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差別の社会学

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令和元年度以前入学者 差別の社会学
教員名 好井裕明
単位数    2 学年 2・3 開講区分 文理学部
(他学部生相互履修可)
科目群 社会学科
学期 後期 履修区分 選択
授業の形態 課題研究(Blackboardを通じた学習資料配信)
Blackboard ID:20202053 ⇒ 火曜4時限
授業概要 現代日本社会においては、性的マイノリティの問題、障害者問題、ジェンダーにかかわる差別、在日朝鮮人問題、在日外国人問題、部落差別問題など、さまざまな差別問題が現象しています。本授業では、まず社会学的発想のもとで、差別とはどのような現象であり、どのように定義し、どのように現象を解読し、分析できるのかを現象学的社会学やエスノメソドロジーという現代社会学理論の最先端を用いて講義します。その後、個別の差別問題を講義しながら現状を解説し、日常生活の中で、こうした問題と私たちがどのように向き合っていけばいいのかを考えていきます。
授業のねらい・到達目標 〈知識〉〈技能〉
①現代日本社会に生起している多様な差別事象をめぐり正しく適切な知識を習得すること。
②そのうえで、日常生活において、こうした差別事象を「自らの生活世界」と密接に関連するものとして、どのように考え理解し、行為すればいいかを習得する。
③日常生活におけるさまざまな差別を考えることは、他者と常に関係し繋がりを持ち続ける存在、すなわち社会的存在としての私たちのとって、必須の営みであり、差別をどう考え、差別にどう向き合えるかについての知識や方法を社会学が提供できるのです。日常生活に「あたりまえ」のように生起する差別を批判的に捉えることができる社会学的で専門的な知や知的センスを習得することが本授業のねらいであり、到達目標となる。
〈能力〉
上記の<知識><技能>の習得を経て,以下の<能力>を育むことが目標である。
・人々が自明に思うことを疑う「脱常識」の観点から社会を考察する社会学の特性を踏まえ,現代社会を論理的・批判的に捉えるための社会学的枠組みや方法の基礎を築くことができる。
 (A-3-2: 論理的・批判的思考力)
この科目は文理学部(学士(社会学))のディプロマポリシーDP3及びカリキュラムポリシーCP3に対応しています。
授業の方法 毎回講義ノートの形で講義内容を概説する。受講生は講義内容をしっかりと理解したうえで、テキスト➀(『排除と差別の社会学』新版)の該当部分を指示するので精読する。講義内容に関連する小レポート課題を10回提示するので、受講生は課題をこなしてほしい。課題提出をもって該当する回の出席とみなす。テキスト➁(『差別原論』)、テキスト➂(『差別の現在』)を使いながら、最終課題を提示する予定である。
授業計画
1 授業の進め方の説明と授業のめざすところの説明
【事前学習】各自が小中高で受けてきた人権教育の内容を思い出しておく。 (2時間)
【事後学習】講義ノートをよく読んで、日常的な差別とは何かを考える。 (2時間)
2 差別とはどのような行為だろうか
【事前学習】差別とはどのような行為かを考えておこう。 (1時間)
【事後学習】受講生各自の日常にある「差別する可能性」について考えてみる。 (3時間)
3 差別を考える二つの基本とは(A-3-2)
【事前学習】差別を考える基本とは何かを想像してみよう。 (2時間)
【事後学習】テキスト➀『排除と差別の社会学』新版の第1章を読む。 (2時間)
4 カテゴリー化という問題
【事前学習】差別や排除を考えることができるアニメや映画に何があるかを考えておこう。 (2時間)
【事後学習】テキスト➁『差別原論』第6章を読み、カテゴリー化とはどのような営みかを理解する。 (2時間)
5 人間の見方について
【事前学習】テキスト➀『排除と差別の社会学』新版の第2章を読んでおこう。 (2時間)
【事後学習】講義ノートを今一度精読し「人間の見方」が持つ問題性を理解する。 (2時間)
6 ジェンダーをめぐる知と規範
【事前学習】テキスト➂『差別の現在』第3章を読んでおこう。 (2時間)
【事後学習】テキスト➀『排除と差別の社会学』新版の第4章を読む。 (2時間)
7 多様なる性のありようを考える
【事前学習】テキスト➀『排除と差別の社会学』新版の第7章を読んでおこう。 (2時間)
【事後学習】テキスト➀『排除と差別の社会学』新版の第8章を読んでおこう。 (2時間)
8 学校差別、ひきこもりについて(A-3-2)
【事前学習】テキスト➀『排除と差別の社会学』新版の第5章を読んでおこう。 (2時間)
【事後学習】テキスト➀『排除と差別の社会学』新版の第6章を読んでおこう。 (2時間)
9 障害から日常の「あたりまえ」を見直す
【事前学習】テキスト➀『排除と差別の社会学』新版の第9章を読んでおこう。 (2時間)
【事後学習】講義ノートを今一度精読し日常の障害者イメージの問題性を考えよう。 (2時間)
10 異なる人種・民族の人々と共に生きること
【事前学習】在日朝鮮人問題で知っていることを確認しておこう。 (2時間)
【事後学習】テキスト➀『排除と差別の社会学』新版の第11章を読んでおこう。 (2時間)
11 外見から人を決めつける“危うさ”
【事前学習】外見をめぐる差別や排除について考えておこう。 (2時間)
【事後学習】テキスト➀『排除と差別の社会学』新版の第10章を読んでおこう。 (2時間)
12 差別を考える“魅力”とは
【事前学習】テキスト➁『差別原論』の第7章を読んでおこう。 (2時間)
【事後学習】講義ノートを今一度精読し差別を考える“魅力”とは何かを考えよう。 (2時間)
13 最終課題にむけての課題学習➀
【事前学習】これまでの講義ノートを今一度精読しよう。 (2時間)
【事後学習】テキスト➁『差別原論』の前半を精読する。 (2時間)
14 最終課題にむけての課題学習➁
【事前学習】テキスト➁『差別原論』の後半を精読する。 (2時間)
【事後学習】テキスト➂『差別の現在』の前半を精読する。 (2時間)
15 最終課題にむけての課題学習➂
【事前学習】テキスト➂『差別の現在』の後半を精読する。 (2時間)
【事後学習】最終課題に向けて今一度講義全体を復習する。 (2時間)
その他
教科書 好井裕明 『排除と差別の社会学[新版]』 有斐閣 2016年 第2版
好井裕明 『差別原論』 平凡社 2007年 第4版
好井裕明 『差別の現在』 平凡社 2015年 第1版
教科書は、講義中だけでなく、レポート課題としても、事前学習や事後学習などでも使用します。受講生は必ず購入しておいてください。
参考書 使用しない
成績評価の方法及び基準 レポート(40%)、授業内テスト(60%)
レポート:最終課題レポート(2000字)(40%)、授業内テスト:毎回授業で提示する小課題レポート10回のことです(60%)。評価は、授業内で合計10回課す小課題レポート(一回につき800~1000字)で授業の理解度を確認します。さらに最終課題レポートで受講生各自の「差別を考える社会学」への理解度や感応度をみます。この二つの課題における評価をあわせて、本授業の評価とします。全部で11回の課題レポートをこなすことが必須です。授業内での小課題レポートも最終課題レポートもともにBlackboard上で提出してもらいます。各課題への評価とコメントもBlackboard上で行います。(A-3-2: 論理的・批判的思考力)。
オフィスアワー 毎週火曜日、水曜日の12時15分~12時45分。

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