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日常生活の中の経済学

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令和2年度以降入学者 日常生活の中の経済学
教員名 畔上秀人
単位数    2 学年 1~4 開講区分 文理学部
科目群 総合教育科目
学期 前期 履修区分 選択
授業の形態 対面授業
BlackboardコースID: 金曜3限→20220100
授業概要 世の中の問題の多くはお金で解決できる。例えば、子供の貧困という問題は、養育者に十分なお金があれば起こらない。また、新しい感染症が流行しても、人々がしばらく仕事を休んで家に閉じこもって生活したら、流行を抑えられる。しかし、現実の世界では、ほとんど誰も十分なお金を持っていない。そうだからこそ問題が発生するのだ。経済学は、お金の代わりにより広い概念である資源に注目し、十分な資源がないとき、それをどのように配分するかを考える学問である。本科目では、日常生活の中で発生する資源配分の問題を取り上げ、経済学でそれをどのように捉えるのかを学習する。なお、担当教員はCFP®有資格者及び1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)であり、その専門知識の一部を授業に用いる。
授業のねらい・到達目標 ・資本主義経済では市場が資源配分の機能を担っているという概念を、説明することができる。
・予算制約の下での効用最大化という概念を、説明することができる。
・ファイナンシャル・プランニングにおけるライフイベントが何であるのかを、説明することができる。
・キャッシュフロー表の見方を、説明することができる。
・運用した資産の将来金額を計算することができる。
・将来の資産の現在価値を求めることができる。

この科⽬は⽂理学部のディプロマポリシーDP2,DP3,DP4,及びカリキュラムポリシーCP2,CP3,CP4に対応して
います。
・世界諸国の歴史や政治,経済,⽂化,価値観,信条などの現状を概説できる(A-2-1)。
・仮説に基づく課題や問題を提⽰し,客観的な情報を基に,論理的・批判的に考察することの重要性を説明できる
(A-3-1)。
・事象を注意深く観察して,解決すべき問題を認識できる(A-4-1)。
授業の方法 授業の形式:【講義】
教室にて講義と質疑応答を行い、Blackboardを通して課題を出題する。また、解答例と総評等フィードバックも、Blackboardを用いて行う。
対面授業に参加できないと認められた学生に対しては、教材を提示する形で対応する。
履修条件 特になし
授業計画
1 経済学における希少性の意味と、市場による資源配分の仕組みを理解する。(A-2-1)
【事前学習】経済辞典などで、希少性、市場、資源配分、需要、供給の意味を調べておく。 (1時間)
【事後学習】資源配分がなぜ問題になり、経済学ではそれをどのように捉えているかを、復習する。 (3時間)
2 供給曲線と需要曲線を描き、それを使ってどのようなことが説明できるのかを理解する。(A-2-1)
【事前学習】グラフの読み取り方を確認し、曲線のシフトの意味を調べておく。 (1時間)
【事後学習】グラフを使った練習問題に取り組む。 (3時間)
3 消費税を課すと、供給曲線がどのように変化し、市場での取引にどのような影響を与えるのか、理解する。(A-2-1)
【事前学習】グラフの回転移動したときに、交点の座標を求める方法を再確認しておく。 (1時間)
【事後学習】練習問題に取り組んで、増税が日常生活に与える影響を復習する。 (3時間)
4 経済学は、主体が目的を持って行動することを仮定する。消費者の場合、効用最大化が目的になることを理解する。(A-2-1)
【事前学習】経済学における効用の概念を、手近な教科書で調べておく。 (1時間)
【事後学習】効用最大化条件を図解できるように、復習する。 (3時間)
5 時間の概念を導入した経済学のモデルを学習し、割引現在価値の意味を理解する。(A-2-1)
【事前学習】等比級数の和の公式を調べておく。 (1時間)
【事後学習】練習問題に取り組んで、割引現在価値の計算をする。 (3時間)
6 私たちは限られた予算の中で、結婚や出産、自家用車・住宅の購入といったライフイベントに直面していることを理解する。(A-3-1)
【事前学習】大学卒業から老後までに起こる、大きな支出を伴うイベントを考えてみる。 (1時間)
【事後学習】効用最大化という観点から、ステレオタイプなライフイベントについて、本当に自分にとって必要かどうかを考えてみる。 (3時間)
7 給与明細書を見て、収入金額と手取金額との差が、どのような意味を持っているのかを理解する。(A-3-1)
【事前学習】給与明細書の収入及び控除の内訳について調べておく。 (1時間)
【事後学習】収入金額から控除された金額の使われ方について、自分の考えをまとめてみる。 (3時間)
8 一般的なライフイベントを用いたキャッシュフロー表の意味を理解する。(A-3-1)
【事前学習】複利計算の方法を確認しておく。 (1時間)
【事後学習】練習問題に取り組んで、資産運用を行った場合の将来の資産価額を算出してみる。 (3時間)
9 インフレーション、デフレーションを考慮したとき、なぜ資産運用が必要なのかを理解する。(A-3-1)
【事前学習】日本人の平均的な資産構成を外国の例と比較してみる。 (1時間)
【事後学習】日本で住宅を保有することのメリットとデメリットを考えてみる。 (3時間)
10 現在販売されている金融商品は多様であるが、なぜそのようなものが存在するのかを理解する。(A-3-1)
【事前学習】実際に販売されている金融商品を、金融機関のホームページで調べてみる。 (1時間)
【事後学習】金融商品を通じて、個人の資金がどのように循環しているのかを考える。 (3時間)
11 日本においては自助だけでなく共助、すなわち社会保障制度が存在することを理解する。(A-4-1)
【事前学習】いわゆる社会保険とはどういうものなのか、調べておく。 (1時間)
【事後学習】現在の社会保障の保障範囲を維持するべきか、拡大・縮小するべきかを考えてみる。 (3時間)
12 いわゆる民間保険の仕組と、実際の保険商品について理解する。(A-4-1)
【事前学習】日本の生命保険市場の規模が世界の中でどのくらいなのか、調べてみる。 (1時間)
【事後学習】生命保険の活用の仕方を復習する。 (3時間)
13 税について考え、中でも所得税にはどのような種類があるのかを理解する。(A-4-1)
【事前学習】税による所得の再分配機能とはどういうことなのか、調べておく。 (1時間)
【事後学習】現在でも納税する場面はあるが、将来本格的な納税者となった状況を想像した上で、税金の使途について考えてみる。 (3時間)
14 相続という概念を想起し、富の継承が貧富の差の継続要因であるかどうかを考察する。(A-4-1)
【事前学習】日本の相続の仕組について、調べてみる。 (1時間)
【事後学習】相続税及び贈与税が果たしている役割について、自分の立場で考えてみる。 (3時間)
15 現在日本で行われている金融・経済政策について理解する。(A-4-1)
【事前学習】消費税率及び政策金利の変遷について、調べておく。 (1時間)
【事後学習】現在存在する経済に関する問題として、どのようなものがあるのかを自分自身で調べてみる。 (3時間)
その他
教科書 使用しない
参考書 伊藤元重 『入門経済学』 日本評論社 2015年 第4版
成績評価の方法及び基準 試験(30%)、レポート:各回の宿題をレポートとして評価する。(30%)、授業内テスト:中間試験を行い、その点数を評価する。(20%)、授業参画度:出席を前提とした上で、各回の宿題として課すレポートの質を評価する。対面授業に参加できないと認められた学生に対しては、別途課題を課して評価する。(20%)
オフィスアワー Blackboardを通しての質問には直接回答するか、授業日までの資料に解説を載せる。

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