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代数学序論2(含演習)

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令和元年度以前入学者 代数学序論2(含演習)
教員名 泊昌孝
単位数    3 学年    2 開講区分 文理学部
(他学部生相互履修可)
科目群 数学科
学期 後期 履修区分 選択必修
授業の形態 ①主として同時双方向型授業(Zoomによるライブ中継)、ただし、中間課題、期末課題を提出する際には、課題授業を1、2回交える予定
Blackboard ID: 20203075 金曜3限・金曜4限
授業概要 群論の基礎とその応用を通して,代数系の考え方を理解する.
授業のねらい・到達目標 ・剰余類の計算を通じて,群の基礎概念(巡回群,位数,部分群,剰余類,指数)を身に着けることができる.
・ラグランジュの定理を通じて,部分群を求めることができる.
・対称群(サイクル)の計算を通じて,共役類,正規部分群を決定する方法を身に着けることができる.
・群の準同型定理を正しく理解し,証明することができる.
この科目は文理学部(学士(理学))のディプロマポリシー DP3, DP6 及びカリキュラムポリシー CP1, CP9 に対応しています。

なお,新カリキュラム(令和2年度以降入学者対象)では,この科目は文理学部(学士(数学))のディプロマポリシー DP3,4,5,8 及びカリキュラムポリシー CP3,4,5,8に対応している。
・自らが獲得してきた数理科学的知識を基礎とし、その上で既存の知識にとらわれることなく、数理科学的根拠に基づいて論理的に考察することができる(A-3-3)。
・日常生活における現象に潜む数理科学的問題を発見し、専門的知識に基づいて解決策を作成できる(A-4-3)。
・新しい問題に取り組む意識を持ち、そのために必要な情報を収集することができる(A-5-2)。
・自分の学修経験の振り返りを継続的に行うことができる(A-8-1)。
授業の方法 演習付きの講義形式で行われる.主にその日の一コマ目は講義を中心に行い、その中で適宜、演習を行う.また、二コマ目は、教科書にある問題や、当日配布の演習問題をアドバイスを受けながら解き当日提出をする。

補助教材として、演習問題や要約が配布される.指示にしたがっての宿題も解いてくる。

事後学習として,要約内の課題(宿題)及び演習問題を利用することができます.
また,群論は市販の問題集も手に入れることができます.参考書のリストをご覧ください.
本授業の事前・事後学習は各々2時間の学習を目安とする。

以上の内容を基本にして、今年度は、Zoom による双方向授業を基本にして、講義を行う。
 具体的には、事前に用意開示した資料を共有ファイルとし、教科書の内容を膨らませながら、説明を加えてゆく。
 学生諸君は、当日の出席票を、ブレイクアウトセッションの様子などと共に、報告してもらい、さらに、
数学的な理解をクイズ課題にて提出する。クイズ課題へのブラックボードでの数学的リアクションにより、
問題の返却を行い演習内容の復習を行えるようにする。

1 事前学修(前回までの授業の復習)も踏まえて,講義当日に使用する共有資料、および当日使用予定の演習問題集をblackboard で与え、事前学習をもとめる。
 ブラックボードによる教材の授受が講義当日も可能な状況が望ましい。
2 講義当日は、共有ファイルの説明を基本に、40分セクションを3回程度おこなう。
3 各自の演習時間を講義内のスポットで設ける。学生諸君全体を、Zoom ブレイクルーム方式で少人数に分け、
 15分程度の学生諸君同士の議論による自主学習の機会を設ける。
4 授業内では、新セクションを開始時に、当日の直前学習内容からやさしい設問を「クイズ」として与え、2セクション分を一つづきにまとめ、
 ブラックボードでの数日の間の提出をもとめる。
5 当日の最終セクションは、まとめとして、比較的深い内容を持つ為、適宜、週末課題を提出させ、事後学習の充実を図る。
6 3セクション終了後、残り時間を考えつつ2こま目まで込めて、大人数へのブレイク方式で、演習時間を設け、授業内の質問を受け付ける。
7 Zoom 講義内で随時行った「iPad メモを使った板書記録」、「共有資料への書き込み」などを講義資料を、講義直後にブラックボードへアップする。
8 講義内容は録画をして、やむ終えない欠席者への対応を準備している。
9 講義中の録音を、復習用に編集し、オンデマンド復習教材を作成し、OneDrive やブラックボードを利用して、復習用にアップする。

(また、学生からの質問等の対応として、)

10 クイズ、出席票、週末課題、それぞれにリアクションをブラックボードを適宜与える。更なる質問には outlook Eメールを用いてそれに答える。
履修条件 関連する内容が多いので,前期の代数学序論1の内容を理解している方が望ましい.
授業計画
1 群の定義 1 として、2項演算の結合法則の意味を含め、基礎事項を学びます。
【事前学習】シラバスを事前に確認し、教科書第一章1.1節前半を読んでおくこと. (2時間)
【事後学習】第一回の宿題を解くこと (3時間)
2 郡の定義 2 として、群の例を置換群によって学び、定義の意味を理解します。
【事前学習】第一回目の講義で説明された用語を復習し,教科書第1章1.1項半〜1.2節に目を通しておくこと. (2時間)
【事後学習】第二回の宿題を解くこと (3時間)
3 置換群と多面体群などを学びます。また、群の演算についての様々な基本関係を学びます。
【事前学習】第二回目の講義で説明された用語を復習し,教科書第1章1.2節および配布資料を読んでおくこと. (2時間)
【事後学習】第三回の宿題を解くこと、返却された授業内演習の復習 (3時間)
4 部分群の定義を学び、幾何学的に定まる部分群や、置換群として与えられる部分群などで、様々な部分群を知ります。
【事前学習】第三回目までの講義の復習し,教科書第2章 2.1 前半および配布資料に目を通しておくこと. (2時間)
【事後学習】第四回の宿題を解くこと、返却された授業内演習の復習 (3時間)
5 部分群になる為の判定法を理解し、巡回群、そして、元の位数を巡回群の生成元の言葉で理解します。
【事前学習】第四回目までの講義の復習し,教科書第2章2.1 後半を良く読んでおくこと. (2時間)
【事後学習】第五回の宿題を解くこと、返却された授業内演習の復習 (3時間)
6 部分群による類別、左剰余類を学び、ラグランジュの定理(定理2.6)を学びます。
【事前学習】教科書第2章2.2節を良く読んでおくこと. (2時間)
【事後学習】第5回の宿題を解くこと、これまでに返却された授業内演習の復習 (3時間)
7 置換群の部分群、剰余類分割の代表系の選別の技術を学びます。そこで、ラグランジュの定理の簡単な応用を理解します。
【事前学習】教科書第2章2.2節まで、および、配布された資料を良く読んでおくこと. (2時間)
【事後学習】これまでの講義全体の復習、返却された授業内演習の復習 (3時間)
8 中間課題による、課題授業を基本とする。ただし、同日、講義時刻に Zoom による質問コーナーを開設する。この質問コーナーには出席の義務は無く、学生諸君は課題作成に専念して良い
【事前学習】第1回から第7回までの内容を整理しておくこと. (3時間)
【事後学習】解説の理解、できなかった問題の整理 (2時間)
9 正規部分群の定義を理解し、そのようになる判定法、また、アーベル群(加法群)との関係を理解します。
【事前学習】教科書第2章全体を良く読んでおくこと. (2時間)
【事後学習】第9回の宿題を解くこと (3時間)
10 群の準同形写像と同形写像を学び、その意義を例を通じて理解します。
【事前学習】教科書第3章3.1節を良く読んでおくこと. (2時間)
【事後学習】第10回の宿題を解くこと (3時間)
11 正規部分群とその剰余群(商群)を理解します。また、商群の例を通じて現れ方の必然性を理解します。
【事前学習】これまでの講義で説明された用語を復習し,教科書を最初から第3章3.1,3.2節までを良く読んでおくこと. (2時間)
【事後学習】第11回の宿題を解くこと、返却された授業内演習の復習 (3時間)
12 群の準同形定理という本講義での中心定理を理解します。
【事前学習】これまでの講義の内容を復習し、特に、教科書第3章定理3.3の証明を良く読んでおくこと. (1時間)
【事後学習】第12回の宿題を解くこと、返却された授業内演習の復習 (3時間)
13 群の性質の応用として、代数学序論1で習ったフェルマーの小定理の理解、そして15ゲームやルービックキューブなどで、身近にある現象での群の発見をします。
【事前学習】これまでの講義の内容を復習し、これまでに習った教科書全体良く読んでおくこと. (2時間)
【事後学習】第13回の宿題を解くこと、返却された授業内演習の復習 (3時間)
14 小さな位数の群の構造、2面体群、交代群の単純性、など、次に目標となる重要なテーマを概観し、そこでのシローの定理とその使い方を学びます。
【事前学習】これまでの講義の内容を復習し、教科書全体で、事前に指摘された命題達に目を通しておくこと (3時間)
【事後学習】これまでの講義全体の復習、返却された授業内演習の復習 (2時間)
15 期末課題による、課題授業を基本とする。ただし、同日、講義時刻に Zoom による質問コーナーを開設する。この質問コーナーには出席の義務は無く、学生諸君は課題作成に専念して良い
【事前学習】第一回授業内試験以降の内容、また、指示のあった項目全般について内容を整理しておくこと. (3時間)
【事後学習】解説の理解、振り返り(これまでの講義内容の復習・解説を行い,授業の理解を深める) (2時間)
その他
教科書 国吉秀夫著、高橋豊文改訂 『群論入門[新訂版]』 サイエンス社 2001年 第3版
古くから定評のある群論の基礎をまとめた教科書です。演習問題を込め、講義で基礎として使用します。単位をとりたい人は必ず購入すること。
参考書 渡辺敬一・草場公房 『代数の世界 (改訂版)』 朝倉書店 2015年 第2版
ホール著、金沢稔・八牧宏美訳 『群論(上) (数学叢書)』 吉岡書店 1969年 第1版
志賀浩二 『群論への30講 (数学30講シリーズ)』 朝倉書店 1989年 第1版
『代数の世界』は個々の命題について行間を埋めながら理解してゆく本ですが,多くの内容が含まれています.それでも書き方に暖かみのある良い本です.大学4年間で学ぶ代数学一般の内容として、代数学専攻の学生としては教科書と共に手元においておくと良いでしょう.
『ホールの群論』は、群論の世界的な研究者によって書かれた非常に厳密でかつ深い内容を持った本です。もし、群論を専攻とされるなら、このような書籍から入門するのも良いでしょう.
『群論への30講』は、楽しい話題にあふれた読み物として、語り口調ですが厳密な内容をもった立派な入門書です。微分幾何の専門家として志賀先生の個性が導入部のシンメトリーへのこだわり、そして、最後の話題にも現れていて、幾何的な群論入門といえるでしょう。
成績評価の方法及び基準 レポート(40%)、授業参画度(60%)
レポートとして、中間課題(第8週)、期末課題(第15週)の提出を求める。
授業参画度は、授業内での演習の参加状況を、クイズ式演習答案回収などでのリアクションペーパーの内容の状況で評価する。
授業参画度は演習問題へのとりくみなどを総合的に考慮しますので、出席票にて各回の講義への感想を求める。
提出を求める出席票についてはその内容を込め、授業参画度として評価します.
A-3,A-4 の達成度は中間課題、期末課題の解答状況で判定し、A-5 の達成度については講義中の演習とその机間指導にて判定する。
オフィスアワー 原則として,講義後に質問を受け付けますが,時間のないときには直接連絡先を交換して下さい.
備考 群論は代数学2(ガロア理論)にもつながっています.また,群準同型定理はすべての代数系に現れる準同型定理のひな型になります.
是非理解して下さい.

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