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令和2年度以降入学者 | 哲学特殊講義5 | ||||
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教員名 | 高取正大 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 2~4 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 哲学科 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業形態 | 対面授業 |
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授業の形態 | 原則として対面で授業を行います。 |
Canvas LMSコースID・コース名称 | A105015L7 2024哲学特殊講義5(高取正大・前・木2) |
授業概要 | 現代の形而上学(分析形而上学)における主要なトピックについて、その基本的な内容を学びます。 具体的には、(下記で指定する教科書でカバーされている)個別者と性質(ならびにそれらの関係)、部分と全体の関係性、変化、因果性、時間、ひと(person)、様相、無、形而上学という分野そのものに対する方法論的反省(メタ形而上学)、といったトピックを巡る基本的な論点を学修します。 |
授業のねらい・到達目標 | この授業は、現代の分析形而上学における主要なトピックの検討を通じて、形而上学の問題とはどのようなものかについての基本的な理解を身につけ、またそれについて議論できるようになることを目指します。 より具体的には、以下の二点を目標とします。 (1) 個別者と性質(普遍)、部分と全体の関係、変化、因果、時間、ひと、様相、無の問題、形而上学自体への方法論的反省、というトピックを巡ってどんな議論がなされているかを学ぶことで、現代の分析形而上学に関する基本的な教養と知識を習得する。 (2) 上記で挙げた現代形而上学の様々なトピックについて、問題を自分の力で論じることができるようになる。 〈ディプロマポリシーとの関係〉 この科目は文理学部(学士文学)のDP1, 4およびCP1, 4に対応しています。 〈日本大学教育憲章との関係〉 ・真・善・美・聖の探究から得られた豊かな知識と教養に基づいて,自己の倫理観をもって,人間と社会の倫理的な課題に向き合うことができる。(A-1-3) ・文献や資料の読解・解釈を通じて,あるいは,現代の思想的状況を注意深く考察することによって,哲学的問題を発見し,解決策を考えることができる。(A-4-3) |
授業の形式 | 講義 |
授業の方法 | 講義形式の授業です。 教科書として、スティーヴン・マンフォード著/秋葉剛史・北村直彰訳『哲学がわかる 形而上学』(岩波書店、2017年)を用います。 基本的に教科書の叙述に沿って授業を進めますが、教科書の内容を補足したりより発展的な内容を解説するための講義資料を適宜(ほぼ毎回)配布します。 学期末レポートと毎回のリアクションペーパーが課されます。 講義形式ではありますが、(当然ながら)授業内での積極的な質問を歓迎します。 レポートに関するフィードバックはディスカッションの授業で行います。 |
授業計画 | |
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1 |
授業の進め方と評価方法について。現代形而上学(分析形而上学)の概観。(A-1-3)
【事前学習】そもそも形而上学とはどのようなものかについて、自分が事前にもっている理解であったりイメージであったりをまとめておく。 (1時間) 【事後学習】今回の授業の内容と自分がもっていた事前の理解を比較してみる。授業の進め方について確認しておく。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
2 |
個別者(A-1-3)
【事前学習】教科書の第1章「机とは何か」(1〜16頁)を通読したうえで、個別者の例を自分で挙げてみる。また個別者という一般的な概念についての疑問点を整理しておく。 (2時間) 【事後学習】講義内容に基づいて、個別者を巡る形而上学的論点にどのようなものがあり、それらを理解するうえでどのようなアプローチがあるかをまとめ、自分なりに説明できるようになる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
3 |
性質(A-1-3)
【事前学習】教科書の第2章「円とは何か」(17〜34頁)を通読したうえで、性質の問題ならびに個別者と性質の関係について疑問点を整理しておく。 (2時間) 【事後学習】講義内容に基づいて、個別者と性質の関係を巡る様々な形而上学的立場についてまとめ、それらの利点と問題点について自分なりに説明できるようになる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
4 |
部分と全体(A-1-3)
【事前学習】教科書の第3章「全体は部分の総和に過ぎないのか」(35〜50頁)を通読したうえで、部分と全体の関係に立つと言えそうなものの実例を考えてみる。また部分と全体という一般的な概念について自分の中で不明な点をまとめておく。 (2時間) 【事後学習】講義内容に基づいて、部分と全体の関係を巡る形而上学的問題にどのようなものがあるかをまとめ、自分なりに説明できるようになる。 (2時間) |
5 |
変化(A-1-3)
【事前学習】教科書の第4章「変化とは何か」(51〜68頁)を通読したうえで、変化の実例を自分で挙げてみる。また変化の概念に関して自分の中で不明な点を整理しておく。 (2時間) 【事後学習】講義内容に基づいて、変化の概念をどのように理解できるかをまとめ、それにまつわる形而上学的論点を自分なりに説明できるようになる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
6 |
因果(A-1-3)
【事前学習】教科書の第5章「原因とは何か」(69〜86頁)を通読したうえで、原因と結果の関係に立つと言えそうなものの例を挙げてみる。因果の概念について自分の中で不明な点を整理しておく。 (2時間) 【事後学習】講義内容に基づいて、因果性の概念について形而上学の観点からどのような説明のアプローチがあるかをまとめ、自分なりに言語化できるようになる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
7 |
時間(A-1-3)
【事前学習】教科書の第6章「時間はどのように過ぎ去るのか」(87〜106頁)を通読したうえで、時間に関してどんな形而上学的立場があるかを整理し、自分の中で不明な点をまとめておく。 (2時間) 【事後学習】講義内容に基づいて、時間を巡る諸々の形而上学的立場の違いを整理し、それぞれの利点と問題点を自分なりに説明できるようになる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
8 |
ひと(A-1-3)
【事前学習】教科書の第7章「人とは何か」(107〜124頁)を通読したうえで、ひとの概念について自分の中にどんな捉え方があるかを整理してみる。 (2時間) 【事後学習】講義内容に基づいて、ひとの同一性の問題を巡ってどんな形而上学的問題があるかをまとめ、自分なりに説明できるようになる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
9 |
様相(A-1-3)
【事前学習】教科書の第8章「可能性とは何か」(127〜141頁)を通読したうえで、必然性や可能性といった概念をふだんどのように用いているかを考えてみる。 (2時間) 【事後学習】講義内容に基づいて、様相概念の色々な特徴について整理し、説明できるようになる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
10 |
無 (A-1-3)
【事前学習】教科書の第9章「無は存在するのか」(143〜161頁)を通読したうえで、無という概念について自分が事前にどのような理解をもっているかを確認しておく。 (2時間) 【事後学習】講義内容に基づいて、無にまつわる形而上学的論点を整理し、自分の考えをまとめる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
11 |
形而上学に対する方法論的反省(A-1-3)
【事前学習】教科書の第10章「形而上学とは何か」(161〜178頁)を通読したうえで、分析形而上学とはどのような営みなのかを改めて考えてみる。 (2時間) 【事後学習】講義内容に基づいて、形而上学とはどのような種類の探究なのかについて、自分なりに考えをまとめてみる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
12 |
各回の振り返りと補足(A-1-3)
【事前学習】これまでの各回の授業内容を復習し、疑問点や理解が不十分に感じられる項目をまとめておく。 (3時間) 【事後学習】授業内容を踏まえ、各回の内容を整理する。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
13 |
レポートの課題と書き方について(A-4-3)
【事前学習】レポートの書き方について確認する。 (1時間) 【事後学習】課題を踏まえてレポートを作成する。 (8時間) 【授業形態】対面授業 |
14 |
レポートについてのディスカッション(A-4-3)
【事前学習】レポートを完成させ持参する。ディスカッションの準備をする。 (4時間) 【事後学習】ディスカッションを踏まえてレポートを完成させる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
15 |
授業全体の振り返りと質疑応答
【事前学習】授業全体を振り返り、疑問点ならびに自分の関心をまとめておく。 (2時間) 【事後学習】授業を通じて得られた自分の問題意識について、それを更にどう発展させることが可能かについて考えてみる。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
その他 | |
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教科書 | 『哲学がわかる 形而上学 (スティーヴン・マンフォード著/秋葉剛史・北村直彰訳)』 岩波書店 2017年 第1版 |
参考書 | 鈴木生郎・秋葉剛史・谷川卓・倉田剛 『ワードマップ現代形而上学』 新曜社 2014年 第1版 デイヴィッド・M・アームストロング著/秋葉剛史訳 『現代普遍論争入門』 春秋社 2013年 第1版 セオドア・サイダー著/中山康雄監訳・小山虎・齋藤暢人・鈴木生郎訳 『四次元主義の哲学』 春秋社 2007年 第1版 ダグラス・クタッチ著/相松慎也訳 『現代哲学のキーコンセプト 因果性』 岩波書店 2019年 第1版 ディヴィッド・ルイス著/出口康夫監訳・佐金武・小山虎・海田大輔・山口尚訳 『世界の複数性について』 名古屋大学出版会 2016年 第1版 その他、参照すべき文献を授業内で適宜指示する。 |
成績評価の方法及び基準 | レポート(80%)、授業参画度:毎回のリアクションペーパーによって評価します(20%) |
オフィスアワー | 授業後かメールでアポイントメントをとってください。 |