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学問の扉

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令和4年度以降入学者 学問の扉
教員名 青木隆
単位数    2 学年    1 開講区分 文理学部
科目群 中国語中国文化学科
学期 後期 履修区分 必修
授業の形態 対面授業(一部Zoomによるライブ中継あり)
BlackboardコースID:2023706 木曜1限
授業概要 高校の「漢文」は、日本語古典文化の枠内で学ばれている。だから、諸君はこれまで、「漢文」が外国語文であることを意識しないですんだ。しかし、中国古典文を理解するためには、古典中国語の知識が不可欠である。周知のとおり、日本人は、古典中国語文を日本語に翻訳する技術――漢文訓読法を千数百年の長きにわたり培ってきた。幸いなことに、それらの学者たちによる古典中国語研究の膨大な蓄積が今日まで伝わっている。漢和辞典は、その結晶である。だから、中国古典文を読む解く際には、漢和辞典がもっとも役に立つ。漢和辞典の使い方に習熟し、漢和辞典でどんなことができるようになるのかを知ってもらいたい。
なお、本授業は、高大連携を強く意識した授業内容であるので、受講生が高校程度の「古文・漢文」を学んでいることを前提にして行う。
授業のねらい・到達目標 本授業は、高校「漢文」を学んだ人が、外国語文として本格的に古典中国語文を学ぶための入門として機能するよう設計されている(A-8-1)。それにはまず、漢和辞典の使い方に習熟することが必要である。
①漢和辞典で未知の漢字を調べることができる(A-3-1)。
②漢和辞典の記述から役に立つ情報を読み取ることができる(A-3-1)。
③古典中国語も現代中国語も同じ中国語であることがわかる(A-4-1)。
④漢和辞典の付録を活用することができる(A-4-1)。
⑤漢文訓読文の仕組みを理解することができる(A-4-1)。
仮説に基づく課題や問題を提示し,客観的な情報を基に,論理的・批判的に考察することの重要性を説明できる。(A-3-1)
事象を注意深く観察して,解決すべき問題を認識できる。(A-4-1)
自己の学修経験の振り返りを継続的に行うことができる。(A-8-1)
この科目は、文理学部のDP及びCPの3,4,8に対応しています。
授業の方法 授業の形式︓【講義】
・原則として講義形式で行うが、限定的に教室で漢和辞典を用いる実習を取り入れる。実習は、配布補助プリントの演習問題を解く形で行なう。
・基本的に個人で行うが、時にグループワークの形式をとることもあり、質疑応答の形式をとることもある。
・各授業回において課題提出を求めたり小テストを行う。提出課題や小テストは可能な限り採点や添削等のフィードバックを行う。
・本授業の事前・事後学習は合わせて4時間の学習を目安とする。
・所定の手続きを踏んで遠隔授業方式による科目履修を認められた学⽣は、遠隔授業での参加を認める。その場合、Zoom で参加し,Blackboard に配信する課題を提出する。
履修条件 原則として、中国語中国文化学科1年生(再履修者・編入生等を含む)
授業計画
1 「漢字の字体と漢和辞典の引き方」【対面】
①ガイダンス。授業方法と到達目標について理解する。
②漢和辞典で漢字を引く方法をマスターする。その際、必要に応じてグループの中で漢字の引き方を教えあう。
③新旧の漢字体、異体字の関係を理解する(A-4-1)。
【事前学習】シラバスを読み、到達目標について理解する。自分の氏名にある漢字の、新旧の字体及び簡体字を『漢辞海』・『中日辞典』等で調べ、ノートしておく(A-3-1)。 (2時間)
【事後学習】授業でできなかった問題を解いてみる(A-8-1)。授業で出された課題に取り組む。 (2時間)
2 「字音」【対面】
字音について。漢和辞典に記載されている漢字音には、大きく分けて、中国漢字音と日本漢字音がある。練習問題の実習を通じて、字音の調べ方をマスターする(A-4-1)。その際、グループの中で字音の調べ方を教えあうこと。
【事前学習】自分の氏名にある漢字の、中国漢字音と日本漢字音を『漢辞海』で調べ、ノートしておく(A-3-1)。 (2時間)
【事後学習】授業でできなかった問題を解いてみる(A-8-1)。授業で出された課題に取り組む。 (2時間)
3 「字訓・送り仮名・訓読文」【対面】
字訓と字訓に付随する送り仮名について。同時に、古典中国語文と漢文訓読文と漢文書き下し文の違いを把握する。練習問題の実習を通じて、字訓の調べ方をマスターする(A-4-1)。その際、グループの中で字訓の調べ方を教えあうこと。
【事前学習】自分の氏名にある漢字にどんな字訓があるか調べて、ノートしておく(A-3-1)。 (2時間)
【事後学習】事後学習:授業でできなかった問題を解いてみる(A-8-1)。授業で出された課題に取り組む。 (2時間)
4 「漢字熟語から見る中国語文法」【対面】
漢字二字熟語がどんな文法に従っているか、脱落者を出さぬようグループごとに討論をまじえながら考え、中国語の文法について初歩的な考察を行う(A-4-1)。
【事前学習】『漢辞海』第4版・付録「漢字について4漢字の語としての位置」(一六八五頁)に「合成語」の例として挙げられている16個の「合成語(いわゆる熟語のことです)」のなかから5つ選び、『漢辞海』第4版でその意味を調べてノートしておく(A-3-1)。 (2時間)
【事後学習】事後学習:授業でできなかった問題を解いてみる(A-8-1)。授業で出された課題に取り組む。 (2時間)
5 「漢字熟語から見る中国語音韻」【対面】
漢字二字熟語のなかには、それぞれの漢字の間に文法的構造をもたず、ただ音声を表わすことによって熟語の意味をあらわすものがある。これを連綿語という。連綿語の音韻構造から中国語の音韻について初歩的な考察を行う(A-4-1)。
【事前学習】『漢辞海』第4版・付録「漢字について4漢字の語としての位置」(一六八五頁)に「連綿語」の例として挙げられている「連綿語」20個のなかから5つ選び、『漢辞海』第4版でその意味を調べてノートしておく(A-3-1)。 (2時間)
【事後学習】事後学習:授業でできなかった問題を解いてみる(A-8-1)。授業で出された課題に取り組む。 (2時間)
6 「返り点の打ち方」【対面】
返り点を打つ実習を通じて、訓読文の返り点の打ち方をマスターする(A-4-1)。同時に、中国語と日本語の語順の違いを文法に即して理解する。
【事前学習】授業プリントの説明を読んで例題を解いておく(A-3-1)。 (2時間)
【事後学習】事後学習:授業でできなかった問題を解いてみる(A-8-1)。授業で出された課題に取り組む。 (2時間)
7 「送り仮名の付け方と再読文字」【対面】
再読文字に送り仮名を付ける実習を通じて訓読文の送り仮名の付け方をマスターする。(A-4-1)。同時に、中国語と日本語の語順の違いを文法に即して理解する。
【事前学習】授業プリントの説明を読んで例題を解いておく(A-3-1)。 (2時間)
【事後学習】事後学習:授業でできなかった問題を解いてみる(A-8-1)。授業で出された課題に取り組む。 (2時間)
8 『三国志演義』とその名場面「託孤」【対面】
授業第9回以降、『三国志演義』の名場面を漢文訓読法(及び現代中国語直読)により読み進める。その準備として『三国志演義』の文体的特徴や授業で取り上げる場面について理解する(A-4-1)。
【事前学習】授業プリントの説明を読んで例題を解いておく(A-3-1)。 (2時間)
【事後学習】事後学習:授業でできなかった問題を解いてみる(A-8-1)。授業で出された課題に取り組む。 (2時間)
9 「託孤」(1)【対面】
漢文訓読文と漢文書き下し文の対応関係を理解する目的で、漢文書き下し文をもとに漢文訓読文を復元する実習をする。その際、原中国語文の文法構造にじゅうぶん注意する(A-3-1)(A-4-1)。
【事前学習】授業第9回分の書下し文にできるところまで訓読を施してみる(A-3-1)。 (2時間)
【事後学習】授業終了後、訓読文を清書して提出する。その際、自分でできなかった箇所をよく復習する。また、滑らかに朗読できるようになるまで何度も口に出して練習する(A-8-1)。 (2時間)
10 「託孤」(2)【対面】
漢文訓読文と漢文書き下し文の対応関係を理解する目的で、漢文書き下し文をもとに漢文訓読文を復元する実習をする。その際、原中国語文の文法構造にじゅうぶん注意する(A-3-1)(A-4-1)。
【事前学習】授業第10回分の書下し文にできるところまで訓読を施してみよう(A-3-1)。 (2時間)
【事後学習】授業終了後、訓読文を清書して提出する。その際、自分でできなかった箇所をよく復習する。また、滑らかに朗読できるようになるまで何度も口に出して練習する(A-8-1)。 (2時間)
11 「託孤」(3)【対面】
漢文訓読文と漢文書き下し文の対応関係を理解する目的で、漢文書き下し文をもとに漢文訓読文を復元する実習をする。その際、原中国語文の文法構造にじゅうぶん注意する(A-3-1)(A-4-1)。
【事前学習】授業第11回分の書下し文にできるところまで訓読を施してみよう(A-3-1)。 (2時間)
【事後学習】授業終了後、訓読文を清書して提出する。その際、自分でできなかった箇所をよく復習する。また、滑らかに朗読できるようになるまで何度も口に出して練習する(A-8-1)。 (2時間)
12 「託孤」(4)【対面】
漢文訓読文と漢文書き下し文の対応関係を理解する目的で、漢文書き下し文をもとに漢文訓読文を復元する実習をする。その際、原中国語文の文法構造にじゅうぶん注意する(A-3-1)(A-4-1)。
【事前学習】授業第12回分の書下し文にできるところまで訓読を施してみよう(A-3-1)。 (2時間)
【事後学習】授業終了後、訓読文を清書して提出する。その際、自分でできなかった箇所をよく復習する。また、滑らかに朗読できるようになるまで何度も口に出して練習する(A-8-1)。 (2時間)
13 「託孤」(5)【対面】
漢文訓読文と漢文書き下し文の対応関係を理解する目的で、漢文書き下し文をもとに漢文訓読文を復元する実習をする。その際、原中国語文の文法構造にじゅうぶん注意する(A-3-1)(A-4-1)。
【事前学習】授業第13回分の書下し文にできるところまで訓読を施してみよう(A-3-1)。 (2時間)
【事後学習】授業終了後、訓読文を清書して提出する。その際、自分でできなかった箇所をよく復習する。また、滑らかに朗読できるようになるまで何度も口に出して練習する(A-8-1)。 (2時間)
14 「託孤」(6)【対面】
漢文訓読文と漢文書き下し文の対応関係を理解する目的で、漢文書き下し文をもとに漢文訓読文を復元する実習をする。その際、原中国語文の文法構造にじゅうぶん注意する(A-3-1)(A-4-1)。
【事前学習】授業第14回分の書下し文にできるところまで訓読を施してみよう(A-3-1)。 (2時間)
【事後学習】授業終了後、訓読文を清書して提出する。その際、自分でできなかった箇所をよく復習する。また、滑らかに朗読できるようになるまで何度も口に出して練習する(A-8-1)。 (2時間)
15 「託孤」(7)【対面】
漢文訓読文と漢文書き下し文の対応関係を理解する目的で、漢文書き下し文をもとに漢文訓読文を復元する実習をする。その際、原中国語文の文法構造にじゅうぶん注意する(A-3-1)(A-4-1)。
【事前学習】授業第15回分の書下し文にできるところまで訓読を施してみよう(A-3-1)。 (2時間)
【事後学習】授業終了後、訓読文を清書して提出する。その際、自分でできなかった箇所をよく復習する。また、滑らかに朗読できるようになるまで何度も口に出して練習する(A-8-1)。 (2時間)
その他
教科書 戸川芳郎 『漢辞海』 三省堂 2017年 第4版
参考書 使用しない
成績評価の方法及び基準 授業参画度(100%)
授業参画度には、各授業回で提出を求めた課題や小テストの成績を含む。
対面授業を受けられず遠隔授業を受けた者も各授業回でBlackboardを通じて提出した課題や小テストにより成績を評価する。
オフィスアワー 質問は、Blackboardまたはメールで受け付け、随時フィードバックする。要望があれば、全体で共有できるように掲示板を用いることもある。または毎週金曜日第5時限中文学生閲覧室。

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