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英米文学演習1

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令和2年度以降入学者 英米文学演習1
令和元年度以前入学者 英米文学演習1
教員名 高橋利明
単位数    1 学年    2 開講区分 文理学部
科目群 英文学科
学期 前期 履修区分 必修
授業の形態 対面授業(一部遠隔授業あり)
Blackboard ID【20220821】英米文学演習1(高橋利明・前・水4)

*(CHIPSでの履修登録に加え)初回授業時までにBlackboardでこの科目の登録をしておくこと」
授業概要 Nathaniel Hawthorne の The Scarlet Letter(『緋文字』)[1850] の原文の精読を通して、作品そのもののもつ本質的かつ、普遍的な人間の問題(社会と個人はどうあるべきか)を考察する。
授業のねらい・到達目標 ナサニエル・ホーソーン(1804-64) の代表的傑作『緋文字』を三つの「処刑台」のシーンを中心に分析・考察することによって、アメリカという国家の成立草創期における社会と個人の対立の意味とその普遍性を理解する。そして、学生は各自の作品論を小論文としてまとめる力を涵養することができる。
その基本は、学生が毎回の事前予習によって、キーワード・キーセンテンスを把握する力にかかっている。
(A-3-2, A-4-2, A-5-2)
A-3-2既存の知識にとらわれることなく, 言語現象や歴史的事象を論理的・批判的に説明することができる。
A-4-2英語学・英語圏文学に潜む問題を発見し, 専門的知識に基づいて説明することができる。
A-5-2新しい問題に取り組む意識を持ち, そのために必要な情報を収集することができる。

この科目は文理学部(学士(文学))のディプロマポリシーDP3、DP4、DP5、及び、カリキュラムポリシーCP3、CP4、CP5、に対応している。
授業の方法 【演習】作品の理解を深めるために輪読による読解を中心に授業を進め、各自の精読に基づいて提起された問題点などを議論したい。また、原文の音読にも注意を払い、適宜、ビデオ鑑賞等によってさらなる解釈の深化も目指す。(なお、授業進度は予定である。)
各回、学生は事前に教員が用意した課題に対して、口頭発表する。その後、発表者の解釈をめぐって皆で議論を展開していく。
また、数回予定の遠隔授業ではBlackboard の掲示板(「スレッド」)を利用して、発表と議論の展開を行う。


一部対面授業で出席できなかった場合は、Blackboard に配信する課題を提出する。


本授業の事前・事後学習は、合わせて1時間の学習を目安とする。
授業計画
1 ガイダンス、『緋文字』解説ビデオ鑑賞及び、アメリカ文学の中のホーソーンの存在意義についての解説。【対面授業型】
【事前学習】『緋文字』 の翻訳を出来るだけ通読しておくこと。 (1時間)
【事後学習】解説ビデオを反芻しながら、作品のテーマに思いをめぐらし、メモ等を取ること。 (1時間)
2 『緋文字』映画ビデオ鑑賞(1)
白黒映画ではあるが、作品の理解の助けになるものである。ただ、映画と原作は異なるところがあるので説明していく。【対面授業型】
【事前学習】今後の授業に備え、テクストの予習に着手すること。 (1時間)
【事後学習】映画のストーリーを整理し、まとめておくこと。テクストの予習に着手すること。 (1時間)
3 Ch.1 "The Prison-Door" p.45 精読と議論
    ピューリタン社会の父権制とその暗黒面について【課題研究型】
【事前学習】予習箇所を深く読み込み、キーワード、キーセンテンスを把握し、文脈を確実に理解すること。 (1時間)
【事後学習】音読練習などをして原文の意味の再確認をし、理解を深めること。 (1時間)
4 Ch.1 "The Prison-Door" p.46 精読と議論
    アン・ハッチンソンとヘスター・プリンの繋がりについて【課題研究型】
【事前学習】予習箇所を深く読み込み、キーワード、キーセンテンスを把握し、文脈を確実に理解すること。 (1時間)
【事後学習】音読練習などをして原文の意味の再確認をし、理解を深めること。 (1時間)
5 Ch.2 "The The Market-Place" p.51-2 精読と議論
    ヘスター・プリンの貴婦人的な容姿について【課題研究型】
【事前学習】予習箇所を深く読み込み、キーワード、キーセンテンスを把握し、文脈を確実に理解すること。 (1時間)
【事後学習】音読練習などをして原文の意味の再確認をし、理解を深めること。 (1時間)
6 Ch.2 "The The Market-Place" p.54 精読と議論
    第一の処刑台のシーンにおける姦婦ヘスターの聖母性について【課題研究型】
【事前学習】予習箇所を深く読み込み、キーワード、キーセンテンスを把握し、文脈を確実に理解すること。 (1時間)
【事後学習】音読練習などをして原文の意味の再確認をし、理解を深めること。 (1時間)
7 Ch.3 "The The Recognition" p. 65 精読と議論
    ディムズデイル牧師の偽善の始まりについて【課題研究型】
【事前学習】予習箇所を深く読み込み、キーワード、キーセンテンスを把握し、文脈を確実に理解すること。 (1時間)
【事後学習】音読練習などをして原文の意味の再確認をし、理解を深めること。 (1時間)
8 Ch.5 "Hester at Her Needle" p.81-2 精読と議論
ヘスターの官能的で東洋的な特質と彼女の針仕事が生み出す美の意味について【対面授業型】
【事前学習】予習箇所を深く読み込み、キーワード、キーセンテンスを把握し、文脈を確実に理解すること。 (1時間)
【事後学習】音読練習などをして原文の意味の再確認をし、理解を深めること。 (1時間)
9 Ch.8 "The Elf-Child and the Minister" p.111-2 精読と議論
    べリンガム総督邸でヘスターと娘パールが引き離されそうになるところをディムズデイルのとりなしによって救われたことについて【課題研究型】
【事前学習】予習箇所を深く読み込み、キーワード、キーセンテンスを把握し、文脈を確実に理解すること。 (1時間)
【事後学習】音読練習などをして原文の意味の再確認をし、理解を深めること。 (1時間)
10 Ch.10 "The Leech and His Patient" p.135 精読と議論
    ディムズデイルの魂を医術をもって覗き込もうとするチリングワスの悪魔的言葉について【対面授業型】
【事前学習】予習箇所を深く読み込み、キーワード、キーセンテンスを把握し、文脈を確実に理解すること。 (1時間)
【事後学習】音読練習などをして原文の意味の再確認をし、理解を深めること。 (1時間)
11 Ch.11 "The Interior of a Heart" p.142-3 精読と議論
    ディムズデイルが自分の罪に押しつぶされながら、逆に会衆への説教ではますます尊敬されていく姿について【対面授業型】
【事前学習】予習箇所を深く読み込み、キーワード、キーセンテンスを把握し、文脈を確実に理解すること。 (1時間)
【事後学習】音読練習などをして原文の意味の再確認をし、理解を深めること。 (1時間)
12 Ch.12 "The Minister's Vigil" p.152 精読と議論 
 第二の処刑台のシーンにおけるディムズデイル牧師の真夜中の告白のまね事と親子3人の生命の繋がりについて【対面授業型】
【事前学習】予習箇所を深く読み込み、キーワード、キーセンテンスを把握し、文脈を確実に理解すること。 (1時間)
【事後学習】音読練習などをして原文の意味の再確認をし、理解を深めること。 (1時間)
13 Ch.12 "The Minister's Vigil" p.153 精読と議論 
 流星の光による罪の解釈の反転について【対面授業型】
【事前学習】予習箇所を深く読み込み、キーワード、キーセンテンスを把握し、文脈を確実に理解すること。 (1時間)
【事後学習】音読練習などをして原文の意味の再確認をし、理解を深めること。 (1時間)
14 Ch.12 "The Minister's Vigil" p.154 精読と議論 
     New England における自然現象とProvidenceのつながりについて【対面授業型】
【事前学習】予習箇所を深く読み込み、キーワード、キーセンテンスを把握し、文脈を確実に理解すること。 (1時間)
【事後学習】音読練習などをして原文の意味の再確認をし、理解を深めること。 (1時間)
15 授業内試験と解説【対面授業型】
【事前学習】第1回から第14回の内容を復習すること (A-8) (1時間)
【事後学習】学修内容の整理をし、アメリカ文学の中のホーソーン文学の意義と価値を再確認すること (A-1, A-8) (1時間)
その他
教科書 Michael J. Colacurcio, Nathaniel Hawthorne, The Scarlet Letter, John Harvard Belknap Press, ISBN 978-0-674-03574-4, 2009
参考書 適宜、授業内で指示する。
成績評価の方法及び基準 授業内テスト:英文解釈など(50%)、授業参画度:課題への回答及び議論(50%)
授業内テストは、学期末に授業内で行う試験で評価する。
対面授業に参加できない学生は、Blackboard上で課す課題をもって評価する。
オフィスアワー メールや Blackboard を用いて質疑応答を行います。
備考 予習的読解を必ず行うこと。各回ごと、学生は辞書を丹念に引き解釈を深め、キーワードを鋭敏に捉え、自分なりのテーマを把握してゆくことが求められる。
復習では、音読訓練を繰り返し、原文の英語の意味と音との親和性を高める努力を惜しまないこと。

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