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物理学1

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令和元年度以前入学者 物理学1
令和2年度以降入学者 物理学
教員名 川上隆輝
単位数    2 学年 1~4 開講区分 文理学部
科目群 総合教育科目
学期 前期 履修区分 選択
授業の形態 対面授業
Blackboard ID:20220075
授業概要 高校の物理ではあまり扱わない原子や分子といったミクロな物理(量子論)について講義する。ミクロな物理は,日常生活の常識では説明できないような現象が多々ある。これらの現象を説明するために,多くの物理学者が頭を悩ませ,先入観を捨てた新しい発想を提案し,時には挫折しながら,最終的にはこれらの現象の説明に成功する。本講義では,あまり数式にはとらわれず,ミクロな物理の世界がどのように作り上げられていったかを解説し,ミクロな物理の世界をイメージできるようにする。
後半は,研究開発の分野で注目を浴びている量子コンピューターや量子情報通信など,量子論を駆使した最先端技術がどのようなものであるかについて紹介する。
授業のねらい・到達目標 電子,原子,分子などのミクロな世界を学生が自ら物理法則を適用し,自然科学の振る舞いを考察できるようになることを目的とする。ニュースや新聞などで報道されることもある量子論を駆使した最先端技術(量子コンピューター,量子情報通信など)の原理を理解し,興味や関心をもてるようにする。

この科目は文理学部のDP3, 4, 5及びCP3, 4, 5に対応している。
仮説に基づく課題や問題を提示し客観的な情報を基に、論理的・批判的に考察することの重要性を説明できる。(A-3-1)
事象を注意深く観察して、解決すべき問題を認識できる。(A-4-1)
新しいことに挑戦する気持ちを持つことができる。(A-5-1)
授業の方法 授業の形式:【講義】
-授業の進め方-
対面授業(第1回~第14回)とオンデマンド型(第15回(授業内テスト))を併用して行う。
対面授業への対面参加が困難な学生(学部が定めた条件に合致する学生)は,教員の許可をうけて,オンデマンド型で授業に参加することができる。
受講生は対面授業を受講した後に,毎回,Blackboardを用いて確認テストを解いてもらう。
-授業の内容-
高校の物理の授業のような公式の暗記と問題の解き方を学ぶのではなく,身近な物理現象を取り上げて,自然科学がわずかな法則にしたがい,その法則を扱って自然現象を考える力を教え,どのような物理法則を扱えば,自然現象が説明できるかをイメージできるようにする。
授業中で用いている言葉の意味が分からないとき,物理が理解できないときは,講義終了後に質問してもらえれば学生のレベルに合わせて対応する。
本授業の事前・事後学習は、各2時間の学習を目安とする。
履修条件 授業概要に書かれている内容に興味を持って取り組める学生が望ましい。
本授業は,前期・金曜日・2限に行う。後期(水曜日・4限)にある物理学は本授業とは授業内容が異なり,さらに,授業方法も異なり,対面ではなくすべての授業をオンデマンド型の遠隔授業(スライド資料配信)で行う。物理学の受講を考えている学生は,シラバスをよく読み,時間割を考えて受講することを勧める。
授業計画
1 ガイダンス(授業テーマや到達目標および授業の進め方について説明する。残りの時間で,次週から授業で展開するミクロな物理の世界を垣間見てもらうが,日常生活とかけ離れ,普段の生活と考え方を切り替える必要がある場面が度々登場する。このようなミクロな世界の物理を学ぶことに興味を持ち,授業に出席する意義が見いだせるか判断する材料にしてもらう)(A-5-1)【対面授業】
【事前学習】授業で最低限必要な知識であるエネルギー保存則と運動量保存則について高校の知識を整理する。 (2時間)
【事後学習】エネルギー保存則と運動量保存則を用いて説明される物理現象を調べる。 (2時間)
2 量子論を理解するために必要な二つの重要な事項「波と粒子の二重性」と「状態の重ね合わせ」について講義する。(A-3-1, A-4-1, A-5-1)【対面授業】
【事前学習】光の干渉について調べる。 (2時間)
【事後学習】波の性質について波長で分類しその性質を説明できるようにする。 (2時間)
3 プランクの「量子仮説」について講義する。(A-3-1, A-4-1, A-5-1)【対面授業】
【事前学習】黒体放射とは何かについて調べる。 (2時間)
【事後学習】「量子仮説」の考え方のどのような部分が革新的であるかについて説明できるようにする。 (2時間)
4 光を波として扱うと説明できない現象について講義する。(A-3-1, A-4-1, A-5-1)【対面授業】
【事前学習】光電効果とは何かについて調べる。 (2時間)
【事後学習】光量子仮説とはどのようなものかについて説明できるようにする。 (2時間)
5 原子模型について講義する。(A-3-1, A-4-1, A-5-1)【対面授業】
【事前学習】ラザフォードの原子模型とは何かについて調べる。 (2時間)
【事後学習】電子を粒子として考えると,電子が原子核のまわりをまわり続けることができない理由を説明できるようにする。 (2時間)
6 電子などの物質粒子には波の性質があることを講義する。(A-3-1, A-4-1, A-5-1)【対面授業】
【事前学習】ルイ・ド・ブロイという物理学者は何を発見したかについて調べる。 (2時間)
【事後学習】「量子論的な水素原子模型」とはどのようなものかについて説明できるようにする。 (2時間)
7 状態の重ね合わせについて講義する。(A-3-1, A-4-1, A-5-1)【対面授業】
【事前学習】電子は光のように干渉をするかどうかについて調べる。 (2時間)
【事後学習】電子の運動は偶然に支配されており正確に予測することは不可能であることを説明できるようにする。 (2時間)
8 「シュレーディンガー方程式」について講義する。(A-3-1, A-4-1, A-5-1)【対面授業】
【事前学習】シュレーディンガーはどのような発見をした物理学者かについて調べる。 (2時間)
【事後学習】「シュレーディンガーのネコ」とはどのような思考実験かについて説明できるようにする。 (2時間)
9 「不確定性関係」について講義する。(A-3-1, A-4-1, A-5-1)【対面授業】
【事前学習】ハイゼンベルクの不確定性について調べる。 (2時間)
【事後学習】「位置と運動量の不確定性関係」および「エネルギーと時間の不確定性関係」について説明できるようにする。 (2時間)
10 「トンネル効果」について講義する。(A-3-1, A-4-1, A-5-1)【対面授業】
【事前学習】トンネル効果とはどのようなものかについて調べる。 (2時間)
【事後学習】トンネル効果を用いて太陽が輝くメカニズムを説明できるようにする。 (2時間)
11 「量子コンピューター」について講義する。(A-3-1, A-4-1, A-5-1)【対面授業】
【事前学習】通常のコンピューターと量子コンピューターの違いについて調べる。 (2時間)
【事後学習】「量子ビット」とはどのようなものかについて説明できるようにする。 (2時間)
12 「量子情報通信」について講義する。(A-3-1, A-4-1, A-5-1)【対面授業】
【事前学習】インターネットの暗号通信とはどのようなものかについて調べる。 (2時間)
【事後学習】量子暗号通信は確実性と秘匿性にすぐれていることを説明できるようにする。 (2時間)
13 原子の電子軌道について考察する。(A-3-1, A-4-1, A-5-1)【対面授業】
【事前学習】電子の軌道の種類と性質の違いを調べる。 (2時間)
【事後学習】原子を構成する電子がどのような規則で配置するか説明できるようにする。 (2時間)
14 量子論を用いて原子同士が結合することについて考察する。(A-3-1, A-4-1, A-5-1)【対面授業】
【事前学習】原子や分子間の結合を分類し,性質の違いについて調べる。 (2時間)
【事後学習】水素分子が安定に存在できることを説明できるようにする。 (2時間)
15 量子論についてまとめを行い。授業内テストを行う。(A-3-1, A-4-1, A-5-1)【オンデマンド型】
【事前学習】量子論について古典論との違いを調べる。 (2時間)
【事後学習】ミクロな世界の物理とマクロな世界の物理の違いを説明できるようにする。 (2時間)
その他
教科書 使用しない
参考書 使用しない
成績評価の方法及び基準 授業内テスト:第15回の授業のときに授業内テストを行う。授業内テストは点数で評価する。(30%)、授業参画度:対面での授業に参加し,確認テストの答案を採点して総合的に評価する。(70%)
授業内テストは他の受講生の解答を参考にしなければ,何を参照にしても構わない。
確認テストは期日を設けて提出してもらう。確認テストの提出が遅延になった場合は出席としては扱わないこともある。
出席回数が十分でない場合は成績評価の対象としない。
オンデマンド型で受講する学生は,毎回授業の教材を視聴し,確認テストを採点して総合的に判断して授業参画度として評価する。授業内テストは対面の学生と同じものを一緒にオンデマンド型で受けてもらう。
オフィスアワー 授業終了後に質問などを受けつける。(対面の学生は教室で,オンデマンド型の学生はメールでお願いします)

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