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令和4年度以降入学者 | 量子力学特論 | ||||
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教員名 | 鈴木俊夫 | ||||
単位数 | 2 | 課程 | 前期課程 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 相関理化学専攻 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業形態 | 対面授業 |
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授業の形態 | 対面による講義、Blackboard併用 講義内容の資料と課題をBlackboardにアップロードして、授業の予習、復習、課題の提出に使用する。 |
Blackboard ID | 20231934 |
授業概要 | 散乱の量子論、相対論的量子力学、電磁場の量子化、電子とフォトンの相互作用の記述を行う。また、量子力学的干渉効果が特徴的に現れる現象についての学習を行う。 |
授業のねらい・到達目標 | 量子力学による散乱過程の記述方法を理解、会得する。相対論的量子力学、電磁場の量子論を学習し、電子、フォトン、電子ーフォトン相互作用の取り扱いを会得する。また、ニュートリノ振動、K0中間子の崩壊現象の学習によって、量子力学的干渉効果の重要性を理解する。 |
授業の形式 | 講義 |
授業の方法 | 対面授業(講義)を基本とするが、Blackboardによる資料の提供、課題の提出も併用する。 |
授業計画 | |
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1 |
散乱の量子論1:外場による粒子の散乱の伝播関数による量子力学的扱いを学び、散乱振幅、散乱断面積を求める。
【事前学習】量子力学の復習 (2時間) 【事後学習】ラザフオード散乱の散乱振幅、断面積の導出(課題) (2時間) 【授業形態】対面授業 |
2 |
散乱の量子論2:部分波展開による方法を学び、位相差(位相のずれ)を用いて散乱断面積を記述する。
【事前学習】角運動量、多重極展開の学習 (2時間) 【事後学習】低エネルギー散乱問題の課題の位相のずれによる解法 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
3 |
散乱の量子論3:共鳴散乱、共鳴状態について学習する。位相差と共鳴状態の関係、位相差と束縛状態数の関係を学ぶ。
【事前学習】部分波展開法の復習 (2時間) 【事後学習】3次元井戸型ポテンシャルからの散乱問題の位相差を求める課題を解く (2時間) 【授業形態】対面授業 |
4 |
相対性理論:ローレンツ変換、4元ベクトル、相対論的力学
【事前学習】光速度不変の原理の復習 (2時間) 【事後学習】速度の合成則、等加速度運動、電磁場のローレンツ変換の課題を解く (2時間) 【授業形態】対面授業 |
5 |
ディラック方程式:ディラック方程式の導出、ディラック行列の代数
【事前学習】4元ベクトルの復習 (2時間) 【事後学習】ディラック行列の代数、電荷の保存則の課題を解く (2時間) 【授業形態】対面授業 |
6 |
ディラック方程式の平面波解、スピン、パウリ近似と異常磁気能率
【事前学習】ディラック方程式の復習 (2時間) 【事後学習】ディラック粒子がスピンを持つことを理解する (2時間) 【授業形態】対面授業 |
7 |
水素原子:ディラック理論によるスペクトル、スピン‐軌道相互作用の役割を学習する。
【事前学習】パウリ近似の復習 (2時間) 【事後学習】スピン‐軌道力の起源を理解する (2時間) 【授業形態】対面授業 |
8 |
相対論的散乱:モット散乱(相対論的ラザフォード散乱)
【事前学習】非相対論的な散乱理論の復習 (2時間) 【事後学習】相対論の効果がどのように現れるかを理解しまとめる (2時間) 【授業形態】対面授業 |
9 |
古典電磁気学:マックスウェルの方程式、ゲージ変換とゲージ不変性
【事前学習】ベクトル解析、電磁気学の復習 (2時間) 【事後学習】因果律、遅延ポテンシャルについて復習 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
10 |
電磁場の量子化:電磁場の正準形式と量子化、フォトン、ローレンツゲージとクーロンゲージ
【事前学習】力学の正準形式の学習 (2時間) 【事後学習】電磁場と荷電粒子の相互作用について復習、課題を解く (2時間) 【授業形態】対面授業 |
11 |
フォトン‐電子相互作用1:クーロンゲージによる量子化、相互作用表示、摂動論
【事前学習】電磁場の量子化の復習 (2時間) 【事後学習】摂動論による遷移確率の導出の復習 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
12 |
フォトン‐電子相互作用2:輻射の放出と吸収、コンプトン散乱
【事前学習】摂動論の復習 (2時間) 【事後学習】コンプトン散乱復習 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
13 |
ニュートリノ振動
【事前学習】太陽ニュートリノ問題の学習 (2時間) 【事後学習】ニュートリノ振動の証拠となる現象の整理 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
14 |
K0中間子の崩壊:CP対称性とCPの破れ
【事前学習】K中間子の学習 (2時間) 【事後学習】CPの破れと物質ー反物質世界の非対称性の関係を理解する (2時間) 【授業形態】対面授業 |
15 |
シュレーディンガーの猫:量子力学的重ね合わせの状態での干渉効果がマクロな系で観ることができるか?
【事前学習】調和振動子問題の復習 (2時間) 【事後学習】コヒーレント状態の復習 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
その他 | |
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教科書 | なし |
参考書 | 原 康夫 『量子力学 (岩波基礎物理シリーズ)』 岩波書店 砂川重信 『散乱の量子論 (岩波全書)』 岩波書店 西島和彦 『相対論的量子力学 (新物理学シリーズ)』 培風館 ポッフ他(柴田利明 訳) 『素粒子・原子核物理入門』 丸善出版 ハルツェン、マーチン 『クォークとレプトン』 培風館 その他、授業中に指示する |
成績評価の方法及び基準 | 授業参画度:課題への解答の評価(100%) 幾つかの回で課題を出すので、可能な限り解いて提出すること。各課題の締切は特に設定しませんが、7月末までには提出のこと。 |
オフィスアワー | 授業終了時、またはBlackboard上の掲示板機能を通して「質問」と「議論」の機会を提供する。 |