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生物学概論 (本科目は「生物学概論1/2」として開講する)

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科目名
平成27年度以前入学者
生物学概論 (本科目は「生物学概論1/2」として開講する)
教員名 福井由理子
単位数    4 学年 1~4 開講区分 文理学部
科目群 生命科学科、コース科目
学期 通年 履修区分 選択
授業概要 前期:生物学でいう「生きる」こととはどういうことか? 生物学では細胞は生命の最小単位とされる。ヒトの体を構成する細胞の成り立ち、構造、働きを理解して「生きる」ことを理解する。
後期:「体の内と外」が授業の基本テーマである。私たちは、飲食をし排泄をするし、呼吸をする。感染症にかかっても回復できる。いわゆる五感を通して外部世界の情報を得てそれに対して反応を起こす。私たちの体の内部と体を取り巻く外部は、どのように関わりあっているかを総合的に理解する。
授業のねらい・到達目標 前期:細胞がおこなう生命活動について、物質代謝、エネルギー代謝を含めて、細胞小器官の構造と機能を学ぶ。また、生命の重要な特質である自己複製や生命の継続について、細胞分裂、生殖、発生、遺伝の基礎を学ぶ。
後期:私たちが健康に暮らすために、体内の環境を整える必要があり、また、外部あるいは体内からの刺激に対し適切に反応しなければならない。こうしたことが複数の器官系の相互作用や連携によって円滑に行われることを学習する。長大な時間を取れば生息する環境の変化などに適応して生物は進化すること、ヒトもまた生物の進化の過程で生じたことを知る。
授業の方法 授業内容のプリントを配布し、解説する。理解を促進するため、なるべく画像や動画を見る機会を持つようにする。
毎回終了時に、前回の授業内容に関する簡単な質問に答え、そのシート(「提出シート」とよぶ)を回収する。

本授業の事前・事後学習は,各2時間の学習を目安とする。
履修条件 特になし。今まで、高校の「生物基礎」を履修しなかった人、履修したがかなり忘れている人などが試験を受けて全員単位を取得している。学生には、授業プリントをていねいに復習し、教員に積極的に質問をするなどの自己努力を望みたい。
授業計画
1 生物と生命:
生物とは? 生命とは? この問に答えることは意外に難しい。生命現象のいくつかの特質を確認し、その基盤となっている物理・化学の基本原理を解説する。生命の起源、あるいは地球外の生命の可能性などにも触れる。
「事前学習」シラバスを事前に確認しておくこと。
「事後学習」講義プリント、自分のノートなどを復習し、疑問点を次回の講義まで持ち越さないようにする。
2 原核細胞と真核細胞:
細胞は生命の最小単位といわれる。細胞が必ず備えていなければならないことは何だろうと考える。原核細胞と真核細胞について、両者を対比しながら解説し、細胞の出現と進化を考える。これは今後の細胞の学習にとって必須である。
「事前学習」シラバスを事前に確認し、講義内容について自分が知っていることがあれば思い出してみる。
「事後学習」講義プリント、自分のノートなどを復習し、疑問点を次回の講義まで持ち越さないようにする。
3 細胞膜の構造と機能:
細胞膜の成分、細胞膜の構造、細胞膜を構成する分子の振る舞い、細胞への各種物質の出入りの仕方などを解説する。
「事前学習」シラバスを事前に確認し、講義内容について自分が知っていることがあれば思い出してみる。
「事後学習」講義プリント、自分のノートなどを復習し、疑問点を次回の講義まで持ち越さないようにする。
4 細胞小器官と細胞骨格:
真核細胞に見られる細胞小器官の構造と機能、および細胞骨格の働きを解説する。受講前に細胞膜について復習すること。
「事前学習」シラバスを事前に確認し、講義内容について自分が知っていることがあれば思い出してみる。
「事後学習」講義プリント、自分のノートなどを復習し、疑問点を次回の講義まで持ち越さないようにする。
5 細胞の増殖:
自己複製は生命現象の特質の一つである。細胞がどのようにして自分と同じものを増やすのか、細胞の増殖がどのように調節されているのかを解説する。
「事前学習」シラバスを事前に確認し、講義内容について自分が知っていることがあれば思い出してみる。
「事後学習」講義プリント、自分のノートなどを復習し、疑問点を次回の講義まで持ち越さないようにする。
6 細胞内の情報伝達:
細胞内外のいろいろな変化に対して細胞が適切に応答するために、細胞内でどのようなことが起こっているかを解説する。
「事前学習」シラバスを事前に確認する。細胞膜、細胞小器官と細胞骨格など、今までの講義内容を復習しておくこと。
「事後学習」講義プリント、自分のノートなどを復習し、疑問点を次回の講義まで持ち越さないようにする。
7 遺伝情報1 DNAの構造と複製:
遺伝子の本体であるDNAの成分、二重らせんと呼ばれる構造、およびその複製について解説する。
「事前学習」シラバスを事前に確認し、講義内容について自分が知っていることがあれば思い出してみる。
「事後学習」講義プリント、自分のノートなどを復習し、疑問点を次回の講義まで持ち越さないようにする。
8 遺伝情報2 転写と翻訳:
遺伝子DNAの遺伝暗号に基づいてタンパク質が合成される過程を解説する。
「事前学習」シラバスを事前に確認する。前回の講義内容、DNAの構造について確実に理解しているようにする。
「事後学習」講義プリント、自分のノートなどを復習し、疑問点を次回の講義まで持ち越さないようにする。
9 エネルギーの変換1 呼吸:
「生体のエネルギー通貨」といわれ、細胞の営みに欠かせないATPという物質について解説し、次にATPがどのようにして生成されるかを述べる。
「事前学習」第2回「原核細胞と真核細胞」、第3回「細胞膜の構造と機能」、第4回「細胞小器官と細胞骨格」のうちミトコンドリアについて、自分の理解を確実にしておくこと。
「事後学習」講義プリント、自分のノートなどを復習し、疑問点を次回の講義まで持ち越さないようにする。
10 エネルギーの変換2 光合成:
二酸化炭素のような無機の炭素化合物から有機化合物を合成する炭酸同化という過程の一つである光合成について解説する。
「事前学習」第2回「原核細胞と真核細胞」について、自分の理解を確実にしておくこと。
「事後学習」講義プリント、自分のノートなどを復習し、疑問点を次回の講義まで持ち越さないようにする。
11 生殖、性と死:
真核生物における生殖、性とは何か、細胞の死などについて解説する。
「事前学習」染色体、細胞分裂について自分の理解を確実しておくこと。
「事後学習」講義プリント、自分のノートなどを復習し、疑問点を次回の講義まで持ち越さないようにする。
12 動物の発生:
精子と卵が合体した受精卵を出発点として成体になるまでの過程を、遺伝子の発現という観点から解説する。
「事前学習」第8回「遺伝情報2 転写と翻訳」の内容について、自分の理解を確実にしておくこと。
「事後学習」講義プリント、自分のノートなどを復習し、疑問点を次回の講義まで持ち越さないようにする。
13 遺伝(メンデル遺伝、多因子遺伝、集団の遺伝):
個体に発現する遺伝形質には、単一の遺伝子だけで決まるもの、複数の遺伝子と環境とによって決まるものがある。また、集団における遺伝について基本事項を解説する。
「事前学習」第11回「生殖、性と死」の減数分裂と染色体の配偶子への分配について、自分の理解を確実にしておくこと。
「事後学習」講義プリント、自分のノートなどを復習し、疑問点を次回の講義まで持ち越さないようにする。
14 第13回までの講義内容の、自分の理解度・到達度の点検を授業内テストとして行う。
「事前学習」前回までの講義プリントやノート、提出シートの問題をしっかりと復習すること。
「事後学習」テストを受けて理解度が足りないことがあったら、講義プリントなどを参照して理解を確実にしておく。
15 解説 まとめと展望:
第14回の授業内テストについて、講評と解説を行う。
詳細は未定であるが、「生物学と社会」について、あるトピックについて解説する予定。
「事前学習」今までの講義内容を確認しておく。
「事後学習」生命科学や医療に関する問題に遭遇した時、本講義で学んだことを活かして考える。
16 進化と生物・体の内部と外部:
われわれヒトをはじめとする生物は、長い時間を経た進化の結果、現在生きている。私たちの体には、空間的には内部に位置していても、生理的意義としては外部に相当する部位がある。
「事前学習」シラバスを事前に確認しておくこと。
「事後学習」講義プリント、自分のノートなどを復習し、疑問点を次回の講義まで持ち越さないようにする。
17 動物の体の内部環境/消化器:
体内の「真の」内部とはどこか。餌を取ることが不可欠である動物にとって、消化器の果たす役割は非常に大きい。
「事前学習」シラバスを事前に確認しておくこと。
「事後学習」講義プリント、自分のノートなどを復習し、疑問点を次回の講義まで持ち越さないようにする。
18 呼吸器・泌尿器:
多くの生物が、生きるために必要な「使える形のエネルギー」を得るために呼吸を行う。また、代謝の結果生じた老廃物の処理と排泄も生きるための重要な営みである。
「事前学習」シラバスを事前に確認しておくこと。
「事後学習」講義プリント、自分のノートなどを復習し、疑問点を次回の講義まで持ち越さないようにする。
19 体液・自律神経・内分泌:
われわれの体を構成する多数の細胞は、太古の原始的細胞が海水中で生きていたように、体液に浸って生きている。体液の諸条件を整える必ために、自律神経系や内分泌系が大きな役割を果たす。
「事前学習」シラバスを事前に確認しておくこと。
「事後学習」講義プリント、自分のノートなどを復習し、疑問点を次回の講義まで持ち越さないようにする。
20 生体防御・免疫系:
外部から体内への異物の侵を防ぐ生体防御のしくみ、また、体内に侵入した異物、体内に生じた病変した細胞を取り除くための働きについて学ぶ。
「事前学習」シラバスを事前に確認しておくこと。
「事後学習」講義プリント、自分のノートなどを復習し、疑問点を次回の講義まで持ち越さないようにする。
21 刺激の受容と感覚:
視覚を取り上げる。眼における光の刺激の受容、脳における視覚情報の処理と統合などについて解説する。
「事前学習」シラバスを事前に確認しておくこと。視細胞における光の需要の分子機構に関しては、授業の前に生物学概論1の第6回「細胞内の情報伝達」について復習しておくことが理解を助けるだろう。
「事後学習」講義プリント、自分のノートなどを復習し、疑問点を次回の講義まで持ち越さないようにする。
22 動物における情報処理と出力:
神経細胞(ニューロン)と筋細胞の構造と機能について学ぶ。
「事前学習」シラバスを事前に確認しておくこと。また、生物学概論1を履修した人は、3、4回の細胞膜や細胞骨格について復習することが望ましい。
「事後学習」講義プリント、自分のノートなどを復習し、疑問点を次回の講義まで持ち越さないようにする。
23 生存戦略と情報戦略:
動物が繁殖をして子孫を残すやり方には、大きく分けると2つのタイプがある。また、外部からの刺激に反応するやり方にも、大きく分けると2つのタイプがある。
「事前学習」シラバスを事前に確認しておくこと。
「事後学習」講義プリント、自分のノートなどを復習し、疑問点を次回の講義まで持ち越さないようにする。
24 進化1:環境への適応:
進化とはどのようなことを言うか。ダーウィンの自然選択(淘汰)説について、事例をあげながら解説する。
「事前学習」シラバスを事前に確認しておくこと。
「事後学習」講義プリント、自分のノートなどを復習し、疑問点を次回の講義まで持ち越さないようにする。
25 進化2:進化の理論1--性選択・血縁選択
20世紀に、自然選択以外の理論として普及した性選択、血縁選択について、事例をあげながら解説する。
「事前学習」シラバスを事前に確認しておくこと。
「事後学習」講義プリント、自分のノートなどを復習し、疑問点を次回の講義まで持ち越さないようにする。
26 進化3:進化の理論2--中立説
分子生物学の時代になって登場した、分子進化、分子進化の中立説について解説する。授業の前に、生物学概論1の第7、8回のDNAの構造や機能について復習しておくことが望ましい。
「事前学習」シラバスを事前に確認しておくこと。
「事後学習」講義プリント、自分のノートなどを復習し、疑問点を次回の講義まで持ち越さないようにする。
27 進化4:ヒトへの進化:
約700万年前に、ヒトの祖先はチンパンジーとの共通祖先から分かれて進化をしてきた。いわゆる、猿人、原人とよばれる祖先人類について解説する。
「事前学習」シラバスを事前に確認しておくこと。
「事後学習」講義プリント、自分のノートなどを復習し、疑問点を次回の講義まで持ち越さないようにする。
28 進化5:ホモ・サピエンス:
ネアンデルタール人、われわれホモ・サピエンスについて、最近の知見を交えながら解説する。
「事前学習」シラバスを事前に確認しておくこと。
「事後学習」講義プリント、自分のノートなどを復習し、疑問点を次回の講義まで持ち越さないようにする。
29 第13回までの講義内容の、自分の理解度・到達度の点検を授業内テストとして行う。
「事前学習」前回までの講義プリントやノート、提出シートの問題をしっかりと復習すること。
「事後学習」テストを受けて理解度が足りないことがあったら、講義プリントなどを参照して理解を確実にしておく。
30 解説 まとめと展望:
第14回の授業内テストについて、講評と解説を行う。
詳細は未定であるが、「生物学と社会」について、あるトピックについて解説する予定。
「事前学習」今までの講義内容を確認しておく。
「事後学習」生命科学や医療に関する問題に遭遇した時、本講義で学んだことを活かして考える。
その他
教科書 使用しない
参考書 デイヴィッド・サダヴァ他 『カラー図解 アメリカ版 大学生物学の教科書 第1巻 細胞生物学 (ブルーバックス)』 講談社 2010年
デイヴィッド・サダヴァ他 『カラー図解 アメリカ版 大学生物学の教科書 第2巻 分子遺伝学 (ブルーバックス)』 講談社 2010年
デイヴィッド・サダヴァ他 『カラー図解 アメリカ版 大学生物学の教科書 第3巻 分子生物学 (ブルーバックス)』 講談社 2010年
東京大学生命科学教科書編集委員会 『理系総合のための生命科学 分子・細胞・個体から知る“生命"のしくみ』 羊土社 2013年 第3版
東京大学生命科学教科書編集委員会 『文系のための生命科学』 羊土社 2011年 第2版
成績評価の方法及び基準 授業内テスト(80%)、授業参画度(20%)
授業内テスト(80%)、授業参画度(20%)
14回の授業内テストには、毎回の終了時に回収する「提出シート」の穴埋め問題や選択問題に準じた問題、および、記述(描画や作図を含む)を行う問題が出題される。その得点によって評価する。
授業参画度は、毎回の「提出シート」の提出状況、およびその内容によって評価する。
オフィスアワー 授業終了時。質問用のE-mailアドレスを知らせる。

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