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科目名 平成28年度以後入学者 |
代数学特論I | ||||
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教員名 | 泊 昌孝 | ||||
単位数 | 2 | 課程 | 前期課程 | 開講区分 | 文理学部 |
学期 | 後期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業テーマ | 特異点理論入門:1. 複素解析空間の特異点概論-特異点解消、2.特異点の可換環論-正規次数付き環の特異点論 |
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授業のねらい・到達目標 | 特異点を持つ複素解析集合の特異点解消の基礎、可換環論の基礎知識を習得し, イデアル類群と例外集合の関係、ヒルベルト関数を代表とする環論的な不変量を特異点解消から決定する方法を紹介する。正規次数付き環(C*-作用を持つ特異点)に限定し、UFD の分類、因子類群が小さい特異点の分類についての最新結果を紹介する |
授業の方法 | 講義形式で行う. |
事前学修・事後学修,授業計画コメント | 事後学習では、講義に出てきた定理や証明を、参考文献にあたって確認してもらいます。その理解を確認した上で、その次の講義にうつります。 その際の、正直な自分の理解への認識が重要になります。 |
授業計画 | |
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1 |
複素解析空間の特異点概論1、特異点解消、正規空間の性質、 【事前学習】代数幾何、あるいは、複素解析幾何における多様体の扱いについて、教科書達を手にとり、イメージを持つよう努力をしておく. |
2 |
複素解析空間の特異点概論2、特異点解消の具体的構成、曲線の特異点解消と正規化 【事前学習、事後学習】配布資料により、キーと成る用語、を自分の専門に従って予習する、Laufer の本の第1章を読んでおく. また、講義の内容に従って結果を参考書などで各自確認する |
3 |
複素解析空間の特異点概論3、2次元正規孤立特異点、例外集合の不定値性、グラウエルトの定理 【事後学習】教科書(樋口etc) の記述にあるいくつかの定理を指示にしたがい確認する |
4 |
複素解析空間の特異点概論4、Laufer 流の2次元特異点解消、その他特別な構造をもつ場合の特異点解消法 【事前学習、事後学習】Laufer の教科書の第2章、第3章から中心となる結果を読んでくること. 課題として、特異点解消の計算を実際に行ってみる事を考えている |
5 |
複素解析空間の特異点概論5、2次元有理特異点、楕円型特異点、Artin, Brieskorn, Laufer の基本結果 【事後学習】教科書、および、指定の参考論文をコピーし、目標とする定理を読んで理解する |
6 |
正規次数付き環の特異点論 1、正規次数付き環の構成(Pinkham-Demazure の構成) 【事後学習】渡辺敬一氏の教科書の指定部分を確認し、自力証明をいくつか埋めてみる |
7 |
正規次数付き環の特異点論 2、次数つきブローイングアップ空間の幾何、 【事後学習】渡辺氏の教科書、および、Demazure の論文の指定箇所を確認 |
8 |
正規次数付き環の因子類群、次数付き UFD の Pinkham-Demazure 構成による記述 【事後学習】渡辺敬一氏の該当論文について、講義の内容との関係を確認しておく |
9 |
正規次数付き環の特異点論、特異点解消と可換環論的性質 【事後学習】これまでに紹介してきた定理の意味、具体例を自分なりに考えてみる |
10 |
2次元正規特異点の分類、特に、次数付き環で表現できるクラス 【事後学習】渡辺公夫の分類、渡辺敬一の教科書を用いて超曲面ケースの分類について課題を考えはじめる |
11 |
正規次数付き環の Pinkham-Demazure 構成として見た際の有理因子 D の計算 【事前学習】因子 Dと proj を指定して定める可換環の計算例と、逆算して D を定める計算を資料に従って計算してくる |
12 |
正規次数付き環の Pinkham-Demazure 表現を通して、楕円型、およびそれを超える2次元次数つき特異点の分類 【事前学習、事後学習】現在知られている2次元のクラスの分類表を文献で準備し、講義の後、Demazure 構成で表現しなおしてみる |
13 | 研究発表1 主に事後学習として提出してきたテーマについて受講者諸君の成果を確認する |
14 | 研究発表2 前回に引き続き、受講者の成果に応じて専門結果を紹介し、研究討論ができるスタイルを続ける |
15 | まとめ |
その他 | |
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教科書 | 樋口禎一、吉永悦男、渡辺公夫 『多変数複素解析入門 (数学ライブラリー 51)』 森北出版 1980年 第1版 Henry B. Laufer, Normal Two-dimensional Singularities:Annals of Mathematics Studies , Princeton University Press, 1971 渡辺敬一 『可換環論における代数幾何的手法 ( Nagoya mathematical lectures = 多元数理講義録 11)』 名古屋大学多元数理研究科 2013年 第1版 特異点論を学ぶのは、それぞれの研究をする目的や興味によって、非常に多くのバリエーションがあるだろう。本講義では、まず、特異点を特異点解消を用いて理解することを出発点である。Laufer の教科書は、本当に理解できる、貴重な書物である。これを出発点に様々な手法がある。また、可換環論とくに次数付き特異点を扱ったものでは、渡辺敬一氏の講義論は貴重である。 |
参考書 | その他、参考になる文献、論文は講義内で適宜指示する |
成績評価の方法及び基準 | レポート(30%)、授業参画度(70%) |
オフィスアワー | 講義の最初の時間に指示する. |