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ジェンダー論
| 令和２年度以降入学者 | ジェンダー論 | ||||
|---|---|---|---|---|---|
| 令和元年度以前入学者 | ジェンダー論 | ||||
| 教員名 | 郭立夫 | ||||
| 単位数 | 2 | 学年 | 1～4 | 開講区分 | 文理学部 |
| 科目群 | 総合教育科目 | ||||
| 学期 | 前期 | 履修区分 | 選択 | ||
| 授業形態 | 対面授業 |
|---|---|
| Canvas LMSコースID・コース名称 | 2094520W7 2024ジェンダー論（郭立夫・前・金4） |
| 授業概要 | 男／女の二分法や異性愛はつねに「あたりまえ」や「本能」「自然」と考えられてきました。しかしそのような考え方は社会によってつくられ、私たちの日常生活や思考をも形作っています。就職活動のエントリシートの「性別」欄から日常的に使う言葉まで、性（ジェンダー・セクシュアリティ）に関する規範は影響を与えています。その帰結としてさまざまな性差別が生じています。性に関するさまざまな不平等や差別に抗い、フェミニズムやクィア・スタディーズと呼ばれる学術研究は私たちの社会を大きく変えてきました。 この授業では女性と性的マイノリティの歴史的位置付けや社会の捉え方の変遷を扱います。歴史や社会運動を振り返るだけではなく、ポップカルチャーや現在進行形の議論やニュースなどをとおして、ジェンダー・セクシュアリティ研究に関する知識や考え方を習得します。 |
| 授業のねらい・到達目標 | ジェンダーとセクシュアリティの意味とそれをめぐる差別やポリティクスを認識し、考えること。 ① 現代社会では当たり前のように思われている男女二分の性別観がいかに誕生し、そしてそれはいかに私たちの日常生活（家族構造、性別役割分担、職業分担、ファッションや身体など）を形作っているのかとを理解する。 ② ジェンダーとセクシュアリティはどのように現代社会におけるあらゆる規範・権力と交差しているのかを理解する。ジェンダーとセクシュアリティの観点から現代社会の権力関係を認識できるようになる。 ③ これらの構造によってどのような差別と暴力が生じるかを理解する。そしてそれらの暴力と差別を認識できるようになる。 世界諸国の歴史や政治、経済、文化、価値観、信条などの現状を概説できる（A-2-1）。 仮説に基づく課題や問題を提示し、客観的な情報を基に、論理的・批判的に考察することの重要性を説明できる（A-3-1）。 事象を注意深く観察して、解決すべき問題を認識できる（A-4-1）。 この科目は文理学部のDP及びCPの２,３,４に対応しています。 |
| 授業の形式 | 講義、演習 |
| 授業の方法 | ① 基本的に講義をもとにするのですが、インターアクティブな授業を行います。コメントや授業中課題を活用して、交流を重視する。とりわけ、日常生活の経験をもとに、ジェンダーとセクシュアリティに関するテーマや問題を考え、議論する。 ② 毎度授業終了時にコメントを回収する。コメントの内容は授業に関係ある話であれば基本的になんでも歓迎する。次回の授業の冒頭で講師が受けたコメントから一部を選び、それに対して口頭で返事する。 ③ 自分の学習の過程を記録するために、ラーニングノート（紙か電子版）を作成することを推薦する。 |
| 授業計画 | |
|---|---|
| 1 |
【ガイダンス＆イントロダクション】 授業の概要や到達目標などについてガイダンスを行います。 【事前学習】シラバスとガイダンス資料を事前に読んでください。 （2時間） 【事後学習】ガイダンス資料を読み直し、日常生活やニュースをジェンダー・セクシュアリティの観点から振り返る。 （2時間） 【担当教員】郭立夫 【授業形態】対面授業 |
| 2 |
【ジェンダーとは何か】 ジェンダーとは何かについて考える。とりわけジェンダーがいかに社会によって構築されてきたのかについて、ディスガッションを活用して考える。 【事前学習】シラバスのキーワードを利用し、自分で調べて予習する。 （2時間） 【事後学習】配布資料を読み直し、勉強した知識をまとめてください。 （2時間） 【担当教員】郭立夫 【授業形態】対面授業 |
| 3 |
【ジェンダー・トラブル】 ジュディス・バトラーの『ジェンダー・トラブル』の内容をベースに、ジェンダーとは何かを考える。その上で、ジェンダーの生物学本質について批判的に考える 【事前学習】シラバスのキーワードを利用し、自分で調べて予習する。 （2時間） 【事後学習】配布資料を読み直し、勉強した知識をまとめてください。 （2時間） 【担当教員】郭立夫 【授業形態】対面授業 |
| 4 |
【フェミニズムとは何か】 これまでの内容に踏まえて、ジェンダー概念をめぐってどのような思想が提起されたのかを歴史的にまとめる。そして、その概念の利用はどのように女性の権利擁護に繋げるのかを概説する。 【事前学習】シラバスのキーワードを利用し、自分で調べて予習する。 （2時間） 【事後学習】配布資料を読み直し、勉強した知識をまとめてください。 （2時間） 【担当教員】郭立夫 【授業形態】対面授業 |
| 5 |
【トランスジェンダー問題】 トランスジェンダーの観点からジュディス・バトラーの『ジェンダー・トラブル』の内容を批判的に撮り直す。具体的に、社会的に構築されたジェンダーと生物学的な身体の間の緊張関係を批判的に考える。（議論をベースに推進する） 【事前学習】シラバスのキーワードを利用し、自分で調べて予習する。 （2時間） 【事後学習】配布資料を読み直し、勉強した知識をまとめてください。 （2時間） 【担当教員】郭立夫 【授業形態】対面授業 |
| 6 |
【近代家族の誕生】 近代家族の誕生および現代社会における家族とジェンダー規範を批判的に考えます。西洋社会と東アジア社会（中日韓台）において（現代的な異性愛中心な）婚姻制度がいかに導入され、それがいかに東アジア社会に文化・政治と合流して、今の「家族観」を作り出したのかを考えます。とりわけ、夫婦別姓について考えて行きたい。 【事前学習】シラバスのキーワードを利用し、自分で調べて予習する。 （2時間） 【事後学習】配布資料を読み直し、勉強した知識をまとめてください。 （2時間） 【担当教員】郭立夫 【授業形態】対面授業 |
| 7 |
【リプロダクティブ・ヘルス＆ライツ】 出産について考え、「母性」という幻想を捉え直します。さらに医療と女性の身体、生殖補助技術についても批判的に学びます。とりわけ、東アジア社会において、女性と男性の身体、とりわけその生殖的な部分はいかに国家安全・国家の近代化に結びつけられてきたのかを振り返ります。扱う事例は代理出産、徴兵制における身体検査、そして中絶（中でもとりわけ障害者の生まれてくる権利）です。 【事前学習】シラバスのキーワードを利用し、自分で調べて予習する。 （2時間） 【事後学習】配布資料を読み直し、勉強した知識をまとめてください。 （2時間） 【担当教員】郭立夫 【授業形態】対面授業 |
| 8 |
【セックスワーク】 セックスワークについて考える。とりわけ資本主義社会はいかに性的欲望に価値をつけて、市場活動にしているのかについて検討する。さらに、フェミニズム理論では、セックスワークをめぐってどのような議論がなされているのかについて購読する。 【事前学習】シラバスのキーワードを利用し、自分で調べて予習する。 （2時間） 【事後学習】配布資料を読み直し、勉強した知識をまとめてください。 （2時間） 【担当教員】郭立夫 【授業形態】対面授業 |
| 9 |
【性暴力】 性暴力やセクハラについて考える。そして、レイプ・カルチャーについて説明した上で、女性に対する「保護主義」について考える。最後に、女性安全空間と社会・文化的構築物としてのジェンダーとの間の緊張関係を検討する。 【事前学習】シラバスのキーワードを利用し、自分で調べて予習する。 （2時間） 【事後学習】配布資料を読み直し、勉強した知識をまとめてください。 （2時間） 【担当教員】郭立夫 【授業形態】対面授業 |
| 10 |
【異性愛規範とホモフォビア】 これまでの授業に踏まえ、女性運動・フェミニズム思想における異性愛中心、シスジェンダー中心的な部分を考えます。とりわけ、このような問題はいつどのような文脈で提起され、フェミニズム思想にどのような影響を及ぼしたのかを振り返ります。 【事前学習】シラバスのキーワードを利用し、自分で調べて予習する。 （2時間） 【事後学習】配布資料を読み直し、勉強した知識をまとめてください。 （2時間） 【担当教員】郭立夫 【授業形態】対面授業 |
| 11 |
カミングアウト／クローゼット】 カミングアウトとクローゼットについて学び、アイデンティティやアイデンティテ東アジア社会においてどのような問題を起こしているのかについて考えます。とりわけ、カミングアウトが伴う危険性、そしてその危険性をいかに考えればいいのかについて考えたい。 【事前学習】シラバスのキーワードを利用し、自分で調べて予習する。 （2時間） 【事後学習】配布資料を読み直し、勉強した知識をまとめてください。 （2時間） 【担当教員】郭立夫 【授業形態】対面授業 |
| 12 |
【映画上映】 アメリカにおけるクィア運動の歴史（エイズ危機）を描いた映画『United in Anger』を上映する。 【事前学習】シラバスのキーワードを利用し、自分で調べて予習する。 （2時間） 【事後学習】配布資料を読み直し、勉強した知識をまとめてください。 （2時間） 【担当教員】郭立夫 【授業形態】対面授業 |
| 13 |
【レズビアン＆ゲイ運動】 同性愛者の社会運動について学び、その運動がジェンダー・セクシュアリティ研究にどのような影響を与えてきたかを紹介します。とりわけアジアの運動を事例に、レズビアン＆ゲイ運動がアメリカで誕生したという「神話」を捉え直します。すなわち、アメリカの文脈で誕生したレズビアン＆ゲイ運動はいかにグローバル化して、それがどこまで有効的なのかについて考えたい。 【事前学習】シラバスのキーワードを利用し、自分で調べて予習する。 （2時間） 【事後学習】配布資料を読み直し、勉強した知識をまとめてください。 （2時間） 【担当教員】郭立夫 【授業形態】対面授業 |
| 14 |
【中国における性の政治】 中国の性的マイノリティの社会運動を事例に、これまで勉強してきた知識を応用し、アメリカや日本などの先進国ではない状況における性の政治について検討する。 【事前学習】シラバスのキーワードを利用し、自分で調べて予習する。 （2時間） 【事後学習】配布資料を読み直し、勉強した知識をまとめてください。 （2時間） 【担当教員】郭立夫 【授業形態】対面授業 |
| 15 |
【復習及び個別指導】 期末レポートやこれまで感じた問題を受け付けます。一回分の授業で、相談を受け付ける。 【事前学習】これまでの問題をまとめる。 （2時間） 【事後学習】配布資料を読み直し、勉強した知識をまとめてください。 （2時間） 【担当教員】郭立夫 【授業形態】対面授業 |
| その他 | |
|---|---|
| 教科書 | 使用しない |
| 参考書 | 使用しない |
| 成績評価の方法及び基準 | レポート:期末レポート(40%)、授業内テスト:授業後の問題に回答し提出する(30%)、コメントの提出(30%) |
| オフィスアワー | 金曜3限から5限まで |