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生命基礎科学実験2

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令和元年度以前入学者 生命基礎科学実験2
教員名 外川徹
単位数    1 学年    2 開講区分 文理学部
科目群 生命科学科
学期 半期 履修区分 必修
授業の形態 前期は夏季に対面型(集中授業)で行う。
後期は学事予定通りに対面型授業を行うが,キャンパスで授業を行うのは7回とし,他は配布するテキストを用いた課題研究とする。また,対面型授業ではなくオンデマンド型授業も選択できる。詳しくは,Blackboardを通じて説明する。
Blackboard ID: 前期 20203491; 後期 20203493
授業概要 前半では,生体高分子であるタンパク質と核酸を対象とする基本的な生化学および分子生物学実験を行う。後半では,自然免疫における抗菌ペプチドの誘導現象を例に取り,この現象に関わる分子生物学的解析を体験する。
授業のねらい・到達目標 <知識・技能>
・生命科学で広く用いられる生化学・分子生物学的手法を修得できる。
・各実験操作の基礎となっている様々な生命現象の理解が深まる。
・研究報告書・論文に必要な項目と内容を備えた実験レポートを作成できるようになる。
・グループによる実験結果発表とその討論ができるようになる。

<能力>
この科目は文理学部生命科学科(学士(理学))のディプロマポリシーDP1, 3, 4, 5, 6, 7, 8およびカリキュラムポリシーCP1, 3, 4, 5, 6, 7, 8に対応している。
・学修から得られた豊かな知識と教養,および自己の倫理観に基づいて,科学技術の役割を説明することができる(DP1-2)。
・既存の知識にとらわれることなく,物事を論理的・批判的に説明することができる(DP3-2)。
・日常生活における現象に潜む科学的問題を見出し,専門的知識に基づいて説明することができる(DP4-2)。
・新しい問題に取り組む意識を持ち,そのために必要な情報を収集することができる(DP5-2)。
・新しい人々とコミュニケーションを取り,専門的知識について正しく説明することができる(DP6-2)。
・学修活動において積極的にリーダーシップを発揮し,他者と協働して作業に取り組むことができる(DP7-2)。
・継続的に自分の学修経験を振り返り,分析することができる(DP8-2)。

各回の授業・事前学習・事後学習を通して,日本大学教育憲章にある以下の能力を身につけることを目標とする。
A-1 (DP1・CP1): 豊かな知識・教養に基づく高い倫理観
A-3 (DP3・CP3): 論理的・批判的思考力
A-4 (DP4・CP4): 問題発見・解決力
A-5 (DP5・CP5): 挑戦力
A-6 (DP6・CP6): コミュニケーション力
A-7 (DP7・CP7): リーダーシップ・協働力
A-8 (DP8・CP8): 省察力
授業の方法 実験の内容・原理・方法を記した実験書を配布する。受講生が2名の実験班を構成し,実験書を参照しながら班単位で能動的に実験を進行する。各テーマの終了後に,実験内容をレポートにまとめて提出する。本科目は毎回,複数教員で担当する。
履修条件 「基礎科学実験1・2」を修得していること。他学部・他学科の学生が履修する場合には,相談すること。
授業計画
1 『ガイダンス』:実験の進め方,実験器具の使用方法,レポート作成の解説など
【事前学習】・シラバスをよく確認し,実験全体の流れを理解しておくこと。
【事後学習】・実験書の「はじめに」を熟読して内容を把握し,実験における注意点,レポート作成方法を十分に理解する。
2 『ニワトリ卵タンパク質の生化学①』:ニワトリ卵からのタンパク質の調製,タンパク質の分画
実際に実験に取り組むことで,新たな実験手法に挑戦して(A-5)技術を修得し,失敗があれば問題点を見出し解決し(A-4),実験結果から客観的に情報を読み取り(A-3),それについて実験パートナーと議論する能力(A-6)を養う。
【事前学習】・実験書の「1.ニワトリ卵タンパク質の生化学」の導入部分を熟読し,内容を理解しておく。必要に応じて,当該箇所に関してさらに自ら学んでおく。これにより「豊かな知識・教養に基づく高い倫理観(A-1)」を養う。 ・「2週目」の実験手順を十分に理解しておく。
【事後学習】・実験結果ならびに当該実験で得られた内容を反芻する。これにより「省察力(A-8)」を養う。
3 『ニワトリ卵タンパク質の生化学②』:タンパク質のSDS-PAGE
実際に実験に取り組むことで,新たな実験手法に挑戦して(A-5)技術を修得し,失敗があれば問題点を見出し解決し(A-4),実験結果から客観的に情報を読み取り(A-3),それについて実験パートナーと議論する能力(A-6)を養う。
【事前学習】・「3週目」の実験手順を十分に理解しておく。
【事後学習】・実験結果ならびに当該実験で得られた内容を反芻する。これにより「省察力(A-8)」を養う。
4 『ニワトリ卵タンパク質の生化学③』:タンパク質の定量
『プラスミドDNAの分子生物学①』:プラスミドによる大腸菌の形質転換
実際に実験に取り組むことで,新たな実験手法に挑戦して(A-5)技術を修得し,失敗があれば問題点を見出し解決し(A-4),実験結果から客観的に情報を読み取り(A-3),それについて実験パートナーと議論する能力(A-6)を養う。
【事前学習】・実験書の「2.プラスミドDNAの分子生物学」の導入部分を熟読し,内容を理解しておく。必要に応じて,当該箇所に関してさらに自ら学んでおく。これにより「豊かな知識・教養に基づく高い倫理観(A-1)」を養う。 ・「4週目」の実験手順を十分に理解しておく。
【事後学習】・実験結果ならびに当該実験で得られた内容を反芻する。これにより「省察力(A-8)」を養う。 ・「ニワトリ卵タンパク質の生化学」の実験レポートを作成する。作成にあたり,当該内容に関して改めて自主的に学び(A-1),本実験が解決しようとする問題を捉え(A-4),実験結果から客観的に情報を読み取り(A-3),科学的内容が読み手に正確に伝わる文章を構築する(A-6)。また,提出したレポートに対する教員からのコメントを参考にして,レポートを修正し(A-8),再提出する。
5 『プラスミドDNAの分子生物学②』:アルカリ法による大腸菌からのプラスミドの調製とプラスミドDNAの制限酵素処理
実際に実験に取り組むことで,新たな実験手法に挑戦して(A-5)技術を修得し,失敗があれば問題点を見出し解決し(A-4),実験結果から客観的に情報を読み取り(A-3),それについて実験パートナーと議論する能力(A-6)を養う。
【事前学習】・「5週目」の実験手順を十分に理解しておく。
【事後学習】・実験結果ならびに当該実験で得られた内容を反芻する。これにより「省察力(A-8)」を養う。
6 『プラスミドDNAの分子生物学③』:DNAのアガロースゲル電気泳動
『自然免疫の分子生物学①』:組織からのRNA調製
実際に実験に取り組むことで,新たな実験手法に挑戦して(A-5)技術を修得し,失敗があれば問題点を見出し解決し(A-4),実験結果から客観的に情報を読み取り(A-3),それについて実験パートナーと議論する能力(A-6)を養う。
【事前学習】・実験書の「3−2.自然免疫における抗微生物ペプチド遺伝子の分子生物学」の導入部分を熟読し,内容を理解しておく。必要に応じて,当該箇所に関してさらに自ら学んでおく。これにより「豊かな知識・教養に基づく高い倫理観(A-1)」を養う。 ・「6週目」の実験手順を十分に理解しておく。
【事後学習】・実験結果ならびに当該実験で得られた内容を反芻する。これにより「省察力(A-8)」を養う。 ・「プラスミドDNAの分子生物学」の実験レポートを作成する。作成にあたり,当該内容に関して改めて自主的に学び(A-1),本実験が解決しようとする問題を捉え(A-4),実験結果から客観的に情報を読み取り(A-3),科学的内容が読み手に正確に伝わる文章を構築する(A-6)。また,提出したレポートに対する教員からのコメントを参考にして,レポートを修正し(A-8),再提出する。
7 『自然免疫における抗菌活性の検出①』:抗菌活性の検出
『自然免疫の分子生物学②』:RT-PCRによる抗菌ペプチドcDNAの増幅
実際に実験に取り組むことで,新たな実験手法に挑戦して(A-5)技術を修得し,失敗があれば問題点を見出し解決し(A-4),実験結果から客観的に情報を読み取り(A-3),それについて実験パートナーと議論する能力(A-6)を養う。
【事前学習】・実験書の「3−1.自然免疫における抗菌活性の検出」の導入部分を熟読し,内容を理解しておく。必要に応じて,当該箇所に関してさらに自ら学んでおく。これにより「豊かな知識・教養に基づく高い倫理観(A-1)」を養う。 ・「7週目」の実験手順を十分に理解しておく。
【事後学習】・実験結果ならびに当該実験で得られた内容を反芻する。これにより「省察力(A-8)」を養う。
8 『自然免疫における抗菌活性の検出②』:抗菌活性の観察
『自然免疫の分子生物学③』:PCR産物の解析と精製
実際に実験に取り組むことで,新たな実験手法に挑戦して(A-5)技術を修得し,失敗があれば問題点を見出し解決し(A-4),実験結果から客観的に情報を読み取り(A-3),それについて実験パートナーと議論する能力(A-6)を養う。
【事前学習】・「8週目」の実験手順を十分に理解しておく。
【事後学習】・実験結果ならびに当該実験で得られた内容を反芻する。これにより「省察力(A-8)」を養う。 ・「自然免疫における抗菌活性の検出」の実験レポートを作成する。作成にあたり,当該内容に関して改めて自主的に学び(A-1),本実験が解決しようとする問題を捉え(A-4),実験結果から客観的に情報を読み取り(A-3),科学的内容が読み手に正確に伝わる文章を構築する(A-6)。また,提出したレポートに対する教員からのコメントを参考にして,レポートを修正し(A-8),再提出する。
9 『自然免疫の分子生物学④』:抗菌ペプチドcDNAのクローニング
実際に実験に取り組むことで,新たな実験手法に挑戦して(A-5)技術を修得し,失敗があれば問題点を見出し解決し(A-4),実験結果から客観的に情報を読み取り(A-3),それについて実験パートナーと議論する能力(A-6)を養う。
【事前学習】・「9週目」の実験手順を十分に理解しておく。
【事後学習】・実験結果ならびに当該実験で得られた内容を反芻する。これにより「省察力(A-8)」を養う。
10 『自然免疫の分子生物学⑤』:抗菌ペプチドcDNAクローンのプラスミド調製と構造解析
実際に実験に取り組むことで,新たな実験手法に挑戦して(A-5)技術を修得し,失敗があれば問題点を見出し解決し(A-4),実験結果から客観的に情報を読み取り(A-3),それについて実験パートナーと議論する能力(A-6)を養う。
【事前学習】・「10週目」の実験手順を十分に理解しておく。
【事後学習】・実験結果ならびに当該実験で得られた内容を反芻する。これにより「省察力(A-8)」を養う。
11 『自然免疫の分子生物学⑥』:抗菌ペプチドcDNAクローンの塩基配列決定
実際に実験に取り組むことで,新たな実験手法に挑戦して(A-5)技術を修得し,失敗があれば問題点を見出し解決し(A-4),実験結果から客観的に情報を読み取り(A-3),それについて実験パートナーと議論する能力(A-6)を養う。
【事前学習】・「11週目」の実験手順を十分に理解しておく。
【事後学習】・実験結果ならびに当該実験で得られた内容を反芻する。これにより「省察力(A-8)」を養う。
12 『自然免疫の分子生物学⑦』:抗菌ペプチドcDNAクローンの塩基配列を用いたバイオインフォマティクス
実際に実験に取り組むことで,新たな実験手法に挑戦して(A-5)技術を修得し,失敗があれば問題点を見出し解決し(A-4),実験結果から客観的に情報を読み取り(A-3),それについて実験パートナーと議論する能力(A-6)を養う。
【事前学習】・「12週目」の実験手順を十分に理解しておく。
【事後学習】・実験結果ならびに当該実験で得られた内容を反芻する。これにより「省察力(A-8)」を養う。 ・「自然免疫における抗微生物ペプチド遺伝子の分子生物学」の実験レポートを作成する。作成にあたり,当該内容に関して改めて自主的に学び(A-1),本実験が解決しようとする問題を捉え(A-4),実験結果から客観的に情報を読み取り(A-3),科学的内容が読み手に正確に伝わる文章を構築する(A-6)。また,提出したレポートに対する教員からのコメントを参考にして,レポートを修正し(A-8),再提出する。
13 『実験結果発表準備』:各班で発表の準備を行う
各人が実験内容と結果を見直し(A-8),実験結果に関して班のメンバーと議論し(A-6),協働して発表資料を作成する(A-7)。
14 『実験結果発表準備』:前の週に引き続き,各班で発表の準備を行う
各人が実験内容と結果を見直し(A-8),実験結果に関して班のメンバーと議論し(A-6),協働して発表資料を作成する(A-7)。
15 『実験結果発表』:各班の発表と質疑応答
実験結果の発表を行うことで,自身が得た情報と自分の考えを的確に他者に伝え(A-6),質疑応答を通して発表内容に対するコメントを受け止め,さらに説明する(A-8)能力を養う。
その他
教科書 教科書は特に使用しない。実験の内容・原理・方法を記した実験書を配布する。
参考書 日本蚕糸学会編 『カイコの実験単』 NTS 2019年
岡田雅人,宮崎香 『タンパク質実験ノート(上)』 羊土社 2011年 第4版
田村隆明 『遺伝子工学実験ノート(上)』 羊土社 2010年 第3版
成績評価の方法及び基準 レポート(50%)、授業参画度(50%)
・全部で4つある実験テーマに対する各「実験レポート」の内容で,学んだ知識(A-1),実験で解き明かそうとする内容の理解(A-4),実験結果の読み取り(A-3),読み手に正確に伝わる文章構成(A-6),そして教員のコメントに対する対応(A-8)を評価する。
・「授業参画度」として,各回の実験における自ら挑戦する姿勢(A-5),問題を解決する姿勢(A-4),実験結果から情報を読み取る姿勢(A-3),実験パートナーと議論しながら協働して実験を進める姿勢(A-6)を評価する。
オフィスアワー 月~金 10:00-17:00
本館6階 生命科学科研究室605

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