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計算物理学

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科目名
平成28年度以降入学者
計算物理学
科目名
平成27年度以前入学者
計算物理学
教員名 大西楢平
単位数    2 学年    3 開講区分 文理学部
科目群 物理学科
学期 前期 履修区分 選択
授業概要 物理学の基礎方程式は主に微分方程式によって与えられているが、系の非線形性や複雑な相互作用によりほとんどの方程式は理論的な解析解が見つからず解の予測は容易ではない。計算物理は数値シミュレーションによって基礎方程式を解き物理系の予測を行うものである。様々な分野の物理現象が共通の数値解法によって記述されることを理解する。基礎方程式の解を可視化等の情報処理を行い物理現象の理解を深める。
授業のねらい・到達目標 物理学の基礎方程式を解き現象の理解と予測を行うための数値計算の基礎的な手法を習得する。基礎的原理を組みたてて目的に達するための論理的プロセスをプログラミングを通して学習する。最近のAIにおけるdeep learningなどの基本処理はpythonによる行列処理が中心になっていることから、行列の計算技術と処理方法も学習する。物理系の数値シミュレーションによる解法を身に付け物理量の可視化を行うことで現象の理解を深め独自に新しいプログラムを構築できることを目的とする。

この科目は文理学部(学士(理学))のディプロマポリシーDP6及びカリキュラムポリシーCP9に対応している。
授業の方法 計算機利用可能な環境の下で、解説資料を授業時間内にファイルで配布する。テーマの課題に対してプログラムを作成し計算結果の解釈を行う。科学技術計算に最適なプログラム言語の一つであるpythonとその可視化モジュール,visual pythonやmatplotlibなどを用いたプログラミングとデータ処理によるシミュレーションを行う。力学と電磁気学に関するテーマは共通課題として、基本的プラグラミングの方法の習得を図る。その後各自興味のあるテーマを選択設定し授業期間内にシミュレーションを行えるようプログラムの開発を行い結果の物理的解釈を記述してレポートを作成する。物理学の基本方程式の数値解析法は配布資料で事前に説明する。
本授業の事前・事後学習は、各2時間の学習を目安とします。
履修条件 なし
授業計画
1 プログラムの基本事項の説明。pythonの利用環境の説明と必要なモジュールの紹介。プログラムの実行の仕方とテーマ選択の説明。[事前学習]シラバスを事前に確認すること。[事後学習]第2回以降の授業のため各自のアカウント内に課題のファイルの保存方法を確認すること。
2 pythonの色々なモジュールの紹介と可視化の方法。2、3次元のアニメーションのデータ処理方法。
[事前学習]パソコン所有者はpythonの環境を導入してみること、そうでない場合はインターネット利用で実行方法を試みてみること。[事後学習]授業でのサンプルコードを実行してみること。
3 物体の運動と可視化のプログラム作成方法。落体運動やバネの振動運動の可視化プログラムを作成する。
[事前学習]配布資料の力学の運動方程式。[事後学習]グラフの作成方法。
4 ニュートンの運動方程式を解くための微分方程式の数値解法。
[事前学習]配布資料による数値微分方程式の誤差解析。[事後学習]計算データの整理。
5 多粒子系問題。主に重力多体系や剛体の運動及び角運動量の計算と3次元表示。リスト処理方法とアニメーション。
[事前学習]配布資料のケプラーの法則[事後学習]レポート作成のためのデータ整理。
6 電磁気学における電場、磁場中の荷電粒子の運動。
[事前学習]配布資料の電磁気学[事後学習]計算データの整理。
7 電磁場の解析。ベクトル場の計算。可視化による場の考えかたの理解。
[事前学習]ベクトル演算[事後学習]レポート作成のためのデータ整理。
8 光の屈折とスペクトルの計算による可視化。光に関する物理量の数値的意味。
[事前学習]配布資料の波動光学[事前後習]レポート作成のためのデータ整理。
9 行列の計算。線形変換、特にベクトルの回転。
[事前学習]配布資料の行列演算[事後学習]レポート作成のためのデータ整理。
10 固有値問題の波動や練成振動子への応用。
[事前学習]配布資料の固有値の求め方[事後学習]レポート作成のためのデータ整理。
11 固有値問題と量子系。シュレディンガー方程式の解法。
[事前学習]配布資料の境界値問題[事後学習]レポート作成のためのデータ整理。
12 拡散方程式と熱拡散。ランダム過程、フラクタル等の計算と可視化。
[事前学習]配布資料のランダムウォーク[事後学習]レポート作成のためのデータ整理。
13 選択テーマのプログラミングとシミュレーションの実行。結果の整理。
[事前学習]選択テーマの内容の整理[事後学習]レポート作成のためのデータ整理。
14 事前に示した本講義の内容に関するレポート課題について、質疑応答及びフィードバックを行う。
[事前学習]共通課題と選択テーマのまとめ[事後学習]レポート作成のためのデータ整理。
15 レポート課題の提出とこれまでの講義内容について復習・解説を行い授業の理解を深める。
[事前学習]選択テーマのまとめ
その他
教科書 使用しない
参考書 大西楢平(著者代表) 『計算物理の世界 (情報フロンティアシリーズ第21巻)』 共立出版 1998年
ハーベイ•ゴールド、ジャン•トボチク(石川•宮島訳) 『計算物理学入門』 ピアソン•エデュケーション 2000年
上坂吉則 『Vpython プログラミング入門』 牧野書店 2011年
中久喜 健司 『科学技術計算のためのPython入門ーー開発基礎、必須ライブラリ、高速化』 技術評論社 2016年
掌田 津耶乃 『データ分析ツール Jupyter 入門』 秀和システム 2018年 第1版
成績評価の方法及び基準 レポート(70%)、授業参画度(30%)
出題した課題のレポートを逐次提出すること。
オフィスアワー 本館2階講師室。
備考 授業内に課題が終わらなかった場合、自分のパソコンを持っている場合はpythonの環境を整えて自分で計算することを勧める。そうでない場合はpythonの環境が利用できるインターネットを利用して計算をおこなうこと。

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