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令和元年度以前入学者 | 東洋史特講5 | ||||
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教員名 | 加藤直人 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 2~4 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 史学科 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業の形態 | 遠隔授業(課題研究) |
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授業概要 | 東北アジアの歴史と清朝 東部シベリア、ロシアアムール州、沿海州、中国東北部、内蒙古自治区等を中心とする「東北アジア」の歴史を概観するとともに、その地域からおこり、約300年にわたって中国本土を支配した「清朝」の歴史について、普段あまり触れられることのない観点から見ていくことにする。 |
授業のねらい・到達目標 | 東北アジアの歴史は、古来、中国、朝鮮半島、そして日本と深く関わり合っており、切り離すことはできない。とかくみられがちな現在の「国」を起点とした歴史観を排し、さまざまな言語・文化を有する人々の生活の移り変わりを理解できるようにする。 到達目標としては、 ①東北アジアに暮らす人々の多様性を理解することができる。 ②現代の領域、政治、そして「民族」意識にとらわれない客観的かつ論理的な歴史観を育成することができる。 ③現在の中国東北南部における地政学的特徴を理解することができる。 ④清朝各朝代における支配の特質を理解することができる。 ・世界諸国の歴史、経済、文化、政治などの背景を理解し、国際社会が直面している問題を人文学の視点から説明することができる(A-2-3)。 ・物事を既存の知識にとらわれることなく、人文学的根拠に基づいて論理的・批判的に考察し、説明することができる(A-3-3)。 この科目は文理学部史学科(学士(文学))のDP2,3及びCP2,3に対応している。 |
授業の方法 | 遠隔授業形式で行う。各回の授業に関係する資料(教科書)をBlackboard上に掲示し、その各単元に指定された課題を各自調べて、レポートとして400字程度にまとめて提出する。その中でとくに問題になった点があれば、Blackboard上にて解説を行う。授業終了時に、最終レポートを提出する。受講生は、初回講義開始までにBlackBoardのコース登録をすること。受講者への連絡はBlackBoardの“連絡事項”欄に掲示するので随時確認すること。 |
授業計画 | |
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1 |
授業の進め方、レポートの書き方等について解説を行う(遠隔授業)
【事前学習】高等学校の世界史、地理の教科書で当該部分を確認しておく。 (2時間) 【事後学習】Blackboardの利用に習熟するとともに、配布された教科書を熟読する。 (2時間) |
2 |
「東北アジア」史を学ぶ意味(遠隔授業) 東北アジアという呼称の問題、またそこに暮らす人々が話す言葉、生活について考える 【事前学習】扶余、高句麗といった東北アジアに興った集団についてあらかじめ調べておく。 (2時間) 【事後学習】「東北アジア」と「北東アジア」の違いについて理解するとともに、現在、この地方に暮らす人々が話す言語、生活について整理しておく。 (2時間) |
3 |
「民族」とは何か(遠隔授業) 中国における「民族」とななにかについて考える 【事前学習】「民族」という言葉について、信頼できる辞書、概説書等で調べておく。 (2時間) 【事後学習】中国において、いかなるかたちで「民族」なるものが作られていったのかについてよく整理をしておく。 (2時間) |
4 |
東北アジアに暮らした人々の歴史(遠隔授業) 先史時代の東北アジアについて考える 【事前学習】紅山文化、夏家店下層文化等、高校時代の教科書、参考書、また他の資料等から基本的な内容を取得しておく。 (2時間) 【事後学習】遼河文明と呼ばれるものについて、きちんと理解しておく。 (2時間) |
5 |
史書に記録された東北アジアの人々①(遠隔授業) 粛慎から扶余、高句麗等の歴史について考える 【事前学習】粛慎、扶余、高句麗などの歴史について、高校の教科書、参考書等で基本的な知識をあらかじめ取得しておく。 (2時間) 【事後学習】粛慎から高句麗までの歴史的展開について、時系列、地理的な変遷等を踏まえてきちんと理解をしておく。 (2時間) |
6 |
史書に記録された東北アジアの人々②(遠隔授業) 渤海、契丹(遼)、女真(金)等の歴史について考える 【事前学習】高句麗滅亡後の東北について、基本的な知識を取得しておく。 (2時間) 【事後学習】渤海、契丹、そして女真といった集団の歴史を、中国、朝鮮半島、そして日本との関わりの中で整理をしておく。 (2時間) |
7 |
明朝時代の女真(遠隔授業) 永楽帝と永寧寺石碑、海西女真と建州女真について考える 【事前学習】明朝と東北アジア、北アジア、中央アジアそして西アジアとの関わりについて、基礎的な事実を調べておく。 (2時間) 【事後学習】東北アジアの人々に対する明朝の統治システムを整理しておく。 (2時間) |
8 |
ヌルハチの女真統一と遼東進出(遠隔授業) ヌルハチの登場と建国、遼陽、瀋陽進出等について考える 【事前学習】地図帳を開いて、撫順、遼陽、瀋陽等、中国東北部の主要な都市の位置を確認しておく。 (2時間) 【事後学習】ヌルハチがなぜ中国東北部南部で強大な力を持つことができたのか、また彼が漢人居住地域に入ってきたときに実施した政策について整理をしておく。 (2時間) |
9 |
ホンタイジの支配と「大清」の建国(遠隔授業) ホンタイジ即位当初の後金から「大清」の建国、明との対立、朝鮮との関係等について考える 【事前学習】ホンタイジが「大清daicing gurun」を建国した意味について確認をしておく。 (2時間) 【事後学習】ホンタイジがハン位に即いた事情、また当初の政策等について、また彼がjušen(女真)の使用を禁止した意味についてよく確認しておく。 (2時間) |
10 |
清朝の入関と南明政権、順治帝の時代(遠隔授業) 清朝の中原進出と法整備、中原支配について考える 【事前学習】明朝末期の政治腐敗と宦官の専横(礦税の害)について調べておく。 (2時間) 【事後学習】ドルゴンの入関翌日の勅諭をよく読み理解しておく (2時間) |
11 |
康煕帝の時代(遠隔授業) 三藩の乱、ネルチンスク条約、ジューンガルとの対決等について考える 【事前学習】清朝とロシアとが戦ったアルバジン城、条約を締結したネルチンスクの位置を地図で確認しておく。 (2時間) 【事後学習】天下の中心であるはずの「清」が国境画定条約を締結した意味について整理をしておく。 (2時間) |
12 |
雍正帝の時代(遠隔授業) 青海ホシュートの反乱鎮圧と軍機處の設置、八旗衙門の成立と「八旗」改革について考える 【事前学習】地図で、モンゴル、チベット、中国青海省等の位置を確認しておく。また、概説書等で、18世紀前半の世界諸国の歴史を概観しておく。 (2時間) 【事後学習】青海ホシュートの盟主ロブサン・ダンジンが起こした反乱とその対応により、清朝の対ジューンガル、チベット政策がどのように変化したのかについてよく整理をしておく。雍正帝の八旗改革は、旗人たちにどのような影響を与えたのか整理をしておく。 (2時間) |
13 |
乾隆帝と新しい「世界」(遠隔授業) 十全老人と台湾の石碑等について考える 【事前学習】現代中国の領域と乾隆帝の関わりについて調べておく。 (2時間) 【事後学習】新疆、チベット、モンゴルに暮らす人々と清朝との関係を整理し確認しておく。 (2時間) |
14 |
嘉慶帝以後の清朝(遠隔授業) 文書資料より見た嘉慶帝即位の事情、宗教反乱等について考える 【事前学習】19世紀以降の中国をめぐる国際関係についてその概要を理解しておく。 (2時間) 【事後学習】乾隆帝が生前譲位した意味はなにか、嘉慶帝以後の清朝の姿について整理をしておく。 (2時間) |
15 |
道光帝とアヘン戦争(遠隔授業) 「茶」をめぐる世界史。ティークリッパーの時代等について考える 【事前学習】高校時代に学んだイギリス、インド、そして清朝をめぐる貿易関係について復習しておく。 (2時間) 【事後学習】イギリスと中国のお茶、そしてインドのアヘンが交わる国際関係についてきちんと理解しておく。また、半期の授業で学んだ東北アジアに暮らす人々、そして清朝の歴史と、朝鮮半島、日本、そしてロシアとの関わりについてレポート提出の準備を行う。 (2時間) |
その他 | |
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教科書 | Blackboard上に、授業担当者が適宜掲示する。教科書は、授業時間の前週には掲示するので、受講生はそれをよく読み、教科書に記されている個別の課題研究について事前に取り組む。 |
参考書 | 使用しない |
成績評価の方法及び基準 | レポート:最終レポート(40%)、授業内テスト:各回の課題研究(400字程度のレポート)(50%)、授業参画度:質問等(10%) 各回の課題研究(400字程度のレポート)については、基本的に授業週の翌週までにBlackboard上に提出する。 |
オフィスアワー | Blackboard上で適宜質問を受け付ける |