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令和2年度以降入学者 | 社会思想の基礎 | ||||
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令和元年度以前入学者 | 社会思想の基礎 | ||||
教員名 | 松岡雅裕 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 2・3 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 社会学科 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択 |
授業の形態 | 対面授業(諸般の理由により、Blackboardを補助的に活用する場合があります) Blackboard ID:20220950 |
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授業概要 | 社会学的発想の源ともいうべき「社会思想(および社会学思想)」の基礎を学ぶ。 同時に、社会思想(および社会学思想)の基礎を学ぶことによって、「社会学的な問題意識」を育む。 この授業では、特に「近代資本主義の展開にまつわる諸問題点」を社会思想(および社会学思想)の観点から把握する。 |
授業のねらい・到達目標 | <知識><技能> この授業は、つぎの3部構成によって成り立っている。 第1部:社会思想の初期展開過程をたどっていくと、やがてそれが「近代資本主義」という一つの社会体制の正当化にたどり着いていった経緯が理解できる。この点を、ホッブスやロックの社会契約思想、アダム・スミスに代表される自由主義経済思想、およびヘーゲルの国家共同体論のなかに探る。 第2部:近代資本主義の問題点を最もシビアに指摘したマルクス主義思想の展開過程が理解できる。 第3部:現代の資本主義社会がもたらす生活様式(生産労働や消費)、またそこで要請される倫理的な問題点が理解できる。 <能力> 上記の<知識><技能>の習得を経て、以下の<能力>を育むことが目標である。 ・グローバル化する現代社会における社会学の役割を理解し,そのことを踏まえ国際社会が直面する問題について,行為を中心に,構造や変動,自我や関係,などの観点から説明することができる。(A-2-2: 世界の現状を理解し,説明する力) この科目は文理学部(学士(社会学))のディプロマポリシーDP2、およびカリキュラムポリシーCP2に対応しています。 |
授業の方法 | 授業の形式:【講義】 講義形式が中心となるが、たんに社会思想の基本的エッセンスを述べるにとどまらず、それらが現代に与えた影響、そして何よりもそこから現代社会がいかに読み取れるのか、またいかなる解決の道筋を教えてくれるのか言及したい。 諸般の理由により、Blackboardを利用して補助的授業資料を配信する場合があるので、ぜひ活用すること。 授業内で課題(試験やレポート等)に対するフィードバックを行う。 日本に入国できない留学生など対面授業への参加が困難な人は、事前に申請が認められた場合、個別に指示する。 |
授業計画 | |
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1 |
講義テーマと授業スケジュールの解説(社会思想の持つ重要性の認識。3部構成からなる授業内容の概略)
【事前学習】シラバスを事前に確認し、授業全体の流れを理解する。 (1時間) 【事後学習】第2回以降の授業に備え、参考文献等を確認すること。 (1時間) |
2 |
問題提起としての英国市民革命と資本主義社会の勃興(ホッブスの社会契約思想、およびJ.ロックのピューリタニズム的私有財産制)
【事前学習】英国市民革命の概要について確認すること。 (2時間) 【事後学習】社会契約の理念について整理をする。 (2時間) |
3 |
古典派経済学は何をもたらしたか(アダム・スミスの『道徳感情論』と『国富論』を中心に)
【事前学習】重商主義時代の概要について確認すること。 (2時間) 【事後学習】自由主義経済の理念について整理をする。 (2時間) |
4 |
資本主義体制のなかの調和的市民社会像(カント、フィヒテ、ヘーゲル等ドイツ観念論の系譜と弁証法的国家共同体論)
【事前学習】ドイツ観念論の概要について確認すること。 (2時間) 【事後学習】ヘーゲルの弁証法哲学の理念について整理をする。 (2時間) |
5 |
マルクス思想・史的唯物論の登場(なぜ、マルクスとエンゲルスは労働と私有財産制に着目したのか)
【事前学習】イギリス産業革命の概要について確認すること。 (2時間) 【事後学習】マルクスとエンゲルスの史的唯物論の理念について整理をする。 (3時間) |
6 |
資本主義社会における疎外・物象化・イデオロギー問題(マルクス思想の遺産)
【事前学習】今日的な労働問題について認識を新たにしておく。 (2時間) 【事後学習】マルクス思想の意義について整理をする。 (2時間) |
7 |
資本主義の発展段階説(レーニンの帝国主義論と宇野弘蔵・大内力の国家独占資本主義論から読み取れるもの)(A-2-2: 世界の現状を理解し,説明する力)
【事前学習】ロシア革命と第一次世界大戦の概要について確認すること。 (2時間) 【事後学習】今日の先進国と途上国の関係について整理をする。 (2時間) |
8 |
資本主義社会における隠れた支配形態(グラムシのヘゲモニー論、マルクーゼの抑圧的寛容論、アドルノの文化産業論)
【事前学習】マルクスの社会構成体論を復習・確認すること。 (2時間) 【事後学習】フランクフルト学派の社会学思想について整理をする。 (2時間) |
9 |
資本主義が暗示する生活様式1(生産・労働活動に関するヴェーバーとD.ベルの見解)(A-2-2: 世界の現状を理解し,説明する力)
【事前学習】M.ヴェーバーの『プロ倫』について確認すること。 (1時間) 【事後学習】資本主義社会におけるエートスの変遷について整理をする。 (2時間) |
10 |
資本主義が暗示する生活様式2(消費社会に関するリースマンとボードリヤールの見解)(A-2-2: 世界の現状を理解し,説明する力)
【事前学習】社会的性格論に関する「他人指向型」を確認すること。 (1時間) 【事後学習】差異的消費について整理をする。 (2時間) |
11 |
資本主義社会における倫理的要請1(ケインズの福祉国家論と、これに反発するハイエクのネオ・リベラリズム)(A-2-2: 世界の現状を理解し,説明する力)
【事前学習】福祉国家という概念について確認すること。 (2時間) 【事後学習】新自由主義思想の問題点について整理をする。 (2時間) |
12 |
資本主義社会における倫理的要請2(ロールズの分配正義論、およびギデンズのグローバリゼーション論)(A-2-2: 世界の現状を理解し,説明する力)
【事前学習】社会的倫理という概念について確認すること。 (2時間) 【事後学習】グローバリゼーションの問題点について整理をする。 (2時間) |
13 |
資本主義社会の残された今日的課題(資本主義社会の将来)(A-2-2: 世界の現状を理解し,説明する力)
【事前学習】受講生各自の資本主義社会に関する将来展望を確認すること。 (2時間) 【事後学習】各自の問題意識と授業内容の接点を探る。 (2時間) |
14 |
まとめ(補足と総括)
【事前学習】講義内容全般に関する疑問点を確認すること。 (2時間) 【事後学習】疑問点の解消について整理をする。 (2時間) |
15 |
授業内テストとアドバイス
【事前学習】第2回~第14回の内容を復習すること。 (5時間) 【事後学習】学修した内容の整理をする。 (2時間) |
その他 | |
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教科書 | なし |
参考書 | 松岡雅裕ほか 『行為、構造、文化の社会学』 学文社 他に参考書としては、高校時代に使用した歴史・公民科目の教科書や資料集は結構役立ちます。取り上げる思想家に関する予備知識や時代背景を事前・事後学習する場合に活用してください。 |
成績評価の方法及び基準 | 授業内テスト:第15回目の授業で実施します。(70%)、授業参画度(30%) 授業参画度は、授業内テストの問いかけに対する回答の適切さ、また、回答中の現代資本主義体制に対する理解の適切さで評価します。(A-2-2: 世界の現状を理解し,説明する力) 対面授業に参加できない場合の成績評価については別途授業内で説明する。 |
オフィスアワー | Blackboardに併設されたメール機能を活用する。 |
備考 | 本講義は、大衆社会の諸問題を取り扱う後期開講の「社会思想の展開」と相互に密接な関連をもっている。併せて受講することが望ましい。 初回講義開始までに、当該授業のBlackBoardのコース登録を行うこと。 |