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令和2年度以降入学者 | 解析学特論Ⅰ | ||||
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教員名 | 加藤伸幸 | ||||
単位数 | 2 | 課程 | 前期課程 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 地球情報数理科学専攻 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業形態 | 対面授業 |
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Blackboard ID | 20231910 |
授業概要 | 関数解析は現代解析学の中でも中心的地位を占めており, 実空間で議論してきた内容が関数空間(特定のクラスの関数からなる集合)上で繰り広げられる. 特に線形作用素の性質を位相的方法で捉えて解析学の理論を展開し, 数値解析や偏微分方程式の解の存在問題などに応用されている. 本科目ではその入門として, Banach空間とHilbert空間を取り上げ, 一般のノルム空間上での線形作用素について解説する. |
授業のねらい・到達目標 | <授業のねらい> 例えば常微分方程式は, 微積分学の範囲で解の存在を保証したり具体的に表現することができたが, 偏微分方程式に対しては限界を迎えるため, 関数解析の内容を借りて解を探すのが現代的な枠組みとなっている. このように, より広い空間で議論することによって微積分学の範囲では見えなかったものが見えるようになる. <到達目標> ・Banach空間の定義と性質を, 具体例を交えて説明することができる. ・線形作用素の性質を位相的方法で捉え, 具体例を交えて説明することができる. ・Hilbert空間の定義と性質を, 具体例を交えて説明することができる. ・関数空間における収束の意味の違いを説明することができる. |
授業の形式 | 講義 |
授業の方法 | (1) 各回, 講義資料を配付し, その内容を解説しながら討論を交える. (2) 講義資料内にある「問題」に可能な範囲で解答し, 第15回講義終了までにレポートとして提出する. ※ 対面での受講が困難な場合, Zoomで参加することができます. 該当期間・事由を連絡すること. 講義後, リアクションペーパーを提出(翌週まで). |
授業計画 | |
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1 |
Banach空間の定義と例, 基本的な不等式
【事前学習】実数列におけるCauchy列と収束列 (2時間) 【事後学習】完備であることの意味を捉えておく (2時間) 【授業形態】対面授業 |
2 |
ノルム空間上の線形作用素の定義と例, 線形作用素の集合と完備性
【事前学習】実空間における線形写像 (2時間) 【事後学習】線形作用素の集合がどのようにしてノルム空間を成すかを捉えておく (2時間) 【授業形態】対面授業 |
3 |
Beireのカテゴリー定理と一様有界性定理
【事前学習】開集合, 閉集合, 作用素のノルム (2時間) 【事後学習】有界性と一様性の意味を捉えておく (2時間) 【授業形態】対面授業 |
4 |
Banach-Steinhausの定理
【事前学習】Banach空間の定義, 作用素のノルム (2時間) 【事後学習】Baireのカテゴリー定理, 一様有界性定理と併せて内容を説明できるようにする. (2時間) 【授業形態】対面授業 |
5 |
線形汎関数の定義と例
【事前学習】ノルム空間上の線形作用素 (2時間) 【事後学習】関数と汎関数の違いを捉えておく (2時間) 【授業形態】対面授業 |
6 |
線形空間におけるHahn-Banachの定理
【事前学習】線形部分空間と線形汎関数の定義, Zornの補題 (2時間) 【事後学習】線形汎関数がどのようにして拡張されているかを捉えておく (2時間) 【授業形態】対面授業 |
7 |
ノルム空間におけるHahn-Banachの定理
【事前学習】線形空間とノルム空間の違い, Hahn-Banachの定理 (2時間) 【事後学習】Hahn-Banachの定理をノルム空間で考えることの恩恵を振り返る (2時間) 【授業形態】対面授業 |
8 |
Hilbert空間の定義と例, 直和分解
【事前学習】線形代数学における内積の定義 (2時間) 【事後学習】Hilbert空間の直和分解は常にできるかを振り返る (2時間) 【授業形態】対面授業 |
9 |
Rieszの定理,Lax-Milgramの定理
【事前学習】写像の核の定義, 線形汎関数 (2時間) 【事後学習】講義で取り上げた2つの定理の違いが分かるようにし, 応用先を調べる (2時間) 【授業形態】対面授業 |
10 |
共役空間の定義と例
【事前学習】ノルム空間上の線形作用素 (2時間) 【事後学習】異なる集合を同一視することの意味を捉える (2時間) 【授業形態】対面授業 |
11 |
ノルム空間における列の弱収束
【事前学習】ノルム空間における収束(強収束), 実数列の収束,Hoelderの不等式, Minkowskiの不等式 (2時間) 【事後学習】弱収束と強収束の違いが分かるようにする (2時間) 【授業形態】対面授業 |
12 |
弱コンパクト性, Ascoli-Arzelàの定理
【事前学習】弱収束の定義, Bolzano-Weierstrassの定理, 関数列の一様収束性 (2時間) 【事後学習】対角線論法の意義を捉える (2時間) 【授業形態】対面授業 |
13 |
作用素のコンパクト性, Rellichの定理, Mollifierの定義と性質
【事前学習】線形作用素の復習 (2時間) 【事後学習】Mollifierという名前が付けられる理由を考える (2時間) 【授業形態】対面授業 |
14 |
Rellichの定理の証明
【事前学習】Mollifierの性質, Ascoli-Arzelaの定理 (2時間) 【事後学習】Bolzano-Weierstrassの定理, Ascoli-Arzelaの定理の内容と構造比較する (2時間) 【授業形態】対面授業 |
15 |
まとめと補足
【事前学習】本科目の講義内容を振り返る (3時間) 【事後学習】本科目で取り上げられなかった関数解析の話題を調べる (1時間) 【授業形態】対面授業 |
その他 | |
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教科書 | 使用しない |
参考書 | 水田義弘 『実解析入門』 培風館 1999年 宮寺功 『関数解析』 筑摩書房 2018年 |
成績評価の方法及び基準 | レポート:資料内の指定された問題への解答状況(特に議論の展開)で評価する(20%)、授業参画度:講義中の討論への取り組み姿勢で評価する(80%) |
オフィスアワー | 水曜日2・4限 本館5F 非常勤講師オフィスアワー室にて |