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令和2年度以降入学者 | 英米文学演習2 | ||||
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令和元年度以前入学者 | 英米文学演習2 | ||||
教員名 | 高橋利明 | ||||
単位数 | 1 | 学年 | 2 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 英文学科 | ||||
学期 | 後期 | 履修区分 | 必修 |
授業の形態 | 対面授業(一部遠隔授業あり) Blackboard ID【20223785】英米文学演習2(高橋利明・後・水4) |
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授業概要 | Nathaniel Hawthorne の The Scarlet Letter(『緋文字』)[1850] の原文の精読を通して、作品そのもののもつ本質的かつ、普遍的な人間の問題(社会と個人はどうあるべきか)を考察する。 |
授業のねらい・到達目標 | ナサニエル・ホーソーン(1804-64) の代表的傑作『緋文字』を三つの「処刑台」のシーンを中心に分析・考察することによって、アメリカという国家の成立草創期における社会と個人の対立の意味とその普遍性を理解する。そして、学生は各自の作品論を小論文としてまとめる力を涵養することができる。 その基本は、学生が毎回の事前予習によって、キーワード・キーセンテンスを把握する力にかかっている。 (A-3-2, A-4-2, A-5-2) この科目は文理学部(学士(文学))のディプロマポリシーDP3、DP4、DP5、及び、カリキュラムポリシーCP3、CP4、CP5、に対応している。 A-3-2既存の知識にとらわれることなく, 言語現象や歴史的事象を論理的・批判的に説明することができる。 A-4-2英語学・英語圏文学に潜む問題を発見し, 専門的知識に基づいて説明することができる。 A-5-2新しい問題に取り組む意識を持ち, そのために必要な情報を収集することができる。 |
授業の方法 | 【演習】作品の理解を深めるために輪読による読解を中心に授業を進め、各自の精読に基づいて提起された問題点などを議論したい。また、原文の音読にも注意を払い、適宜、ビデオ鑑賞等によってさらなる解釈の深化も目指す。(なお、授業進度は予定である。) 各回、学生は事前に教員が用意した課題に対して、口頭発表する。その後、発表者の解釈をめぐって皆で議論を展開していく。 また、数回予定の遠隔授業ではBlackboard の掲示板(「スレッド」)を利用して、発表と議論の展開を行う。 本授業の事前・事後学習は、合わせて1時間の学習を目安とする。 一部対面授業で出席できなかった場合は、Blackboard に配信する課題を提出する。 |
授業計画 | |
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1 |
『緋文字』映画鑑賞(2) ローランド・ジョフィ監督の作品を見る。デミ・ムーアのヘスターが体現するフェミニズムについて考察すること。【対面授業型】 【事前学習】『緋文字』 の翻訳の通読を出来るだけ終えておくこと。 (1時間) 【事後学習】映画鑑賞の後、映像作品と原作の相違などのメモを取ること。 (1時間) |
2 |
Ch.13 "Another View of Hester" p.160 精読と議論 「自ら定めた慈悲の修道女」としてヘスターが世間に認知されていく過程について。【対面授業型】 【事前学習】予習箇所を深く読み込み、キーワード、キーセンテンスを把握し、文脈を確実に理解すること。 (1時間) 【事後学習】音読練習などをして原文の意味の再確認をし、理解を深めること。 (1時間) |
3 |
Ch.13 "Another View of Hester" p.163 精読と議論 「思索の自由」を身につけたヘスターと罪の意識について【課題研究型】 【事前学習】予習箇所を深く読み込み、キーワード、キーセンテンスを把握し、文脈を確実に理解すること。 (1時間) 【事後学習】音読練習などをして原文の意味の再確認をし、理解を深めること。 (1時間) |
4 |
Ch.14 "Hester and the Physician" p.172-3 精読と議論 衰弱するディムズデイルを見かねたヘスターが、チリングワスと対峙し牧師に秘密を明かすことについて【課題研究型】 【事前学習】予習箇所を深く読み込み、キーワード、キーセンテンスを把握し、文脈を確実に理解すること。 (1時間) 【事後学習】音読練習などをして原文の意味の再確認をし、理解を深めること。 (1時間) |
5 |
Ch.15 "Hester and Pearl" p.179 精読と議論 神の摂理(プロヴィデンス)によってもたらされたパールには、「魂(天)の使者」として母の悲しみを癒す役割をもっているのでは、というヘスターの苦しい胸中について【課題研究型】 【事前学習】予習箇所を深く読み込み、キーワード、キーセンテンスを把握し、文脈を確実に理解すること。 (1時間) 【事後学習】音読練習などをして原文の意味の再確認をし、理解を深めること。 (1時間) |
6 |
Ch.16 "A Forest Walk" p.183-4 精読と議論 ヘスターとパールが原始の森に入って行くが、その森はヘスターの「精神の荒野」を象徴することについて【課題研究型】 【事前学習】予習箇所を深く読み込み、キーワード、キーセンテンスを把握し、文脈を確実に理解すること。 (1時間) 【事後学習】音読練習などをして原文の意味の再確認をし、理解を深めること。 (1時間) |
7 |
『緋文字』映画ビデオ鑑賞(3) ドイツの映像作家ヴィム・ベンダースの作品を見る。映画発表時(70年代)の世界の政治状況も看取できる作品である。そのあたりも社会と個人の関係を中心に理解を深めること。【対面授業型】 【事前学習】『緋文字』 の翻訳の通読を出来るだけ終えておくこと。 (1時間) 【事後学習】映画鑑賞の後、映像作品と原作の相違などのメモを取ること。 (1時間) |
8 |
Ch.17 "The Pastor and His Parishionor" p.194-5 精読と議論 ヘスターの秘密の告白と彼女によるディムズデイルへの新生の励ましについて【課題研究型】 【事前学習】予習箇所を深く読み込み、キーワード、キーセンテンスを把握し、文脈を確実に理解すること。 (1時間) 【事後学習】音読練習などをして原文の意味の再確認をし、理解を深めること。 (1時間) |
9 |
Ch.18 "A Flood of Sunshine" p.202-3 精読と議論 森の中で「過去は去った」と言うヘスターは、胸の緋文字を投げ捨てる。しかし、それは小川 の手前に落ちる。このアイロニーについて考えること。【課題研究型】 【事前学習】予習箇所を深く読み込み、キーワード、キーセンテンスを把握し、文脈を確実に理解すること。 (1時間) 【事後学習】音読練習などをして原文の意味の再確認をし、理解を深めること。 (1時間) |
10 |
Ch.19 "The Child at the Brook-Side" p.208-9 精読と議論 森の中の小川の象徴的な意味と生きた緋文字であるパールと捨てられた緋文字との関係性について【対面授業型】 【事前学習】予習箇所を深く読み込み、キーワード、キーセンテンスを把握し、文脈を確実に理解すること。 (1時間) 【事後学習】音読練習などをして原文の意味の再確認をし、理解を深めること。 (1時間) |
11 |
Ch.20 "The Minister in a Maze" p.222-3 精読と議論 森から帰った牧師の精神的変貌について【対面授業型】 【事前学習】予習箇所を深く読み込み、キーワード、キーセンテンスを把握し、文脈を確実に理解すること。 (1時間) 【事後学習】音読練習などをして原文の意味の再確認をし、理解を深めること。 (1時間) |
12 |
Ch.23 "The Revelation of The Scarlet Letter" p.252-3 精読と議論 ディムズデイルの罪の告白について【対面授業型】 【事前学習】予習箇所を深く読み込み、キーワード、キーセンテンスを把握し、文脈を確実に理解すること。 (1時間) 【事後学習】音読練習などをして原文の意味の再確認をし、理解を深めること。 (1時間) |
13 |
Ch.23 "The Revelation of The Scarlet Letter" p.256-7 精読と議論 ディムズデイルの罪の三人称的告白について【対面授業型】 【事前学習】予習箇所を深く読み込み、キーワード、キーセンテンスを把握し、文脈を確実に理解すること。 (1時間) 【事後学習】音読練習などをして原文の意味の再確認をし、理解を深めること。 (1時間) |
14 |
Ch.23 "The Revelation of The Scarlet Letter" p.255 精読と議論 ディムズデイルの頭(ロゴス)とヘスターの胸(エロス)について【対面授業型】 【事前学習】予習箇所を深く読み込み、キーワード、キーセンテンスを把握し、文脈を確実に理解すること。 (1時間) 【事後学習】音読練習などをして原文の意味の再確認をし、理解を深めること。 (1時間) |
15 |
まとめの解説とエッセイ(小論文)の提出【対面授業型】
【事前学習】第1回から第14回の内容を復習すること (A-8) (1時間) 【事後学習】学修内容の整理をし、アメリカ文学の中のホーソーン文学の意義と価値を再確認すること (A-1, A-8) (1時間) |
その他 | |
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教科書 | Michael J. Colacurcio, Nathaniel Hawthorne, The Scarlet Letter, John Harvard Belknap Press, ISBN 978-0-674-03574-4, 2009 |
参考書 | 適宜、授業内で指示する。 |
成績評価の方法及び基準 | レポート:エッセイ(小論文)(50%)、授業参画度:授業での発表内容とその後の議論など(50%) 対面授業に参加できない学生は、Blackboard上で課す課題をもって評価する。 |
オフィスアワー | メールや Blackboard を用いて質疑応答を行います。 |
備考 | 予習的読解を必ず行うこと。各回ごと、学生は辞書を丹念に引き解釈を深め、キーワードを鋭敏に捉え、自分なりのテーマを把握してゆくことが求められる。 復習では、音読訓練を繰り返し、原文の英語の意味と音との親和性を高める努力を惜しまないこと。 |