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令和2年度以降入学者 | マーケティング論 | ||||
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教員名 | 箸本健二 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 3・4 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 地理学科 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択 |
授業形態 | 対面授業(一部遠隔授業) |
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授業の形態 | 対面授業(場合により遠隔・オンデマンド授業あり) |
Canvas LMSコースID・コース名称 | M080211R7 2024マーケティング論(箸本健二・前・火1) |
授業概要 | マーケティングの視点から見る中心市街地問題とまちづくり |
授業のねらい・到達目標 | 本講義は、日本の地方都市の中心市街地を舞台とする「まちづくり」の取り組みを、マーケティングの理論を援用しつつ評価・検討することを目的とする。1980年代以降、日本の地方都市ではいわゆる中心市街地問題が深刻化していった。中心市街地問題とは、駅前や旧市街地など歴史的に商業・サービス業が集積してきた地域が集客力を失い、社会的経済的に衰退を余儀なくされている状況の総称である。本講義では、まずマーケティングの理念と諸理論を概観し、次いで、中心市街地問題をめぐる政策的対応や、中心市街地問題の解決を目的としたまちづくり戦略とその担い手について整理する。その上で、いくつかの典型的な事例を取り上げ、(1)中心市街地問題の本質は何か、(2)「まちづくり」とかかわる法規制の影響、(3)「まちづくり」の成功・失敗要因、という3つの切り口を設定することで,マーケティングの諸理論を用いた評価・検討が行えるようになる。また講義の後半では、イギリス、イタリアなど中心市街地問題の構造や法規制のあり方が異なる国の事例紹介を行うことで、日本の中心市街地問題やまちづくり政策の国際比較が行えるようになる。 経験や学修から得られた豊かな知識と教養を基に,自己の倫理観を倫理的な課題に適用することができる(A-1-3)。 日本及び世界諸国の自然環境や社会,経済,文化などの現状および相互関係を,地理学的視点に基づいて説明することができる(A-2-3)。 この科目は文理学部(学士(地理学))のディプロマポリシーDP1及びカリキュラムポリシーCP1に対応しています。 |
授業の形式 | 講義 |
授業の方法 | 授業は講義形式で行う。講義はレジュメに沿って展開し、適宜参考文献を紹介する。 本授業の事前・事後学習は,各2時間の学習を目安とします。 |
授業計画 | |
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1 |
日本の地方都市と中心市街地問題(導入) 【事前学習】シラバスを熟読し、講義の流れを把握しておくこと。 【事後学習】地方都市の中心市街地を取り巻く1990年以降の環境変化を整理しておくこと。 【授業形態】対面授業 |
2 |
中心市街地の求心力低下とまちづくりマーケティング 【事前学習】マーケティングの基礎理論であるハワード(J.A.Howard)の「マーケティングの五角形」、マッカーシー(E.J.McCarthy)の「4P論」を調べておくこと。 【事後学習】任意の地方都市を想定し、まちづくりマーケティングに必要な「4P」を考えること。 【授業形態】対面授業 |
3 |
中心市街地をめぐる政策の推移(1):大店法による大型店規制の時代 【事前学習】大店法の条文を事前に調べておくこと。 【事後学習】大店法が、とりわけ地方都市の中心市街地に与えた功罪を考えてみること。 【授業形態】対面授業 |
4 |
中心市街地をめぐる政策の推移(2):「まちづくり3法」の成立と限界 【事前学習】まちづくり3法のうち、特に中心市街地活性化法(1998-2006)を調べておくこと。 【事後学習】まちづくり3法の相互矛盾について整理しておくこと。 【授業形態】対面授業 |
5 |
中心市街地をめぐる政策の推移(3):「改正まちづくり3法」によるコンパクトシティ政策 【事前学習】改正中心市街地活性化法(2006-)を調べておくこと。 【事後学習】コンパクトシティが、とりわけ日本の地方都市で実現しにくい理由を考察すること。 【授業形態】対面授業 |
6 |
中心市街地をめぐる政策の推移(4):「立地適正化計画」を通じたコンパクトシティ政策推進とその課題 【事前学習】国土交通省のホームページで「立地適正化計画」の考え方を理解しておくこと。 【事後学習】立地適正化計画の推進と市街化調整区域の開発という矛盾がなぜ起きるか考えてみること。 【授業形態】対面授業 |
7 |
今日の中心市街地とその経営戦略(1):再開発による高度利用化 【事前学習】長野県松本市の地勢について調べておくこと。 【事後学習】「小さな東京」をめざす地方都市の政策がなぜ行き詰まったのか、整理しておくこと。 【授業形態】対面授業 |
8 |
今日の中心市街地とその経営戦略(2):中心市街地の「上下分離」と広域集客化 【事前学習】滋賀県長浜市の地勢について調べておくこと。 【事後学習】中心市街地における「所有」と「利用」の分離の利点と課題を整理しておくこと。 【授業形態】対面授業 |
9 |
今日の中心市街地とその経営戦略(3):空き店舗・大型店撤退跡地の再生 【事前学習】香川県高松市、鳥取県米子市の地勢について調べておくこと。 【事後学習】不動産証券化の枠組(スキーム)を理解すること 【授業形態】対面授業 |
10 |
今日の中心市街地とその経営戦略(4):ダウンサイジングの展開 【事前学習】長崎県諫早市の都政について調べておくこと 【事後学習】地方都市中心市街地におけるダウンサイジングの利点と課題を整理しておくこと 【授業形態】対面授業 |
11 |
中心市街地活性化政策の国際比較(1):イギリス① 【事前学習】マンチェスターとバーミンガムの地理的位置や都市の特徴を調べておくこと 【事後学習】1980年代と1990年代とで、英国保守党の都市商業政策がどのように変化したか整理しておくこと。 【授業形態】対面授業 |
12 |
中心市街地活性化政策の国際比較(2):イギリス② 【事前学習】リーズとニューカッスルの地理的位置や都市の特徴を調べておくこと。 【事後学習】1997年以降、保守党から労働党への政権交代が都市商業政策をどう変化させたか整理しておくこと。 【授業形態】対面授業 |
13 |
中心市街地活性化政策の国際比較(3):イタリア① 【事前学習】パレルモ、カターニア(シチリア州)の地理的位置や都市の特徴を調べておくこと。 【事後学習】イタリアの都市計画法の理念と、日本のそれとの相違点を考えてみること。 【授業形態】対面授業 |
14 |
中心市街地活性化政策の国際比較(4):イタリア② 【事前学習】ナポリ(カンパーニャ州)の地理的位置や都市の特徴を調べておくこと。 【事後学習】イタリアで非営利団体がまちづくりに大きな貢献をする背景を考えてみること。 【授業形態】対面授業 |
15 |
総括:街を経営するという視点と地理学とのかかわり 【事前学習】あらためて半年間の講義の流れを振り返っておくこと。 【事後学習】日本の商業政策と都市計画が相互に抱える矛盾を考えてみること。 【授業形態】対面授業 |
その他 | |
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教科書 | 教科書は使用せず、原則として毎回レジュメを配布する。 |
参考書 | 箸本健二・武者忠彦 『空き不動産から考える地方都市再生』 ナカニシヤ出版 2021年 第1版 渡辺達朗 『商業まちづくり政策―日本における展開と政策評価』 有斐閣 2014年 伊東 理 『イギリスの小売商業 政策・開発・都市―地理学からのアプローチ』 関西大学出版部 2011年 その他、授業中に適宜紹介する。 |
成績評価の方法及び基準 | 試験(100%) オンデマンド方式による開講の場合は3回の小テストを実施し、その合計点で評価します。 |
オフィスアワー | 授業終了後、質問のある人は声をかけて下さい。 |