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令和2年度以降入学者 | 神話・伝承研究 | ||||
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令和元年度以前入学者 | 神話研究 | ||||
教員名 | 袴田光康 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 2~4 | 開講区分 |
文理学部
(他学部生相互履修可) |
科目群 | 国文学科 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択 |
授業形態 | 対面授業 |
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Blackboard ID | 20230696 |
授業概要 | 『遠野物語』をテキストとして口承文学の性質について考える授業である。『遠野物語』は柳田民俗学の出発点として注目される作品だが、そこには妖怪話や幽霊話などの不思議な話が多く伝えられている。それらの不思議な伝承は、口承であるがゆえに共同体においてリアリティを獲得し、異界が極めて身近な存在として語られているという特徴があるが、それは一方で古代の神話や前近代の伝承とも響き合うものがある。この授業では古代文学との比較も視野に入れながら、「境界」・「山の異人」・「死後の世界」という三つのテーマを通して『遠野物語』の性質を分析するとともに現代におけるその意義について講義していく。 |
授業のねらい・到達目標 | 伝承文学や古代文学への理解を深めつつ、現代社会が抱える問題とも関連付けて思考することができる。 この科目は、旧カリキュラム(令和元年以前入学者対象)では、文理学部(学士(文学))のディプロマポリシーDP6及びカリキュラムポリシーCP9に対応している。 また、新カリキュラム(令和2年度以降入学者対象)では、この科目は文理学部(学士(文学)のDP3,4,5,8及びCP3,4,5,8に対応してる。 ・日本文学・日本語学研究を中心としながら,仮説に基づく課題や問題を提示し,客観的な情報を基に,論理的・批判的に考察できる。(A-3-2) ・日本文学・日本語学研究に関わる問題の意味を理解し,助言を受けて複数の解決策を提示し説明できる。(A-4-2) ・日本文学・日本語学研究のスキルを身につけながら,新しい挑戦への計画を立て,準備することができる。(A-5-2) ・日本文学・日本語学研究の専門性を身につけながら,自己の学修に関する経験と考えを振り返り,分析できる。(A-8-2) |
授業の形式 | 講義 |
授業の方法 | ①対面による講義形式の授業である。 ②第8回授業と第14回授業で課題研究(レポート作成)を実施する。 ③提出された課題に対してブラックボードを通じてコメントすることでフィードバックを行う。 なお、対面授業に参加することが困難な場合、理由によってはZOOMでの受講も考慮するので事前に相談すること。 |
授業計画 | |
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1 |
この授業の目的と授業計画の説明(A-3-2)(A-4-2)(A-5-2)(A-8-2)
【事前学習】シラバスをよく読んで、履修計画を考える。 (2時間) 【事後学習】この授業での学修目標を立てる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
2 |
「周辺」としての〈東北〉(A-3-2)(A-4-2)(A-5-2)(A-8-2)
【事前学習】遠野の場所を地図で確認し、その歴史について調べる。 (2時間) 【事後学習】アイヌ文化や琉球文化における口承伝承について調べる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
3 |
『遠野物語』と怪談の時代(A-3-2)(A-4-2)(A-5-2)(A-8-2)
【事前学習】『遠野物語』の序文を読んで、当時の出版趣旨を把握する。 (2時間) 【事後学習】テキストの三つの「解説」を読んで、それぞれの要点を整理する。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
4 |
『遠野物語』における「境界」の発生(A-3-2)(A-4-2)(A-5-2)(A-8-2)
【事前学習】「境界」とは何か、自分の考えをノートにまとめておく。 (2時間) 【事後学習】どのような場所が「異界」との「境界」になるのか、具体例を探す。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
5 |
地理的な境界(A-3-2)(A-4-2)(A-5-2)(A-8-2)
【事前学習】教材の村落モデル図を用いて「境界」となる場所を考える。 (2時間) 【事後学習】神話や伝承で峠や坂が「境界」となっている例を探す。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
6 |
心理的な境界(A-3-2)(A-4-2)(A-5-2)(A-8-2)
【事前学習】第22・23話を読んで、どこが「境界」なのかを考える。 (2時間) 【事後学習】『遠野物語』の他の話から身近に存在する「境界」の例を探す。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
7 |
差別による境界(A-3-2)(A-4-2)(A-5-2)(A-8-2)
【事前学習】第17・55話を読んで、どこが「境界」なのかを考える。 (2時間) 【事後学習】「いじめ」の集団的心理について考える。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
8 |
課題のレポートの作成(A-3-2)(A-4-2)(A-5-2)(A-8-2)
【事前学習】授業資料を用いて、これまでの復習をする。 (2時間) 【事後学習】レポートを補筆して完成させる。 (2時間) 【授業形態】課題研究 |
9 |
『遠野物語』における「山の神」(A-3-2)(A-4-2)(A-5-2)(A-8-2)
【事前学習】「山の神」に関する6つの話を読んで要点を整理しておく。 (2時間) 【事後学習】「山の神」の零落の理由について考える。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
10 |
「山男」に対する攻撃性(A-3-2)(A-4-2)(A-5-2)(A-8-2)
【事前学習】第3・91話を読んで、それぞれの問題点を考える。 (2時間) 【事後学習】「いじめ」の問題との関連を考える。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
11 |
「魂の行方」と共同体(A-3-2)(A-4-2)(A-5-2)(A-8-2)
【事前学習】「魂の行方」関連の8つの話を読んで共通点を考える。 (2時間) 【事後学習】ネット社会における噂やデマについて考える。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
12 |
第99話について①(A-3-2)(A-4-2)(A-5-2)(A-8-2)
【事前学習】明治の三陸大津波について調べる。 (2時間) 【事後学習】ディスカッションを踏まえて自分の意見を再検討する。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
13 |
第99話について②(A-3-2)(A-4-2)(A-5-2)(A-8-2)
【事前学習】第99話の問題点を整理する。 (2時間) 【事後学習】第99話の意味について自分の意見をまとめる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
14 |
課題のレポートの作成と解説(A-3-2)(A-4-2)(A-5-2)(A-8-2)
【事前学習】授業資料を用いてこれまでの復習をする。 (2時間) 【事後学習】レポートを補筆して完成させる。 (2時間) 【授業形態】課題研究 |
15 |
本講義のまとめとフィードバック(A-3-2)(A-4-2)(A-5-2)(A-8-2)
【事前学習】この授業を通して学んだことを整理する。 (2時間) 【事後学習】『遠野物語』の全編を改めて通読する。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
その他 | |
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教科書 | 柳田國男 『新版 遠野物語 付・遠野物語拾遺 (角川ソフィア文庫)』 角川学芸出版 2004年 |
参考書 | 永藤靖 『共振する異界-遠野物語と異類たち―』 三弥井書店 2020年 赤坂憲雄 『遠野/物語考 (ちくま学芸文庫)』 筑摩書房 1998年 |
成績評価の方法及び基準 | レポート:2回の課題(レポート)によって評価する。(100%) |
オフィスアワー | 金曜12:00~13:00(この時間外でも質問等に応じるので、事前にメールで連絡すること。) |