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微分方程式論2

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令和元年度以前入学者 微分方程式論2
教員名 加藤伸幸
単位数    2 学年    3 開講区分 文理学部
(他学部生相互履修可)
科目群 数学科
学期 後期 履修区分 選択必修
授業の形態 ②オンデマンド型授業12回と同時双方向型授業3回の組み合わせ
Blackboard ID:20203112
授業概要 前期科目「微分方程式論1」に引き続き,2次元関数の微分方程式としての1階連立微分方程式について,解の性質を目に見える形(解軌道)で観察する.
また,前期で取り扱った微分方程式は「解が必ず存在する」方程式であり,そもそもの問題点は「解は存在するか」という可解性,「解が存在すれば1つだけか」という一意性である.そこで,解析学の内容から必要なものを復習して,1階常微分方程式の初期値問題がどのような時に解を1つだけ持つかという一意可解性の議論に適用する.これは独立変数が2つ以上になった「偏微分方程式」にも当てはまる.さらに,微分方程式を代数方程式に書き換えて解を求めることにも挑む.
レポート課題はBlackboard上で提出し,学生個々に対して点数公開とフィードバックを行う.
授業のねらい・到達目標 ・連立1階線形微分方程式の解を求めることができる.
・連立1階線形微分方程式の解の挙動を座標平面上で観察することができる.
・再度,数列や級数の収束性をε-N 論法で論じることができる.
・再度,関数の連続性をε-δ 論法で論じることができる.
・再度,連続関数列の収束性を論じることができる.
・1階常微分方程式の一意可解性を議論することができる.
・Laplace変換を用いて2階定数係数線形微分方程式の初期値問題を解くことができる.
この科目は文理学部(学士(理学))のディプロマポリシー DP3, DP6 及びカリキュラムポリシー CP1, CP9 に対応しています.

なお,新カリキュラム(令和2年度以降入学者対象)では,この科目は文理学部(学士(数学))のディプロマポリシー DP1~8 及びカリキュラムポリシー CP1~8に対応している。
・自らが獲得してきた数理科学的知識を基礎とし,その上で既存の知識にとらわれることなく,数理科学的根拠に基づいて論理的に考察することができる(A-3-3).
・日常生活における現象に潜む数理科学的問題を発見し,専門的知識に基づいて解決案を作成できる(A-4-3).
・新しい問題に取り組む意識を持ち,そのために必要な情報を収集することができる(A-5-2).
・自分の学修経験の振り返りを継続的に行うことができる(A-8-1)。
授業の方法 オンデマンド形式:Blackboard上に配信される講義資料(pdfファイル)と簡易解説動画によって各自のペースで学習を進める.必要に応じて,Blackboard掲示板上で質疑応答(学生間で行ってもよい),意見交換(学生間を含む)を行う.
レポート課題:原則として各回,講義資料に添付されたレポート課題(講義内容に即した演習問題,次回の講義に必要な発想でこれまでの学習内容から抜粋)を所定の方法で提出(期限は翌週10:30)する.教職関係や体調不良等でレポート課題が舞い合わない場合はその証拠と併せて提出してよい(従って,課題の解答は公開しない).
同時双方向型:3回行われる授業内試験(中間試験2回と期末試験)は,Zoomを通じて不正行為が起こらないよう監視(試験中のみ)する.実施日を告知した上で,当日に試験問題を配信する.答案は所定の答案用紙に記入し,pdf形式でBlackboard上の指定された箇所に提出する.
レポート課題,授業内試験は理由の如何に関係なく免除しない.
履修条件 なし
授業計画
1 オンデマンド授業:消去法によって,「連立1階線形微分方程式」の解を求める.また,「行列の指数関数/三角関数」を定義する.(A-5)
【事前学習】前期科目「微分方程式論1」で取り上げた2階定数係数線形微分方程式の解法全般を復習する. (1時間)
【事後学習】例題を解き直し,練習問題で計算練習し,レポート課題に取り組む. (3時間)
2 オンデマンド授業:行列を用いて「連立1階線形微分方程式」の解を求める(A-5).
【事前学習】行列の指数関数・三角関数,2次行列の固有値問題について復習する. (1時間)
【事後学習】例題を解き直し,練習問題で計算練習し,レポート課題に取り組む. (3時間)
3 オンデマンド授業:連立1階線形微分方程式の係数行列が実固有値を持つ場合の「解軌道」を観察する(A-5).
【事前学習】行列を用いた連立微分方程式の解法,媒介変数表示された関数のグラフについて復習する. (1時間)
【事後学習】例題を解き直し,練習問題で計算練習し,レポート課題に取り組む. (3時間)
4 オンデマンド授業:連立1階線形微分方程式の係数行列が虚固有値を持つ場合の「解軌道」を観察する(A-4, A-5).
【事前学習】平面上の1次変換としての回転について復習しておく. (1時間)
【事後学習】例題を解き直し,練習問題で計算練習し,レポート課題に取り組む. (3時間)
5 同時双方向授業:授業内試験1(第1回中間試験)とその解説(A-3)
【事前学習】試験範囲である第1回~第4回講義内容を復習する. (5時間)
【事後学習】解答できなかった問題の内容を復習する(A-8). (1時間)
6 オンデマンド授業:数列・級数の収束性を復習する(A-3).
【事前学習】ε-N 論法による収束の定義,式を評価することの意味について復習しておく. (1時間)
【事後学習】例題を解き直し,練習問題で計算練習し,レポート課題(級数の収束性判定)に取り組む. (3時間)
7 オンデマンド授業:関数の連続性を復習する(A-3).
【事前学習】ε-δ 論法による(一様)連続性の定義,三角不等式について復習しておく. (1時間)
【事後学習】例題を解き直し,練習問題で計算練習し,レポート課題に取り組む. (3時間)
8 オンデマンド授業:一様収束する連続関数列の基本性質を復習する(A-3).
【事前学習】数列の収束性,関数の連続性,開集合/閉集合について復習する. (1時間)
【事後学習】例題を解き直し,練習問題で計算練習する. (2時間)
9 同時双方向授業:授業内試験2(第2回中間試験)とその解説(A-3)
【事前学習】試験範囲である第6回~第8回講義内容を復習する. (5時間)
【事後学習】解答できなかった問題の内容を復習する(A-8). (1時間)
10 オンデマンド授業:「1階常微分方程式の一意可解性」を議論する.特に,近似解の列を構成してその性質を観察する(A-3, A-5).
【事前学習】漸化式,微分積分学の基本定理,関数の有界性,Lipschitz連続性について復習する. (1時間)
【事後学習】レポート課題として,具体的な2変数関数について解の存在条件(有界性,Lipschitz条件)を満たすことを示す. (2時間)
11 オンデマンド授業:「1階常微分方程式の一意可解性」の議論の続きとして.近似解の列について極限を取る(A-3, A-5).
【事前学習】無限級数の収束,関数列の一様収束について復習する. (1時間)
【事後学習】レポート課題として,近似解の列の収束に必要な評価式を証明する. (2時間)
12 オンデマンド授業:「1階常微分方程式の一意可解性」の議論の続きとして,解の一意性を議論する(A-3, A-5).
【事前学習】定積分全般と1階線形微分方程式の解法について復習する. (1時間)
【事後学習】3回に分けて行った一意可解性の議論を通して復習する. (2時間)
13 同時双方向授業:授業内試験3(期末試験)とその解説(A-3)
【事前学習】試験範囲である第10回~第12回講義内容を復習し,過去問を解く. (5時間)
【事後学習】解答できなかった問題の内容を復習する(A-8). (1時間)
14 オンデマンド授業:「Laplace変換」を定義し,具体例と性質を観察する(A-5).
【事前学習】parameter付の定積分と分数式を計算練習する. (1時間)
【事後学習】例題を解き直し,Laplace変換についてさらに調べる. (2時間)
15 オンデマンド授業:「Laplace変換」を2階定数係数線形微分方程式の初期値問題に適用する(A-3, A-5).
【事前学習】Laplace変換の定義と具体例,基本性質を復習する. (1時間)
【事後学習】例題を解き直し,レポート課題(Laplace変換,2階定数係数線形微分方程式の初期値問題)に取り組む(A-8). (2時間)
その他
教科書 使用しない. 講義資料と簡易解説動画を配信(水曜6:00)する.
参考書 長瀬道弘 『微分方程式』 裳華房 1993年
他にも良書は多数あります.
成績評価の方法及び基準 レポート(30%)、授業内テスト(70%)
講義終了後に配布するレポート課題,2回の中間試験と期末試験で成績を付ける.各回,出欠を確認するが,これは成績に加味されず,状況によっては救済の対象から外れる.また,教職関係,体調不良等でレポート課題の提出が間に合わない場合は,その証拠と併せて提出してよい.レポート課題は理由の如何に関係なく免除しない.
A-3,A-4の達成度については答案を通して評価する。A-5については各回の取り組みの姿勢で評価する。
A-8についてはノートの整理状況を通して評価する。
オフィスアワー Blackboard上の掲示板内のフォーラム「第x回 質問箱」(x=1~15)で各回の学習内容に関する質問を受け付けます(授業内試験の回を除く).
備考 前期科目「微分方程式論1」の学習内容を含むため,同科目の続編と位置づけている.従って,本科目を単独で履修することは望ましくない.

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