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関数空間論

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令和2年度以降入学者 関数空間論
教員名 中石健太郎
単位数    2 学年 3・4 開講区分 文理学部
科目群 数学科
学期 前期 履修区分 選択
授業形態 対面授業(一部遠隔授業)
授業の形態 対面授業(オンデマンド型動画配信を2/15程度含む。)
Canvas LMSコースID・コース名称 P08623A24 2024関数空間論(中石健太郎・前・金4)
授業概要 現代の解析学は関数解析を使う。
本来の関数解析はルベーグ積分論を修めた後に学ぶべきもので高度に抽象化され汎用性が高い。一方抽象性ゆえに目標が見定めにくく初学者には学びづらいという側面がある。
この講義では、そう言った抽象的な関数解析への足掛かりとして具体的な対象、つまり2階線形微分方程式の境界値問題:シュトゥルム=リウヴィル問題の解法を巡ってフレドホルムを経てヒルベルトがいかにしてヒルベルト空間を導入するに至ったかを解説する。
歴史的な経緯を踏まえた初等ヒルベルト空間論の導入までを目標とする。
授業のねらい・到達目標 <授業のねらい>
よく知っている線形代数の考え方が2階微分方程式の境界値問題の解法という解析学のトピックに一般化されて
関数解析という分野に整備されていく様を辿ることで数学の一つの発展の仕方を感じ取ることができるようになること。

<到達目標>
・線形代数の考え方が一般化されて解析学にいかに応用されて行くかを感じ取ることができるようになること。
・本格的な関数解析を受講者が容易に学べるようになるための基礎が持てるようになること。

<ディプロマポリシーとの関係>
この科目は文理学部(学士(理学))のディプロマポリシー DP3,4,5,8及びカリキュラムポリシー CP3,4,5,8 に対応しています。

<日本大学教育憲章との関係>
・自らが獲得してきた数理科学的知識を基礎とし、その上で既存の知識にとらわれることなく、数理科学的根拠に基づいて論理的に考察することができる(A-3-3)。
・日常生活における現象に潜む数理科学的問題を発見し、専門的知識に基づいて解決案を作成できる(A-4-3)。
・新しい問題に取り組む意識を持ち、そのために必要な情報を収集することができる(A-5-2)。
・自分の学修経験の振り返りを継続的に行うことができる(A-8-1)。
授業の形式 講義
授業の方法 一部の講義は Canvas LMS を通じてオンデマンド教材を配信する。受講生はその教材を視聴し、学修する。
対面参加が困難な学生については、教員の許可を受けて、オンデマンド型教材で学修することができる。
フィードバックは個別にメールで返すか、Canvas LMS 上で全員で共有する。

尚、授業計画は受講生の理解度に応じて変更する可能性がある。
授業計画
1 ガイダンス:2階線形微分方程式の境界値問題から関数解析へ
【事前学習】シラバスの概要を確認しておくこと。線形代数で学んだことを整理しておくこと。 (2時間)
【事後学習】2階線形微分方程式について復習しておくこと。 (2時間)
【授業形態】対面授業
2 線形連立方程式(斉次・非斉次)について学ぶ.
【事前学習】線形代数の連立方程式の解法を復習しておくこと。 (2時間)
【事後学習】非斉次の場合の解法を理解すること。 (2時間)
【授業形態】対面授業
3 固有値・固有方程式について学ぶ.
【事前学習】線形代数の固有値・固有ベクトルを復習しておくこと。 (2時間)
【事後学習】具体例を通じて抽象的な固有値・固有ベクトルに慣れておくこと。 (2時間)
【授業形態】対面授業
4 固有空間について学ぶ.
【事前学習】線形代数の固有空間を復習しておくこと。 (2時間)
【事後学習】空間全体が固有空間の直和に分解されることを理解しておくこと。 (2時間)
【授業形態】対面授業
5 内積と正規直交基底について学ぶ.
【事前学習】線形代数の内積を復習しておくこと。 (2時間)
【事後学習】内積による直交基底の構成を理解しておくこと。 (2時間)
【授業形態】対面授業
6 射影行列(作用素)について学ぶ.
【事前学習】線形代数の内積による直和分解を復習しておくこと。 (2時間)
【事後学習】射影作用素の定義に行列の形は使われていないことを確認しておくこと。 (2時間)
【授業形態】対面授業
7 対称・エルミート行列(作用素)について学ぶ.
【事前学習】線形代数の対称行列を復習しておくこと。 (2時間)
【事後学習】対称作用素の定義に行列の成分は使われていないことを確認しておくこと。 (2時間)
【授業形態】対面授業
8 ユニタリー・直交行列(作用素)について学ぶ.
【事前学習】線形代数の対称行列を復習しておくこと。 (2時間)
【事後学習】ユニタリー作用素の定義に行列の成分は使われていないことを確認しておくこと。 (2時間)
【授業形態】対面授業
9 積分方程式について学ぶ.
【事前学習】微分方程式を解くのに同値な積分方程式号に変換したことを復習しておくこと。 (2時間)
【事後学習】グリーン関数について調べてみること。 (2時間)
【授業形態】対面授業
10 フレドホルム理論について学ぶ.
【事前学習】積分方程式について復習しておくこと。 (2時間)
【事後学習】クラメルの公式との類似性について調べておくこと。 (2時間)
【授業形態】対面授業
11 ヒルベルトの理論について学ぶ.
【事前学習】フレドホルム理論を復習しておくこと。 (2時間)
【事後学習】2次形式の理論との類似性について調べておくこと。 (2時間)
【授業形態】対面授業
12 ヒルベルト空間について学ぶ.
【事前学習】線形代数のベクトル空間の元の基底展開を復習しておくこと。 (2時間)
【事後学習】l^2 空間がヒルベルト空間の公理をみたすことを確認しておくこと。 (2時間)
【授業形態】対面授業
13 ヒルベルト空間の固有値問題について学ぶ.
【事前学習】線形代数の固有値問題を復習しておくこと。 (2時間)
【事後学習】ヒルベルト空間の展開定理を理解すること。 (2時間)
【授業形態】対面授業
14 完全連続な作用素について学ぶ.
【事前学習】フレドホルム理論を復習しておくこと。 (2時間)
【事後学習】完全連続な作用素が有界作用素であることを確認すること。 (2時間)
【授業形態】対面授業
15 一般の関数解析へ:展望
【事前学習】ここまでの講義の全体を復習しておくこと。 (2時間)
【事後学習】関数解析のテキストに取り組んでみること。 (2時間)
【授業形態】オンデマンド型授業
その他
教科書 なし
参考書 関数解析の本でさらに深く学べます。
成績評価の方法及び基準 レポート:講義中に出される問題と別途指定した課題に取り組んで提出(70%)、授業参画度:質問・自己点検シート等で評価(30%)
レポートは議論の正確さと学修内容の理解度を中心に評価する。
複数のテキストをつぎはぎしただけで文章として整合が取れていないケースが散見される。
自分の言葉で書けるところまで理解に努めること。
オフィスアワー Canvas LMS・メールを通じて質問を回収し回答を個別に返すか, あるいはCanvas LMS上に掲示して全員で共有する。

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