった関連授業と併せて受講することが望ましい。
事前学修・事後学修,授業計画コメント 毎回、事前に指定された教科書の該当箇所を読んでくること(事前に指示する)。また、各回のトピックについては授業に参加する前に新聞記事やネットで事前に調べておき、自分なりの意見を持っておくこと。
授業計画
1 準備講義(1):社会史と近代家族
2 準備講義(2):ジェンダーと性分業
3 「就活」と「婚活」:女性のライフコースの変容と家族
4 「非正規雇用」と「ブラック企業」:職場と家庭の性分業
5 「育メン」と「ワークライフバランス」:家庭における性役割とその変化
6 「同性婚」と「クイア家族」:社会的承認としての婚姻・家族
7 「DV」と「虐待」:公領域と私領域における女性への暴力
8 「赤ちゃんポスト」と「子ども手当」:子どもは誰のものか
9 「シングルマザー」と「父親の権利」:生殖にかかわると義務と権利
10 「障がい者家族」と「家族の愛情」:愛情あふれる家族からの脱出
11 「消えた年金」と「消えた高齢者」:誰が老人を介護するのか
12 「シェアハウス」から考える:親密性と共同生活の切断
13 「おひとりさま」と「ひきこもり」:居住と家族をめぐる問題の諸相
14 第2回目から第13回目までの講義内容について質疑応答を行う
15 まとめ:世代間互酬の再編成に向けて/フィードバック
その他
教科書 牟田和恵編 『家族を超える社会学――新たな生の基盤を求めて』 新曜社 2009年
教科書は授業で毎回用いるわけではないが、遅くとも2回目の授業までには入手し、毎回割り当てられた箇所を読んで予習してくること(該当箇所は事前に指示する)。ネットなどで古本を購入してもかまわないが、その場合は版の新しさに注意すること。
参考書 神原文子・杉井潤子・竹田美知編 『よくわかる現代家族』 ミネルヴァ書房 2009年
落合恵美子 『21世紀家族へ―家族の戦後体制の見かた・超えかた』 有斐閣 2004年 第3版
久保田裕之 『他人と暮らす若者たち』 集英社新書 2009年
戸田山和久 『新版 論文の教室』 NHK出版会 2012年
家族社会学に関心を持った受講生のために3冊を挙げておく。購入しておく必要はないが、期末レポート作成のために役立てて欲しい。また、論文・レポートの書き方についての優れたテキストも挙げておくので、持っていない受講生はこの機会に購入しておくこと。
成績評価の方法及び基準 レポート(85%)、授業参画度(15%)
学期末に提出する期末レポート(85%)、および、毎回のコメントシート(15%)をもとに総合的に評価する。詳細は初回の授業ガイダンスで確認すること。
オフィスアワー 授業期間中の水曜昼休み
本館4階久保田研究室(407)
hkubota@chs.nihon-u.ac.jp

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