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物性物理学2

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令和元年度以前入学者 物性物理学2
教員名 石田浩
単位数    2 学年    3 開講区分 文理学部
科目群 物理学科
学期 後期 履修区分 選択
授業の形態 オンデマンド型の遠隔授業
Blackboard ID:水曜3限→20203398
授業概要 “物性”すなわち、物質の性質をミクロの物理法則から理解する。物性物理学では、物質の巨視的な性質(色、硬さ、電気特性など)を、物質中のイオンと電子の振舞いにさかのぼって微視的に理解する。ここでイオンや電子の運動を記述するため量子力学が必要となり、また熱平衡状態の莫大な個数の粒子を扱うため統計力学が必要となる。後期開講の本講義では、結晶固体の電子物性を中心に学ぶ。まず、自由電子モデルを用いて、波数空間、状態密度、フェルミ準位等の概念に親しむ。次に結晶格子ポテンシャルによって、電子のエネルギーバンド構造が生じることを学ぶ。エネルギーバンド構造に基づいて、固体の電気物性(金属、半導体、絶縁体)や光学特性が理解できることを示す。また電子と格子振動の結合によって超伝導状態が発生することを学ぶ。
授業のねらい・到達目標 「物性物理学2」では、まず多電子系を扱うための一体近似(平均場近似)について説明する。次に自由電子モデルを用いて、波数空間、状態密度、フェルミ準位等の概念に親しむ。次に結晶格子ポテンシャルによって、電子のエネルギーバンド構造が生じることを学ぶ。エネルギーバンド構造に基づいて、固体の電気物性(金属、半導体、絶縁体)や光学特性が理解できることを示す。エネルギーバンドの応用として、半導体の電子状態を学び、pn接合、ダイオード、バイポーラトランジスタ、電界効果MOSトランジスタなどの原理を学ぶ。電子と格子振動の結合によって超伝導状態が発生することを学ぶ。
・多電子系を扱うための一体近似(平均場近似)について説明できる。
・自由電子モデルを用いて、固体中の電子の状態密度、フェルミ準位等を計算できる。
・周期的な格子ポテンシャルのある場合のシュレーディンガー方程式を波数空間で書き表すことができる、
・電子のエネルギーバンド、エネルギーギャップについて説明できる、
・ユニットセル中の価電子数とエネルギーバンドの占有数の関係を説明できる、
・エネルギーバンド構造にもとづいて金属、絶縁体に分類できる、
・代表的な結晶のエネルギーバンド構造を理解して、状態密度から物質の物性を予測できる、
・真性半導体、不純物半導体(p型、n型半導体)、ドナー準位、アクセプター準位について説明できる、
・pn接合、ダイオード、トラジスターの原理を説明できる、
・超伝導体の物性について説明できる、
・超伝導に関するBCS理論についてその概要を説明できる。
・物事を科学的根拠に基づいて批判的、論理的に考察し、既存の知識にとらわれることなく、物事の本質を捉えることができる。既存の知識にとらわれることなく、物事を論理的に・批的考え、説明することができる(A-3-3)。

この科目は文理学部のDP3及びCP3に対応しています。
授業の方法 Blackboardを通じて、授業15回分のオンデマンド教材を、毎週、配信します。受講生はその教材を使って学修してください。また毎回または2週に1回程度、授業内容に関する小テストを実施します。小テストの解答は、テストの期日後に提供するので復習もしてください。学期末にはこれまでの授業内容全般にわたる期末テストも実施します。課題の解答例は、翌週までに提供するので復習もしてください。またBlackboardの掲示板機能を用いて質問に回答します。
授業計画
1 イントロダクションとして、物性物理学とは何かをもう一度説明する。また物性物理学2で学ぶ授業内容を概観する。
【事前学習】】3年次前期の「物性物理学1」のノートを復習しておく。 (2時間)
【事後学習】パワーポイント教材と授業中のメモをもとに、講義ノートを作成する。 (2時間)
2 古典力学の範囲で説明できる現象として金属の反射率を扱う。古典力学を用いて自由電子金属の誘電率を計算する。誘電率と光の反射率の関係を学ぶ。光の振動数がプラズマ振動数以下の場合、ひかりが全反射して金属光沢が生まれることを学ぶ。
【事前学習】電磁気学で学んだ誘電率、マクセル方程式等の復習をする。 (2時間)
【事後学習】ノートを読み返し理解不⾜を補うとともに、 授業中に出された演習問題をとく 。 (2時間)
3 多電子系のシュレーディンガー方程式を復習する。電子間クーロン相互作用を近似的に取り扱う方法として、一体近似(平均場近似)について説明する。平均場近似が成り立つ物質、成り立たない物質(強相関系)があることを学ぶ。
【事前学習】「量子力学1」で学んだ1電子のシュレーディンガー方程式の復習をしておく。 (2時間)
【事後学習】どのような固体が、強相関電子系になるか調べてその特徴を明らかにする。 (2時間)
4 固体中の電子状態の第0近似として自由電子モデルを扱う。パウリの排他律とスピン自由度を考慮して。1次元、2次元、3次元の電子系について基底状態を計算する。フェルミ波数、フェルミエネルギー、フェルミ面、状態密度について学ぶ。
【事前学習】無限障壁の井戸型ポテンシャル中の電子のシュレーディンガー方程式の解法を復習しておく。。 (2時間)
【事後学習】固体のフェルミ波数、フェルミエネルギーを、固体中の電子の数密度のみの関数として表す。 (2時間)
5 エネルギーバンド中の電子に外場が加わったとき、電子の波数ベクトルの時間変化を決める運動方程式を導く。自由電子モデルでは、電場をかけると電子のフェルミ球が電場と反対方向にシフトして電流が生じることを学ぶ。
【事前学習】次回テーマに関して参考書等に目を通しておく (2時間)
【事後学習】フェルミ球がシフトしたときに生じる電流の大きさを1~3次元自由電電子系について計算する。 (2時間)
6 金属の電気抵抗の原因になる不純物、フォノンとの衝突について説明し、緩和時間近似で金属の電気伝導率、抵抗率を計算する。また金属の電気抵抗の温度変化の原因を学ぶ。
【事前学習】「物性物理学1」で学んだ格子振動フォノンについて復習する。 (2時間)
【事後学習】ノートを読み返し、理解不足を補っておくこと (2時間)
7 結集ポテンシャルが逆格子ベクトルを用いてフーリエ展開できることを示す。Blochの定理を説明して、結晶の電子は波数ベクトルを量子数に持つことを学ぶ。電子のシュレーディンガー方程式を、平面波表示で表し、エネルギー固有値の計算が行列の対角化になることを学ぶ。
【事前学習】線形代数で学んだ行列の固有値方程式の復習をしておく。 (2時間)
【事後学習】複素平面波の重ね合わせがBlochの定理を満たすことを確かめる。 (2時間)
8 第7回で導いた波数 kをもつの電子の固有値方程式を1次元の場合に適用して、Brillouin域境界でエネルギーギャップが生じることを学ぶ。一般化して、3次元結晶のエネルギーバンドとバンドギャップについて学ぶ。
【事前学習】2x2の行列の固有値方程式の解法を復習する。エルミっと行列の固有値がじっすであることを復習しておく。 (2時間)
【事後学習】ノートを読み返し、理解不足を補っておくこと (2時間)
9 エネルギーバンドに収容できる電子数が、スピンに関して縮退していればユニットセル当たり2個であることを説明する。これを用いて固体を金属と絶縁体に分類する。代表的な、単純金属、遷移金属、絶縁体について第一原理計算で得られるエネルギーバンド構造を説明する。
【事前学習】単純金属と遷移金属について「化学」で学んだ性質の違いをまとめておく。 (2時間)
【事後学習】Mg、Beなど価電子2個の物質が3次元ではなぜ絶縁体にならないのかを考える。 (2時間)
10 エネルギーバンド理論が成功した例として半導体の物理を学ぶ。真性半導体と不純物半導体(p型、n型半導体)について学ぶ。間接ギャップと直接ギャップ半導体の違いについて学ぶ。
【事前学習】高校「物理」で半導体について復習しておく。 (2時間)
【事後学習】有効質量近似と誘電率を用いて、不純物準位の大きさを見積もる。 (2時間)
11 半導体pn接合の界面領域における電子状態を取り上げる。pn接合に正負のバイアス電圧をかけたときの電流について学ぶ。pn接合を2つ組み合わせたバイポーラ型トランジスターの原理と電界効果型MOSトランジスターの原理を学ぶ。
【事前学習】コンピュータに用いられるトランジスターはどのように製造されるかを調べる。 (2時間)
【事後学習】不純物半導体における電荷欠乏層、電荷反転層について調べてその原理を理解する。 (2時間)
12 超電導現象の歴史を紹介した後、超伝導体を特徴づける永久電流、マイスナー効果、ジョセフソン効果について概説する。熱力学を用いて超伝導体の相転移を議論する。
【事前学習】次回テーマに関して参考書等に目を通しておく (2時間)
【事後学習】K. Onnesのノーベルレクチャーをノーベル財団のWEBサイトからダウンロードして読む。 (2時間)
13 超伝導体のBCS(Bardeen-Cooper-Schriefer)理論を紹介する。電子間にフォノンを媒介とした引力が働き、フェルミエネルギー付近の電子がクーパー対を作った状態が超電導状態であることを学ぶ。
【事前学習】次回テーマに関して参考書等に目を通しておく (2時間)
【事後学習】ノートを読み返し理解不⾜を補うとともに、 授業中に出された演習問題をとく 。 (2時間)
14 期末テストとその解説(A-3-3)
【事前学習】これまでの授業内容について復習しておくこと。 (2時間)
【事後学習】解けなかった問題について、もう⼀度ノート、パワポ教材を参照して解きなおすこと (2時間)
15 まとめ(これまでの復習・解説を⾏い,講義内容の理解を深める)
【事前学習】「物性物理学2」のテキストをまとめたノートを整理して、4年次の「特別研究A,B」に備える (2時間)
【事後学習】事前学習の続きを⾏う。 (2時間)
その他
教科書 使用しない
参考書 使用しない
成績評価の方法及び基準 授業内テスト(100%)
出席回数が十分でない場合は成績評価の対象としない
オフィスアワー 授業内容に関する質問は授業後あるいは学科事務室で受け付けます。その後、時間を調整して、物理学科図書室または本館1階で応対します。

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