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環境社会学

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科目名 環境社会学
教員名 松崎茂
単位数    2 学年 3・4 開講区分 文理学部
(他学部生相互履修可)
科目群 社会学科
学期 後期 履修区分 選択
授業概要 21世紀の世界にとって,環境問題は避けて通ることのできない問題である。近代以降,人間・社会と自然環境との関係は大きく変化し,今や人間・社会こそが自然破壊の最大の原因となっており,文明の逆説ともいえる状況になってしまっている。本講義では,環境社会学の基本的なアプローチから人間と自然環境との関わりの仕方を理解し,また倫理的な観点にも言及しながら,未来に向けた人間のあるべき姿を共に考えていくことにしたい。
授業のねらい・到達目標 本講義では,テーマ毎に具体的な事例をビデオで視聴し,それに関連する社会学や隣接領域の理論的枠組みを提示しながら解説を行う。受講生は,理論的枠組みを用いて現代の環境問題を理解し,それに基づいて自らの考えを整理し,記述できるようになることが期待される。

この科目は文理学部(学士(社会学))のディプロマポリシーDP2及びカリキュラムポリシーCP3に対応しています。
授業の方法 講義形式で行う。各回コメントシートを,適宜小テストを課す。
本授業の事前・事後学習は,各2時間の学習を目安とします。
履修条件 なし。授業内で指示した環境問題に関連する参考図書や資料について,理解を深めておくことが望まれる。
授業計画
1 ガイダンス:本講義の概要を解説し,併せて進め方,成績評価等の説明を行う。環境問題の出現が,社会と社会を研究する学問(社会学を含む社会科学全般)に与えた影響について論ずる。
【事前学習】環境社会学という学問について調べる。
【事後学習】図書館で環境問題に関する辞書・事典に目を通す。
2 現代社会と自然環境①:森,川,海の連続した生態系の保全活動を事例として,地域社会の生活と自然環境との関わりを論ずる。
【事前学習】地域の自然保全活動を調べる。
【事後学習】生態系を体験できる身近な場所に足を運び,その状況をまとめる。
3 現代社会と自然環境②:野生生物の保護活動を事例として,消費社会の生活と自然環境との関わりを論ずる。
【事前学習】絶滅の危機に瀕した野生生物について調べる。
【事後学習】人間と動物による生息地域の奪い合いをどのようにしたら解決できるかを考えてまとめる。
4 自然保護の基本理念:ヘッチへッチ渓谷の事例から自然保護をめぐる「保存主義」と「保全主義」の思想の特徴について論ずる。
【事前学習】ジョン・ミューアとギフォード・ピンショーの思想を調べる。
【事後学習】自然がもつ価値について理解し,整理して自分の見解をまとめる。
5 世界自然遺産の保護:白神山地の保護について論ずる。
【事前学習】世界自然遺産の概要を調べる。
【事後学習】厳格な保護管理の方法の長所と短所について整理し,自分の見解をまとめる。
6 動物と人間:動物と人間の関係を動物解放論・権利論の観点から論ずる。
【事前学習】野生生物や家畜,ペットなど動物の扱いの違いを調べる。
【事後学習】人間による動物の利用とその範囲について考え,自分の見解をまとめる。
7 環境正義論:貧困地域と環境汚染の関連について環境正義論の観点から論ずる。
【事前学習】正義と社会的公正の概念を調べる。
【事後学習】貧富の格差と環境汚染地域の関係を理解し,自分の見解をまとめる。
8 中間まとめ:前半の講義内容を整理する。
【事前学習】前半の授業内容について復習する。
【事後学習】気になった問題についてより深く調べる。
9 公害問題①:熊本水俣病の概要と歴史について論ずる。
【事前学習】四大公害問題,熊本水俣病について調べる。
【事後学習】加害企業チッソの行動について考え,自分の見解をまとめる。
10 公害問題②:熊本水俣病にみる受益圏と受苦圏の構造について論ずる。
【事前学習】公害病の被害者の声を調べる。
【事後学習】経済成長と環境保護の対立をどのように克服できるのかを考え,自分の見解をまとめる。
11 社会的ジレンマ①:「囚人のジレンマ」と「合理的選択理論」について論ずる。
【事前学習】囚人のジレンマと合理的選択理論を調べる。
【事後学習】身近な関係に適用して理解を深め,内容を整理してまとめる。
12 社会的ジレンマ②:「共有地の悲劇」と「持続可能性」について論ずる。
【事前学習】ギャレット・ハーディンによる共有地の悲劇について調べる。
【事後学習】共有地の悲劇の内容と持続可能性の概念と関連づけて理解してまとめる。
13 持続可能な社会①:「成長の限界」と資源エネルギー問題について論ずる。
【事前学習】ローマ・クラブによる成長の限界について調べる。
【事後学習】化石燃料の利用の長所と短所を整理し,成長の限界を克服する方法について自分の見解をまとめる。
14 持続可能な社会②:持続可能な開発目標(SDGs)とパリ協定について論ずる。
【事前学習】持続可能な開発目標とパリ協定を調べる。
【事後学習】地球的な協力関係をいかにして構築できるかを考え,自分の見解をまとめる。
15 総括:これまでの学習内容の確認。
【事前学習】後半の授業内容について復習する。
【事後学習】関心のある問題についてより深く調べる。
その他
教科書 プリント配布。必要な文献については適宜指示する。
参考書 舩橋晴俊ほか 『環境社会学』 放送大学教育振興会 2003年
ジョン A.ハニガン 『環境社会学―社会構築主義的観点から』 ミネルヴァ書房 2007年
鬼頭秀一 『自然保護を問いなおす』 筑摩書房 1996年
その他,必要に応じて指示する。
成績評価の方法及び基準 レポート(60%)、授業参画度(40%)
授業参画度は,毎回のコメントシート,適宜行われる小テストで評価される。また,期末にはレポートが課される。それらにより総合的に評価する。
オフィスアワー 質問等は,授業終了後に教室にて受け付ける。

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