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心理学

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令和2年度以降入学者 心理学
令和元年度以前入学者 心理学1
教員名 池見正剛
単位数    2 学年 1~4 開講区分 文理学部
科目群 総合教育科目
学期 後期 履修区分 選択
授業形態 対面授業(一部遠隔授業)
授業の形態 第9回目以降は全て遠隔授業(Zoomによる同時配信授業)
Canvas LMSコースID・コース名称 204051A14 2024心理学(池見正剛・後・水4)
授業概要 ・人の心と行動について、特にそれらが意図せず他人や環境から影響を受けてしまう過程と、その所産として成立する奇妙な振る舞いや不合理な意思決定を、データや事例とともに紹介する。取り上げる理論や研究者が時に他の学問領域に及ぶが、本講義では学際的見地から、心理学的話題の興味深い展開に必要であれば縦割りのアカデミズムからは距離を置き、ある程度の領域の逸脱には寛容な立場をとる。
・また本講義はいわゆる教養課程である。実務を目的としないという意味で、教養は(結果的、偶発的に役に立つことはあっても)本質的には役に立たないし、またそうであることに些かの躊躇いもない。なぜなら教養は実務よりもむしろ、木を見ながら森も見るような視点の往復と、セオリーに見向きもしない放胆な意思決定に不可欠だからだ。リベラルアーツ(教養課程)はその為にある。
授業のねらい・到達目標 <授業のねらい>
・応用心理学の蓄積された知見を概観し、理論的観点から現実や世界、自分や他人、そして社会が抱える問題を見つめ直す。
<到達目標>
・経験則や多数意見や権威者の主張に頼らずに、心理学的理論と実験・統計データに基づいて現実を理解し、分析、説明できる。
・心理学的な議論を自ら提起し、更には提起された議論に対して疑義を呈し、またその為に必要な素養を積み更新し続けることができる。
<日本大学教育憲章との関係>
・仮説に基づく課題や問題を提示し、客観的な情報を基に、論理的・批判的に考察することの重要性を説明できる(論理的思考力A-3-1)。
・事象を注意深く観察して、解決すべき問題を認識できる(問題発見・解決力A-4-1)。
・自己の学修経験の振り返りを継続的に行うことができる(省察力A-8-1)。
<ディプロマポリシーとの関係>
・この科目は文理学部(学士文学)のディプロマポリシーDP3,DP4,DP8及びカリキュラムポリシーCP3,CP4,CP8に対応しています。
授業の形式 講義
授業の方法 Powerpointのスライドを利用して講義を行う。授業の最後にCanvas LMSで小テストを実施する。点数は自動採点される。
小レポート掲示板課題はCanvas LMSの掲示板に提出し、講師は翌週の授業で口頭で講評するか、掲示板の各投稿に返信される。
最終試験は最終授業内にCanvas LMSで行う。点数は自動採点される。
日本に入国できない留学生か、遠方に居住している学生のいずれかに限り、対面授業に参加できない場合、Zoomで参加し、Canvas LMSで行う授業内小テストを提出する事で出席とみなす(提出期限は当該授業終了時)。
履修条件 (1)万全な通信環境が用意できる者。通信障害により小テストの得点が無効になるなどの事態が続いた場合は対応できない。
(2)最低でもスマートフォンなどの携帯端末が用意できる者。スマートフォンの場合、機種によってはCanvas LMSの小テストにおいて送信ボタンなどがタップしにくいものもあるので注意。より快適な受講や積極的な対話をするにはPCを用意する必要がある。
授業計画
1 一見役に立たない教養はなぜ存在するか?(問題発見・解決力A-4-1、省察力A-8-1)
 教養の本質について、授業計画、成績評価方法、Canvas LMSのコース登録
【事前学習】一般教養を切り捨てる社会的風潮についてネットで調べWordファイルにまとめる (2時間)
【事後学習】Canvas LMSは非常に複雑なのでどこに何があるかよく調べ使い慣れておく (2時間)
【担当教員】池見正剛
【授業形態】対面授業
2 自己欺瞞 自分にウソをついてはいけない。本当にそうなのか? そんなことできるのか?(省察力A-8-1)
 心理学者はそう考えない。自己欺瞞する無意識、自らを守ろうとする脳について考える。
【事前学習】自己奉仕・自己防衛バイアスに関する興味深いトピックとそのURLをWordファイルにまとめる (2時間)
【事後学習】アップロードされた授業内提示資料を通読し、復習ドリルを実行する。 自己欺瞞の機能について説明できるようにする (2時間)
【担当教員】池見正剛
【授業形態】対面授業
3 他者欺瞞 他人にウソをついてはいけない。本当にそうなのか? そんなことできるのか?(問題発見・解決力A-4-1)
 心理学者はそう考えない。ウソをつき、そのスキルを磨いて繁栄してきた人類の本質について考える。
【事前学習】欺瞞行為に関する興味深いトピックとそのURLをWordファイルにまとめる (2時間)
【事後学習】アップロードされた授業内提示資料を通読し、復習ドリルを実行する。 他者欺瞞の効用について説明できるようにする (2時間)
【担当教員】池見正剛
【授業形態】対面授業
4 非常時の心理 津波が背後に迫っていても走らない人がいる。彼らはなぜ走らなかったか? (問題発見・解決力A-4-1)
 災害、事故、戦争など、危機に対処または遭遇する人間のちょっとパラドキシカルな行動を見ていく。
【事前学習】災害時の心理や行動に関する興味深いトピックとそのURLをWordファイルにまとめる (2時間)
【事後学習】アップロードされた授業内提示資料を通読し、復習ドリルを実行する。 非常時特有の心理について説明できるようにする (2時間)
【担当教員】池見正剛
【授業形態】対面授業
5 情報と心理 フェイスブックは最早、単なるコミュニケーションツールではないらしい。(問題発見・解決力A-4-1)【対面授業】
 何に“いいね”を押すかで、その人の誰にも言えない秘密さえ最近では分かってしまう。
【事前学習】情報化社会に関する興味深いトピックとそのURLをWordファイルにまとめる (2時間)
【事後学習】アップロードされた授業内提示資料を通読し、復習ドリルを実行する。 情報化社会における大衆の心理について説明できるようにする (2時間)
【担当教員】池見正剛
【授業形態】対面授業
6 集団心理 なぜホワイト・ハウスやNASAがこんな馬鹿げたミスを犯したのか?(問題発見・解決力A-4-1、省察力A-8-1)
 エリート集団の崩壊プロセスなど、基本的に人は集団と組織の中で正常に意思決定することは難しい。
【事前学習】集団力学に関する興味深いトピックとそのURLをWordファイルにまとめる (2時間)
【事後学習】アップロードされた授業内提示資料を通読し、復習ドリルを実行する。 集団力学について説明できるようにする (2時間)
【担当教員】池見正剛
【授業形態】対面授業
7 承諾誘導技法 自分を嫌っている相手をどうやって説得するか?(論理的思考力A-3-1、問題発見・解決力A-4-1)
 知ってるだけでは使えない、欧米では当たり前の交渉と説得のルール。
【事前学習】交渉技法に関する興味深いトピックとそのURLをWordファイルにまとめる (2時間)
【事後学習】アップロードされた授業内提示資料を通読し、復習ドリルを実行する。 各種承諾誘導技法の内容を説明できるようにする (2時間)
【担当教員】池見正剛
【授業形態】対面授業
8 信念の操作 彼らは思想を強制されたと思っていない。思想改造は可能なのか?(論理的思考力A-3-1、問題発見・解決力A-4-1)
 マインド・コントロールという手法とその効果は社会心理学理論で全て科学的に説明できる。
【事前学習】洗脳とMコントロールに関する興味深いトピックとそのURLをWordファイルにまとめる (2時間)
【事後学習】アップロードされた授業内提示資料を通読し、復習ドリルを実行する。 Mコントロールの3段階について説明できるようにする (2時間)
【担当教員】池見正剛
【授業形態】対面授業
9 犯罪心理学 心理学は犯罪者にどう対抗するか?(問題発見・解決力A-4-1)
 FBI型およびリバプール型プロファイリング、精神疾患を装えば精神鑑定はだませるのか?
【事前学習】犯罪心理学に関する興味深いトピックとそのURLをWordファイルにまとめる (2時間)
【事後学習】アップロードされた授業内提示資料を通読し、復習ドリルを実行する。 2種類のプロファイリング技術と精神鑑定の基本的アプローチについて説明できるようにする (2時間)
【担当教員】池見正剛
【授業形態】同時双方向型授業
10 リスク心理学 世の中がどんなに安全になっても事故は基本減らない(問題発見・解決力A-4-1)
 20世紀以降、様々な技術や法律、医療が人類に安全をもたらしたが、不慮の事故死亡率は変化していない。
【事前学習】リスク心理学に関する興味深いトピックとそのURLをWordファイルにまとめる (2時間)
【事後学習】アップロードされた授業内提示資料を通読し、復習ドリルを実行する。 リスクレベルと人の行動の関係について説明できるようにする (2時間)
【担当教員】池見正剛
【授業形態】同時双方向型授業
11 データと心理 アイスクリームの売り上げと犯罪発生件数は、データの上では相関する(論理的思考力A-3-1、問題発見・解決力A-4-1)
 科学者も結構まちがう原因の推定、マスメディアも使う統計学的心理トリックを1時間ちょっとで理解する。
【事前学習】相関関係と因果関係の相違に関する興味深いトピックとそのURLをWordファイルにまとめる (2時間)
【事後学習】アップロードされた授業内提示資料を通読し、復習ドリルを実行する。 データ解釈を誤る代表的なパターンについて説明できるようにする (2時間)
【担当教員】池見正剛
【授業形態】同時双方向型授業
12 騙される心理 占い師は占いが外れても気にしない。(論理的思考力A-3-1、問題発見・解決力A-4-1)
 当たってないのに、当てられたと思ってしまう心理。コールド・リーディングとは何か?
【事前学習】占いに関する興味深いトピックとそのURLをWordファイルにまとめる (2時間)
【事後学習】アップロードされた授業内提示資料を通読し、復習ドリルを実行する。 Cリーディングの代表的手法を説明できるようにする (2時間)
【担当教員】池見正剛
【授業形態】同時双方向型授業
13 詭弁と心理 議論は戦争のメタファー? コロッと論破されたと思ってしまう心理(論理的思考力A-3-1、問題発見・解決力A-4-1)
 議論に負けないための詭弁と、その詭弁に勝つためのディベート・テクニックを1時間ちょっとで理解する。
【事前学習】詭弁論法に関する興味深いトピックとそのURLをWordファイルにまとめる (2時間)
【事後学習】アップロードされた授業内提示資料を通読し、復習ドリルを実行する。 詭弁の各論法の定義と実例を説明できるようにする (2時間)
【担当教員】池見正剛
【授業形態】同時双方向型授業
14 心理学トピックプレゼン課題(問題発見・解決力A-4-1、省察力A-8-1)
 誰もが面白いと感じるような心理学トピックスを探し掲示板に投稿し、他の学生の投稿も評価する。
【事前学習】これまでに集めた心理学トピックスから一つ選び簡潔、効果的なプレゼンを用意する。 (2時間)
【事後学習】投稿された他の学生のブックレビューを読み、興味深い書籍データをチェックする (2時間)
【担当教員】池見正剛
【授業形態】同時双方向型授業
15 総括、学習内容の整理、および全学生の評価ポイントの確認
【事前学習】アップロードされたこれまでの授業内提示資料に目を通しておく (2時間)
【事後学習】参考文献に記された書籍をAmazonでチェックしてレビューに目を通したり、関連する書籍をチェックする (2時間)
【担当教員】池見正剛
【授業形態】同時双方向型授業
その他
教科書 使用しない。
参考書 ◆マルコム・グラッドウェル 『第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい』 光文社 2006年
◆ゲアリー・マーカス 『脳はあり合わせの材料から生まれた それでもヒトの「アタマ」がうまく機能するわけ 』 早川書房 2009年
◆リチャード・ドーキンス 『利己的な遺伝子 』 紀伊國屋書店 2006年
◆西田公昭 『マインド・コントロールとは何か』 紀伊國屋書店 1995年
◆トール・ノーレットランダーシュ 『ユーザーイリュージョン 意識という幻想』 紀伊國屋書店 2002年
◆ユヴァル・ノア・ハラリ 『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』 河出書房新社 2016年
◆デイヴィッド・イーグルマン 『意識は傍観者である 脳の知られざる営み』 早川書房 2012年
◆デイヴィッド・J・リンデン 『脳はいいかげんにできている その場しのぎの進化が生んだ人間らしさ』 河出書房新社 2017年
◆エレーヌ・フォックス 『脳科学は人格を変えられるか? 』 文藝春秋 2014年
◆トッド・E・ファインバーグ、ジョン・M・マラット 『意識の進化的起源 カンブリア爆発で心は生まれた』 勁草書房 2017年
◆ジョセフ・シュガーマン 『シュガーマンのマーケティング30の法則 お客がモノを買ってしまう心理的トリガー (引き金) とは』 フォレスト出版 2006年
◆ダン・アリエリー 『予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』 早川書房 2013年
◆シーナ・アイエンガー 『選択の科学 コロンビア大学ビジネススクール特別講義』 文藝春秋 2014年
◆ケヴィン・ダットン 『サイコパス 秘められた能力』 NHK出版 2013年
◆ジェームス・ファロン 『サイコパス・インサイド ある神経科学者の脳の謎への旅』 金剛出版 2015年
◆デーヴ・グロスマン 『戦争における「人殺し」の心理学』 筑摩書房 2004年
以上、全て文理学部または他学部に所蔵(他学部所蔵書は文理学部図書館で受付すれば借りられる)
成績評価の方法及び基準 試験(30%)、レポート:第14回授業内プレゼン課題(Canvas LMS掲示板投稿)(10%)、授業内テスト:第1~13回の授業内小テスト(Canvas LMS教材)(20%)、授業参画度:授業中の発言(正解・有意義な論評に対して加点)(20%)、授業外の復習ドリル(Canvas LMS教材)*希望者のみ実施する。(20%)
 
①成績は「最終試験以外の各提出物と授業参画度の総合点」でまずは以下の様に評価される。
 S評価(上位10%)、A評価(上位10~35%)、B評価(上位35~60%)、
 C評価(上位60~90%)、D評価(下位10%または小テスト合計点が下から若干名の者)

②上記の評価は、最終試験が上位16%以内の場合に1ランク上がり、下位16%以内の場合に1ランク下がる。上位下位16%の範囲外であっても、各成績段階の人数比率は①に提示の通り固定されているため、評価が変動する可能性がある。

③復習ドリルを除く全15回の提出物(授業内プレゼン課題、小テスト、最終試験)のうち6点以上の未提出があれば即不合格となる。また授業内の不適切な行為(無断退室、私語、試験不正行為など)で注意を受けた場合、1回につき成績段階が1ランク下がる。

④その他:遠方居住者などがZoomで参加する場合は、対面授業受講者と同様にCanvas LMSの授業内小テストによって評価する。論理的思考力A-3-1は授業内小テスト、最終テストで判定され、省察力A-8-1は復習ドリル、問題発見・解決力A-4-1はプレゼン課題で判定される。
オフィスアワー メールで受け付ける(アドレスはCanavs LMSで知らせる)。

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