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分析化学特論1

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令和元年度以前入学者 分析化学特論1
令和元年度以前入学者 基礎数学3
教員名 高橋純一
単位数    2 学年 2・4 開講区分 文理学部
科目群 化学科
学期 前期 履修区分 選択必修
授業の形態 対面授業(一部遠隔授業,Blackboardを使用する)

Blackboard コースID︓ 木曜2限→20221572
授業概要 海水,河川水,湖沼や井戸水などの環境⽔,⽣体,食品,医薬あるいは半導体などの⾼純度材料に含まれる微量元素の働きについて理解することの必要性は,近年特に高まりつつある。主要元素に⽐べて⾒過ごされがちな微量元素であるが,調べれば調べるほどその重要性の⾼さに気づかされる。⼀⽅でメディアが主導する⼀般社会においては,個々の元素に対する理解の⽋如から,いとも簡単に中毒問題などと報道されることがある。⼯場、研究所、分析センター等において検査・分析の対象となる微量⾦属元素について、その性質,⽤途、資源としての有⽤性、環境問題などを説明し,なぜ分析しなくてはならないのか、そしていかに正しく分析するかを講義する。
授業のねらい・到達目標 この科⽬は⽂理学部(学⼠( 理学))のDP及びCP3,4,8に対応しています。
身の回りの生活に密着している微量元素について,その出自(起源,産地,分布など)と役割を明らかにし,その分析的意義,つまりなぜ分析しなくてはならないのかを理解できるようにすることをねらいとする。分析の難易度を評価し,それ故になぜ分析法の開発を進めなくてはならないかを説明できる,そうしたことを到達目標とする(A-3-4)。 また毒性元素や放射性元素の何が脅威であるかを説明できること,元素について報道される内容を正しく評価できること,原子スペクトル分析法を用いて,実試料の分析手順を説明できることなども目標とする(A-4-4)。さらに自分の実験についてその意義と成果を客観的にまとめ,他者の評価や批判を受けることにより,その経験を今後に活かすことができることも目標である(A-8-4)。
授業の方法 授業の形式︓【講義】
事前学習⽤に,授業で使⽤するスライドのpdfファイルをBlackboardに公開することを予定している。毎回の授業の後半で⼩課題を提示するので,その場で記述するか次回までに提出,あるいはBlackboardを通じて提出すること。課題提出をもって出席点,授業参画点とする。フィードバックはコメントとして学⽣1⼈1⼈に答えるつもりでいる。方法はそのつど知らせる。対面授業に参加できない場合は,Blackboardを通じて外部の動画サイトより,簡単な音声コメントをつけた動画を見て学習してもらう。動画ファイルの有効期間は授業前日より1週間までとする。課題,小テストはBlackboardにも提示する。提出期限は対面授業と同様,次回の授業日前までとする。
履修条件 特になし
授業計画
1 微量元素とは何かを定義する。元素の成り⽴ちについてレビューする。(対面授業)
【事前学習】周期表の成⽴,⾦属元素の元素名と元素記号を熟知しておくこと。スライド資料を⾒ておくこと (A- 3) (2 時間)
【事後学習】課題を検討すること。無機元素を⾦属,⾮⾦属,半⾦属に分類する (A-3-4) (2 時間)
2 元素の仕組み・原⼦構造について,原⼦スペクトル分析の観点から説明する。(対面授業)
【事前学習】分析化学の参考書で元素の構造を通読しておくこと。スライド資料を⾒ておくこと (A-3) (2 時間)
【事後学習】課題を検討すること。原⼦構造とスペクトルの関係を理解すること (A-3-4) (2 時間)
3 毒性元素(1)として⽔銀をとりあげる。(対面授業)
【事前学習】参考書で⽔銀の項を通読しておくこと。スライド資料を⾒ておくこと (A-3) (1 時間)
【事後学習】課題を検討すること。⽔俣病,第⼆⽔俣病について関係書物を調べ,その経緯をまとめなさい (A-4-4) (3 時間)
4 毒性元素(2)としてヒ素をとりあげる。(対面授業)
【事前学習】参考書でヒ素の項を通読しておくこと。スライド資料を⾒ておくこと (A-3) (1 時間)
【事後学習】課題を検討すること。ヒ素中毒の実例,和歌⼭ヒ素カレー事件やヒ素を使ったミステリーなどからヒ素 中毒の状態と検出法を調べること (A-4-4) (3 時間)
5 毒性元素(3)としてカドミウムをとりあげる。(対面授業)
【事前学習】参考書でカドミウムの性質について通読しておくこと。スライド資料を⾒ておくこと (A-3) (1 時間)
【事後学習】課題を検討すること。イタイイタイ病の記事,欧州RoHS規制について調べること (A-3-4) (3 時間)
6 毒性元素(4)として鉛をとりあげる。授業時間の⼀部を使って⼩テストを実施する。(対面授業)
【事前学習】鉛中毒の実例を調べること。スライド資料を⾒ておくこと(A-4) (3 時間)
【事後学習】⼩テストの内容について再検討すること (A-4-4) (1 時間)
7 必須微量元素(1)として亜鉛をとりあげる。前回の⼩テストについて解説する。(対面授業)
【事前学習】参考書で亜鉛と⽣体内酵素の関係を調べておくこと。スライド資料を⾒ておくこと (A-4) (2 時間)
【事後学習】課題を検討すること。原⼦吸光法による亜鉛の分析法の特徴をまとめなさい (A-3-3) (2 時間)
8 必須微量元素(2)として銅をとりあげる。(対面授業)
【事前学習】参考書で銅の項を通読しておくこと。スライド資料を⾒ておくこと (A-3) (2 時間)
【事後学習】課題を検討すること。銅の歴史的な位置づけ,⽣体への影響を調べること (A-3-4) (2 時間)
9 貴⾦属元素である⽩⾦,ロジウム,パラジウムをとりあげる。(対面授業)
【事前学習】参考書で貴⾦属とは何かを調べておくこと。スライド資料を⾒ておくこと (A-3) (2 時間)
【事後学習】課題を検討すること。アクセサリー以外の⽤途をまとめなさい (A-4-4) (2 時間)
10 希⼟類元素のイットリウム,ランタン,ネオジム,サマリウムなどをとりあげる。(対面授業)
【事前学習】希⼟類元素の幅広い⽤途についてまとめておきなさい。スライド資料を⾒ておくこと (A-4) (2 時間)
【事後学習】課題を検討すること。なぜ希⼟類元素の分析が難しいのか理解すること (A-3-4) (2 時間)
11 希ガス元素であるアルゴン,ヘリウムなどについて説明する。2回⽬の⼩テストを授業時間内に実施する。(対面授業)
【事前学習】7週から10週⽬までのノートを再チェックしておくこと。スライド資料を⾒ておくこと。 (A-4) (3 時間)
【事後学習】⼩テストの内容について再検討すること (A-4-4) (1 時間)
12 放射性元素であるトリウムとウランをとりあげる。前回の⼩テストについて解説する。(対面授業)
【事前学習】参考書で放射能について調べておきなさい (A-3) 。スライド資料を⾒ておくこと (2 時間)
【事後学習】なぜ産業界で微量の放射能が問題になるのか理解すること (A-4-4) (2 時間)
13 産業界で重要なレアメタルについて説明する。代表例としてマンガン,コバルト,タンタルなどをとりあげる。(対面授業)
【事前学習】レアメタルとは何か調べておきなさい。スライド資料を⾒ておくこと (A-3) (2 時間)
【事後学習】課題を検討すること。レアメタルの分析法を整理すること (A-3-4) (2 時間)
14 医療⽤途に使われる元素として,⼀般には馴染みの薄いガドリニウム,テクネチウムなどについて説明する。最終課題を提⽰する。(対面授業)
【事前学習】参考書でガドリニウム,テクネチウムの項を通読しておくこと。スライド資料を⾒ておくこと (A-3) (2 時間)
【事後学習】医療⽤途に使われる元素の分析がなぜ必要か考えること。最終課題レポートを作成すること(A-4-4) (2 時間以上)
15 ⻘銅の時代としてスズをとりあげる。最終課題についての解説は各⾃へのコメントに記す。(対面授業)
【事前学習】スライド資料を⾒ておくこと。なぜ⽇本に⻘銅器時代がなかったのか調べなさい。(A-3) (2 時間)
【事後学習】最終課題を完成しなさい(A-4-4,A-8-4) (2 時間以上)
その他
教科書 特に指定無し。事前公開するスライド資料は板書の⼿間を省くためのもので,あくまでも参考に過ぎず,授業をよく聞いてノートをとること。
参考書 桜井弘 『元素118の新知識 (ブルーバックス)』 講談社 2017年
馬淵久夫 『元素の事典』 朝倉書店 1994年
細矢治夫 山崎昶 『元素の事典』 みみずく舎 2009年
櫻井博儀 『元素はどうしてできたのか (PHPサイエンス・ワールド)』 PHP研究所 2013年
成績評価の方法及び基準 レポート:最終試験に代えて提出する。(40%)、授業内テスト:2回実施する。合計点として算出する。(40%)、授業参画度:毎回の小課題(20%)
レポート:レポートとしての体裁,⽂章の出来不出来も内容と共に評価する。誤字脱字,意味不明の⽂章,期限後の提出などは厳しく減点する。授業内テスト:主として知識を問うものとする。覚えているかより考えているかを重点的にみる。授業参画度:毎回の⼩課題に対する回答を授業参画度として評価する。課題,レポートなどについて,期限後の提出は減点対象とするが,必ず提出すること。対面授業に参加できない場合も,Blackboardを通じて毎回の課題,小テスト,最終課題を提示するのでオンラインで提出すること。
オフィスアワー 授業前後,あるいはメールにて随時対応する。

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