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令和2年度以降入学者 | 美学特殊講義4 | ||||
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令和元年度以前入学者 | 美学特殊講義4 | ||||
教員名 | 高橋陽一郎 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 2~4 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 哲学科 | ||||
学期 | 後期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業の形態 | 対面授業 BlackboardコースのID: 木曜3限→20223560 |
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授業概要 | 「美学を育んだ都市」という観点から<三都物語>を講ずる。 |
授業のねらい・到達目標 | 本講義は、美学特殊講義1とともに「都市の美学」というテーマを形成する。前期の「美学特殊講義3」では「都市」または「都市国家」の概念を歴史的・理論的に扱ったが、後期の「美学特殊講義4」では「美学思想を育んだ都市」という角度から、ヨーロッパのいくつかの都市について歴史的に考察する。受講者は、本講義を受講することによって、政治と都市とそこから生まれた美学思想とが緊密に結ばれていることを理解できるようになるふだん対象として意識することの少ない「都市」がたんに実用的目的だけではなく、政治を含めた思想や美意識によって形成されること、したがって都市も思想の表現であることを知識として修得することができる。またこうした修得によって、都市を楽しんだり、都市に対して批評的意見を抱いたりする眼を養うことができる。 ・真・善・美・聖の探究から得 られた豊かな知識と教養に 基づいて,自己の倫理観を もって,人間と社会の倫理 的な課題に向き合うことが できる。(A-1-3) ・文献や資料の読解・解釈を通じて,あるいは,現代の思想的状況を注意深く考察することによって,哲学的問題を発見し,解決策を考えることができる。自らの思想的課題に取り 組むために必要な情報を 収集し,それを分析して用 いることができる。(A-4-3) この科目は文理学部(学士(文学))のディプロマポリシーDP1, DP4及びカリキュラムポリシーCP1, CP4に対応しています。 |
授業の方法 | 授業の形式:【講義】 毎回、資料(文字資料および画像)を配布し、それにもとづいて解説を加える。出席も毎回とる。 対面授業にどうしても参加できない履修者は、授業初回に対面授業に参加できない理由書をメール等で担当者にご提出ください。その上で授業においては、担当者が作成しBlackboard上にアップロードする資料、または、シラバスの各回に挙げられている基礎文献(「参考書コメント」参照)を―後者の場合は地元の図書館で借りるなどして―読み、毎回解説を600~800字程度でまとめ期限までにBlackboardを通じご提出ください。提出されたものに対し担当者は、(理解が十分であるとか、○○が不足しているといった)短いコメントを付して返却するので、受講者は復習に役立てていただきたい。 |
履修条件 | なし |
授業計画 | |
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1 |
ガイダンス:政治と美学―権力と藝術庇護―
【事前学習】シラバスを確認し、都市論に関係する情報を自分なりに得ておくこと。 (2時間) 【事後学習】日本における権力と藝術庇護との関係について調べてみる。 (2時間) |
2 |
フィレンツェ(1):ルネサンス運動の必然性
【事前学習】第1回講義内容を復習し、美学思想の成立のために少なからぬ権力が関わっていることをノートする。 (2時間) 【事後学習】第2回授業にもとづき、フィレンツェでルネサンス文化が開花した必然性についてノートを作る(A-1)。 (2時間) |
3 |
フィレンツェ(2):プラトン・アカデミアの思想
【事前学習】第2回講義内容を復習したあと、フィレンツェの対キリスト教政策についてまとめる(A-1)。 (2時間) 【事後学習】第3回授業にもとづき、フィチーノらの(新)プラトン主義について理解する(A-4)。 (2時間) |
4 |
フィレンツェ(3):都市の美化
【事前学習】第3回講義内容を復習したあと、フィレンツェにおける藝術庇護の必然性についてノートを作る。 (2時間) 【事後学習】第4回授業にもとづき、都市美化の思想についてまとめる(A-1, A-4)。 (3時間) |
5 |
ワイマール(1):大公国の歴史
【事前学習】第4回講義内容を復習したあと、ワイマールの文化に関する概観的知識を得ておくこと。 (2時間) 【事後学習】第5回授業にもとづき、18世紀ワイマールの政治的特徴に関するメモを作成する。 (3時間) |
6 |
ワイマール(2):古典主義の開花
【事前学習】第5回講義内容を復習したあと、いわゆる古典主義の特徴について調べておく。 (2時間) 【事後学習】第6回授業にもとづき、ワイマールの古典主義の特徴についてメモを作成する。 (3時間) |
7 |
ワイマール(3):文学と造形藝術の美学
【事前学習】第6回講義内容を復習したあと、ゲーテとシラーの文学について調べる。 (2時間) 【事後学習】第7回授業にもとづき、ヴィンケルマンに始まる造形藝術の美学についてメモを作成する(A-1, A-4)。 (3時間) |
8 |
ワイマール(4):20世紀美学への貢献
【事前学習】第7回講義内容を復習したあと、20世紀におけるワイマールに関する知識を得ておく。 (2時間) 【事後学習】第8回授業にもとづき、20世紀ワイマールの文化について、その美学的特性という観点からノートを作成する(A-1, A-4)。 (3時間) |
9 |
ドレスデン(1):選帝侯都市
【事前学習】第8回講義内容を復習したあと、中世ドイツ史についての知識を得ておく。 (2時間) 【事後学習】第9回授業にもとづき、選帝侯の機能と都市についてメモする。 (3時間) |
10 |
ドレスデン(2):ロマン主義の開花
【事前学習】第9回講義内容を復習したあと、ロマン主義の中世趣味について調べる。 (2時間) 【事後学習】第10回授業にもとづき、ドレスデンの中世的特徴に関するノートを作成する。 (3時間) |
11 |
ドレスデン(3):絵画の殿堂
【事前学習】第10回講義内容を復習したあと、幾多のロマン主義者について調べる。 (2時間) 【事後学習】第11回授業にもとづき、絵画藝術のもつ「ロマン性」についてノートを作成する(A-1)。 (2時間) |
12 |
藝術としての都市(1):ジンメルの「フィレンツェ」論を手掛かりに
【事前学習】第11回講義内容を復習したあと、ジンメルの「フィレンツェ」論を読む。 (2時間) 【事後学習】第12回授業にもとづき、ジンメルのフィレンツェ観についてノートを作成する(A-4)。 (2時間) |
13 |
藝術としての都市(2):ジンメルの「ローマ」論と「ヴェネツィア」論を手掛かりに
【事前学習】第12回講義内容を復習したあと、バロック藝術の特徴について調べる。 (2時間) 【事後学習】第13回授業にもとづき、バロックの思想と都市との関係についてノートを作成する(A-1, A-4)。 (3時間) |
14 |
藝術としての都市(3):ベンヤミンのパサージュ論を手掛かりに
【事前学習】第13回講義内容を復習したあと、パリの近代史について調べる。 (2時間) 【事後学習】第14回授業にもとづき、ベンヤミンのパサージュ論に見られる都市論についてノートを作成する(A-1, A-4)。 (3時間) |
15 |
まとめ:都市と美学
【事前学習】都市における政治的機能と美学の成立についてまとめ始める(A-1, A-4)。 (2時間) 【事後学習】これまでのメモやノートをまとめ、学期末レポートの作成にとりかかる(A-1, A-4)。 (3時間) |
その他 | |
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教科書 | 教科書は使用せず、毎回プリント(資料)を配信します。 |
参考書 | ヴァザーリ『藝術家列伝3』(田中・森訳)(第二回)、フィチーノ『恋の形而上学』(左近司祥子訳)(第三回)、今道他著『芸術都市の創造―京都とフィレンツェの対話』(第四回)、江藤恭二『ドイツのこころ―ワイマール精神の探求』(第五回、第六回)、ヴィンケルマン『ギリシア藝術模倣論』(第七回)、ピーター・ゲイ『ワイマール文化』(第八回)、ヴァッケンローダー『芸術を愛する一修道僧の心情の披歴』(第九回、第十回)、松山壽一『造形芸術と自然』(第十一回)、ジンメル「フィレンツェ」(『芸術の哲学』所納、第十二回)、ジンメル「ローマ」、「ヴェネツィア」(『芸術の哲学』所納、第十三回)、ベンヤミン『パリ論/ボードレール論集成』(岩波文庫、第十四回) |
成績評価の方法及び基準 | レポート:学期末レポート(50%)、授業参画度:毎回のリアクションペーパー(50%) 対面授業に参加できない場合は、「授業の方法」に記したとおり、担当者作成の資料、または「参考書コメント」欄の書籍を指定回ごとに近隣のまたは大学の図書館で借りる等して読み(各書籍のどの箇所かについてはBlackboardを通じて指示する)、毎回500~800字程度のレポートをまとめていただきます。その提出によって成績を評価します。 |
オフィスアワー | Blackboardのメールで随時受け付けます。 |