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社会学各論 (他学科用)

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令和2年度入学者 社会学各論 (他学科用)
令和元年度以前入学者 社会学概論2
教員名 杉谷武信
単位数    2 学年    1 開講区分 文理学部
(他学部生相互履修可)
科目群 社会学科
学期 後期 履修区分 必修
授業の形態 主としてオンデマンド型授業(Blackboardを通じての、PDFならびに音声配信)で実施する。
Blackborad ID:20201965
授業概要 社会学の「制度的アプローチ」に則り、私たちの日常社会生活の具体的な営みを考察すると、それらが何らかの集合状態のなかで、かつ何らかの構造的メカニズムを伴いながら生起していることに気づく。この事実を踏まえ、集団・組織論と社会構造・変動論の視点を本授業の出発点に据える。つまり、人々が集合することによって生じる、一個人の行為には還元できない集団・組織が持つ独自の力学(集合的創発性)、そしてちょうど敷かれたレールのように人々の行為を運んでいく社会の構造的な仕組みとその問題点についての考察である。具体的には、身近な家族集団、友人仲間集団、学校組織、企業組織等々に関する集団・組織論的分析、また、マクロな大衆社会に代表される未組織集団の考察、さらには、今日の格差社会の問題にもつながる社会階層・階級論的な考察等、社会における制度的領域のミクロからマクロに至る一般的包括的な社会学的分析を学ぶ。
授業のねらい・到達目標 <知識><技能>
社会学の「一般的包括的な内容を含む」社会学各論とは、社会学が今日到達している学的成果を、特定の内容・領域に偏らず、大まかに網羅するものであるとの認識がある。前学期の社会学概論では、社会学独自の研究方法や視点、そして社会学が多用する概念(行為、価値、役割、逸脱等々)の解説をまず授業の主だったテーマとする「理念的アプローチ」を採用した。一方、後学期の社会学各論の授業では、社会の主だった制度領域、例えば「家族」「学校」「都市」等々の現況を解説する「制度的アプローチ」を採用する。当授業(社会学各論)では、まず、「理念的アプローチ」による、社会学的視点と発想、および社会学の重要概念の理解を基礎にしつつ、その基礎力でもって、社会の各制度領域の一般的包括的な解明に向かうことができるようになることを到達目標とする。

<能力>
上記の<知識><技能>の習得を経て,以下の<能力>を育むことが目標である。
・グローバル化する現代社会の特質について,私たちの日々とり行う行為を中心に,構造や変動,集団や組織,などの観点から説明することができる。
 (A-2-1: 世界の現状を理解し,説明する力)
・多様なメディアによって形作られる現代社会におけるわたしたちの日常生活の中の諸課題について,社会学理論や社会調査を用いて発見することができる。
 (A-4-1: 問題発見・解決力)

*この科目は文理学部(学士(社会学)のディプロマポリシーDP2,4およびCP2,4に対応しています。
授業の方法 授業内容に即した教科書を使用するので、必ず教科書を用意すること。
随時小テストを実施するので、メールやblackbordを毎日チェックすること。
授業計画
1 ガイダンス(行為の集合的創発性と社会の構造について)(A-2-1、A-4-1)
【事前学習】教科書の「はじめに」と「目次」を熟読し、集団・組織、家族、文化などのキーワードを確認すること。 (1時間)
【事後学習】学んだキーワードを社会学辞典で調べること。 (1時間)
2 集合現象の三状態と集団類型論(日常社会生活の様々な位相について考える)(A-2-1)
【事前学習】教科書pp.40-44を読み、集団、組織、未組織集団の違いを確認すること。 (2時間)
【事後学習】各集合類型論の分析視角の違いを整理すること。 (2時間)
3 実証的小集団論の世界(組織における非公式集団の存在と機能について)(A-2-1)
【事前学習】教科書pp.44-49を読み、小集団研究の特徴を確認すること。 (2時間)
【事後学習】小集団が成員に及ぼす影響について、各自の経験から具体的に整理すること。 (2時間)
4 近現代組織の特徴(M.ヴェーバーの官僚制からみる近代的組織の意義と問題点)(A-2-1、A-4-1)
【事前学習】教科書pp.54-56を読み、支配の3類型(伝統的支配、カリスマ的支配、合法的支配)の違いを確認する。  (2時間)
【事後学習】現代の行政や企業における合法的支配のあり様を具体的に整理する。 (2時間)
5 近現代組織の特徴(現代官僚制理論からみる行政国家の問題点)(A-2-1、A-4-1)
【事前学習】教科書pp.57-63を読み、ヴェーバーの官僚制とマートンのそれとの違いを確認する。 (2時間)
【事後学習】官僚制組織の潜在的逆機能の具体的なあり様を考える。 (2時間)
6 近現代組織の特徴(近代組織理論からみる意思決定の重要性)(A-2-1、A-4-1)
【事前学習】教科書pp. 63-69を読み、近代組織理論における人間観を確認する。 (2時間)
【事後学習】官僚制理論と近代組織理論の相違点をまとめる。 (2時間)
7 大衆社会の問題性(自由は現代人にとって本当に望ましいのか)(A-2-1、A-4-1)
【事前学習】教科書pp. 69-74を読み、大衆の具体的なイメージをつかむこと。 (2時間)
【事後学習】全体主義が世界や日本で今後出現する可能性があるかどうか、その理由をあわせて考察すること。 (2時間)
8 大衆は「低俗」なのか(大衆社会論批判)(A-2-1、A-4-1)
【事前学習】教科書pp. 184-187を読み、文化と呼ばれる具体的なものを列挙すること。 (1時間)
【事後学習】大衆文化の具体例をあげ、その社会的影響力を調べること。 (2時間)
9 社会運動の可能性(新たな秩序をもたらす集合行動はいかにして可能か)(A-2-1、A-4-1)
【事前学習】教科書p.74-78を読みながら、昨今の社会運動を具体的にあげること。 (2時間)
【事後学習】現代の日本で、社会運動が発生する可能性があるかどうか、その理由をあわせて考察すること。 (2時間)
10 格差社会の本質(階級理論について)(A-2-1、A-4-1)
【事前学習】教科書pp.114-115、126-131を読んで、階層と階級の違いを確認すること。 (3時間)
【事後学習】各自の経験から、「疎外された労働」が何を帰結するのか、具体的に説明すること。 (2時間)
11 社会の未来像(資本主義社会の本質とその将来)(A-2-1、A-4-1)
【事前学習】教科書pp.131-134を読み、資本主義の発展段階を理解すること。 (2時間)
【事後学習】資本主義が世界や日本に及ぼす影響について考察すること。 (3時間)
12 社会の未来像(家族の形態や機能は今後どのように変化するか)(A-2-1、A-4-1)
【事前学習】教科書pp. 159-165を読み、家族機能と家族形態の意味を調べること。 (2時間)
【事後学習】各自が理想とする家族のあり方をイメージすること。 (1時間)
13 社会の未来像(信頼にもとづいた社会はどのようにつくられるか)(A-2-1、A-4-1)
【事前学習】教科書pp.105-111を読み、あわせて世界や日本の「不祥事」を具体的に調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】信頼形成における今日的課題を、社会構造の概念を踏まえて考察すること。 (2時間)
14 社会の未来像(近代化の弊害はどのように克服できるか)(A-2-1、A-4-1)
【事前学習】教科書pp. 225-229を読み、官僚制原理の問題点を確認すること。 (2時間)
【事後学習】ボランタリー・アソシエーションの意義と限界を考察すること。 (2時間)
15 まとめ(本授業で学んだ知識から社会の構造を考える)(A-2-1、A-4-1)
【事前学習】第1回~第14回の内容を復習すること。 (5時間)
【事後学習】学修した内容を整理する。 (1時間)
その他
教科書 夏刈康男・松岡雅裕・杉谷武信・木下征彦 『行為、構造、文化の社会学』 2011年
参考書 使用しない
成績評価の方法及び基準 授業参画度(30%)、課題提出(70%)
授業参画度は、随時実施する、小テストにおける問いかけに対する回答の適切さ、授業に関連した積極的な質問(メールによる)の有無で評価する。
課題については、世界の現状を理解し,説明する力(A-2-1)と問題発見・解決力(A-4-1)をふまえて評価する。
オフィスアワー メールにて、随時質問を受け付ける。
メールアドレス:t0001280@stu.chs.nihon-u.ac.jp

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