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令和元年度以前入学者 | 社会調査実習1 | ||||
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教員名 | 石岡丈昇 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 3 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 社会学科 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択 |
授業の形態 | 対面式での演習/実習を集中講義にて実施する。ただし、実際の社会調査においては、オンライン形式でのインタビューをおこなうことにする。 |
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授業概要 | 「社会調査士コース」の3年次必修科目である。社会調査協会の「社会調査士」資格を取得するためには、社会調査の全プロセスを経験を通し て学ぶ「社会調査実習科目」の履修が義務づけられている。この授業は、調査計画の作成から報告書の発行(結果の公表)までの社会調査の 全プロセスを、1年間かけて(前期「社会調査実習1」、後期「社会調査実習2」)一通り実習することを目的とする。 調査テーマは「グローバル都市東京における「メンテナンス労働」の実態をめぐる社会学的実証研究」である。サスキア・サッセンが論じたように、グローバル都市においては、多国籍企業の管理部門が集積すると同時に、そうした場所 やそこで働く人びとをメンテナンスする労働者(ビルメンテナンス業、ベビーシッター、フードトラック、マッサージ業など)が生まれる。本調査は、新 宿を事例に、こうした「メンテナンス労働」に従事する人びとについて実態調査をおこなう。 |
授業のねらい・到達目標 | <知識・技能> 前期は、調査計画の作成のために、社会調査の基礎知識の習得とそれに伴う議論を重ね<4月から5月中>、パイロット調査を実施し<6月末までに>、本調査の実施準備と調査データの整理作業<7月末までに>を、一通りこなしていく。 <能力> 上記の<知識><技能>の習得を経て、以下の<能力>を育むことが目標である。 ・具体的な社会現象や社会問題を入り口に,「あたりまえ」の理解からは読み取れない現代社会の多層性と多様性を,社会学の専門領域の知見を踏まえ論理的・批判的に理解することができる。(A-3-3: 論理的・批判的思考力) この科目は文理学部(学士(社会学)のDP3及びCP3に対応しています。 |
授業の方法 | 対面式での演習形式で実施する、調査票の作成、現地調査、ディスカッション、報告まで、すべてをグループワーク形式でおこなう。なお、各回における受講生からの報告や質問については、Blackboardを用いて応答しつつ、受講者全体にフィードバックされるように授業を展開する。レポートについては、採点・記述のポイントを提示しつつ、複数のレポート例をもとにコメント・解説をおこなう。 |
履修条件 | セレクションを通過した学生 |
授業計画 | |
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1 |
【社会調査とは何か】 (A-3-3) 社会調査の全体の流れを学習する。 【事前学習】教科書『質的社会調査の方法:他者の合理性の理解社会学』を購入し、通読してくる。 (2時間) 【事後学習】教科書の内容を復習する。 (2時間) |
2 |
【年間スケジュールと調査企画案の説明】 (A-3-3) 1年間の具体的な調査進行計画を確認した上で、調査企画案を作成する。 【事前学習】教科書の第1章に記された調査進行計画の作成の箇所を読んでくる。 (2時間) 【事後学習】調査企画案を作成する。 (2時間) |
3 |
【調査企画の構想と推敲(1)】(A-3-3) 調査企画案を相互に検証して、再構成する。 【事前学習】調査企画案を作成する。 (2時間) 【事後学習】調査企画案を修正する。 (2時間) |
4 |
【調査企画の構想と推敲(2)】 (A-3-3) 調査企画案を相互に検証して、再構成する。 【事前学習】調査企画案を再作成する。 (2時間) 【事後学習】調査企画案を確定する。 (2時間) |
5 |
【調査企画案の確定/調査方法の決定(対象/データ収集法) 】 (A-3-3) 調査企画案をもとに調査方法を議論する。 【事前学習】調査企画案を確定する。 (2時間) 【事後学習】調査方法に関する内容を整理する。 (2時間) |
6 |
【仮説構成と調査項目の決定(概念の操作的定義/仮説)】 (A-3-3) 「メンテナンス労働」概念の操作的定義について議論をおこなう。 【事前学習】サスキア・サッセン『グローバルシティ』の関連箇所を読んでくる。 (2時間) 【事後学習】「メンテナンス労働」概念をブラッシュアップする。 (2時間) |
7 |
【パイロット調査の実施のための資料収集:求人広報誌からのデータ収集】 (A-3-3) 求人広報誌を利用して、「メンテナンス労働」に関するものをピックアップする。 【事前学習】求人広報誌の該当箇所を読んでくる。 (2時間) 【事後学習】新宿における「メンテナンス労働」をピックアップする。 (2時間) |
8 |
【パイロット調査の実施のためのフィールドワーク(1)新宿における「メンテナンス労働」をめぐる予備的参与観察】 (A-3-3) パイロット調査をオンライン形式でのインタビューによっておこなう。 【事前学習】参与観察の内容を構想する。 (2時間) 【事後学習】フィールドノートを整理し、清書する。 (2時間) |
9 |
【パイロット調査の実施のためのフィールドワーク(2)新宿における「メンテナンス労働」をめぐる予備的参与観察】 (A-3-3) パイロット調査をオンライン形式でのインタビューによっておこなう。 【事前学習】フィールドノートを修正する (2時間) 【事後学習】フィールドノートを追記し、整理し、清書する。 (2時間) |
10 |
【パイロット調査のデータ整理】 (A-3-3) パイロット調査のデータ整理をおこなう。具体的には、インタビュー内容をトランスクリプト化する。 【事前学習】フィールドノートの整理とトランスクリプトの作成 (2時間) 【事後学習】フィールドノートの整理とトランスクリプトの作成 (2時間) |
11 |
【パイロット調査のデータ整理と本調査の分析中心軸の設定】 (A-3-3) 一次データおよびトランスクリプト化の作業を進め、それを「メンテナンス労働」概念と接続して調査するための方法を作り上げる。 【事前学習】フィールドノートの整理とトランスクリプトの作成 (2時間) 【事後学習】「メンテナンス労働」概念と一次データの接合可能性を検討する。 (2時間) |
12 |
【本調査の調査項目リストの作成(1)】 (A-3-3) 予備調査の結果を踏まえて、本調査の調査項目リストを作成する。 【事前学習】予備調査データの読み込みをおこなう (2時間) 【事後学習】本調査の調査項目リストを作成する (2時間) |
13 |
【本調査の調査項目リストの作成(2)】 (A-3-3) 予備調査の結果を踏まえて、本調査の調査項目リストを作成する。 【事前学習】予備調査データの読み込みをおこなう (2時間) 【事後学習】本調査の調査項目リストを作成する (2時間) |
14 |
【調査項目リストの問題点の洗い出し、およびサンプリング】 (A-3-3) 本調査の調査項目リストを書き出し、問題点を洗い出し、サンプリングまでおこなう。 【事前学習】本調査の調査項目リストを作成する。 (2時間) 【事後学習】調査項目リストの問題点を検討し、サンプリングを検討する。 (2時間) |
15 |
【本調査の実施計画構想の作成と確認】 (A-3-3) 本調査の実施をめぐって具体的な構想と日程をたてる。 【事前学習】調査項目リストを完成させる。 (2時間) 【事後学習】前期の復習と本審査への問題点を検討する。 (2時間) |
その他 | |
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教科書 | 岸政彦・石岡丈昇・丸山里美 『質的社会調査の方法:他者の合理性の理解社会学』 有斐閣 2016年 教科書である『質的社会調査の方法』は日本における質的社会調査のスタンダードであり、これを用いて、調査の具体的方法を説明する。 |
参考書 | 使用しない |
成績評価の方法及び基準 | レポート:新宿における「メンテナンス労働」の実態に関するレポート執筆(A-3-3)(60%)、授業参画度:毎回の授業での発言など、本演習/実習の貢献具合を総合的に評価する。(A-3-3)(40%) |
オフィスアワー | 毎回の授業終了時 |
備考 | シラバスの内容は受講者の規模、あるいはその学修の状況を考慮して、変更することがある。 なお、事前学習・事後学習の時間は目安である。 初回講義開始までに、当該授業のBlackBoardのコース登録を行うこと。 |