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映像文化論

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令和2年度入学者 映像文化論
令和元年度以前入学者 映像文化論
教員名 荒井泰
単位数    2 学年 1~4 開講区分 文理学部
科目群 総合教育科目
学期 前期 履修区分 選択
授業の形態 オンデマンド型の遠隔授業(12回)と課題研究(3回)を組み合わせる。
授業開始までにBlackBoardのコースID20200191:2020映像文化論(荒井泰・前・月1)に登録し、初回授業の注意事項に従って準備をしておくこと。
授業概要 この授業は「ホラー映画の文化史」をテーマとしています。
1976年に公開された映画『キャリー』が世界的大ヒットになってからというもの、どの国の映画マーケットにおいてもホラー映画がごく一般的に製作されるようになりました。ここ日本でもホラー映画は身近なものです。1990年代半ばには『リング』などのいわゆる「Jホラー」のトレンドがあり、また最近でも『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』などいくつものホラー映画が話題になっています。
実のところ、ホラー映画は以下の2つの点において、ドイツ語圏文化と密接に関係しています。
・ホラー映画の起源のひとつとされるのが、ドイツ表現主義映画を代表する『カリガリ博士』(1919年)であること。
・第2次世界大戦後のホラー映画の潮流のひとつは、ナチスの恐怖を物語に取り込んでいること(たとえばダリオ・アルジェント『サスペリア』など)。
授業ではこれらを歴史的に概観しながら、その背景にあるドイツ語圏の文化を考察します。

さらに、ホラー映画を映画史的に扱うだけはなく、映画理論を用いて「ホラー映画とはなにか?」について考えてみます。その際、おもに美学者ノエル・キャロルが「心のパラドクス」と呼んでいる、以下の2つの問題について扱います。
・どうして私たちは存在しないとわかっているものを恐れるのか。
・不快な経験をするとわかっているのに、どうして私たちはホラー映画を見に行くのか。
授業のねらい・到達目標 ドイツ映画を中心に、ヨーロッパのみならずハリウッド映画におけるホラー映画表現の変遷を通して、ドイツ語圏の言語文化、さらにそこから見えるヨーロッパ文化を中心とした幅広く豊かな知識と教養をもとに、社会に対しての倫理観を高めることができる。(A-1-1)
得られる情報を客観的に捉え、論理的な思考、批判的な思考をすることができる。(A-3-1)
謙虚に自己を見つめ、振り返りを通じて、ドイツ語運用能力やドイツ文化をはじめヨーロッパ文化についての知識や多様性への理解を活かしながら自己の資質を高めることができる。(A-8-1)

この科目は文理学部(学士(文学))のDP1, DP3, DP8及びCP1, CP3, CP8に対応しています。
授業の方法 5月11日から8月1日までの授業実施日(12回)に、Blackboardを通して、オンデマンド教材を配信する(1回につき10~15分×3)。
受講生はその教材を視聴し、学修すること。
また、課題をこなし、期日までに所定の方法で提出すること。
課題の解説等は提出後の翌週までに提供するので、復習すること。また、Blackboardの掲示板機能を通して、「質問」と「議論」の機会を提供する。

受講者は、講義や質疑応答の他、授業でとりあげた映像作品について見直すなど、復習に十分な時間をかけて学修成果をより豊かなものにする。
なお、授業計画は学修者の能力、関係する講義の進行状況に応じて変更されることがある。
授業計画
1 オリエンテーション(授業概要、進め方について)(オンデマンド授業)
【事前学習】シラバスをよく読み、授業概要をきちんと理解しておく。 (2時間)
【事後学習】配布資料を読み込み、指定された動画を見ておくこと。 (2時間)
2 ホラー映画前史(ヨーロッパならびにアメリカにおけるホラーの文学史)(オンデマンド授業)
【事前学習】配布資料を読み、とりあげる映像作品についての基本情報を理解し、ノートにまとめておくこと。(A-3) (2時間)
【事後学習】配布資料を読み返しながら講義内容を復習する。(A-1,A-8) (2時間)
3 ドイツ表現主義映画の誕生(1919年『カリガリ博士』)(オンデマンド授業)
【事前学習】配布資料を読み、とりあげる映像作品についての基本情報を理解し、ノートにまとめておくこと。(A-3) (2時間)
【事後学習】配布資料を読み返しながら講義内容を復習する。(A-1,A-8) (2時間)
4 ドイツ表現主義映画の発展(1922年『吸血鬼ノスフェラトゥ』)(オンデマンド授業)
【事前学習】配布資料を読み、とりあげる映像作品についての基本情報を理解し、ノートにまとめておくこと。(A-3) (2時間)
【事後学習】配布資料を読み返しながら講義内容を復習する。(A-1,A-8) (2時間)
5 ホラー映画におけるモンスターの誕生とその意味(1920年『巨人ゴーレム』、1931年『フランケンシュタイン』)(オンデマンド授業)
【事前学習】配布資料を読み、とりあげる映像作品についての基本情報を理解し、ノートにまとめておくこと。(A-3) (2時間)
【事後学習】配布資料を読み返しながら講義内容を復習する。(A-1,A-8) (2時間)
6 第二次世界大戦後のホラー映画の系譜(AIP、ウィリアム・キャッスル、ハマー・フィルム)(課題研究)
【事前学習】配布資料を読み、とりあげる映像作品についての基本情報を理解し、ノートにまとめておくこと。(A-3) (2時間)
【事後学習】配布資料を読み返しながら講義内容を復習する。(A-1,A-8) (2時間)
7 ブロック・バスター的ホラー映画の誕生とその想像力の源泉(1973年『エクソシスト』)(オンデマンド授業)
【事前学習】配布資料を読み、とりあげる映像作品についての基本情報を理解し、ノートにまとめておくこと。(A-3) (2時間)
【事後学習】配布資料を読み返しながら講義内容を復習する。(A-1,A-8) (2時間)
8 ホラー映画におけるナチズム的暴力の表象(1977年『サスペリア』)(オンデマンド授業)
【事前学習】配布資料を読み、とりあげる映像作品についての基本情報を理解し、ノートにまとめておくこと。(A-3) (2時間)
【事後学習】配布資料を読み返しながら講義内容を復習する。(A-1,A-8) (2時間)
9 ブロック・バスター的ホラー映画に見られる表現の変遷(地球から宇宙へ)とその想像力の源泉(1979年『エイリアン』とラブクラフトの「宇宙的恐怖」)(オンデマンド授業)
【事前学習】配布資料を読み、とりあげる映像作品についての基本情報を理解し、ノートにまとめておくこと。(A-3) (2時間)
【事後学習】配布資料を読み返しながら講義内容を復習する。(A-1,A-8) (2時間)
10 商業映画において消費される恐怖(1984年『グレムリン』、1988年『チャイルド・プレイ』)(オンデマンド授業)
【事前学習】配布資料を読み、とりあげる映像作品についての基本情報を理解し、ノートにまとめておくこと。(A-3) (2時間)
【事後学習】配布資料を読み返しながら講義内容を復習する。(A-1,A-8) (2時間)
11 クリストフ・シュリンゲンズィーフのスプラッター映画にみる戦後ドイツ社会(オンデマンド授業)
【事前学習】配布資料を読み、とりあげる映像作品についての基本情報を理解し、ノートにまとめておくこと。(A-3) (2時間)
【事後学習】配布資料を読み返しながら講義内容を復習する。(A-1,A-8) (2時間)
12 パロディー化されるナチスの恐怖(2009年『処刑山』)(オンデマンド授業)
【事前学習】配布資料を読み、とりあげる映像作品についての基本情報を理解し、ノートにまとめておくこと。(A-3) (2時間)
【事後学習】配布資料を読み返しながら講義内容を復習する。(A-1,A-8) (2時間)
13 ホラー映画にみる戦後ドイツ社会における暴力の表象(2018年『サスペリア』)(オンデマンド授業)
【事前学習】配布資料を読み、とりあげる映像作品についての基本情報を理解し、ノートにまとめておくこと。(A-3) (2時間)
【事後学習】配布資料を読み返しながら講義内容を復習する。(A-1,A-8) (2時間)
14 理解度の確認と解説(これまでの講義をまとめ、問題点を整理する)(オンデマンド授業)(課題研究)
【事前学習】これまでの資料を再度読み込み、授業内でとりあげた問題点を整理しておくこと。(A-3) (2時間)
【事後学習】理解度の確認において問われた点を、資料を見ながら再検討すること。(A-1,A-8) (2時間)
15 ホラー映画とはなにか?――振り返り(講義を振り返り、ホラー映画史の背景にある文化についての知識を深める)(課題研究)
【事前学習】第1回から第14回までに学んだことを整理しておくこと。(A-8) (2時間)
【事後学習】これまでの資料を整理し、ホラー映画史ならびに映像作品の分析方法をまとめておくこと。(A-1,A-8) (2時間)
その他
教科書 毎回プリントを配布する。
参考書 Noel Carrol, The Philosophy of Horror, Routledge, 1990
『モンスター・ショー (デイヴィッド・J・スカル)』 国書刊行会 1998年
成績評価の方法及び基準 レポート:課題の提出状況と期末に課するレポートによって総合的に評価する(90%)、授業参画度:オンデマンド教材の視聴状況とリアクションペーパー(10%)
リアクションペーパーを通して、A-1とA-3の達成度を評価する。
課題研究ならびにレポートを通して、A-1、A-3、A-8の達成度を評価する。
オフィスアワー Blackboardを通しての質問は直接回答するか、授業日までの資料に解説を載せる。

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