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令和2年度以降入学者 | 認知心理学特講 | ||||
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教員名 | 望月正哉 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 3・4 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 心理学科 | ||||
学期 | 後期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業形態 | 対面授業 |
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Canvas LMSコースID・コース名称 | L028101826 2024認知心理学特講(望月正哉・後・月2) |
授業概要 | 最近数十年の認知心理学で,一定の役割を担っている基盤化された認知という枠組みと,その枠組みに基づいて行われた研究を知ることで,心理学はヒトの「認知」をどのように捉えているのか,また,今後心理学では「認知」をどのように扱うべきなのかを考える |
授業のねらい・到達目標 | <授業のねらい> 認知とは自身の内外にある情報を処理して,それに対する解釈や判断,評価することであるとされる。心理学においてこの認知は外界とは切り離された脳内の「システム」によって行われると仮定されてきた。しかし,近年,そのような脳内のシステムのみが認知処理を担うのではなく,感覚器官,運動器官,環境,文脈といったさまざまな要因との相互作用が認知処理であるという「基盤化された認知(Grounded cognition)」という考え方で行われる研究も増えてきた。本授業では,この基盤化された認知という枠組みを基盤に,心理学における「認知」の捉え方,心理学における研究の進め方について考える。 <到達目標> ・紹介する複数の研究をまとめ,「基盤化された認知」の考え方を説明できる。 ・基盤化された認知と対比的な理論を取り上げ,両者のどちらがヒトの認知の捉え方として正しいと考えられるのか整合的な説明ができる, <ディプロマ・ポリシーとの関係> この科目は文理学部(学士(心理学))のDPおよびCPの3,4に対応している。 <日本大学教育憲章との関係> 基盤化された認知という考え方とその考え方のもとで行われている研究の理解を深め,それらの研究の問題点を指摘できる(A-4-3)。 基盤化された認知という考え方は果たしてヒトの認知の本質を捉えているのかということについて批判的に考え,議論できる(A-3-3)。ことを定める。 |
授業の形式 | 講義 |
授業の方法 | 講義形式を基本とするが,内容に応じ事前の調べ学習や授業コメントを求めて,その内容に基づいて授業を進める回もある。本授業の事前・事後学習は,1-3時間の学習を目安とする。事前学習,事後学習の内容については授業中にフィードバックする。授業内テストについては第15回に解説を示す。本授業は対面出席を基本とする。半期を通じて対面出席ができない場合には,授業初週までにLMSを通じて相談すること。 |
授業計画 | |
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1 |
ガイダンス:認知心理学という学問領域を考える(A-3-3)
【事前学習】本シラバスを十分に読み,本授業で取り上げられる内容の流れを把握する (2時間) 【事後学習】「認知心理学」に関連する教科書の目次を読み,どういった内容が取り上げられているか把握する (2時間) 【授業形態】対面授業 |
2 |
基盤化された認知登場以前の認知観(A-3-3)
【事前学習】「記号接地問題」というキーワードについて調べ,ノートにまとめる (3時間) 【事後学習】授業を振り返り,設定された設問についてコメントを提出する (1時間) 【授業形態】対面授業 |
3 |
基盤化された認知とは(A-3-3)
【事前学習】「基盤化された認知」というキーワードについて調べ,ノートにまとめる (3時間) 【事後学習】授業を振り返り,設定された設問についてコメントを提出する (1時間) 【授業形態】対面授業 |
4 |
知覚と身体の関係(1)実証的研究の紹介(A-3-3)
【事前学習】Held & Hein (1963, JCPP) を読み,実験の概要についてノートにまとめる (3時間) 【事後学習】授業を振り返り,設定された設問についてコメントを提出する (1時間) 【授業形態】対面授業 |
5 |
知覚と身体の関係(2)表現型による説明(A-3-3)
【事前学習】Profitt (2006, PPS) を読み「知覚的定規」についてノートにまとめる (3時間) 【事後学習】授業を振り返り,設定された設問についてコメントを提出する (1時間) 【授業形態】対面授業 |
6 |
意思決定と身体の関係(A-3-3)
【事前学習】Carney, Cuddy, & Yap (2010, PS) を読むとともに,その研究に対する批判的見解も調べてノートにまとめる (3時間) 【事後学習】授業を振り返り,設定された設問についてコメントを提出する (1時間) 【授業形態】対面授業 |
7 |
高次認知と身体の関係(A-3-3)
【事前学習】Dehaene et al. (1993, JEP:G) を読み,SNARC効果について調べてノートにまとめる (3時間) 【事後学習】授業を振り返り,設定された設問についてコメントを提出する (1時間) 【授業形態】対面授業 |
8 |
言語理解と身体の関係(A-3-3)
【事前学習】Fischer & Zwaan (2008, QJEP) を読み,関連研究で用いらている実験パラダイムについて調べノートにまとめる (3時間) 【事後学習】授業を振り返り,設定された設問についてコメントを提出する (1時間) 【授業形態】対面授業 |
9 |
知識とシミュレーションの関係(A-3-3)
【事前学習】Barsalou et al. (2003, TiCS) を読み,彼の知覚的記号システムについて調べてノートにまとめる (3時間) 【事後学習】授業を振り返り,設定された設問についてコメントを提出する (1時間) 【授業形態】対面授業 |
10 |
感情とシミュレーションの関係(A-3-3)
【事前学習】Niedenthal (2007, Science) を読み,広くみられる感情理論との違いについて調べてノートにまとめる (3時間) 【事後学習】授業を振り返り,設定された設問についてコメントを提出する (1時間) 【授業形態】対面授業 |
11 |
抽象概念と身体の関係(A-3-3)
【事前学習】Williams & Bargh (2008, Science) を読むとともに,その後の追試研究の結果も調べてノートにまとめる (3時間) 【事後学習】授業を振り返り,設定された設問についてコメントを提出する (1時間) 【授業形態】対面授業 |
12 |
基盤化された認知に対する批判(A-3-3,A-4-3)
【事前学習】Goldinger et al. (2016, PBR) を読み,どのような点で基盤化された認知が批判されているか調べノートにまとめる (3時間) 【事後学習】授業を振り返り,設定された設問についてコメントを提出する (1時間) 【授業形態】対面授業 |
13 |
基盤化された認知の研究結果は正しくない?(A-3-3,A-4-3)
【事前学習】Open Science Collaboration (2015, Science) を読み,心理学における再現性の危機を調べてノートにまとめる (3時間) 【事後学習】授業を振り返り,設定された設問についてコメントを提出する (1時間) 【授業形態】対面授業 |
14 |
ヒトの「認知」をどのように捉えるべきなのか:期末課題(A-3-3,A-4-3)
【事前学習】これまでの授業内容を振り返り,ヒトの「認知」をどのように捉えるべきなのか自身の考えをまとめる (3時間) 【事後学習】課題における回答について,ノートや資料を使用して振り返る (1時間) 【授業形態】対面授業 |
15 |
基盤化された認知以降の考え方:期末課題の解説と近年の動向(A-3-3,A-4-3)
【事前学習】乾(2018, 日本神経回路学会誌)を読み,基盤化された認知との共通点をノートにまとめる (3時間) 【事後学習】授業全体を振り返り,学習した内容を整理する (1時間) 【授業形態】対面授業 |
その他 | |
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教科書 | 適宜,資料を配布する。 |
参考書 | レベッカ・フィンチャー-キーファー (著) 望月正哉 ・井関龍太・川﨑惠里子 (訳) 『知識は身体からできている―身体化された認知の心理学―』 新曜社 2021年 |
成績評価の方法及び基準 | 授業内テスト(50%)、授業参画度(50%) 授業参画度は授業後に提出するコメント・課題を踏まえて評価する。授業内テストは第14回に実施する。 |
オフィスアワー | 随時,LMSからメールを受け付ける。 |