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政治学

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令和2年度入学者 政治学
令和元年度以前入学者 政治学1
教員名 石川晃司
単位数    2 学年 1~4 開講区分 文理学部
科目群 総合教育科目
学期 前期 履修区分 選択
授業の形態 課題研究を中心としておこないます
授業概要 本講義では、近代政治学の理論的側面を中心に講述し、近代における政治の全体的な構図を理解してもらうことを目標とします。近代の国民国家の成立・展開を辿りながら、その中で政治学の基礎概念、政治制度、政治体制、政治思想を学んでいってもらいたいと考えております。周知のように、現在、国内的にも国際的にも政治的な大変動が起こっております。現代の政治についての理論や分析手法を理解したうえで、国民国家の将来についても、できる限り深く踏み込んでみるつもりです。
授業のねらい・到達目標 この科目を履修することで、憲法・法律・経済・文化・国際関係の広いコンテキストで政治を理解することが可能になります。
この科目は、文理学部教育課程表のA-2(DP2・CP2)[世界の現状を理解し、説明する力]の1、A-3(DP3・CP3)[論理的・批判的思考力]の1、A-4(DP4・CP4)[問題発見・解決力]の1に対応しています。
世界諸国の歴史や政治,経済,文化,価値観,信条などの現状を概説できる(A-2-1)。
仮説に基づく課題や問題を提示し,客観的な情報を基に,論理的・批判的に考察することの重要性を説明できる(A-3-1)。
事象を注意深く観察して,解決すべき問題を認識できる(A-4-1)。
授業の方法 基本テキストとして論説「国民国家・憲法・戦争」(所収・石川晃司著『改訂版 国民国家と憲法』三和書籍 2019)を使用します。これは Black board で配布します。この論説に詳しい説明を加えていくという授業のやり方です。多角的な理解を深めてもらうために、授業では、基本テキストの他に、 Black board を利用して必要に応じて様々な補助資料が配布されます。現状では(2020年4月)、図書館の利用もままならないと存じますので、インターネットに配信されている資料を極力利用できるように配慮するつもりです。
 また、Black board の掲示板機能を使って、質問や議論の機会を提供したいと考えております。授業内テストやレポートを課した場合には、設問に対する解説や全体的な講評によってフィードバックを行います。受講生は、その都度の授業で学習したことを「本当かな?」という批判的視点で検証してみる姿勢が大切です。
授業計画
1 政治と政治的思考(課題研究)
【事前学習】政治と道徳の関係について自分なりに調べてみること (2時間)
【事後学習】マキャヴェリの政治思想をもとに政治の本質について纏めること (2時間)
2 近代政治社会の構成原理1――個人主義・合理主義(課題研究)
【事前学習】個人主義と合理主義の起源について調べておくこと (2時間)
【事後学習】個人主義と合理主義が近代の政治にどのような特質をもたらしたかを纏めること (2時間)
3 近代政治社会の構成原理2――社会契約説・民主主義(課題研究)
【事前学習】ホッブズ、ロック、ルソーの社会契約説について調べておくこと (2時間)
【事後学習】社会契約説と民主主義(民主政治)の関連について纏めること (2時間)
4 近代政治社会の構成原理3――自由主義・資本主義(課題研究)
【事前学習】ロック、A.スミス、ベンサムの自由主義について調べておくこと (2時間)
【事後学習】自由主義と資本主義が密接な関連のものとに発展したことを理解すること、また初期においては資本主義がプロテスタンティズムと密接な関連を持っていたとするM.ウェーバーの議論を理解すること (2時間)
5 近代政治社会の構成原理4――人権思想・法の支配・権力分立(課題研究)
【事前学習】人権という考え方がどのようにして出てきたのか調べること (2時間)
【事後学習】人権尊重、法の支配(立憲主義)、権力分立の関連を理解すること (2時間)
6 ナショナリズムと国民国家の生成1――幻想としてのネイション(課題研究)
【事前学習】フランス革命を例にして国民(ネイション)の生成について調べること (2時間)
【事後学習】国民(ネイション)の実質的側面と擬制的側面を理解すること (2時間)
7 ナショナリズムと国民国家の生成2――近代産業とネイション(課題研究)
【事前学習】E.ゲルナーとB.アンダーソンのネイションの議論を調べておくこと (2時間)
【事後学習】国民国家と経済体制の関連を理解すること (2時間)
8 政治社会の変容と民主主義の変容(課題研究)
【事前学習】大衆民主主義について調べること (2時間)
【事後学習】市民社会の民主主義と大衆民主主義相違、および大衆民主主義の危険性について纏めるこ (2時間)
9 社会主義の展開と教訓(課題研究)
【事前学習】社会主義が出てきた必然性およびソ連の社会主義について調べること (2時間)
【事後学習】社会主義国は、なぜトータリターリアニズムとして壮大な失敗に終わったのか、その理由を纏めること (2時間)
10 国民国家と戦争(課題研究)
【事前学習】戦前の日本軍国主義(国家主義)について調べること (2時間)
【事後学習】国民国家と戦争機械の密接な関係について纏めること (2時間)
11 相対化される国民国家の諸相(課題研究)
【事前学習】EU、グローバル経済、デジタル産業革命について調べること (2時間)
【事後学習】国民国家の将来について、自分なりの展望を纏めてみること (2時間)
12 政治権力の理論(課題研究)
【事前学習】政治権力の様々な在り方について調べること (2時間)
【事後学習】政治権力の中でも国家権力がどのような意味を持つかを纏めること (2時間)
13 M.フーコーの新しい権力理論(課題研究)
【事前学習】M.フーコーの思想について自分なりに調べておくこと (2時間)
【事後学習】M.フーコーの権力理論の「新しさ」について理解し纏めること (2時間)
14 政治学の任務と対象(ディスカッション)(課題研究)(A-2-1)(A-3-1)
【事前学習】これまでの授業の論点を整理し疑問点を明確にすること (2時間)
【事後学習】議論を通して深めることができた知見を纏めること (2時間)
15 到達度の確認と試験 (課題研究) (A-4-1)
【事前学習】これまでの授業内容全体を復習しておくこと (2時間)
【事後学習】理解が間違っていたところを修正すること (2時間)
その他
教科書 教科書は使用しません。
授業補助プリントを使用します。
参考書 石川晃司 『a 『改訂版 国民国家と憲法』』 三和書籍 2019年
秋山和宏・照屋寛之 『b 『新編 現代政治過程』』 三和書籍 2019年
 aは、 石川担当の憲法で教科書として使用しているものですが、政治学の授業内容に関連する部分を多く含んでおります。特に第Ⅰ部の論説「国民国家・憲法・戦争」は、本講義の教材(補助プリント)としても使用します。
 bは、 政治学の基本的な教科書で、本授業でも一部を使用します。
成績評価の方法及び基準 試験(100%)
基本的には、期末試験または期末レポートでおこないます。期末試験の場合は、事後学習で課題とした内容から出題します。その他に授業内レポートなどを課した場合は、それも加味します。加味の割合については通知します。
オフィスアワー 授業についての質問等は、Black board の掲示板を利用してお答えいたします。これを皆で共有することで、議論が盛んになることを期待します。

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