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令和2年度以降入学者 | 現代日本語学講義1 | ||||
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令和元年度以前入学者 | 現代日本語学1(社会言語学) | ||||
教員名 | 田中ゆかり | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 2~4 | 開講区分 |
文理学部
(他学部生相互履修可) |
科目群 | 国文学科 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業形態 | 対面授業 |
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Canvas LMSコースID・コース名称 | C04403A13 2024現代日本語学講義1(田中ゆかり・前・水4) |
授業概要 | この科目では、「方言」を視座として、近代以降の日本語社会のありようを捉えることを目的とする。近代以降の日本語社会における言語政策ならびに言語意識の変遷について概説する。小説・マンガ・映画・ドラマ・演劇・ネット動画などの各種コンテンツにおいて再提示される「方言」も日本語社会における言語意識の変遷を読み解く上で、重要な資料となります。「方言」を手がかりに日本語社会を見通す社会言語学的な視点と考え方を獲得する、これがこの科目の目指すところである。 高等学校の教員ならびに文部科学大臣及び文化庁長官諮問機関・文化審議会臨時委員(国語分科会)の実務経験を持つ教員が、その経験を活かして、日本国における言語政策策定の背景などについて具体的に教授する。 |
授業のねらい・到達目標 | (1)授業のねらい 近代期以降の日本語社会の方言と標準語・共通語に関連した言語政策の変遷を学び、言語変種の価値と位置づけを理解することを目的とする。これらのことを通じ、データや先行研究の読み取りスキルをはじめ、データの効果的な提示方法や調査計画スキルなどの獲得も目指す。身の回りにコンテンツ類に投影された「方言」を発見し、それを手がかりとして日本語社会を見通す社会言語学的な視点と考え方の獲得を目指す。 (2)到達目標 (2-1)到達目標 近代以降の日本語社会の言語政策の概要について説明できる。 近代以降の日本語社会における「方言」と「標準語」「共通語」意識の変遷について説明できる。 大衆的コンテンツに投影された言語変種から当該言語社会における言語変種の価値と位置づけを読み取ることができる。 各種データから事実を読み取ることができる。 データの視覚的表現やデータ採取の基礎的な方法が身に付く。 (2-2)日本大学教育憲章 ・経験や学修から得られた豊かな知識と教養に基づきつつ,日本文学・日本語学研究の専門性を活用し,自己の倫理観を倫理的な課題に適用することができる。(A-1-3) ・日本文学・日本語学研究の専門性をもって,世界諸国の歴史や政治,経済,文化,価値観,信条などの現状および相互関係を,複数の世界観に立って解釈し説明できる。(A-2-3) (2-3)DP・CPとの関連性 この科目は文理学部(学士(文学))のDP及びCP1,2に対応している。 旧カリキュラムでは、文理学部(学士(文学))のディプロマポリシーDP6及びカリキュラムポリシーCP9に対応している。 |
授業の形式 | 講義 |
授業の方法 | 各回トピックについての講義とトピックに関連した小課題で構成される。 各回の小課題については、その次の回を中心にフィードバックを行う予定。 最終課題は、各回小課題から履修者が選択肢、発展させたものをレポートとして課す。 最終課題の取り組み方については、授業内で詳しく説明する。 資料はLMS経由で配布する。必要に応じて各自印字持参のこと。 |
履修条件 | 教室サイズを上限に人数調整を行う。 履修希望者は、第1回開始までにLMSに登録を行い、第1回授業に参加のこと。 第1回開講前までにLMS登録を完了し、第1回課題を締め切りまでに提出した人が人数調整の対象となる。 人数調整を行う場合は、第1回小課題の内容を参照する。 第2回授業開始までに、LMS等を通じて履修許可者名簿を案内する。 |
授業計画 | |
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1 |
ガイダンス(本講義の目的・概要・構成) 言語形成期仮説について学ぶ。 【事前学習】シラバスをよく読み、LMS登録を行う。 (2時間) 【事後学習】言語形成期仮説に関連した課題に取り組み提出する。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
2 |
方言・標準語・共通語という基本概念について学ぶ。 (A-1-3)(A-2-3) 【事前学習】自分の生育地とことばについて考える (2時間) 【事後学習】標準語・共通語・方言の定義について考えを整理する (2時間) 【授業形態】対面授業 |
3 |
「方言」がスティグマの時代:近代期から1970年代までの「方言」がスティグマであった時代の背景とその実態について学ぶ。 (A-1-3)(A-2-3) 【事前学習】「方言」を取り上げた記事・文献などの探索 (2時間) 【事後学習】「方言スティグマ体験」についての記事・文献等の探索 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
4 |
「方言」がカワイイに至るまで:「方言」がカワイイと受け止められるようになった2000年代の感覚に至るまでの時代背景と実態について学ぶ。 (A-1-3)(A-2-3) 【事前学習】「方言」を取り上げた記事・文献などの探索 (2時間) 【事後学習】「方言」を取り上げた記事・文献等の探索 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
5 |
「方言」に価値を見出す時代:1980年代以降を中心に「方言」の価値がどのように見いだされ、その後追加されてきたのかたどる。 (A-1-3)(A-2-3) 【事前学習】「方言」を取り上げた記事・文献などの探索 (2時間) 【事後学習】「方言」に価値に見出す記事・文献等の探索 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
6 |
「方言」と「打ちことば」:ネット時代を迎え一般化した「打ちことば」は、なぜ「方言」と相性がよいのかについて各種データから読み解く。 (A-1-3)(A-2-3) 【事前学習】インターネット前後の媒体・手段の変遷についての記事・文献探索 (2時間) 【事後学習】自分の「打ちことば」生活を振り返る (2時間) 【授業形態】対面授業 |
7 |
ヴァーチャル方言と方言ステレオタイプ:ヴァーチャル方言とは何か、方言ステレオタイプとは何かについて学ぶ。 (A-1-3)(A-2-3) 【事前学習】「方言コンテンツ」「方言キャラ」の探索 (2時間) 【事後学習】「方言コンテンツ」「方言キャラ」の探索と分析 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
8 |
第7回小課題の共有と討議 共有と討議を受けてのコメントのまとめ (A-1-3)(A-2-3) 【事前学習】「方言コンテンツ」「方言キャラ」の探索と分析 (2時間) 【事後学習】コメントのまとめの作成と提出 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
9 |
「方言コスプレ」とは何か:「方言コスプレ」とはどのような言語行動で、なぜそれが日本語社会で共有されるのか考える。 (A-1-3)(A-2-3) 【事前学習】「ニセ方言」を使うとはどういうことか考える (2時間) 【事後学習】「方言コスプレ」事例やそれにに対する世間の意識についての記事類の探索 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
10 |
テレビドラマとヴァーチャル方言:日本語社会において強い波及力をもつコンテンツは、一定の条件を満たしたテレビドラマであることを学ぶ。 (A-1-3)(A-2-3) 【事前学習】放送中のNHK朝ドラ・大河ドラマを視聴し、「方言」の取り扱いについて考える (2時間) 【事後学習】改めて放送中のNHKの朝ドラ・大河ドラマを新たな目で視聴する (2時間) 【授業形態】対面授業 |
11 |
「方言ドラマ」からみた日本語社会:「方言ドラマ」の変遷は日本語社会における「方言」に対する捉え方の変遷の映し鏡であるということを学ぶす。 (A-1-3)(A-2-3) 【事前学習】過去に放送されたNHKの朝ドラ・大河ドラマについての記事・文献を探索する (2時間) 【事後学習】過去に放送されたNHKの朝ドラ・大河ドラマについての記事・文献を探索する (2時間) 【授業形態】対面授業 |
12 |
進化する「方言萌え」:「方言萌え」という感覚が反映されたコンテンツ類を読み解くことから理解する。 (A-1-3)(A-2-3) 【事前学習】「方言萌え」とはどのような感覚か考える (2時間) 【事後学習】「方言見萌え」コンテンツを探索し、特徴を整理する (2時間) 【授業形態】対面授業 |
13 |
最終課題についての解説と最終課題についての質問の受け付け (A-1-3)(A-2-3) 【事前学習】最終課題テーマ候補を検討する (2時間) 【事後学習】最終課題作成のためのデータ・文献等の収集をする (3時間) 【授業形態】対面授業 |
14 |
最終課題の作成 (A-1-3)(A-2-3) 【事前学習】最終課題作成のためのデータ・文献等の収集をする (3時間) 【事後学習】最終課題(課題研究)の作成 (2時間) 【授業形態】課題研究 |
15 |
最終課題の提出と全体のふりかえり:授業内容をふりかえるのと同時に、受講者からの授業に対するフィードバックを受ける。 (A-1-3)(A-2-3) 【事前学習】最終課題作成と提出 (5時間) 【事後学習】授業全体を通してのふりかえり (2時間) 【授業形態】対面授業 |
その他 | |
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教科書 | 教科書は使用しません。適宜資料を配布します。 |
参考書 | 田中ゆかり 『読み解き! 方言キャラ』 研究社 2021年 田中ゆかり 『方言萌え!? ヴァーチャル方言を読み解く』 岩波ジュニア新書 2016年 田中ゆかり 『「方言コスプレ」の時代 ニセ関西弁から龍馬語まで』 岩波書店 2011年 木部暢子・竹田晃子・田中ゆかり・日高水穂・三井はるみ 『方言学入門』 三省堂 2013年 半沢康・新井小枝子 『実践方言学講座1 社会の活性化と方言』 くろしお出版 2020年 参考書は授業内で適宜紹介する。 |
成績評価の方法及び基準 | レポート:最終課題(50%)、授業参画度:各回課題の提出・内容、討議への参加(50%) |
オフィスアワー | 授業前後、水曜6限 |