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令和2年度以降入学者 | 量子力学特論 | ||||
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教員名 | 久保康則 | ||||
単位数 | 2 | 課程 | 開講区分 | 文理学部 | |
科目群 | 相関理化学専攻 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業の形態 | 対面授業8回、遠隔授業7回 BlackboardコースID:20221981 |
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授業概要 | ミクロな世界における多数の要素(電子・原子・分子)が織りなす多様な物理・化学現象を解き明かす量子論(量子力学・量子化学)について学ぶ。 |
授業のねらい・到達目標 | 原子・分子の電子状態の量子論的理解を深めることを念頭に置いて、その量子論的プロセスを扱う基本概念と手法の基礎と拡張を理解し身に着ける。 |
授業の方法 | 授業の形式:【講義】 対面授業実施日(8回):パワーポイント教材を配信し、予習・復習に充てるとともに提示される課題を解き理解を深める。 オンデマンド授業実施日(7回)に、オンデマンド教材(音声付きパワーポイント)を配信する。受講者はその教材を視聴し学習する。その際に課題を提示するので、課題を解いて期日までに(翌週の講義まで)所定の方法で提出すること。 対面授業に参加できない場合は、BLackboardに音声付きパワーポイント教材を配信するので、それにより参加すること。 |
履修条件 | 特になし。 |
授業計画 | |
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1 |
量子論の世界を身近な物理現象を参照し、その物理的起源の解明に挑む中で、理論体系の基礎を学びながら、様々な観点からその有効性を紹介し、メスの入れ方を学ぶ。参照する現象として輸送現象(電気伝導、熱伝導)を選び、古典論での理解の限界を示し量子論での切込みを学ぶ。[オンデマンド型]
【事前学習】シラバスを事前に確認すること。 (2時間) 【事後学習】第一回の課題を解き翌週の授業までに提出すること。 (2時間) |
2 |
前回紹介した輸送現象のドゥルーデモデルの有効性と限界に対して、電子を量子論で捉えることで現象の背景が理解できることを学ぶ。[オンデマンド型]
【事前学習】金属の電子状態としての自由電子モデルについて調べておくこと。 (2時間) 【事後学習】第二回の課題を解き翌週の授業までに提出すること。 (2時間) |
3 |
金属の電気抵抗の起源は第一に格子振動に起因することについて学ぶ。[オンデマンド型]
【事前学習】金属内の電子の散乱について調べておくこと。 (2時間) 【事後学習】第三回の課題を解き翌週の授業までに提出すること。 (2時間) |
4 |
格子振動の量子論について言及し、それによる電子の散乱のメカニズムを学ぶ。 [オンデマンド型]
【事前学習】調和振動子の量子力学解法について調べておくこと。 (2時間) 【事後学習】第四回の課題を解き翌週の授業までに提出すること。 (2時間) |
5 |
格子振動の量子化(フォノン)を紹介し、電子の散乱とどのように結びつくかについて学ぶ。 [オンデマンド型]
【事前学習】格子振動のアインシュタインモデルについて調べておくこと。 (2時間) 【事後学習】第五回の課題を解き翌週の授業までに提出すること。 (2時間) |
6 |
電子のフォノンによる散乱機構について輸送方程式の捉え方から切り込むことを学ぶ。[オンデマンド型]
【事前学習】ボルツマンの輸送方程式について調べておくこと。 (2時間) 【事後学習】第六回の課題を解き翌週の授業までに提出すること。 (2時間) |
7 |
超伝導現象の実験的背景と、電気抵抗ゼロの世界について学ぶ。[オンデマンド型]
【事前学習】超伝導現象の古典論、ロンドン方程式について調べておくこと。 (2時間) 【事後学習】第七回の課題を解き翌週の授業までに提出すること。 (2時間) |
8 |
超伝導現象を熱力学の視点でどのように説明できるかについて学ぶ。[対面授業]
【事前学習】相転移現象を自由エネルギーの視点でどのように説明されるかについて調べておくこと。 (2時間) 【事後学習】第八回の課題を解き翌週の授業までに提出すること。 (2時間) |
9 |
超伝導現象の熱力学的解釈であるギンズブルグ・ランダウ理論について学ぶ。[対面授業]
【事前学習】ランダウの相転移理論として強磁性との関係について調べておくこと。 (2時間) 【事後学習】第九回の課題を解き翌週の授業までに提出すること。 (2時間) |
10 |
多粒子系の量子論への捉え方の道具としてのブラ・ケット表記について学ぶ。[対面授業]
【事前学習】波動力学と行列力学について調べておくこと。 (2時間) 【事後学習】第十回の課題を解き翌週の授業までに提出すること。 (2時間) |
11 |
ケット表記が波動関数の列ベクトル表現に対応し、ブラ表記が波動関数の行ベクトルに対応することを学ぶ。[対面授業]
【事前学習】波動関数とベクトル空間との関係について調べておくこと。 (2時間) 【事後学習】第十一回の課題を解き翌週の授業までに提出すること。 (2時間) |
12 |
フェルミ面上の電子間に引力相互作用が働くとクーパー対が出来ることを学ぶ。[対面授業]
【事前学習】2体波動関数の表記、相対座標、重心座標について調べておくこと。 (2時間) 【事後学習】第十二回の課題を解き翌週の授業までに提出すること。 (2時間) |
13 |
電子間に働くクーロン斥力が引力相互作用になるプロセスについて学ぶ。[対面授業]
【事前学習】分極現象と誘電関数との関係について調べておくこと。 (2時間) 【事後学習】第十三回の課題を解き翌週の授業までに提出すること。。 (2時間) |
14 |
クーパー対の波動関数をベースにして多数のクーパー対の状態がどのように扱われてゆくかについて学ぶ。[対面授業]
【事前学習】て調おべてくこと。 (2時間) 【事後学習】密度汎関数法による電子状態についての課題研究をレポートにして提出すること。 (2時間) |
15 |
超伝導・クーパー対:電子状態のフェルミ粒子からボーズ粒子への変換に起因した超伝導現象のシナリオについて学ぶ。[オンデマンド型と課題研究]
【事前学習】クーパー対について調おべてくこと。 (2時間) 【事後学習】超伝導の電子状態についての課題研究をレポートにして提出すること。 (2時間) |
その他 | |
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教科書 | 教科書は使用しません。 |
参考書 | 大野公一 『「量子化学」』 岩波書店 2012年 藪博之 『「多粒子系の量子論」 (量子力学選書)』 裳華房 2016年 小出昭一郎 『「量子力学(II)(改訂版)」 (基礎物理学選書)』 裳華房 1990年 浅野健一 『「固体電子の量子論」』 東京大学出版会 2019年 西野友年 『「今度こそわかる場の理論」』 講談社 2012年 |
成績評価の方法及び基準 | レポート:15回の課題の提出の採点結果(60%)、授業参画度:対面授業の出席状況・オンデマンドの視聴状況(40%) 対面授業に参加できない場合の評価は、blackboardに配信した該当する授業の教材を視聴し、提出した課題により評価する。 |
オフィスアワー | メールを通しての質疑応答を行う。 |