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歴史学2

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令和元年度以前入学者 歴史学2
教員名 伊藤雅之
単位数    2 学年 1~4 開講区分 文理学部
科目群 総合教育科目
学期 後期 履修区分 選択
授業の形態 対面授業(必要な場合にはZoomなどを併用する)
BlackboardコースID:20223010
授業概要 ・歴史の知識を社会人として生きる中で役立てられるとすれば、それはどういった面においてか、という視点を念頭に置きつつ、過去の歴史家たちがどのようにして事実の追究と、そしてその内容を他者に伝える方法、あるいは、自分自身が伝えたいことを伝える方法を構築したかを論じる。
授業のねらい・到達目標 ・主に古代ギリシア・ローマの歴史家を取り上げながら、過去(限りなく現時点に近いそれを含む)に何が起こったのかを探り、そしてそれをどのようにして伝えるのか、また他者から発信された情報をどのように受信するべきなのかを、必要に応じて自分なりに考えていく力を養うことを目指す。

・この科目は文理学部(学士(文学))のDPおよびCPの1、3に対応している。

・経験や学修から得られた豊かな知識と教養に基づいて、倫理的な課題を理解し、また説明できるようになる。(A-1-1)
・仮説に基づく課題や問題を提示し、客観的な情報を基に、論理的・批判的に考察することの重要性を説明できるようになる。(A-3-1)
授業の方法 授業の形式:【講義】
・Blackboardを通して事前に配布する授業資料(A4で9ページくらい)を使っての講義。
・履修者は毎回、この授業資料に目を通した上で授業に臨むこと。
・また履修を希望する者は初回授業前日までにBlackboardのコース登録を済ませ、「連絡事項」を確認しておくこと。
・なお、日本に入国できない留学生、および遠方に居住しているなどの理由により対面授業に参加できない学生には、対面授業が基本である状況下であってもZoomなど(使用可能な機材の状況により適宜考慮したい)を用いながらの参加を認めるので、こうした対応を希望する者は早めに担当教員まで連絡を入れること。
・加えて、この講義では毎回その日の授業で取り上げた内容に関連した課題を出す。
・この授業ごとに出す課題はその日の授業終了後にBlackboardを通して配布し、そこから5日のうちに同様にして回収する。
・さらにまた、学期末には「期末課題(読書レポート)」を出してもらうこととし、この2種類の提出物により成績評価を行なう。
授業計画
1 導入(授業の方向性や、取り上げる予定の地域・基本的用語などについて説明する)【対面授業】
【事前学習】事前に配布される第1回授業のための講義レジュメに目を通し、かつまた、大学および自分が住んでいる地域の図書館に、どのような古代ギリシア・ローマ、および歴史叙述に関連する書籍があるかをチェックしておくこと。 (1時間)
【事後学習】講義レジュメを見直しながら、前述の「授業ごとに出す課題」の第1回目に取り組む。 (2時間)
2 ヘロドトスと『歴史』(1):何を、そしてどのように語っているのか?(なお、第1回授業の日に課した「授業ごとの課題」のフィードバックはこの第2回授業始まりのところで行なう(これ以降の「授業ごとの課題」についても同様とする))【対面授業】
【事前学習】事前に配布される第2回授業のための講義レジュメや、また第1回講義レジュメの末尾で紹介した文献などに目を通しつつ、古代ギリシアの歴史家ヘロドトスについて可能な限り調べておくこと。 (1.5時間)
【事後学習】講義レジュメを見直しながら、「授業ごとに出す課題」の第2回目に取り組む。 (2時間)
3 ヘロドトスと『歴史』(2):ごく近い過去の出来事についての情報収集とその内容の信憑性について(なお、第1回から第9回くらいまでにおいては、特にA-1-1を念頭に授業を進める)【対面授業】
【事前学習】事前に配布される第3回授業のための講義レジュメや、また第2回講義レジュメの末尾で紹介した文献などに目を通しつつ、学問の場における「批判」ないし「批判的思考」がどのような意味を持つかを可能な限り調べておくこと。 (1.5時間)
【事後学習】講義レジュメを見直しながら、「授業ごとに出す課題」の第3回目に取り組む。 (2時間)
4 ヘロドトスと『歴史』(3):情報発信者の言葉の根底にある価値観とその揺らぎへの考察について【対面授業】
【事前学習】事前に配布される第4回授業のための講義レジュメや、また第3回講義レジュメの末尾で紹介した文献などに目を通しつつ、古代ギリシアの歴史などでしばしば登場する「僭主」という言葉について可能な限り調べておくこと。 (1.5時間)
【事後学習】講義レジュメを見直しながら、「授業ごとに出す課題」の第4回目に取り組む。 (2時間)
5 トゥキュディデスと『戦史』(1):何を、そしてどのように語っているのか?【対面授業】
【事前学習】事前に配布される第5回授業のための講義レジュメや、また第4回講義レジュメの末尾で紹介した文献などに目を通しつつ、古代ギリシアの歴史家トゥキュディデスについて可能な限り調べておくこと。 (1.5時間)
【事後学習】講義レジュメを見直しながら、「授業ごとに出す課題」の第5回目に取り組む。 (2時間)
6 トゥキュディデスと『戦史』(2):文学性or面白さと事実報告・分析の関係【対面授業】
【事前学習】事前に配布される第6回授業のための講義レジュメや、また第5回講義レジュメの末尾で紹介した文献などに目を通しつつ、「実証主義」と呼ばれる考え方について、可能な限り調べておくこと。 (1.5時間)
【事後学習】講義レジュメを見直しながら、「授業ごとに出す課題」の第6回目に取り組む。 (2時間)
7 トゥキュディデスと『戦史』(3):発信者による情報の補い・編集について【対面授業】
【事前学習】事前に配布される第7回授業のための講義レジュメや、また第6回講義レジュメの末尾で紹介した文献などに目を通しつつ、前5世紀のアテナイ(現アテネ)の政治家ペリクレスが行なったといういわゆる「戦没者葬送演説」について可能な限り調べておくこと。 (1.5時間)
【事後学習】講義レジュメを見直しながら、「授業ごとに出す課題」の第7回目に取り組む。 (2時間)
8 クセノフォンと『アナバシス』(1):何を、そしてどのように語っているのか?【対面授業】
【事前学習】事前に配布される第8回授業のための講義レジュメや、また第7回講義レジュメの末尾で紹介した文献などに目を通しつつ、古代ギリシアの作家クセノフォン(あるいはクセノポン)について可能な限り調べておくこと。 (1.5時間)
【事後学習】講義レジュメを見直しながら、「授業ごとに出す課題」の第8回目に取り組む。 (2時間)
9 クセノフォンと『アナバシス』(2):当事者の証言はどう扱うべきか?【対面授業】
【事前学習】事前に配布される第9回授業のための講義レジュメや、また第8回講義レジュメの末尾で紹介した文献などに目を通しつつ、ハカーマニシュ朝(アケメネス朝)ペルシアという国家について可能な限り調べておくこと。 (1.5時間)
【事後学習】講義レジュメを見直しながら、「授業ごとに出す課題」の第9回目に取り組む。 (2時間)
10 ポリュビオスと『歴史』(1):何を、そしてどのように語っているのか?(なお、このあたりから最終回までにおいては、特にA-3-1を念頭に授業を進める)【対面授業】
【事前学習】事前に配布される第10回授業のための講義レジュメや、また第9回講義レジュメの末尾で紹介した文献などに目を通しつつ、古代ギリシアの歴史家ポリュビオスについて可能な限り調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】講義レジュメを見直しながら、「授業ごとに出す課題」の第10回目に取り組む。 (2時間)
11 ポリュビオスと『歴史』(2):歴史観の提示【対面授業】
【事前学習】事前に配布される第11回授業のための講義レジュメや、また第10回講義レジュメの末尾で紹介した文献などに目を通しつつ、「歴史観」とはどういった概念であるかという点について可能な限り調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】講義レジュメを見直しながら、「授業ごとに出す課題」の第11回目に取り組む。 (2時間)
12 リウィウスと『ローマ建国以来の歴史』:何らかの圧力の下でその情報発信が行なわれているのではないかという視点【対面授業】
【事前学習】事前に配布される第12回授業のための講義レジュメや、また第11回講義レジュメの末尾で紹介した文献などに目を通しつつ、古代ローマの歴史家リウィウスについて可能な限り調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】講義レジュメを見直しながら、「授業ごとに出す課題」の第12回目に取り組む。 (2時間)
13 ヨセフスと『ユダヤ戦記』および『ユダヤ古代誌』(1):何を、そしてどのように語っているのか?【対面授業】
【事前学習】事前に配布される第13回授業のための講義レジュメや、また第12回講義レジュメの末尾で紹介した文献などに目を通しつつ、ローマ指導部の庇護の下で活動したユダヤ人史家ヨセフスについて可能な限り調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】講義レジュメを見直しながら、「授業ごとに出す課題」の第13回目に取り組む。 (2時間)
14 ヨセフスと『ユダヤ戦記』および『ユダヤ古代誌』(2):自分自身、あるいは自民族・自国民の立場を表明するための情報発信【対面授業】
【事前学習】事前に配布される第14回授業のための講義レジュメや、また第13回講義レジュメの末尾で紹介した文献などに目を通しつつ、古代ユダヤ人について可能な限り調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】講義レジュメを見直しながら、「授業ごとに出す課題」の第14回目に取り組む。 (2時間)
15 さらなる史料の紹介と読書レポートの書き方についての確認【対面授業】
【事前学習】事前に配布される第15回授業のための講義レジュメや、また第14回講義レジュメの末尾で紹介した文献などに目を通しつつ、ここまでに配布した資料や自身が作成したノートを見直し、不明点があれば質問できるようにしておく。 (1時間)
【事後学習】講義レジュメを見直しながら、「授業ごとに出す課題」の第15回目に取り組み、さらにまた期末課題(読書レポート)を仕上げる。 (8時間)
その他
教科書 ・特定の教科書を使用するということはしないが、上記のように、毎回の講義に先立って講義レジュメをBlackboard経由で配布するので、必ず授業の前にこれを入手しておくこと。
参考書 ・特定の書籍をここで挙げることはしないが、毎回の講義レジュメの末尾のところで、次回の授業内容に関連する書籍やインターネット上で公開されている論文などをその都度紹介していく予定。
成績評価の方法及び基準 レポート:期末課題(読書レポート)への取り組み(25%)、授業内テスト:毎回の授業ごとに出される課題への取り組み(75%)
・読書レポートの題材は、基本的には毎回の講義レジュメの末尾のところで紹介していく次回のトピックに関連した書籍ないし論文の中で、「読書レポートの題材としてもよい」という趣旨のコメントを添えているもののうちのいずれかを、各履修者が選んでいくという形にする予定。
・なお、成績評価のパーセンテージの上で期末課題のウェイトは25%であるが、この読書レポートを提出しなかった者には、原則として、授業課題(全15回)の点数の総計に関わりなく、単位は出さないものとする。
・また、これら2種類の提出物の採点に関し、事前に許可を得てZoomなどで授業に参加した者と、対面で参加した者とで、特に差をつけることはしない。
オフィスアワー 質問や相談は随時、Blackboardを通して受け付ける。

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