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令和元年度以前入学者 | 社会調査実習2 | ||||
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教員名 | 石岡丈昇 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 3 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 社会学科 | ||||
学期 | 後期 | 履修区分 | 選択 |
授業の形態 | Zoomを用いた演習/実習を実施する。実際の社会調査においても、オンライン形式でのインタビューをおこなうことにする。Blackboard ID:20202003。 |
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授業概要 | 「社会調査士コース」の3年次必修科目である。社会調査協会の「社会調査士」資格を取得するためには、社会調査の全プロセスを経験を通し て学ぶ「社会調査実習科目」の履修が義務づけられている。この授業は、調査計画の作成から報告書の発行(結果の公表)までの社会調査の 全プロセスを、1年間かけて(前期「社会調査実習1」、後期「社会調査実習2」)一通り実習することを目的とする。 調査テーマは「グローバル都市東京における「メンテナンス労働」の実態をめぐる社会学的実証研究」である。サスキア・サッセンが論じたように、グローバル都市においては、多国籍企業の管理部門が集積すると同時に、そうした場所 やそこで働く人びとをメンテナンスする労働者(ビルメンテナンス業、ベビーシッター、フードトラック、マッサージ業など)が生まれる。本調査は、新 宿を事例に、こうした「メンテナンス労働」に従事する人びとについて実態調査をおこなう。 |
授業のねらい・到達目標 | <知識・技能> 後期は、前期を引き継ぎ、本調査の実施<10〜11月>、フィールドデータの整理とコーディング<11月末まで>、分析と論点の抽出<12月末 まで>、報告書の分担執筆と編集作業<1月末まで>、刊行と刊行と調査協力者への結果のフィードバック<3月までに>を、一通りこなしてい く。 <能力> 上記の<知識><技能>の習得を経て、以下の<能力>を育むことが目標である。 ・具体的な社会現象や社会問題を入り口に,「あたりまえ」の理解からは読み取れない現代社会の多層性と多様性を,社会学の専門領域の知見を踏まえ論理的・批判的に理解することができる。(A-3-3: 論理的・批判的思考力) この科目は文理学部(学士(社会学)のDP3及びCP3に対応しています。 |
授業の方法 | 演習形式で実施する、調査票の作成、現地調査、ディスカッション、報告まで、すべてをグループワーク形式でおこなう。なお、各回における受講生からの報告や質問については、Blackboardを用いて応答しつつ、受講者全体にフィードバックされるように授業を展開する。また翌週の回においても、重要な報告や質問について解説する時間を設ける。レポートについては、採点・記述のポイントを提示しつつ、複数のレポート例をもとにコメント・解説をおこなう。 |
履修条件 | セレクションを通過した学生 |
授業計画 | |
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1 |
【本調査(1)メンテナンス労働の従事者へのインタビュー調査および職場の参与観察実施に関わるアポイントメントと調査趣旨の説明】(A-3-3) インタビュー調査および参与観察調査の流れを具体化する。 【事前学習】本調査項目リストを今一度確認しておく。 (2時間) 【事後学習】調査趣旨の確認および調査依頼表の内容を確認する。 (2時間) |
2 |
【本調査(2)調査対象者の一覧化と実施日時の決定】(A-3-3) 調査対象者へのアポントメントを取る。その上で、実施日時を確定する。 【事前学習】調査予定者の一覧表の作成 (2時間) 【事後学習】インタビュー項目の最終決定 (2時間) |
3 |
【本調査(3)インタビュー調査および参与観察の実施】(A-3-3) オンラインでのインタビューを実施する。 【事前学習】本調査項目リストの最終確認をする。 (2時間) 【事後学習】トランスクリプトの作成をおこなう。 (2時間) |
4 |
【本調査(4)インタビュー調査および参与観察の実施、およびフィールノートの作成】(A-3-3) オンラインでのインタビューを実施し、トランスクリプトとフィールドノートを作成する。 【事前学習】トランスクリプトの作成をおこなう (2時間) 【事後学習】トランスクリプトの作成をおこなう (2時間) |
5 |
【フィールドデータの集計と整理】(A-3-3) 調査結果を整理する。 【事前学習】トランスクリプトの作成 (2時間) 【事後学習】調査結果の整理 (2時間) |
6 |
【コーディング(符号化)(1)】(A-3-3) トランスクリプトを用いてコーディングを実施する 【事前学習】調査結果の整理 (2時間) 【事後学習】コーディング作業の展開 (2時間) |
7 |
【コーディング(符号化)(2)】(A-3-3) トランスクリプトを用いてコーディングを実施する 【事前学習】コーディング作業の展開 (2時間) 【事後学習】コーディング作業の完成 (2時間) |
8 |
【各ケースを貫く論点の抽出と仮説検証】(A-3-3) 「メンテナンス労働」に関して、個別事例を超えた包括的論点を抽出する。 【事前学習】コーディング作業の完成 (2時間) 【事後学習】包括的論点の整理 (2時間) |
9 |
【「メンテナンス労働」をめぐる分析と論点の整理】(A-3-3) サッセンの理論と接合して、新宿におけるその現象形態を特定化する。 【事前学習】サッセン『グローバル・シティ』の該当箇所を読んでくる。 (2時間) 【事後学習】サッセンの理論と個別の事例をどう接続できるのかをレジュメにまとめる。 (2時間) |
10 |
【報告書の内容構成をめぐる検討】(A-3-3) 報告書をどのような順序で執筆するのか、その目次・内容構成を確定する。 【事前学習】サッセンの理論と個別の事例をどう接続できるのかをレジュメにまとめる。 (2時間) 【事後学習】各自の執筆内容を構想する。 (2時間) |
11 |
【ドラフト(草稿)の執筆と報告】(A-3-3) 報告書の草稿を執筆し完成させる。 【事前学習】草稿を執筆する (2時間) 【事後学習】草稿を改稿する (2時間) |
12 |
【報告書第一次原稿の提出と検討(1)】(A-3-3) 草稿をもとに、報告書に所収する論考を完成させて、その読み合わせをおこなう 【事前学習】論考を完成させる (2時間) 【事後学習】論考の改稿をおこなう (2時間) |
13 |
【報告書第一次原稿の提出と検討(2)】(A-3-3) 草稿をもとに、報告書に所収する論考を完成させて、その読み合わせをおこなう 【事前学習】論考を完成させる (2時間) 【事後学習】論考の改稿をおこなう (2時間) |
14 |
【最終原稿の提出(印刷所への入稿)】(A-3-3) 各自の論考を目次順に整理し、形式を統一し、入稿できる状態に仕上げる。 【事前学習】各論考の誤植のチェックをおこなう (2時間) 【事後学習】入稿予定データの最終確認をおこなう (2時間) |
15 |
【報告書の刊行と発送と総括】(A-3-3) 報告書を関係各位に発送した上で、本講義の内容を総括する。 【事前学習】トランスクリプトを読み返しておく (2時間) 【事後学習】各自の課題をレポートにまとめる (2時間) |
その他 | |
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教科書 | 岸政彦・石岡丈昇・丸山里美 『質的社会調査の方法:他者の合理性の理解社会学』 有斐閣 2016年 教科書である『質的社会調査の方法』は日本における質的社会調査のスタンダードであり、これを用いて、調査の具体的方法を説明する。 |
参考書 | サスキア・サッセン 『グローバル・シティ』 ちくま学芸文庫 2018年 第1版 「メンテナンス労働」という概念は、サッセンの着想にヒントを得ている、教科書ではなく参考書としての指定ではあるが、受講者には通読することを求める。 |
成績評価の方法及び基準 | レポート:新宿における「メンテナンス労働」の実態に関するレポート執筆(A3-3)(60%)、授業参画度:毎回の授業での発言、グループワーク形式での議論の貢献具合などを総合的に評価する。(A3-3)(40%) |
オフィスアワー | 毎回の授業終了時 |
備考 | シラバスの内容は受講者の規模、あるいはその学修の状況を考慮して、変更することがある。 なお、事前学習・事後学習の時間は目安である。 |