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人間環境論

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令和2年度以降入学者 人間環境論
教員名 井村博宣
単位数    2 学年 3・4 開講区分 文理学部
科目群 地理学科
学期 後期 履修区分 選択
授業形態 対面授業
Canvas LMSコースID・コース名称 M085212W8 2024人間環境論(井村博宣・後・金3)
授業概要 「自然と人間のかかわり」は、人文地理学がもつ古くて新しい、本質的かつ重要な探究課題のひとつである。社会的諸条件の発展が著しい今日では、自然環境だけでなく社会環境を加えて「環境と人間のかかわり」と捉えることが適切である。そこで本講義では、自然環境に社会環境を加えて生態的に分析する人文地理学の研究方法について学んだ後、公刊された学術論文の中から具体的な事例を精選し,農業漁業や観光業の地域展開等の具体的事例を通して、「環境と人間のかかわり」を生態的に捉えて考察する方法を修得する。なお、本講義は、帰納法的立場から産業の立地展開を考察した内容もあわせもっており、学科専門科目「経済地理学」で学んだ演繹法による立地論とは相互補完関係にある。授業では両者を比較しながら、近年地理学界において再評価されている伝統的地理学のもつ長所も教授する。またこれらの授業を通して、高等学校での実務経験を活かし、中学校・高等学校「地理」の教科指導において必要な、地理的なものの見方・考え方についても解説する。
授業のねらい・到達目標 授業で学んだ(講義内容)酪農・アユ養殖業等に関する基本的な用語等を正しく理解し、その立地・展開について自然・社会条件,地域差(差額地代)との関連で捉えて説明できる。帰納法的な伝統的地理学研究の長所・短所や、環境認知が人間行動や産業活動に及ぼす影響について説明できる。これらより環境と人間のかかわりについて、具体的な事例を通して生態的に捉え分析し説明できる。また地理的な見方・考え方について、具体的な事例を通して説明できる。
・経験や学修から得られた豊かな知識と教養を基に,自己の倫理観を倫理的な課題に適用することができる(A-1-3)。
・日本及び世界諸国の自然環境や社会,経済,文化などの現状および相互関係を,地理学的視点に基づいて説明することができる(A-2-3)。
・入手した客観的な情報を基に,論理的・批判的な思考をすることができる(A-3-3)。
・資料や事象を注意深く観察・検討して,問題を発見し,解決策を考案することができる(A-4-3)。
・地理学分野の課題の中から,自らが取り組むべき課題を見出し,その方法について考えることができる(A-5-3)。
この科目は文理学部(学士(地理学))のDP1,2,3,4,5及びCP1,2,3,4,5に対応しています。
授業の形式 講義
授業の方法 主としてパワーポイントを用いた講義形式にて行う。授業は、毎時のテーマに従い担当者の研究成果の中から関係論文を選び、その図表に現地の写真を加えて解説する。なお、授業資料は当日のみ配布する。
履修条件 第1回目の授業時に受講調整を行うので必ず出席すること。
なお本講義は,地理学科専門必修科目であるため,地理学科の学生を優先する。また地理学科の学生だけで上限に達した場合は、人文地理学系の開講学年の専攻者を優先する。
授業計画
1 環境・環境論とは(A-1-3,A-2-3,A-3-3)
【事前学習】シラバスを確認し,授業全体の流れを理解しておくこと。 (1時間)
【事後学習】第2回目以降の授業に備え、授業で説明した内容について整理し理解しておくこと。 (1時間)
【担当教員】井村博宣
【授業形態】対面授業
2 地域差・差額地代と経済的価値(A-1-3,A-2-3,A-3-3)
【事前学習】2年次必修科目の経済地理学で学んだ論理的思考方法の演繹法と帰納法の違いや差額地代について理解し直しておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業で説明した内容を整理し理解しておくこと。地域差を実証する方法と、そのなかで伝統的地理学がもつ帰納法の長所について理解しておくこと。 (2時間)
【担当教員】井村博宣
【授業形態】対面授業
3 チューネンの農業立地論と北海道の酪農(A-1-3,A-2-3,A-3-3)
【事前学習】指示した論文を読み理解しておくこと(理解度の確認あり)。2年次必修科目の経済地理学で学んだチューネンの立地論について理解し直しておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業で説明した内容を、差額地代に留意し理解しておくこと。 (2時間)
【担当教員】井村博宣
【授業形態】対面授業
4 北海道における酪農地域の立地要因(A-1-3,A-2-3,A-3-3)
【事前学習】天塩町の自然環境について調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業で説明した内容を、自然環境と社会環境、地域差に留意し、酪農の立地経緯について理解しておくこと。 (2時間)
【担当教員】井村博宣
【授業形態】対面授業
5 コアユの経済的価値変化(A-1-3,A-2-3,A-3-3,A-4-3)
【事前学習】指示した論文を読み理解しておくこと(理解度の確認あり)。琵琶湖とコアユについて調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業で説明した内容を、社会環境の変化が生じる前の時代と後の時代における経済的価値の変化について整理し理解しておくこと。 (2時間)
【担当教員】井村博宣
【授業形態】課題研究
6 コアユが支える日本の河川漁業(A-1-3,A-2-3,A-3-3,A-4-3)
【事前学習】第5回の授業で学んだ内容を理解し直しておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業で説明した内容を、合理的な一元管理体制とその弊害や経済的価値の変化に留意し理解しておくこと。 (2時間)
【担当教員】井村博宣
【授業形態】対面授業
7 アユ養殖地域の形成(A-2-3)
【事前学習】指示した論文を読み理解しておくこと(理解度の確認あり)。安曇川平野、那賀川平野、和歌山平野の自然環境について調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業で説明した内容を、資本や技術と立地場所等に留意し理解しておくこと。 (2時間)
【担当教員】井村博宣
【授業形態】課題研究
8 過度な経済性の追求が招いた弊害(A-1-3,A-2-3,A-3-3,A-4-3)
【事前学習】第7回の授業で学んだ内容を理解し直しておくこと。オイルショックについて調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業で説明した内容を、盛衰地域分化の経緯に留意し理解しておくこと。 (2時間)
【担当教員】井村博宣
【授業形態】対面授業
9 産地間競争の激化と経営対応(A-1-3,A-2-3,A-3-3,A-4-3)
【事前学習】バブル経済について調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業で説明した内容を、存続の経緯に留意し理解しておくこと。 (2時間)
【担当教員】井村博宣
【授業形態】対面授業
10 本四架橋の経済的効果(A-1-3,A-2-3,A-3-3,A-4-3)
【事前学習】本州四国連絡橋について調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業で説明した内容を、時間短縮効果と費用削減効効果に留意し理解しておくこと。 (2時間)
【担当教員】井村博宣
【授業形態】対面授業
11 政策・グローバル化等の影響(A-1-3,A-2-3,A-3-3,A-4-3)
【事前学習】ウナギの輸入状況について調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業で説明した内容を、立地条件と減反政策や為替相場に留意し理解しておくこと。 (2時間)
【担当教員】井村博宣
【授業形態】対面授業
12 環境認知の集団的差異(A-1-3,A-3-3)
【事前学習】第1回授業で学んだ環境、とくに知覚の環境(頭中の環境)について理解し直しておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業で説明した内容を、環境認知がイメージ形成や人間行動に及ぼす影響に留意し理解しておくこと。 (2時間)
【担当教員】井村博宣
【授業形態】対面授業
13 讃岐うどんブームに伴う観光行動の変化(A-1-3,A-2-3,A-3-3,A-4-3)
【事前学習】香川県の観光について調べておくこと。 (2時間)
【事後学習】授業で説明した内容を、環境認知が具体的な観光行動や地域に及ぼす影響について整理し理解しておくこと。 (2時間)
【担当教員】井村博宣
【授業形態】対面授業
14 理解度の確認と解説(A-1-3,A-2-3,A-3-3,A-4-3,A-5-3)
【事前学習】第1回~第13回の授業の内容について理解し直しておくこと。 (6時間)
【事後学習】解説を参考に理解度の低いところを中心に整理し直して理解を深めておくこと。 (2時間)
【担当教員】井村博宣
【授業形態】対面授業
15 講義内容の復習・解説による理解度の深化(A-1-3,A-2-3,A-3-3,A-4-3,A-5-3)
【事前学習】第1回~第14回の授業の内容について理解し直しておくこと。 (1時間)
【事後学習】到達目標に従い学んだ内容を振り返り、環境と人間のかかわりについて、具体的な事例を通し生態的に捉えて分析して説明できるよう、さらにその理解を深めておくこと。 (1時間)
【担当教員】井村博宣
【授業形態】対面授業
その他
教科書 教科書は使用しない。担当者の論文や著書などから、この講義に相応しい箇所を精選して使用し,必要に応じてプリントを配布する。
参考書 参考書は,その都度紹介する。
成績評価の方法及び基準 レポート(50%)、授業内テスト(50%)
出席日数が2/3に満たない者、レポート未提出者、授業内テスト未受験者は次年度以降の再履修になります。
オフィスアワー 水曜日の昼休みに8号館5階Aー506研究室で行う。
備考 ①資質向上のため手書きのノートを推奨し、板書に相当するものの撮影や録音等は禁止する。
②本講義に関する連絡は、Canvas LMSまたは口頭(授業時)で行う。
③校務等に伴う休講と補講や課題研究のある場合には事前に連絡する。

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