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物理化学特論2

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令和元年度以前入学者 物理化学特論2
令和元年度以前入学者 基礎物理学4
教員名 野口真理子
単位数    2 学年 2・4 開講区分 文理学部
科目群 化学科
学期 前期 履修区分 選択必修
授業の形態 対⾯授業(⼀部 Zoom によるライブ中継あり)
原則対面で実施するが、新型コロナウイルス感染拡大により対面授業が困難な場合にはzoomにおいて同時双方向型授業を行う場合がある。
また資料の共有のために,Blackboardを活用する。
Blackboard ID:20221575
授業概要 熱力学は三大古典力学の一つであり,大学向けの物理化学の教科書に必ずと言っていいほど掲載されているが,実際の物質や現象との関連がイメージしにくく,苦手意識を持つ学生も少なくない。
本講義では,物質の様々な性質を探求する物性研究の分野において,熱力学の立場から議論するために実施される熱容量測定,熱分析手法の原理と,それを用いた研究例について紹介する。また実験的に得られたエンタルピー,エントロピー,ギブズエネルギーなどの熱力学諸量というマクロな量から,原子や分子などのふるまいというミクロな次元の事象についての知見が得られることを,統計熱力学の立場から説明する。さらに,測定結果の解析で用いられるモデルや理論式に関する知識を身に着ける。
授業のねらい・到達目標 <授業のねらい>

・熱容量測定,熱分析手法の原理と,それを用いた研究例を学ぶことで,熱力学的な物理現象の捉え方を身に着ける。
・実験的に得られるエンタルピー,エントロピー,ギブズエネルギーなどの熱力学諸量から,その物質の性質や変化を考察できるようになる。

<到達目標>

・さまざまな熱容量測定や熱分析手法について知り,その原理を身に着ける。
・熱容量測定と熱分析手法からどのような熱力学量または物性値が得られるのかを説明できる。
・物性研究の手段としての熱容量測定と熱分析の果たす役割を認識できる。

<日本大学教育憲章との関係>

A-3-4)高度な化学知識と化学的な根拠に基づいて,自然科学に関連する諸現象を論理的・批判的に考察し,他者に説明することができる。
A-4-4)さまざまな事象に潜む化学的問題を発見し,専門的な化学知識に基づいてそれに対する解決策を考え,独自に行動して解決することができる。
A-8-4)自分の実験経験を振り返り,その成果を客観的にまとめ,他社の評価や批判を受け,今後に活かすことができる。

<ディプロマポリシーとの関係>

この科目は文理学部(学士(理学))のディプロマポリシーDP3,4,8及びカリキュラムポリシーCP3,4,8に対応しています。
なお,この科目は旧カリキュラムにおいて,この科目は文理学部(学士(理学))のディプロマポリシーDP6及びカリキュラムポリシーCP9に対応しています。
授業の方法 授業の形式:【講義】
授業方法は教員による説明を中心に行う。自身の研究と関連した内容について,受講者の意見を聞くことがある。
教員による説明はパワーポイントで作成したスライドや黒板を用いて行う。適宜,質問や疑問点に答えることでフィードバックを行う。

対⾯授業に参加できない場合,以下の要件を満たす学⽣は 事前に教員の許可を得てからZoom でのオンライン参加を認める。教員の許可なしにzoom参加した場合には遅刻扱いとするため注意する。上記に関する相談はBlackboardを介してメールで問い合わせを行うこと。
(1)Zoom での参加を認める要件︓⽇本に⼊国できない留学生
(2)対⾯授業に参加できない場合︓Zoom で参加し,Blackboard に掲載する課題を提出する。
授業計画
1 ガイダンス,自己紹介,熱容量測定や熱分析の概要(A-3, A-4, A-8)【対面授業】
【事前学習】シラバスをよく読み,授業全体の流れを理解しておく。 (2時間)
【事後学習】熱容量測定や熱分析の概要 を整理し要点をまとめておく。 (2時間)
2 はじめに:熱容量から求められる熱力学諸量と,寄与する自由度(A-3, A-4, A-8)【対面授業】
【事前学習】熱容量、エンタルピー、エントロピーの単位について調べ,ノートにまとめておく。 (2時間)
【事後学習】熱容量および熱力学諸量について復習し,ノートにまとめておく。 (2時間)
3 はじめに:単原子分子固体の熱容量,アインシュタインモデルとデバイモデル(A-3, A-4, A-8)【対面授業】
【事前学習】単原子分子固体の熱容量の温度依存性を調べて,理解しておく。 (2時間)
【事後学習】アインシュタインおよびデバイモデルの式をノートに書き,パラメーターを理解しておく。 (2時間)
4 静的測定法:静的測定法の概要と断熱法(A-3, A-4, A-8)【対面授業】
【事前学習】静的測定法について調べ,ノートにまとめておく。 (2時間)
【事後学習】断熱法の利点について整理し要点をまとめておく。 (2時間)
5 動的測定法:動的測定法の概要,緩和法(A-3, A-4, A-8)【対面授業】
【事前学習】動的測定法について調べ,ノートにまとめておく。 (2時間)
【事後学習】緩和法について整理し要点をまとめておく。 (2時間)
6 動的測定法:交流法(A-3, A-4, A-8)【対面授業】
【事前学習】交流とは何を意味するのか調べ,ノートにまとめておく。 (2時間)
【事後学習】交流法について整理し要点をまとめておく。 (2時間)
7 動的測定法:示差熱分析(DTA)と示差走査熱量測定(DSC)(A-3, A-4, A-8)【対面授業】
【事前学習】DTAとDSCについて調べ,ノートにまとめておく。 (2時間)
【事後学習】DTAとDSCについて整理し要点をまとめておく。 (2時間)
8 動的測定法:温度変調DSC(A-3, A-4, A-8)【対面授業】
【事前学習】温度変調DSCについて調べ,ノートにまとめておく。 (2時間)
【事後学習】温度変調DSCの強みについて考え,ノートにまとめておく。 (2時間)
9 熱分析:熱分析の概要,熱重量・示差熱同時測定(TG-DTA)(A-3, A-4, A-8)【対面授業】
【事前学習】TG-DTAについて調べ,ノートにまとめておく。 (2時間)
【事後学習】TG-DTAについて整理し要点をまとめておく。 (2時間)
10 熱分析:誘電緩和測定(A-3, A-4, A-8)【対面授業】
【事前学習】誘電緩和測定について調べ,ノートにまとめておく。 (2時間)
【事後学習】誘電緩和測定について整理し要点をまとめておく。 (2時間)
11 解析:相転移と正常熱容量の見積もり,ボルツマンの式(A-3, A-4, A-8)【対面授業】
【事前学習】相転移の種類について調べ,ノートにまとめておく。 (2時間)
【事後学習】相転移から得られる熱力学諸量の解釈について整理し要点をまとめておく。 (2時間)
12 解析:ショットキー熱容量と分子磁性体(A-3, A-4, A-8)【対面授業】
【事前学習】ショットキー熱容量について調べ,ノートにまとめておく。 (2時間)
【事後学習】二準位系のショットキー熱容量について自分で計算しておく。 (2時間)
13 解析:ガラス転移(A-3, A-4, A-8)【対面授業】
【事前学習】ガラス転移について調べ,ノートにまとめておく。 (2時間)
【事後学習】ガラス転移と緩和時間について整理し要点をまとめておく。 (2時間)
14 解析:速度論的解析(A-3, A-4, A-8)【対面授業】
【事前学習】指数関数の計算を復習しておく。 (2時間)
【事後学習】速度論的解析について整理し要点をまとめておく。 (2時間)
15 まとめ:熱容量測定・熱分析の物性研究における役割(A-3, A-4, A-8)【対面授業】
【事前学習】これまでの講義内容を振り返り復習しておく。 (2時間)
【事後学習】自身の研究に熱容量測定や熱分析をどう活用したいか考え,ノートに書いておく。 (2時間)
その他
教科書 特に購入を前提とする書籍がないため,指定しませんが,参考書を基に講義を構成しています。
参考書 日本熱測定学会 編 『熱量測定・熱分析ハンドブック』 丸善 第3版
徂徠道夫 著 『朝倉化学体系⑩ 相転移の分子熱力学』 朝倉書店
吉田博久,古賀信吉 編著 『熱分析』 第4版
成績評価の方法及び基準 レポート:最終試験の代わりにレポートを課します。内容は後日連絡します。(70%)、授業参画度:授業中におこなう質問への対応状況をもとに授業参画度を評価します。(30%)
対面授業で参加できない要件を満たし,Zoomで参加した場合には,レポートは対面受講者と同じ,授業参画度は毎回の課題提出で評価します。
オフィスアワー 授業後またはBlackboardを介して質問を受け付ける。

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