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博物館展示論

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令和２年度以降入学者 博物館展示論
令和元年度以前入学者 博物館展示論
教員名 岡部幹彦
単位数    2 学年 2･3 開講区分 文理学部
科目群 コース科目
学期 前期 履修区分 選択必修
授業形態 対面授業
授業の形態 対面授業に出席できない学生は、Blackboardで配信する動画（講義資料も配信）を視聴し、指定期日までに課題を提出する。
Blackboard ID 20231702
授業概要 博物館の主要な機能のひとつである展示について、その理論及び方法に関する知識・技能を学ぶ。モノ・コト・ヒトと環境、時間軸、空間軸の間に成立する相互の関係を捉え、展示の本質的な意味・目的を理解するとともに、企画立案から展示までのプロセスを学び、展示に係る基礎的な知識と能力を身につける。担当教員の学芸員としての実務経験をもとに、国内外の展示に関する事例を分析・紹介することにより、博物館の展示機能を多面的に理解する授業を行う。
授業のねらい・到達目標 １．資料に立脚した展示テーマの設定と、これを成立させる資料構成を企画立案することができ、観覧者の主体的で積極的な観る行為を引き出す展示計画を立てることができる。２．企画立案から展示・撤去までの具体的な作業プロセスと、検討すべき要点を理解し、これを計画することができる。３．展示と観覧の関係を深く学び、観覧者が展示資料を観ることと博物館が行う情報提供のあり方を正しく理解した展示をを実施することができる。日本大学教育憲章のA-1-3,A-3-2,A-4-2、DP及びCPの1,3,4に対応する。
授業の形式 講義
授業の方法 各回とも事前に講義資料を配布し、講義形式で授業を実施する（講義資料を熟読して授業に出席のこと）。積極的な受講姿勢と理解を深めるため、テーマにもとづき意見を求める。またリアクションペーパーを求める。それぞれ授業内および次回授業時に解説・講評を行う。期末に試験を実施する。また、授業に参加できない学生には講義動画ならびに講義資料を配信し、授業ごとにリアクションペーパーを求める。なお、この授業の事前・事後学習は各２時間を目安とする。
授業計画
1 《ガイダンス》授業の進め方と留意点、講義資料の活用について
博物館の展示：博物館とは、博物館法ならびにICOM（国際博物館会議）の定義と展示、海外の展示事例(A-1)
【事前学習】博物館の主要な機能について、博物館法がどのように記載しているか確認しノートにまとめておくこと （2時間）
【事後学習】ICOM（国際博物館会議）の新旧博物館定義の相違点を整理し、新しい定義の強調点をノートにまとめること （2時間）
【授業形態】対面授業
2 展示の形式と種類：博物館の館種と展示の特徴、展示の種類、形式と手法(A-1)
【事前学習】博物館の館種について調べノートに整理しておくこと （1時間）
【事後学習】館種ごとに代表的な博物館を選びその展示の特徴を調べ一覧を作成すること （3時間）
【授業形態】対面授業
3 モノを観ることと情報の提供：観覧行為の二つの側面、観る・知る・体験する、情報の提供、気づきを促す情報提供、観察と鑑賞(A-4)
【事前学習】美術館と文学館の展示を観る行為に差異があるか、その理由を考えノートにまとめておくこと （1時間）
【事後学習】各自興味のある資料（分野は自由）1点を選び、「気づきを促す」ことを念頭においた解説（200字程度）を作成すること （3時間）
【授業形態】対面授業
4 主体的・能動的観覧：主体的・能動的にモノを観る、能動的な観覧を促す展示手法、事例にみる様々な手法(A-3,A-4)
【事前学習】博物館のWEBサイトを閲覧し、特色ある常設展示の例をノートにまとめておくこと （2時間）
【事後学習】事前学習で取り上げた常設展示について、講義の視点からあらためて分析・評価を行い、ノートに整理すること （2時間）
【授業形態】対面授業
5 展示の構成：ヒト・モノ・コトとその環境／時間軸・空間軸、事例解説、資料構成と展示テーマ(A-3,A-4)
【事前学習】展覧会カタログを見て、展示テーマと資料構成を時間軸・空間軸で把握しノートにまとめておくこと （2時間）
【事後学習】事前学習で取り上げた展覧会の出品資料（作品）について、そのモノ・コト・ヒト・環境／時間軸・空間軸を整理し、図示すること （2時間）
【授業形態】対面授業
6 展示の企画立案とテーマ・サブテーマ：企画決定プロセス・展示企画書の作成(A-3,A-4)
【事前学習】各自の関心に応じた展示を立案し、これを説明する資料を作成すること （2.5時間）
【事後学習】事前学習で作成した資料を講義をふまえ、展示企画書の形式に修正完成させること （1.5時間）
【授業形態】対面授業
7 展示環境の整備：展示と資料保存、ファシリティレポートに求められること(A-4)
【事前学習】相対湿度と絶対湿度の違い、赤外線と紫外線についてノートに整理し理解しておくこと （2時間）
【事後学習】国指定文化財（美術工芸品）の展示取扱について文化庁のWEBサイトを閲覧し、ノートに整理すること （2時間）
【授業形態】対面授業
8 展示の方法と技術：展示計画の準備と作成、安全で観やすい展示と演出、展示用具・展示備品、地震対策(A-4)
【事前学習】博物館・文化施設のユニバーサルデザインについて調べ、ノートに整理しておくこと （2時間）
【事後学習】常設展示をGoogleストリートビューで閲覧できる館の展示について観察し、演出について気づいたことをノートに整理すること （2時間）
【授業形態】対面授業
9 展示の実際(1)：展覧会開催要項、開催形態と経費、実務上の検討事項、日本の展覧会の特殊性(A-1)
【事前学習】大正期に開催された各種博覧会について調べてノートにまとめておくこと （2.5時間）
【事後学習】過去に実施されたいくつかの企画展・特別展について、その主催・共催・後援・協賛・協力等を調べ一覧表に整理すること （1.5時間）
【授業形態】対面授業
10 展示の実際(2)：展覧会準備作業の流れ、輸送・展示作業の実際、海外展の輸送と展示（事例）(A-1)
【事前学習】学芸員が輸送に同行する意味・理由を考えノートにまとめておくこと （1時間）
【事後学習】実際の展覧会カタログを閲覧し、開催要項を考察・再現し作成してみること （3時間）
【授業形態】対面授業
11 展示の実際(3)：カタログ・各種印刷物の作成、図録作成の流れ、図録の構成、文字校正と色校正、各種印刷物の作成(A-1)
【事前学習】展覧会ポスターやチラシを見て（WEB上でも可）、主要な記載項目を調べノートにまとめておくこと （2時間）
【事後学習】実際の展覧会カタログ2冊以上を調べ、その項目と構成について一覧表に整理しておくこと （2時間）
【授業形態】対面授業
12 展示と情報：資料と情報、キャプション・解説パネル、展示と情報機器、マルチメディア時代における展示と映像の課題(A-1,A-3)
【事前学習】展覧会のポスターやチラシ（WEB上でも可）などで展示に係る情報機器について調べノートにまとめておくこと （1時間）
【事後学習】ICTを利用した展示案内、展示解説等の事例を調べ、複数の館で作用されているシステムの概要をノートに整理すること （3時間）
【授業形態】対面授業
13 展示のリスクマネジメント：総合的なリスクマネジメント、リスクマネジメントのシステム化、保険と補償制度(A-3,A-4)
【事前学習】「動産保険」とは何か、またその仕組みについて調べノートにまとめておくこと （1時間）
【事後学習】第10回で学んだ展覧会作業の流れの各プロセスにおいて想定されるリスクを書き上げて整理すること （3時間）
【授業形態】対面授業
14 展示と関連法規：国指定文化財の展示、銃砲・刀剣の展示、著作権法、海外との交流展示と法令手続き、ワシントン条約(A-1,A-4)
【事前学習】著作権法を調べ、その要点をノートに整理しておくこと （2時間）
【事後学習】国指定文化財（国宝・重要文化財)を館で公開しようとする際に、館の満たすべき条件と必要な手続についてノートに整理すること （2時間）
【授業形態】対面授業
15 《まとめ》：要点の確認、学芸員の果たす役割(A-1)、《試験》
【事前学習】全回の講義資料を再読し、主要項目のインデックスを作成すること （2時間）
【事後学習】過去に実施された展覧会（企画展・特別展等）について展示論の視点から総合的に分析・評価し、ノートにまとめること （2時間）
【授業形態】対面授業
その他
教科書 なし
参考書 全国大学博物館学講座協議会西日本部会（編集） 『新時代の博物館学』 芙蓉書房出版 2012年
受講に必須ではなく任意
成績評価の方法及び基準 試験(80%)、授業参画度:意見発表ならびにリアクションペーパー等(20%)
授業内試験を受けられない場合、対面授業に参加できない要件を満たしていれば、別途指示する授業内容に関するレポートの提出によって評価する。授業内試験を受けた場合の評価と差が出ることはない。
オフィスアワー 授業後に対面またはメールにより質問・相談を受け、回答する。メールアドレスは第1回授業で公開する。

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