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社会学特殊講義Ⅱ

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令和2年度以降入学者 社会学特殊講義Ⅱ
令和元年度以前入学者 社会学特殊講義Ⅱ
教員名 濱本真一
単位数    2 学年 2~4 開講区分 文理学部
(他学部生相互履修可)
科目群 社会学科
学期 前期 履修区分 選択必修
授業形態 対面授業
Blackboard ID 20230938
授業概要 【社会学の数理モデル作成入門】
社会における様々な現象について理解するためには、現象の本質をとらえて抽象化する必要がある。数理社会学は、社会現象を数理モデルによって記述し、数学的な手続きによって社会現象を観察・理解・予測する学問分野である。本講義では、数理社会学の入門事項および必要な数学を学修することで、社会を数理モデルで表すことの有用性について理解し、同時に自らモデルを作成する能力を涵養する。
授業のねらい・到達目標 【授業のねらい】
本講義では、高校までの数学の復習に併せて、数理モデル作成で多く用いられている数学的手続きの基礎について学習する。さらにこれらがどのような意味を持ち、社会現象の記述にどう応用できるのかを重点に解説していく。高校までの数学では、主に決められた手続きで数式を変形し、解を求めることを重視しているが、数理社会学はあくまでも社会を記述し・理解するための道具として数学を用いる。そのため、行列や微分などの厳密な定義よりも、それぞれの計算が「何をしているのか」を理解し、数学的な手続きによって社会のどのような側面を記述できるかを考察することが非常に重要になる。
【到達目標】 DP5/CP5
  • 社会に関するモデル作成に必要な数学の基本を身につける。 A-5-2
  • 行列、関数、確率分布の基本的な事項と、それらの社会学への応用の方法を理解する。 A-5-2
  • 日常生活における現象のメカニズムを数学的に説明できるようになる。 A-5-2
授業の形式 講義
授業の方法
  • 授業は4回を1セットとしたテーマで進行する。基本的には講義形式で授業を進めていく。授業時間内に計算・証明の演習を取り入れる。
  • 事前配布資料がある場合は、おおむね授業日の2日前までにBlackboardにアップロードするので、各自入手して必要な媒体で持参すること。
  • 数学に不慣れな履修者も多いことが予測されるため、計算手順や証明方法は時間をかけて解説していく。
  • 理解できないものについては授業内で積極的に質問することが望ましい。
    • 授業内で出た質問は授業内に解説する
履修条件
  • 条件は特にないが、高校1年生レベルの数学を前提とする。
  • 単位を必要としない聴講(いわゆるもぐり)をする場合は、履修者の学習の妨げにならないよう注意すること。
  • 相互履修を認める。学習意欲の高い履修者を歓迎する。
授業計画
1 社会を数学的にとらえるということ・論理と命題 <
【事前学習】シラバスを読み授業の進行を理解する (1時間)
【事後学習】授業内の不明点について復習する (3時間)
2 変数と総和記号
【事前学習】変数の演算法則について復習しておく (2時間)
【事後学習】授業内の不明点について復習する (2時間)
3 データと行列1:行列計算の基礎
【事前学習】テキスト1章の不明点をまとめる (2時間)
【事後学習】授業内の不明点について復習する (2時間)
4 データと行列2:行列式と逆行列
【事前学習】テキスト3章の不明点をまとめる (2時間)
【事後学習】授業内の不明点について復習する (2時間)
5 データと行列3:固有値と固有ベクトル
【事前学習】テキスト4章の不明点をまとめる (2時間)
【事後学習】授業内の不明点について復習する (2時間)
6 データと行列4:スクールカースト・噂話・転職の数理 課題1提出期限
【事前学習】なし
【事後学習】課題1の問題を解き提出する (4時間)
7 変化と構造1:写像と関数
【事前学習】テキスト7章の不明点をまとめる (2時間)
【事後学習】授業内の不明点について復習する (2時間)
8 変化と構造2:1変数関数の微分
【事前学習】テキスト8章の不明点をまとめる (2時間)
【事後学習】授業内の不明点について復習する (2時間)
9 変化と構造3:1変数関数の積分
【事前学習】テキスト9章の不明点をまとめる (2時間)
【事後学習】授業内の不明点について復習する (2時間)
10 変化と構造4:結婚・差別・依存症の数理 課題2提出期限
【事前学習】なし
【事後学習】課題2の問題を解き提出する (4時間)
11 現象の記述1:確率の概念
【事前学習】テキスト12章の不明点をまとめる (2時間)
【事後学習】授業内の不明点について復習する (2時間)
12 現象の記述2:確率変数と確率分布
【事前学習】テキスト13章の不明点をまとめる (2時間)
【事後学習】授業内の不明点について復習する (2時間)
13 現象の記述3:いろいろな確率分布
【事前学習】テキスト14章の不明点をまとめる (2時間)
【事後学習】授業内の不明点について復習する (2時間)
14 現象の記述4:流行・格差・秩序形成の数理 課題3提出期限
【事前学習】なし
【事後学習】課題3の問題を解き提出する (4時間)
15 落穂ひろい:微分方程式・ゲーム理論
【事前学習】ここまでの内容の復習が予習になる (3時間)
【事後学習】数理社会学の広がりについて調べてまとめる (1時間)
その他
教科書 椎名洋・姫野哲人・保科架風 『データサイエンスのための数学 (データサイエンス入門)』 講談社 2021年
参考書 浜田宏 『その問題、数理モデルが解決します――社会を解き明かす数理モデル入門』 ペレ出版 2018年 第1版
江崎貴裕 『データ分析のための数理モデル入門――本質をとらえた分析のために』 ソシム 2020年 第1版
小林道正 『経済・経営のための数学教室――経済数学入門』 裳華房 2014年 第1版
酒井文雄 『大学数学の基礎 (数学のかんどころ4)』 共立出版 2011年
毛塚和宏 『社会科学のための統計学入門――実例からていねいに学ぶ』 勁草書房 2022年
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【参考書備考】
  • 社会科学系の学生に有用な参考書は数あるが、上に挙げたのは中でもわかりやすく、副読本に迷ったときに最初にお勧めするものである。ほかにも類書・良書は適宜紹介するので、書店や図書館で実際に中身を眺めてほしい。
  • 同じ内容でもテキストによってさまざまな説明の仕方があるので、自分の肌に合うものを積極的に探して見つけてほしい。
  • 「自分はどのように説明されれば理解できるのか」を見つけることも、大学で身に着けるべき重要なスキルである。
成績評価の方法及び基準 レポート:期末レポート(60%)、授業内課題(40%)
  • 授業中の議論の貢献度に加点する。
  • 4回セットの各授業ブロックの初回(第3回、第7回、第11回)に課題問題を提示し、各ブロックの最終回(第6回、第10回、第14回)までに提出する。各課題はそれぞれのブロックの関連問題となっているため、授業後に課題に取り組むことで復習になる。
オフィスアワー 原則火曜4限:本館研究室(来室の際には事前連絡があると確実)
備考
  • 自主学習を前提とした授業である。自主学習の内容・時間は授業計画欄に示してあるが、これらはあくまでも目安である。「指定された時間机に向かっていればOK」というような極めて受動的・短絡的な思考に陥ることなく、自ら必要な学習内容を定義し、自主的に取り組んでほしい。
  • Verum in numeris est.

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