文理学部シラバスTOP > 文理学部 > 総合 I 群 > 民俗学
日本大学ロゴ

民俗学

このページを印刷する

令和２年度入学者 民俗学
令和元年度以前入学者 民俗学１
教員名 野村典彦
単位数    2 学年 1～4 開講区分 文理学部
科目群 総合教育科目
学期 前期 履修区分 選択
授業の形態 オンデマンド授業
授業概要 非日常の言語活動である「かたり」の世界を中心に、口伝えの説話を考察する。
文字の世界と口承の世界との関係、伝承の背景にある社会の状況も視野に入れる。
授業のねらい・到達目標 ・伝承文学を学ぶ基礎力を身につけるとともに、顔を見ておこなう生身のコミュニケーションが失われがちな今日の生活を省みる手がかりを得られるようにする。
・前近代の日本人と神々との交流を学びながら、それと関わる世界諸国の歴史や政治， 経済，文化，価値観，信条 などを理解できるようにする。
・近代化の中で日本人が手放した考え方を思い出し、各地の生活に根差した多様な価値観を認められるようにする。
この科目は文理学部（学士（文学））のディプロマポリシーDP1,3及びカリキュラムポリシーCP2,6に対応している。

なお、新カリキュラム（令和２年度以降の入学者）では、この科目は文理学部（学士）のディプロマポリシーDP1,2,3及びカリキュラムポリシーCP1,2,3に対応している。

・経験や学修から得られた豊かな知識と教養に基づいて，倫理的な課題を理解し説明することができる。(A-1-1)
・世界諸国の歴史や政治，経済，文化，価値観，信条などの現状を概説できる。(A-2-1)
・仮説に基づく課題や問題を提示し，客観的な情報を基に，論理的・批判的に考察することの重要性を説明できる。(A-3-1)
授業の方法 印刷物を配布しながらの講義
授業計画
1 説話の伝えること　―『今昔物語集』と猫肉のハンバーガー―
(A1-1)
【事前学習】芥川龍之介『羅生門』を読み直しておく。 （１時間）
【事後学習】話型の伝承について確認する。 （１時間）
2 三輪山神話　―蛇にみこまれた女―
(A1-1)
【事前学習】助動詞「けり」の働きを復習しておく。 （１時間）
【事後学習】神話・伝説・昔話・世間話、それぞれの違いを確認する。 （２時間）
3 ザシキワラシと異人殺し　―『夢十夜』第三夜―
(A1-1)
【事前学習】『遠野物語』のザシキワラシが登場する話を読んでおく。 （１時間）
【事後学習】民俗社会の心意を確認する。 （２時間）
4 『遠野物語』の誕生　―こっくりさんと怪談会―
(A1-1,A2-1)
【事前学習】『遠野物語』の「初版序文」を読んでおく。 （１時間）
【事後学習】明治期の作家たちと柳田国男の関係を確認する。 （２時間）
5 『遠野物語』の描くカッパ　―観光と伝承―
(A3-1)
【事前学習】『遠野物語』の河童が登場する話を読んでおく。 （１時間）
【事後学習】遠野が「民話のふるさと」であることについて自分の考えをまとめる。 （２時間）
6 昔話の伝承形態　―相槌の意味―
(A1-1)
【事前学習】『遠野物語』の「昔々」の話を読んでおく。 （１時間）
【事後学習】昔話をかたる際の約束事を確認する。 （２時間）
7 バスガイドの1927年　―民謡・伝説の楽しまれ方―
(A3-1)
【事前学習】太宰治『富嶽百景』、「富士には月見草がよく似合う」の場面に目を通しておく。 （２時間）
【事後学習】柳田国男の口承文芸研究が構築される背景を確認する。 （２時間）
8 桃太郎の1930年　―岡山の桃太郎が怠け者であること―
(A3-1)
【事前学習】犬山の桃太郎神社・岡山の桃太郎伝説について検索しておく。 （１時間）
【事後学習】柳田国男の口承文芸研究が構築される背景を確認する。 （２時間）
9 話は庚申の晩　―チンギス＝ハーンが源義経であること―
(A1-1)
【事前学習】「弁慶の立ち往生」について確認しておく。 （１時間）
【事後学習】映画『八甲田山』、結びの場面を確認する。 （２時間）
10 鮭の大助がくる晩　―魚の背に乗ってきた男―
(A1-1)
【事前学習】第９回の授業をふまえ、第６回の授業の復習をしておく。 （３時間）
【事後学習】かたりが行われる時を確認する。 （３時間）
11 おとぎ話の「トギ」　―モノガタリをする晩―
(A1-1)
【事前学習】第６回、第９回、第10回の授業の復習をしておく。 （３時間）
【事後学習】折口信夫の「お伽話」論を確認する。 （２時間）
12 民話と童話　―トルストイの受容あるいは家庭の団欒―
(A1-1,A2-1)
【事前学習】白樺派や『赤い鳥』について知識を得ておく。前時に紹介した柳田国男の「童話」観を復習しておく。 （３時間）
【事後学習】「童話」という語が民俗学において用いられない理由を確認する。 （２時間）
13 「夕鶴」と炭鉱の幽霊　―「民話」と日本人の戦後―
(A2-1,A3-1)
【事前学習】木下順二『夕鶴』の内容を確認しておく。 （２時間）
【事後学習】「民話」という語が民俗学において用いられない理由を確認する。 （３時間）
14 学校の怪談　―松谷みよ子の訴え―
(A3-1)
【事前学習】『龍の子太郎』『怪談レストラン』など松谷みよ子の仕事を確認しておく。 （２時間）
【事後学習】「学校の怪談」についての理解を深める。 （２時間）
15 現代の伝承　―汽車に化けた狸や狐―
(A3-1)
【事前学習】近代社会における説話の受容と「昔話・伝説」研究の展開をまとめておく。 （４時間）
【事後学習】日々の生活における「かたり」と「はなし」の意義を確認する。 （４時間）
その他
教科書 なし
参考書 柳田国男 『遠野物語』 （文庫、各社の違いは授業で説明する）
『野村純一著作集　全９巻』 清文堂出版
野村敬子 『語りの回廊』 瑞木書房 2008年
野村典彦 『鉄道と旅する身体の近代 （越境する近代　10）』 青弓社 2011年
成績評価の方法及び基準 試験(75%)、授業内テスト(25%)
『遠野物語』を読むことは必須。
オフィスアワー 講師室（授業前）。もしくは授業後に教室で。

↑このページのトップ