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令和2年度以降入学者 | 社会・集団・家族心理学B(家族心理学) | ||||
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教員名 | 堀込俊郎 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 2~4 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 心理学科 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業形態 | 対面授業 |
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Canvas LMSコースID・コース名称 | L014101812 2024社会・集団・家族心理学B(家族心理学)(堀込俊郎・前・火1) |
授業概要 | 授業概要:本講義は公認心理師受験資格取得に必要な科目である。そのため公認心理師として必要な家族心理学の基本概念を学習する。具体的には発達的、構造的、機能的な観点から家族をシステムとして理解する方法論について講義する。また社会を家族システムの上位システム、個人を下位システムと捉えることで、Bio-Psycho-Socialモデルについて理解を深め、家族、集団及び文化が個人に及ぼす影響についても学んで行く。なお本講義は現役の精神科専門医である教員がその臨床経験を活かして、システム論的なものの見方で行う家族支援や他職種連携について説明する。 |
授業のねらい・到達目標 | <授業のねらい・到達目標> 授業計画の中にKeywordとして示した家族心理学の基本概念や用語を説明できる。 問題とされている事象が維持されるシステムに関して、複数の視点から仮説を立てることができる。 自身の日常生活の中の事象をシステム論的に考えることができる。 家族を取り巻く日本の社会・文化的背景について説明できる。 ジェノグラムを作成することができる。 家族ライフサイクルについて説明できる。 <日本大学教育憲章との関係> 現代社会が直面している様々な問題の多様性を理解した上で,心理学を活かしながら説明することができる。(A-2-3) 資料や事象を注意深く観察し,問題点を発見し,解決策を検討することができる。(A-4-3) 心理学に解決が託された課題に取り組むために,必要な情報を収集し,それを分析して,その課題を明確にすることができる。(A-5-3) 集団の中で,他者と連携できる。(A-7-1) 自己を振り返り,自らの資質について検討することができる。(A-8-2) <ディプロマポリシーとの関係> この科目は文理学部の学士(心理学)のDP及びCPの2,4,5,7,8に対応しています。 |
授業の形式 | 講義 |
授業の方法 | 授業はパワーポイントを使った講義を中心に進めるが、事例の検討、グループディスカッション等によってより実践的、体験的な理解を深めるような学習も行う予定である。授業で用いるパワーポイント資料は共有するが、要点をメモするなどして口頭で説明した内容を復習の時に思い出せるように、各自知識の定着のための工夫をすること。毎回小テストを授業内で行う。原則として遠隔授業での参加は認めない。 |
授業計画 | |
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1 |
家族と家族を取り巻く社会、集団及び文化が個人に及ぼす影響(A-2)(A-4) 家族という概念について検討する。また本講義で扱う家族心理学の概要と、授業の進め方について説明する Keyword:家族、多世代家族、核家族、原家族、少子高齢化 【事前学習】シラバスを事前に確認し、授業全体の流れを把握しておく (2時間) 【事後学習】授業で使用した資料を復習し、Keywordにあげた概念の理解を深める (2時間) 【授業形態】対面授業 |
2 |
一般システム論と家族家族療法の概念 一般システム論、円環的因果論を理解し、家族療法の概要を学習する Keyword:一般システム論、上位システム(スープラシステム)、下位システム(サブシステム)、Bio-Psycho-Social model、直線的因果律、円環的因果律、システム論的家族療法、システムズアプローチ、パターン、フレーム、Identified Patient 【事前学習】シラバスによって学習項目を事前に確認しておく (2時間) 【事後学習】一般システム論や円環的因果律について自分の言葉で説明できるように復習する (2時間) 【授業形態】対面授業 |
3 |
家族療法の歴史(A-2) 家族療法の歴史を通じて、家族がどのように捉えられ理解されてきたのかについて学習する Keyword:G Bateson、ダブルバインドセオリー、High EE、多世代家族療法、構造的家族療法、コミュニケーション学派、戦略的家族療法、ミラノシステミックモデル、セカンドオーダーサイバネティクス、治療システム、コラボレーティブアプローチ、リフレクティングプロセス、ナラティヴ・セラピー、解決志向アプローチ、オープンダイアローグ 【事前学習】シラバスによって学習項目を事前に確認しておく (2時間) 【事後学習】授業で使用した資料を復習し、Keywordにあげた概念の理解を深める (2時間) 【授業形態】対面授業 |
4 |
発達的視点:家族ライフサイクル①恋愛と結婚 家族ライフサイクルを3回に分けて学んで行く。この回では恋愛、結婚を経て夫婦が誕生するまでをあつかう Keyword:家族ライフサイクル、モルフォスタシス、モルフォジェネシス、関係不安、融合関係、情緒的遮断、親役割代行 【事前学習】シラバスによって学習項目を事前に確認しておく (2時間) 【事後学習】授業で使用した資料を復習し、Keywordにあげた概念の理解を深める (2時間) 【授業形態】対面授業 |
5 |
発達的視点:家族ライフサイクル②子供の誕生と子育て 子供が誕生し成長する時期の家族の発達について学習する Keyword:オルソンの家族円環モデル、家族機能の凝集性と適応性、家族間境界、遊離家族(遊離関係)と纏綿家族(膠着関係)、マタニティブルー、パタニティブルー、産後うつ、性別役割分業、過保護と放任 【事前学習】シラバスによって学習項目を事前に確認しておく (2時間) 【事後学習】授業で使用した資料を復習し、Keywordにあげた概念の理解を深める (2時間) 【授業形態】対面授業 |
6 |
発達的視点:家族ライフサイクル③子供の独立と老後 子供が自立したのちの家族について学習する Keyword:空の巣症候群、中年期危機、不定愁訴、喪失体験、介護者役割 【事前学習】シラバスによって学習項目を事前に確認しておく (2時間) 【事後学習】授業で使用した資料を復習し、Keywordにあげた概念の理解を深める (2時間) 【授業形態】対面授業 |
7 |
発達的視点:多世代伝達理論(Bowen理論) Bowenの多世代伝達理論、三角関係化を学習する Keyword:思考と感情、多世代伝達理論(Bowen理論)、知性システムと感情システム、個別性と集合性、分化と融合、三角関係化 【事前学習】シラバスによって学習項目を事前に確認しておく (2時間) 【事後学習】授業で使用した資料を復習し、Keywordにあげた概念の理解を深める (2時間) 【授業形態】対面授業 |
8 |
発達的視点:ジェノグラム(A-8) ジェノグラムの書き方を学習する。2人1組で実際にジェノグラムを作成する練習を行う予定である Keyword:ジェノグラム 【事前学習】シラバスによって学習項目を事前に確認しておく (2時間) 【事後学習】模擬症例や自身のジェノグラムを作成し、ジェノグラムの作成方法を身につける (2時間) 【授業形態】対面授業 |
9 |
構造的視点 家族の関係性を構造的に理解する方法を学習する Keyword:社交の窓口、境界線(Boundary)、サブシステム、曖昧な境界と硬直した境界、纏綿家族(密着・融合)と遊離家族(疎遠)、提携(Alignment)、連合、同盟、三角関係化、権力(Power)、ポジション、ジョイニング、トラッキング、アコモデーション、マイム 【事前学習】シラバスによって学習項目を事前に確認しておく (2時間) 【事後学習】授業で使用した資料を復習し、Keywordにあげた概念の理解を深める (2時間) 【授業形態】対面授業 |
10 |
構造的視点 事例を通じて構造的視点の理解を深める回とする。グループワークも行う予定である 【事前学習】シラバスによって学習項目を事前に確認しておく (2時間) 【事後学習】境界、パワーなどの概念使って身近な集団や家族の構造を説明できるようにする (2時間) 【授業形態】対面授業 |
11 |
コミュニケーション 語用論的コミュニケーションの公理について学習する Keyword:語用論的コミュニケーションの公理、メッセージとメタメッセージ、コンテンツとコンテクスト、言語と非言語、対照的コミュニケーションと相補的コミュニケーション 【事前学習】シラバスによって学習項目を事前に確認しておく (2時間) 【事後学習】語用論的コミュニケーションの公理について説明できるように復習する (2時間) 【授業形態】対面授業 |
12 |
機能的視点 家族のコミュニケーションを円環的に理解する方法を学ぶ Keyword:第一種変化と第二種変化、治療的ダブルバインド、逆説的介入、症状処方、リフレーミング、肯定的意味付け 【事前学習】シラバスによって学習項目を事前に確認しておく (2時間) 【事後学習】円環的因果律に基づいてコミュニケーションを評価する練習をする (2時間) 【授業形態】対面授業 |
13 |
事例の検討(A-5)(A-7) 事例を通じて、問題をめぐるシステムを複数の視点から捉え、仮説を立てる練習を行う。グループワークなども行う予定である 【事前学習】これまでの授業内容を振り返り、分からないことを調べる (2時間) 【事後学習】授業であつかった事例について、発達的、構造的、機能的視点から考察し理解を深める (2時間) 【授業形態】対面授業 |
14 |
事例の検討(A-5)(A-7) 事例を通じて、問題をめぐるシステムを複数の視点から捉え、仮説を立てる練習を行う。グループワークなども行う予定である 【事前学習】これまでの授業内容を振り返り、分からないことを調べる (2時間) 【事後学習】身近なコミュニケーションを観察して、システムとして理解する練習をする (2時間) 【授業形態】対面授業 |
15 |
授業内テストと解説
【事前学習】これまでの授業内容を復習し、重要な概念を自分の言葉で説明できるようにする (2時間) 【事後学習】授業内テストの解説をもとに、自分の理解を確認する (2時間) 【授業形態】対面授業 |
その他 | |
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教科書 | 使用しない |
参考書 | 中釜洋子、野末武義、布施靖枝、無藤清子 『家族心理学 家族システムの発達と臨床的援助』 有斐閣ブックス 2019年 第2版 浅井伸彦、 坂本真佐哉、 松本健輔 『はじめての家族療法 クライエントとその関係者を支援するすべての人へ』 北大路書房 2021年 第1版 必ずしも購入する必要はないが、その他都度授業内で紹介するので、興味を持った書籍を手に取って見てください |
成績評価の方法及び基準 | 授業内テスト(60%)、授業参画度(40%) 授業内テスト:授業内テストを第15回で行う(60%) 授業参画度:授業参画度は第1回~第14回で提出された小テスト及びリアクションペーパー等で評価する(40%) |
オフィスアワー | 授業終了後に口頭にて受け付けます。またリアクションペーパーに書かれた質問については授業内で扱うようにします。ただし、誰かが感じた疑問点は他の誰かも感じていることが多いですので、授業内での積極的な質問をより歓迎します。 |