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物理化学5

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令和元年度以前入学者 物理化学5
教員名 久米祥夫
単位数    2 学年    3 開講区分 文理学部
科目群 化学科
学期 前期 履修区分 選択必修
授業の形態 教科書に沿った内容で、オンデマンド型の遠隔授業と課題研究を組み合わせる。
初回講義開始までにBlackBoardのコース登録をすること。受講者への連絡はBlackBoardの“連絡事項”欄に掲示するので随時確認すること。
授業概要 化学を学ぶ上で必須である原子・分子のミクロな世界を理解するのに必要な量子論の基本事項について講義する。
授業のねらい・到達目標 原子やそれを構成する微小な粒子の運動特性を理解する上で必要な考え方(量子論的考え方)を身につける。
応用として最も単純な水素原子のスペクトルを理解、説明できることを目指す。

この科目は文理学部(学士(理学))のディプロマポリシーDP6及びカリキュラムポリシーCP9に対応しています。
授業の方法 授業実施日に、BlackBoardを通して教科書に沿ったオンデマンド教材、課題を配信する。受講生はその教材を視聴して学習する。
履修条件 なし
授業計画
1 1.量子論の序論と原理: 1.1 黒体放射における古典力学の破綻とプランク分布(オンデマンド型)
 黒体放射とはどのような現象か、また、この現象についての古典力学における結論であるレイリー・ジーンズの法則やウィーンの法則では黒体放射スペクトルの一部しか説明できず、エネルギー量子を仮定して導かれたプランクの法則で初めてスペクトルの全域を説明できることを理解する。
課題:古典力学の限界をプランクの法則との比較を行うことで理解する。
【事前学習】教科書のこの項目の箇所を読んで概要を把握しておく (2時間)
【事後学習】授業内容と教科書を照らし合わせながら復習する (2時間)
2 古典物理学では説明できない低温熱容量と原子・分子スペクトル(オンデマンド型)
固体の熱容量は古典力学ではデュロン・プティの法則に帰着するが、低温における熱容量はこの法則では説明できない。ここでも、エネルギー量子を仮定したアインシュタインによって導かれた熱容量の温度変化は低温部の熱容量低下をよく説明できることを理解する。
課題:エネルギー量子の違いにより低温の熱容量の温度変化が異なることを、幾つかのエネルギー量子について図示することによって理解する。
【事前学習】教科書のこの項目の箇所を読んで概要を把握しておく (2時間)
【事後学習】授業内容と教科書を照らし合わせながら復習する (2時間)
3 1.2 電磁放射線の粒子性と粒子(電子等)の波動性(オンデマンド型)
 電磁放射線(電波)は波として理解されていたが、粒子の性質を持っていることを知り、また、粒子として認識されている電子や中性子は波としての動きを示すことを実験事実から理解する。波動性と粒子性の間の関係性についても学ぶ。
【事前学習】教科書のこの項目の箇所を読んで概要を把握しておく (2時間)
【事後学習】授業内容と教科書を照らし合わせながら復習する (2時間)
4 1.3 シュレディンガー方程式と解としての波動関数(オンデマンド型)
 古典力学では、粒子の運動はニュートンの運動方程式を解くことによって決められるが、量子力学ではシュレディンガー方程式を解くことによって求まる。量子力学では粒子の運動をどのように理解するかを学ぶ。
【事前学習】教科書のこの項目の箇所を読んで概要を把握しておく (2時間)
【事後学習】授業内容と教科書を照らし合わせながら復習する (2時間)
5 1.4 波動関数のボルンの解釈、1.5 波動関数に含まれる情報(オンデマンド型)
 量子論特有の波動関数を理解する。
【事前学習】教科書のこの項目の箇所を読んで概要を把握しておく (2時間)
【事後学習】授業内容と教科書を照らし合わせながら復習する (2時間)
6 1.6 不確定性原理、1.7 量子力学の基本原理(オンデマンド型)
 量子論の特徴である不確定性原理とはどのようなものかを学び、量子力学の基本原理についてまとめる。
【事前学習】教科書のこの項目の箇所を読んで概要を把握しておく (2時間)
【事後学習】授業内容と教科書を照らし合わせながら復習する (2時間)
7 2.量子論の手法と応用:2.1 並進運動としての一次元の箱の中の粒子(オンデマンド型)
 1.で学んだ量子力学の原理を使用して、仮想的ではあるが具体的な系(今回の授業では限られた範囲での直線運動)での粒子の運動を求め、その解釈ができるようになる。
【事前学習】教科書のこの項目の箇所を読んで概要を把握しておく (2時間)
【事後学習】授業内容と教科書を照らし合わせながら復習する (2時間)
8 2.2 二次元および三次元の箱の中の運動(オンデマンド型)
 具体的な系の第2例目。運動の次元が増えたときの取り扱いについて学ぶ。
課題:三次元の箱の中の粒子の存在状態について、幾つかの量子数の組に対して図示することで理解する。
【事前学習】教科書のこの項目の箇所を読んで概要を把握しておく (2時間)
【事後学習】授業内容と教科書を照らし合わせながら復習する (2時間)
9 2.3 振動運動のエネルギー準位と波動関数(オンデマンド型)
 具体的な系の第3例目、調和振動についてシュレディンガー方程式の解を求め、その運動様相を理会する。
【事前学習】教科書のこの項目の箇所を読んで概要を把握しておく (2時間)
【事後学習】授業内容と教科書を照らし合わせながら復習する (2時間)
10 2.4 二次元の回転運動(環上の粒子)と角運動量(オンデマンド型)
 リング状の経路を運動する粒子についての量子力学的特徴を、この系のシュレディンガー方程式を解くことによって理解する。2次元の極座標によるシュレディンガー方程式の表示がどのようなものになるかを導く。
【事前学習】教科書のこの項目の箇所を読んで概要を把握しておく (2時間)
【事後学習】授業内容と教科書を照らし合わせながら復習する (2時間)
11 2.5 三次元の回転運動(球面上の粒子)、2.6 スピン(オンデマンド型)
 3次元極座標でのシュレディンガー方程式の表示がどのように求められるかを学び、その解から、球面上の粒子の運動について理解する。
【事前学習】教科書のこの項目の箇所を読んで概要を把握しておく (2時間)
【事後学習】授業内容と教科書を照らし合わせながら復習する (2時間)
12 2.7 近似法としての摂動法、2.8 時間に依存する摂動法(オンデマンド型)
 スペクトルの選択律を理解する上で必要な摂動法について初歩的な解説を行う。
【事前学習】教科書のこの項目の箇所を読んで概要を把握しておく (2時間)
【事後学習】授業内容と教科書を照らし合わせながら復習する (2時間)
13 3.水素型原子のスペクトル:3.1 水素型原子の構造(課題研究)
 実際の系である水素原子について、シュレディンガー方程式を解き、その電子構造を学ぶ。第11回授業の三次元の回転運動との類似性について理解する。
【事前学習】三次元の回転運動について復習しておく (2時間)
【事後学習】教科書をよく読んで、課題を仕上げる (2時間)
14 3.2 原子オービタルとそのエネルギー(課題研究)
 シュレディンガー方程式を解いて得られる固有関数と固有値であるエネルギーからその特徴を理解する。
【事前学習】教科書のこの項目の箇所を読んで概要を把握しておく (2時間)
【事後学習】教科書をよく読んで、課題を仕上げる (2時間)
15 3.3 分光学的遷移と選択律(課題研究)
 時間に依存する摂動法を利用して、光による電子遷移では可能な遷移とそうでない遷移があることすなわち選択律が存在することを理解する。
【事前学習】時間に依存する摂動法について復習しておく (2時間)
【事後学習】教科書だけでは十分ではないので他の書籍も利用して課題を仕上げる (2時間)
その他
教科書 Peter Atkins,Julio de Paula 著  千原, 中村 訳  『アトキンス 物理化学(上)』 東京化学同人 2009年 第8版
参考書 寺嶋正秀、 馬場正昭、 松本吉泰 著 『現代物理化学』 化学同人 2015年 第1版
成績評価の方法及び基準 レポート:幾つかの課題を総合的に評価する(80%)、授業参画度(20%)
オフィスアワー BlackBoardを通して質問を受ける。

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