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福祉政策論

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令和元年度以前入学者 福祉政策論
教員名 寺田誠
単位数    2 学年    3 開講区分 文理学部
(他学部生相互履修可)
科目群 社会福祉学科
学期 前期 履修区分 選択
授業の形態 ZOOMを用いたオンライン型の遠隔授業(12回)とBlackboardを用いた課題研究(3回)を組み合わせる。
授業概要 本科目の目的は,社会政策・福祉政策の基本的な概念や枠組みといった方法を用いて,日本型の福祉レジーム(社会保障の姿やそれを支える政治・経済・社会体制)のありようを捉えていくための知識と考え方を習得することにある.
そのためには,まず,社会政策・福祉政策の概念や枠組みをよく理解し,これらを使いこなせることが必要となる.その上で,議論の対象を狭義の社会福祉だけではなく社会政策やこれに近接する領域(例えば,雇用政策,教育政策,住宅政策,ケア政策)が射程となるようできるだけ視野を広く捉え,我々が直面する社会福祉の問題を認識できることにつなげていく.これにより,学生が,社会政策の観点から社会の中での福祉の役割や意義を俯瞰的に捉え,そのありようを考えることができるようになることを目指す.
授業のねらい・到達目標 ・社会政策・福祉政策の基本的な概念や枠組みを説明できる.(A-1-1~4)
・日本型福祉レジームの特質について社会政策の観点から説明できる.(A-2-1~4)
・今日の社会政策・福祉政策の論点について説明できる.(A-3-1~4)
・日本型福祉レジームが直面する社会福祉の問題とその社会的な背景について説明できる.(A-4-1,2)
・自分が関心を寄せる社会福祉の問題について参考文献を調べ,それらが生じる背景や今後のありようを考察できる.(A-4-3,4)

この科目は文理学部(学士(社会福祉学))のDP2及びCP3に対応しています.

なお、新カリキュラム(令和2年度以降の入学者)では、この科目は文理学部(学士(社会福祉学))のディプロマポリシーDP1,2,3,4及びカリキュラムポリシーCP1,2,3,4に対応している。
・学修から得られた幅広く豊かな知識と教養、及び自己の倫理観に基づいて、今日の社会福祉学が直面する倫理的課題を説明することができる。(A-1-3)
・世界各国の歴史、経済、政治、文化などの背景を理解し、国際社会が直面する社会福祉の問題を社会福祉学の視点から説明することができる。(A-2-3)
・物事を既存の知識にとらわれることなく、科学的根拠に基づいて論理的・批判的に考察し、説明することができる。(A-3-3)
・社会や身近な環境に存在する福祉課題を発見し、専門的知識に基づいて問題解決のための提案を行うことができる。(A-4-3)
授業の方法 ・教科書を中心とする事前学習(あらかじめ授業計画に示すキーワードや問いに沿ってポイントをまとめていく)がなされていることを踏まえて、その上で、時間割どおりの時間帯にZOOMを用いたオンライン型の授業を行う(12回)。オンライン型の授業では、授業計画ごとのテーマに沿った説明を加えるとともに、事前学習では理解が難しいと思われる事柄について学生間あるいは学生と教員の間でのディスカッションを行っていく。
・期末課題としてレポートを作成するが、このレポート作成に結び付けていくために課題研究型の授業(3回)を行う。
・指定した教科書を用いる。ただし、テーマに関連する参考資料も配付していく。
履修条件 ・本科目は,社会福祉士国家試験の「現代社会と福祉」に対応しており,国家試験の受験を考えている者は履修をする必要がある.
・社会福祉士国家試験の受験の有無にかかわらず,将来公務員を志望し政策形成に携わる者,卒業論文等で社会政策や国際比較に関するテーマ検討している者,社会保障も視野においた広義の社会福祉について関心のある者には受講を勧める.
・社会保障や社会福祉の各制度について,一定の知識があることが望ましい.
授業計画
1 オンライン型:社会支出からみる日本の社会保障(他国と比べてどのような特徴があるのか、なぜこのような姿なのか)-再分配政策、ジニ係数、国際比較 (A-2-1~4)
【事前学習】本科目に関連のある履修済み科目の授業内容を今一度復習する. (2時間)
【事後学習】教科書第11章をよく読み、評価方法②に示す「新聞や雑誌記事に対するコメント」(以下、「新聞記事へのコメント」)につなげる。 (2時間)
2 オンライン型:福祉政策の対象と方法(制度化のための論点)-要保障性と保障方法のつながり (A-1-1~4)
【事前学習】副題に示したキーワードを意識しながら教科書第11章をよく読み、そのポイントを自分なりにまとめておく。 (2時間)
【事後学習】授業の中で示した参考文献もふまえて今回のテーマについて理解を深め、「新聞記事へのコメント」につなげる。 (2時間)
3 オンライン型:福祉政策の形成過程-計画化、実施、評価 (A-1-1~4)
【事前学習】副題に示したキーワードを意識しながら教科書第10章をよく読み、そのポイントを自分なりにまとめておく。 (2時間)
【事後学習】授業の中で示した参考文献もふまえて今回のテーマについて理解を深め、「新聞記事へのコメント」につなげる。 (2時間)
4 課題研究型:日本の社会保障のありようを批判的に捉えていくために(問題を認識するために)、社会政策・福祉政策の基本的な概念や枠組みをどう用いたらよいか。(A-4-1、2)
【事前学習】自分が関心を寄せる社会福祉の問題(レポートで論じたい課題)をはっきりとさせておく。 (2時間)
【事後学習】レポート作成につなげる。 (2時間)
5 オンライン型:社会政策のキー概念-シティズンシップ、社会権、人間像 (A-1-1~4)
【事前学習】副題に示したキーワードを意識しながら教科書第1章、3章をよく読み、そのポイントを自分なりにまとめておく。 (2時間)
【事後学習】授業の中で示した参考文献もふまえて今回のテーマについて理解を深め、「新聞記事へのコメント」につなげる。 (2時間)
6 オンライン型:社会政策のキー概念-ニーズをどう捉えるか、ニーズをどう充足するか(A-1-1~4)
【事前学習】副題に示したキーワードを意識しながら教科書第12章をよく読み、そのポイントを自分なりにまとめておく。 (2時間)
【事後学習】授業の中で示した参考文献もふまえて今回のテーマについて理解を深め、「新聞記事へのコメント」につなげる。 (2時間)
7 オンライン型:社会政策のキー概念-資源配分、ケイパビリティ、・アプローチ、イデオロギー (A-1-1~4)
【事前学習】副題に示したキーワードを意識しながら教科書第12章、13章をよく読み、そのポイントを自分なりにまとめておく。 (3時間)
【事後学習】授業の中で示した参考文献もふまえて今回のテーマについて理解を深め、「新聞記事へのコメント」につなげる。 (1時間)
8 課題研究型:日本の社会保障のありようを批判的に捉えていくために(問題を認識するために)、社会政策・福祉政策の基本的な概念や枠組みをどう用いたらよいか。(A-4-1、2)
【事前学習】ここまでの授業内容で理解できたことと理解できていないことをまとめておく。 (2時間)
【事後学習】レポート作成のヒントにつなげる。 (2時間)
9 オンライン型:福祉の社会的分業と福祉レジーム論-福祉資本主義のモデル化(A-2-1~4)
【事前学習】副題に示したキーワードを意識しながら教科書第14章、コラムをよく読み、そのポイントを自分なりにまとめておく。 (2時間)
【事後学習】授業の中で示した参考文献もふまえて今回のテーマについて理解を深め、「新聞記事へのコメント」につなげる。 (2時間)
10 オンライン型:所得保障からみる日本型福祉レジームの論点-主体、対象、方法(A-3-1~4)
【事前学習】副題に示したキーワードを意識しながら教科書第6章をよく読み、そのポイントを自分なりにまとめておく。 (2時間)
【事後学習】授業の中で示した参考文献もふまえて今回のテーマについて理解を深め、「新聞記事へのコメント」につなげる。 (2時間)
11 オンライン型:健康・医療・介護からみる日本型福祉レジームの論点-主体、対象、方法 (A-3-1~4)
【事前学習】副題に示したキーワードを意識しながら教科書第7章をよく読み、そのポイントを自分なりにまとめておく。 (2時間)
【事後学習】授業の中で示した参考文献もふまえて今回のテーマについて理解を深め、「新聞記事へのコメント」につなげる。 (2時間)
12 オンライン型:福祉サービスからみる日本型福祉レジームの論点-主体、対象、方法(A-3-1~4)
【事前学習】副題に示したキーワードを意識しながら教科書第8章をよく読み、そのポイントを自分なりにまとめておく。 (2時間)
【事後学習】授業の中で示した参考文献もふまえて今回のテーマについて理解を深め、「新聞記事へのコメント」につなげる。 (2時間)
13 オンライン型:労働・住宅・教育政策からみる日本型福祉レジームの論点-主体、対象、方法 (A-3-1~4)
【事前学習】副題に示したキーワードを意識しながら教科書第9章をよく読み、そのポイントを自分なりにまとめておく。 (1時間)
【事後学習】授業の中で示した参考文献もふまえて今回のテーマについて理解を深め、「新聞記事へのコメント」につなげる。 (3時間)
14 課題研究型:自分が関心を寄せる社会福祉の問題を設定し、その上で、自分の考え(言いたいこと)をきちんと説明していくために、授業やディスカッションで得られた概念や枠組みをどう用いたらよいか。(A-4-3、4)
【事前学習】ここまでの授業内容で理解できたことと理解できていないことをまとめておく。 (2時間)
【事後学習】レポート作成につなげる。 (2時間)
15 オンライン型:レポートのフィードバックとその解説(A-4-3、4)
【事前学習】レポートの作成に用いた主な参考文献を読み返し、本科目とのつながりを自分なりにまとめておく。 (1時間)
【事後学習】フィードバックとその解説もふまえて作成したレポートを読み返し、本科目で学習した内容をあらためて復習する。 (3時間)
その他
教科書 坂田周一 『社会福祉政策-原理と展開』 有斐閣アルマ 2020年 第4版
参考書 大森彌・松村祥子編 『福祉政策Ⅰ-福祉政策の形成と実施(改訂版)』 放送大学教育振興会 2006年
武川正吾 『福祉社会-包摂の社会政策(新版)』 有斐閣アルマ 2011年
Esping-Andersen, Gøsta.著,岡沢憲芙・宮本太郎監訳 『福祉資本主義の三つの世界-比較福祉国家の理論と動態』 ミネルヴァ書房 2001年
Marshall, T. H. and Bottomore, T.著,岩崎信彦・中村健吾訳 『シティズンシップと社会的階級-近現代を総括するマニフェスト』 法律文化社 1993年
Spicker, Paul.著,武川正吾・上村泰裕・森川美絵訳 『社会政策講義-福祉のテーマとアプローチ』 有斐閣 2001年
岩田正美 『社会福祉のトポス-社会福祉の新たな解釈を求めて』 有斐閣 2016年
上記以外の参考文献は,授業の中で提示します.
成績評価の方法及び基準 レポート:A4用紙(40字×40行)2枚以上を目安にして作成(引用と出典を明示)、14回目(相当)の授業までに提出する(Blackboardでの提出を予定)。(50%)、授業参画度:毎回の授業後にリアクションペーパーを提出する(書式自由、Blackboardでの提出を予定)。(20%)、新聞や雑誌記事に対するコメント:200字程度を目安にして作成、毎回の授業までに提出する(書式自由、Blackboardでの提出を予定)。(30%)
①レポートについて:授業の中で提示をした参考文献や配付資料を参考にしながら、自分が関心を寄せる課題を適切に設定できているか。その上で、授業やディスカッションで得られた概念や枠組みを使いながら、自分の考え(言いたいこと)をきちんと論じることができているかを判断して評価する。なお、レポートの未提出者は成績評価の対象としないので注意すること。
②授業参画度について:リアクションペーパーには自分なりにその日(回)の授業内容やキーワードは何だったかを確認しながら記入する。事前学習と事後学習がなされているか、質疑応答やディスカッションの状況も踏まえて評価する。
③新聞や雑誌記事に対するコメントについて:国内外の社会保障や社会問題に関係する記事に意識を向けるようにして、気になる記事をノートなどにスクラップしておく。その上で、1)ピックアップした記事のタイトルとその概要、2)コメントを付ける。授業やディスカッションで得られた概念や枠組みを使いながら、記事を批判的に読んでみようとしているかを判断して評価する。
オフィスアワー 授業終了時に対応します.
備考 ・ZOOMを用いたオンライン型の授業を中心に進めていくことを想定していますので、自宅等のネットワーク環境及びパソコンなどの用意をしてください(通信料や通信容量に注意をしてください)。招待方法は、Blackboardを通してミーティングIDとパスワードをお伝えします。なお、通信中にアクシデント等が生じた場合には、授業に代替する課題を提出することによって出席とみなします。
・授業計画の進捗は学生の皆さんの理解や取り組みの状況を考慮して、多少変更することがあります。

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