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令和2年度以降入学者 | 美学特殊講義5 | ||||
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教員名 | 櫻井一成 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 2~4 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 哲学科 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業形態 | 対面授業 |
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Canvas LMSコースID・コース名称 | A121016F7 2024美学特殊講義5(櫻井一成・前・金2) |
授業概要 | 日本的美意識について——不完全性、偶然性、受動性、無意識性—— 芸術作品は技術的制作物の一種である。ただし、芸術作品はたんなる技術的制作物にはない特別な魅力を有している。西洋美学はこの特別な魅力を「人為性と自然の交錯」という観点からとらえようとしてきた。言い換えるなら、制作に偶然性や無意識が関与していたり、作品が非完結的で開放的であることが、かえって人間の心を強く動かす作品のありようを可能にしているというのである。ところで「不完全性」「偶然性」「受動性」「無意識」といった語は、日本的美意識や日本的芸術精神を説明するのにしばしば用いられる語でもある。すなわち日本の美学は、こうした特徴を重視することにより、質の高い美的経験を獲得しようとしてきたのである。だが、そうだとすれば日本的美意識は決して日本に固有のものではなく、西洋美学との共通性を有しているということになりはしないか。本授業ではこのような問題意識から、日本的美意識論を再読し、あらためて日本美学の固有性のありかを探っていくことにしたい。 |
授業のねらい・到達目標 | この授業では以下のことを目標としています。 ・美学とはいかなる学問で、どのような問題を扱っているのかを理解する。 ・美や芸術に関する自分たちの理解が、歴史的な制約を受けた特殊なものであることを自覚する。 ・芸術を語ることばや芸術経験のうちには、謎やパラドクスが含まれていることに気づく。 ・哲学的問題をみずからの頭で考えることや、意見の異なる他人と討論することの楽しさを知る。 ・日本的美意識のありかたを理解し、他の人に説明することができる。 ・芸術と倫理、芸術と宗教の関わりを理解する。 ・日本の近代美学の考察が持ちうる普遍的な意義について知見を深める。 この科目は文理学部(学士文学)のDP及びCP1, 4に対応しています。 ・真・善・美・聖の探究から得られた豊かな知識と教養に基づいて,自己の倫理観をもって,人間と社会の倫理的な課題に向き合うことができる。(A-1-3) ・文献や資料の読解・解釈を通じて,あるいは,現代の思想的状況を注意深く考察することによって,哲学的問題を発見し,解決策を考えることができる。(A-4-3) |
授業の形式 | 講義 |
授業の方法 | 毎回リアクション・ペーパーを設定します(Canvas LMS)が、提出は義務ではありません。疑問・確認・主張・リクエスト等があるときに記入してください。内容に応じて加点します。有意義とみなしたペーパーについては、次回の授業時に紹介します。 受講者の興味関心に応じて授業計画を修正する場合があります。 |
授業計画 | |
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1 |
授業オリエンテーション(授業の進め方、文献紹介、単位認定の方針など)
【事前学習】シラバスを読み、授業全体の流れを把握する。 (1時間) 【事後学習】配布されたプリントを再読し、授業で言及された著作や芸術作品があれば目を通しておく(A-4-3)。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
2 |
芸術——技術と自然 西洋美学の考え方 【事前学習】前回の授業で提起された問題について考えてくる(A-1-3)。事前に配布されたプリントに目を通しておく。 (2時間) 【事後学習】配布されたプリントを再読し、授業で言及された著作や芸術作品があれば目を通しておく(A-4-3)。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
3 |
教えない教育 ヘリゲル『日本の弓術』、生田久美子『「わざ」から知る』 【事前学習】前回の授業で提起された問題について考えてくる(A-1-3)。事前に配布されたプリントに目を通しておく。 (2時間) 【事後学習】配布されたプリントを再読し、授業で言及された著作や芸術作品があれば目を通しておく(A-4-3)。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
4 |
柳家小三治の落語論 「自然体」について 【事前学習】前回の授業で提起された問題について考えてくる(A-1-3)。事前に配布されたプリントに目を通しておく。 (2時間) 【事後学習】配布されたプリントを再読し、授業で言及された著作や芸術作品があれば目を通しておく(A-4-3)。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
5 |
柳宗悦の民藝論 健康な美と無意識 【事前学習】前回の授業で提起された問題について考えてくる(A-1-3)。事前に配布されたプリントに目を通しておく。 (2時間) 【事後学習】配布されたプリントを再読し、授業で言及された著作や芸術作品があれば目を通しておく(A-4-3)。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
6 |
坂口安吾「日本文化私観」 人為的な自然という矛盾 【事前学習】前回の授業で提起された問題について考えてくる(A-1-3)。事前に配布されたプリントに目を通しておく。 (2時間) 【事後学習】配布されたプリントを再読し、授業で言及された著作や芸術作品があれば目を通しておく(A-4-3)。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
7 |
茶の精神 『南方録』と岡倉天心『茶の本』 【事前学習】前回の授業で提起された問題について考えてくる(A-1-3)。事前に配布されたプリントに目を通しておく。 (2時間) 【事後学習】配布されたプリントを再読し、授業で言及された著作や芸術作品があれば目を通しておく(A-4-3)。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
8 |
不完全性の美学 『方丈記』と『徒然草』 【事前学習】前回の授業で提起された問題について考えてくる(A-1-3)。事前に配布されたプリントに目を通しておく。 (2時間) 【事後学習】配布されたプリントを再読し、授業で言及された著作や芸術作品があれば目を通しておく(A-4-3)。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
9 |
石川淳「江戸人の発想法」 「やつし」について 【事前学習】前回の授業で提起された問題について考えてくる(A-1-3)。事前に配布されたプリントに目を通しておく。 (2時間) 【事後学習】配布されたプリントを再読し、授業で言及された著作や芸術作品があれば目を通しておく(A-4-3)。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
10 |
前衛芸術と「わび」 赤瀬川原平『超芸術トマソン』『千利休』 【事前学習】前回の授業で提起された問題について考えてくる(A-1-3)。事前に配布されたプリントに目を通しておく。 (2時間) 【事後学習】配布されたプリントを再読し、授業で言及された著作や芸術作品があれば目を通しておく(A-4-3)。配布されたプリントを再読し、授業で言及された著作や芸術作品があれば目を通しておく。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
11 |
庭園と西洋美学 アルベルティ、ライプニッツ、バーク 【事前学習】前回の授業で提起された問題について考えてくる(A-1-3)。事前に配布されたプリントに目を通しておく。 (2時間) 【事後学習】配布されたプリントを再読し、授業で言及された著作や芸術作品があれば目を通しておく(A-4-3)。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
12 |
芸術の風土的性格 和辻哲郎『風土』 【事前学習】前回の授業で提起された問題について考えてくる(A-1-3)。事前に配布されたプリントに目を通しておく。 (2時間) 【事後学習】配布されたプリントを再読し、授業で言及された著作や芸術作品があれば目を通しておく(A-4-3)。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
13 |
「おのずから」と日本の芸術 竹内聖一『「おのずから」と「みずから」』、佐々木健一「自動詞性の詩学」 【事前学習】前回の授業で提起された問題について考えてくる(A-1-3)。事前に配布されたプリントに目を通しておく。 (2時間) 【事後学習】配布されたプリントを再読し、授業で言及された著作や芸術作品があれば目を通しておく(A-4-3)。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
14 |
中動態の美学 森田亜紀『芸術の中動態』、國分功一郎『中動態の世界』 【事前学習】前回の授業で提起された問題について考えてくる(A-1-3)。事前に配布されたプリントに目を通しておく。 (2時間) 【事後学習】配布されたプリントを再読し、授業で言及された著作や芸術作品があれば目を通しておく(A-4-3)。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
15 |
総括(学習内容の整理、レポートの取り組み方など)
【事前学習】前回の授業で提起された問題について考えてくる(A-1-3)。事前に配布されたプリントに目を通しておく。 (2時間) 【事後学習】これまでに配布されたプリントを通読する(A-4-3)。論述問題について考える(A-1-3)。 (4時間) 【授業形態】対面授業 |
その他 | |
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教科書 | 教科書は使用しません。毎回プリントを配布します。 |
参考書 | 尼ヶ崎彬 『いきと風流 』 大修館書店 2017年 尼ヶ崎彬 『利休の黒』 花鳥社 2022年 参考書を購入する必要はありません。 授業内でそのつど新たに参考文献を紹介します。 |
成績評価の方法及び基準 | レポート(90%)、授業参画度:リアクション・ペーパーの内容など(10%) 期末レポートにより、授業内容を理解することができているかを確認します。 〈問題を共有し、共に考える〉という観点からリアクション・ペーパーを評価します。 成績評価の仕方については、初回の授業でより詳しく説明する予定です。 |
オフィスアワー | メールでアポイントメントをとってください。 |